[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
・・・といってもリハーサルは4回。そして本番まで1ヶ月を切ってます。
なのでどんなコンサートかさっそくお知らせ。
Zelman Symphony Orchestra 「French Connections」
指揮者:Rick Prakhoff
ガブリエル・フォーレ 「ペレアスとメリザンド」前奏曲
クロード・ドビュッシー 「サラバンド」(ラヴェル編曲)
モーリス・ラヴェル ピアノ協奏曲ト長調(ピアノ:Caroline Almonte)
(休憩)
クロード・ドビュッシー 牧神の午後の前奏曲
イーゴリ・ストラヴィンスキー 「火の鳥」組曲(1945年版)
私が弾くのは火の鳥だけですがなんとフランスてんこ盛りなプログラム(ちなみにストラヴィンスキーはロシア出身ですが活躍の場はフランスでもあったので割とフランスくくりに入ります)。
そして難易度もすごい。特に音の周りと間の諸々の音楽性がものすごく求められる牧神の午後、ピアノソロパートも超難と言われますがオケパートの難しさもすごいラヴェルのピアノ協奏曲、そしてそのラヴェルと似て正確さとディテールがかなり問われる火の鳥。大丈夫かみんな。
初のリハーサル(みんなは数週間やってますが)はまあまあだったかな。ばらばらっとなるとこはもちろん多々あるし自分も若干パニクってテンポ走ったりしましたがこれからまだまだ。
今回ピアノパートですが、1919年版の4管編成から1945年版は2管編成になって余った木管楽器のパートがこっちに来たらしくすっかりピアノ=木管楽器です。木管楽器はこの手のレパートリーではよく目立ってかっこいい上に結構頼りになるので一緒に弾いてて楽しい。
そしてちょっと火の鳥のピアノパートで特殊なのが(これもほぼ木管楽器だからってのもありますが)強弱的にmfより下がほとんどといってないこと。特に魔王カッチェイと手下の踊りとかになるとオケの他のみんなもがんがん音だしてみんなで弾くので音量の心配が皆無で楽しく弾ける。楽だー。
・・・とはいえこのオケではリハーサルはいつもの電子キーボードですが。
新しい指揮者さんはまだ「おっ」と思うようなことはなかったですが振り方も普通に見やすいしリハーサルの運びもなかなか。アマチュアオケはここから少ないリハーサルでどれだけ詰めていけるか、あと多分どこをあきらめるか、みたいなとこもあるんだろうな。
これから曲もリハーサルもどうなってくか楽しみです。
ちなみに。
オケのニュースレターをリハーサルで拾って来たのですが12月のコンサートでもチェレスタパートがある曲がプログラムされてます。呼んでもらえるといいなー。
ついでに去年呼んでもらったもひとつのオケのプログラムをチェックしたら6月に呼んでいただきたい曲&指揮者さん(!)の名前が見えたので(マネージャーも替わったし前回の機会には弾けなかったけど)そちらも呼んでもらえるといいなー。
今はとりあえず火の鳥しながら指クロスです。
今日の一曲: クロード・ドビュッシー 牧神の午後の前奏曲
音楽ってのは書いてある音を弾くだけの世界じゃないんだよー、というのがクラシック音楽で一番よく分かる曲なんじゃないかと思います、この曲は。
逆に白黒のおたまじゃくしがこうもなるのか!みたいな、この魔法はなんなんだ!ということでもあり。音楽を作るって作曲の方も演奏の方もほんとすごい。
この曲で一番有名だと思われるのが最初のフルートソロ。こんな神秘的な冒頭が!と感動してからそれに続く諸々の魔法。フルートはでも元々高音域の楽器でこのソロみたいな音域は低い方なのですが、フルートの低音域は独特のビブラートと息を感じる空洞さがセクシーで好きです。もっと聞きたいこういうソロ。
そしてこの牧神の午後が有名なのはニジンスキーによるバレエ初演のエピソードもありますね(内容はググってくだされ)。ニジンスキーの才能だったり感性はディアギレフにとって想定外のことも多々あったに違いないですけどこの件だったり春の祭典の件だったり、スキャンダルをパブリシティにしてしまう(関係者にとってはある意味酷な)機転があったんだなと。三国志でいうと曹操とかを思い出しますが、つまりは新しいことをどーんと切り開くトップに立つ人物はそういうスキルが物を言うのかな。
そんなことが過去にあったわけですが、今の時代においてもその音楽の美しさで有名な「牧神の午後の前奏曲」は本物ですね。あと「前奏曲」で他の部分がない???にも関わらず世界観がしっかり完結してるのもコンサートシーンで愛される要因だったりしないかな。
リンクしたのはパリ管の演奏。個人的にドビュッシーは「海」がすごい好きなのでそれが入ってる録音にしたかった。試聴にフルートソロが入ってないのが悔やまれる。やっぱりこの曲はそこで選びたい!
そんなこんなのうちに真・三國無双8発売ですってよ!「ってよ」部分はまだsteamで発売してなくて来週までお預けをくらってる現状のあらわれです。
前作とは操作とか結構変わってるみたいなので最初それでかかりっきりになりそうです。でもゲーム含めてブログはちょくちょく更新しようかと思ってます・・・がまた停滞するかも。
そしてそんなこんなのうちに(二度目)オケのお仕事確定です!
Zelman Orchestraのオールフランスではないけどフランス周りのコンサート。
詳細・・・はなんか公式ページに出てないので割愛。ただ私は火の鳥のピアノパートを弾くことになってます。
いつもはメシアンの「火の島」(Île de feu)ですが今度こそストラヴィンスキーの「火の鳥」(L'Oiseau de feu)です。
ストラヴィンスキーは「火の鳥」「ペトルーシュカ」「春の祭典」の三大バレエを生まれた頃からいっぱい聞いてて(両親も聞くだけでなく私が生まれる前から弾いたりもして)、ユースオケでの初コンサートが「火の鳥」(1919年版組曲)でラストが「春の祭典」、その間に「ペトルーシュカ」もチェロでやって、大学のオケで「ペトルーシュカ」こんどはチェレスタでやって(ピアノも狙ってたんだけどな!)。
・・・という付き合いが長く深い作曲家であるのですがピアノでストラヴィンスキーを弾くのは人生初。あと今回弾くことになってる「火の鳥」が前述1919年版の組曲でなく書き直しされた1945年版の組曲ということで若干パニクっております。こっちの組曲もコンサートで聴いたことあるんですけど手持ちの録音も1919年版だし楽章構成が増えててピアノもその分音が多くてショックを受けております。
そもそも火の鳥はバレエ初演が1910年でストラヴィンスキーが28歳、それを35年後に手直しできるってすごいなあと思います。多分需要があるってのもあるんだろうけどストラヴィンスキーは美術でいえばピカソに匹敵するくらい色んなスタイルを経てるので振り返ることができるのは・・・なんだろう、人間として何があると振り返られるんだろう(汗)常人じゃあできなさそうな話です。
二つのバージョンをじっくり聴き比べたわけじゃないですがいつも1945年版を聞くと「ぱりっとしてるなあ」と思います。ロシアからフランス・アメリカに移動したことの反映もあるのかな。
そして奇しくもコンサートがあるちょうどその週あたりに公演があるThe Australian Balletの「Murphy」(オーストラリアの振り付け師Graeme Murphyへのtribute作品)のセンターピースが「火の鳥」で。どっちのバージョンかは分かりませんがこれは観に行った方がよさそうだなーと。タイミングとしてはこんな偶然なかなかない。
(火の鳥を弾く・踊るが両立したらもっと面白いんですがね)
実際にバレエとしての火の鳥はテレビ他映像でちょっとずつ、あと写真でだけしか見たことないのでちょっとこれから映像見つけてみようかなーと思ってます。三大のうちだと公演数も多いと思うしクラシック寄りもモダン寄りもあるはずなので色々見てみたい。
そういえばThe Australian Balletのバレエ・リュス絡みのDVDとかもあったような。バレエに関しては欲しい範囲のリソースが少ないのをひしひし感じてますが手持ち映像ももっと増やしたい。
ということで今日からパート練習始めて色々のたうち回ってますが曲自体は知ってるのでリハーサルでビビらない程度には仕上げていきたいです。何より魔王カッチェイのとこで弾けるのが嬉しい!前のエントリーで書いたとおり指揮者さんがどんなかは分かりませんが曲に関してはものすごく楽しみにしています。
今日の一曲: イーゴリ・ストラヴィンスキー 「火の鳥」(1945年版組曲)より「火の鳥のバリエーション」
私にとってストラヴィンスキーはいつも「完璧な音楽」を書く印象があります。ラヴェルとかラフマニノフもほぼ同等の完璧さと思いますがなんか「完璧」があるとしたら真っ先にストラヴィンスキーを挙げたくなる。
それがかならずしもいつも聞きやすいとかとっつきやすいとかそういう事はないんですが、初期のストラヴィンスキーを代表するこの「火の鳥」はそこまでちょうどいい感じで網羅してて広く愛される性質を感じます。
火の鳥のバレエとしてのあらすじで面白いなと思うのが王子が姫を救って結ばれるラブストーリーながらお姫様はあくまで脇役で主人公は火の鳥と王子(自分が思うにこの順番)というところ。
だから組曲でもお姫様はパ・ドゥ・ドゥがメインでソロのバリエーションは火の鳥のもの。しかもまだ王子に出会う前の完全なる野生の姿です。
ソロが人間じゃないものだと音楽にも如実に表れますね。お姫様とのデュオは美しいメロディーが印象的ですが火の鳥のソロ、そして王子との踊りではまるで魔法の炎みたいな気まぐれで華やかで爆発するような音形が特徴的。
このバリエーションもワルツの3拍子と思いきやヘミオーラを多用したりイレギュラーな感じでリズムを入れてみたり、ハープやピアノのグリッサンド(鍵盤をすべらせる指の甲が痛いんだよ!)がいっぱい出てきたり。
ストラヴィンスキーは鳥モチーフ作品は他に「夜鳴きうぐいす」があって独特の表現ながらちょくちょく鳥の声の表現がかなり正確なのですが、この火の鳥のバリエーション・・・なんかどことなくニワトリ感ありません?ちょっと最初の方なんですが。手塚治虫方面の火の鳥(これも長いこと読んでる)だとちょっとニワトリ近いですけど。
それにしてもいいですねえ、火の鳥にしろ夜鳴きうぐいすにしろ人間じゃない生き物を演じるの。特に鳥の表現はいくらでも見てみたい。白鳥だけじゃないんだぜ。
リンクする録音探したらストラヴィンスキー自身が指揮してるのが出てきました。春の祭典は音質がちょっとあれですが火の鳥はすっごいきれいに音が聞こえる。ピアノを聞け!とまではいいませんがピアノの音が聞こえるにはこれくらい音質が良くないと無理がありますからね。
2回目のトウシューズレッスンはなにかコツを掴んだのかぐっとできるようになって(後でクールダウンしたのもあり)目立った筋肉痛もなく。
ただその土曜日から3日メルボルンには珍しい高湿度で高気温の日が続いてかなり参ってました。暑いのはいいんだけどもうちょっとメルボルン的にまともな暑さで来てくれい。
さて、今年も早々にオケの仕事が入ってきました。といってもまだリハーサルスケジュールも確認メールが来てないので(だいたい想定できるけど一応メール飛ばさにゃ)詳細はまたこんど。仕事が忙しい時期に重なりはするけど弾きたかったので無理しないようにかつ後悔しないようにスケジュール管理したいところ。
お世話になるのはいつものオケなのですが去年まで振ってた指揮者さんが引退して(まだ若いには若いんですけどね、なんか演奏の方メインにするみたいで)新しい指揮者さんなのでちょい心配。
人見知りももちろんあるんですけどね、辺縁楽器を大切にしてくれる指揮者に当たることって(特に顔見知りじゃないと)少ないんで。
11才くらいでチェロを初めてほぼすぐ小学校のオケに入れられてからもう20年以上オケにいるってことになるんですよね。(そろそろなんでも数えるとかなりの年数になるお年頃になってきましたな!)学校に隣の男子校にユースオケに大学にコミュニティオケに色んな人のバトンで弾いてきましたが奏者と同じくらい、またはそれ以上に指揮者も色々で。
自分にとって尊敬できる指揮者とそうでない指揮者はかなりはっきり分かれますが(一緒に仕事できるかどうかはまた別の基準)特にピアノ・チェレスタ弾きがメインになってからはゲストプレーヤーとして大事にしてくれる指揮者さんに応えたい気持ちは強くなったかな。
色々評価指標を仕事でみることもあるのか、自分が指揮者をどういう指標で評価しているのかは常日頃気になります。尊敬してるしてないがそんなにはっきり分かれるんだからなんらかの基準はあるはずだよなあ。指揮のテクニック(振りの見やすさと密接に関連してはいるんだけどイコールではない)だったり奏者への接し方だったりリハーサルの運び方だったりレパートリーの選びセンスだったり。人柄も一応あるのかな。でも人柄必須というわけではなさそう(個人としては)。
前指揮者の能力のバランスはコーエーの三国志シリーズでいうと統率・政治力・魅力の兼ね合いみたいなことを書きましたが多分自分にとって大切なのは統率かな。実際の演奏の出来と演奏体験、リハーサルでの満足感なんかに直結しやすいパラメータですよね。あと私が重視する演奏中のコミュニケーションに限ってはコミュニケーションも統率の内だと思います(演奏外だと政治力)。統率されたいというか「(音楽の限り)どこまでもついてきます!」と思える指揮者さんは一緒にお仕事するにあたって楽なのかも。そういう意味では「魅力」的なカリスマより「統率」的なカリスマの方が肌に合う。
その3つのパラメーターが全部ある程度求められることを考えても、あと実際指揮台で振ること意外にも音楽の解釈だったりリハーサルのプランだったり奏者との演奏内外のコミュニケーションだったりオケの方向性(でいいのかな)だったり、はたまた次世代の教育だったりそういう総合的な諸々を考慮しても指揮者ってのは多方向に色んなスキルが求められて大変なお仕事だと思います。
憧れはするけど自分は到底無理(特にコミュニケーション辺り)。
だから指揮台に立ってる時点ですごいとは思うはずなんですけどなんで自分は(心の中で)指揮者に対して厳しい目を向けるのか。ひどい奏者です。
ということで弾くのは楽しみですが仕事との折り合いをつけることと新しい指揮者さんのバトンで弾くことに関してはまだまだ保留という心持ち。
レパートリーなど基本的なコンサートお知らせはもちろんですがリハーサルに関していい報告ができることを願ってます。あとどんなオケでのお仕事もそうですが話のネタになる出来事もあるといいな。
今日の一曲: ヨハネス・ブラームス 交響曲第3番第3楽章
もちろんこの曲にはピアノ・チェレスタパートがないので今度弾くのとは関係ありません。それもまた後日に。
オケ関係の仕事は弾く以外にもちょこちょこやってて、例えば大学のオケのマネージャーもやったり、あとユースオケでオーディション用のオケ曲のパートのexcerpts(主にチェロ)を選んだりもしたことがあります。色々みんな面白い経験でした。
ユースでもプロとそんなに変わらないexcerptsを選ぶのですが(実際の演奏だけでなくそういうとこもユースオケでの経験は本当に貴重)、どんな楽器にも定番のexcerptsがあります。例えば木管楽器はよくメンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」のスケルツォが出ますし、ホルンだと低音狙いでショスタコ5番が出たり。
チェロはというと何らかのブラームスの交響曲が出ることが多いです。だいたい2番か、あと3番のこの第3楽章の冒頭部分。
もうこのメロディーはチェロが弾いて超がつくほど素晴らしいメロディーの一つだと思います。後でホルンとか他の楽器も弾きますがチェロが一番!(これだいたいのチェロのメロディーで言ってますがバイアスとか気にしない)ホルンの孤高な感じとくらべて感傷的なのがまた良い!
ただオーディションで一人でこれを美しく歌い上げるのはちょっと緊張する。音程きっつく書かれてるメロディーだよなあほんと。
ブラームスの交響曲は第1番で22年かけて大きめの作品に仕上がった印象がありますが(それでもまあ45分くらい?)、第3番は時間的にも規模的にもちょっとこじんまりとしている感じ。第1楽章でしっかり存在感示してからはうまいこと両手で包めるサイズにまとまってる。むしろピアノ五重奏曲の方がでっかく聞こえないかな、そんなことないかな。
でもそんなこじんまりでもしっかり世界観は交響曲で、どどーんと派手なでっかい交響曲に濃さも負けてないしそれでいて先人とも違う独特のポジションにおさまってるいいなあブラームス。
ピアノ弾きになってからオケブラームスにはなかなか縁がないですけど(聴くのはもちろん行くのですが)ブラームスの交響曲でチェロが活躍してるとやっぱり嬉しくなります。きっと世界のどこかでオーディションで弾いてる人も勝手に応援したい。
手持ちのショルティ指揮の録音を探してたらカラヤン指揮でブラームス3番+ドヴォルザーク8番というちょっと変わった組み合わせの録音をみっけ。どこがとは説明できないですがなんか似てる。チェロのメロディーが多分似てる。あとヨーロッパの自然感。
まだまだ仕事も来るみたいで年末はまだまだ来ませんが(というかまだ働きたい&稼ぎたい)昨日は今年のコンサート納めに行ってきました。
諸説ありますが12月15~17日のどれかの日あたりはベートーヴェンの誕生日。ということでこんな趣旨のコンサート。
Beethoven's Birthday @ Fortyfive downstairs
Tristan Lee & Gintaute Gataveckaite
ルートヴィッヒ・ファン・ベートーヴェン
ピアノソナタ第14番 嬰ハ短調「月光」
ピアノソナタ第16番 ト長調
ピアノソナタ第23番 ヘ短調「熱情」
月光と熱情をTristanが、16番をGina(大体みんなGinaって呼んでる)が弾きました。
作曲年代としては1801~1805年の5年間でシリアスも有りコメディもあり、ベートーヴェンのピアノソナタだけでもこんなに楽しめるんだと改めて味わい深いプログラム。
私は自分の弾くベートーヴェンはそんな好きじゃないのですが他の人(特にこの2人)が弾くベートーヴェンは大好きで。特にGinaが弾いた第16番は明るくて軽くてユーモアに満ちた、ちょっとモーツァルトのスタイルのかけらが入ってるみたいなところもある曲で私が弾くには苦手としてる類いのソナタ。ほんとあんなに楽しく、それでいてpreciseに弾けるのがうらやましい。
月光と熱情はTristanの演奏を何度も聞いてるのですが(すでに何回か覚えてない)熱情は今回の演奏が一番好みにあった演奏だったかも。どうしても最終楽章は単純に速いほうが好きなので(汗)でもそれを抜いても最後のプレストの部分のがーんとまっすぐ心の底まで響く感じが素晴らしくて。
後で16番はあんまり弾くの聞かないね、みたいな話をしてたのですが大学ではちらほら弾いてる人がいたものの確かにプロのリサイタルでは遭遇確率低いかも。でも私だったらベートーヴェン弾くならシリアス・悲劇系弾きたくなるし弾く方も聞く方もうっすらそういう傾向があるのかなあ。
あと月光の最初の楽章のあの独特の(瞑想にも似た、と描写してましたね)雰囲気があってそこからの第2楽章ってどう弾くか難しくない?みたいな話もしました。あらゆる意味であの月光の第1楽章は唯一無二なんだなあ。
12月中旬はみんな学校が終わって早々と旅行に行ったりクリスマスの準備で忙しかったりという時期で、コンサート納めとしてはちょこっと遅い時期なのですがこの時期にこのプログラムってのは何か聞いててちょうど良いものがあったり、それに結構お客さんも入って(しかも弾いてる方も知らない人が多く来てくれたらしい)とてもよかったと思います。
クラシック音楽界隈の習慣でいうと日本は第九、オーストラリアはメサイアと派手に年末を迎えるイメージがありますがささやかなソロ・室内楽リサイタルで〆もありですね。
ということでコンサート感想エントリーも今年はこれでラスト。
来年も色々新旧面白い作品&演奏をお届けしたいです。
今日の一曲: ルートヴィッヒ・ファン・ベートーヴェン ピアノソナタ第16番 第1楽章
Ginaが弾いたソナタから。ベートーヴェンのピアノソナタ、第16番てどれ?と聞かれたら返ってる答えはきっと「右手と左手がずれてるやつ」。主題の右手と左手がずれたような和音は一回聴いたら忘れられないはず。(ベートーヴェンのソナタはタイトルありのが目立って有名ですが題がなくても特徴的で魅力的なソナタっていっぱいあるんですよ!)
ベートーヴェンとシューベルトは特にピアノソナタ界ではちょっと似た者同士でありながら対照的な部分もありで何かと比較対象になります。どっちもちょっとびっくりさせるような作風なのですがベートーヴェンが狙って隠れておどかしてくるようなびっくり、シューベルトが天然の奇行によるびっくりという印象。
この楽章もかなり計算して聴衆をびっくりさせたり騙したり間違って拍手させたりする仕掛けに満ちあふれてます。
ベートーヴェンはその聴覚を失った悲劇や失恋の逸話や偏屈な性格を表すようなシリアスな曲がポピュラーですがこういうユーモラスな曲もまたベートーヴェンの一面であることには変わりなく。たまにはベートーヴェンのボケにツッコミ入れるような、そんな形でベートーヴェンを楽しむのもいいんじゃないかな。例えば同じピアノ作品だとバガテル集とかもありますよ。
リンク先の録音はちゃちゃっと試聴してバレンボイムのにしてみました。この録音みたいにピアノソナタ32曲コンプのボックスセット!で一気に揃えて聞くのも楽しいしむしろお得なのですがそれはちょっと多い・重い・大変という方にはピアノソナタ数曲がアルバム1枚に収録されてる録音もたくさんあります。この第16番は同じop.31に収録されてる第17・18番(この2曲は私も弾いてる)と一緒が多いですね。中堅どころで3兄弟全部キャラが違うバランサーなトリオです。
明らかに音楽とポケモンの話を同時にしようとしているのにカテゴリ:音楽だったのは吉か凶か。
とりあえず演奏後の新しいレパートリー弾き&ポケモン・ウルトラムーン始めました。
どちらもまあまあ順調でそれなりに悩むこともあり、何かそこには共通するようなことがあり。
まずは今夏(もう夏扱いです、四捨五入で30度な日が続いてますし)のピアノの練習レパートリーがこちら:
・シューベルト ピアノソナタハ短調 D.958(新)
・グラナドス 「ゴイェスカス」より「嘆き、またはマハと夜うぐいす」(新)(鳥)
・スクリャービン 練習曲 op.8-12(新)
・メシアン 「鳥のカタログ」より「ヨーロッパうぐいす」(新)(鳥)
・ラヴェル 「鏡」より「悲しい鳥」(鳥)
・メシアン 20のまなざしより第10番「喜びの聖霊のまなざし」
まずは6曲中3曲(50%)という鳥曲の多さに自分でもちょっとびっくりしています。2曲はまあありかなと思うのですがちょっと通常運転の域を超えているような。でもポケモンで飛行複合タイプが多くてもそんなに気にはならない(飛行+αはほんと多いですしね)のと似て鳥が多くてもその表現がそれぞれ違うし曲調・方向性も違うからそんなに気にはならない。さすがに全部鳥のプログラムやったら異様かもしれませんが。(やらないとは言っていない)
まっさらに新しいもの弾きたいなーと思ってた結果がグラナドスなんです。一応。
そこそこ聞いてすごい知ってる曲なのですが手持ちの楽譜の作曲家で唯一ちゃんと弾いてなかったので。
ほんとうに一から初めて築き上げたいレパートリーはまだ模索中です。楽譜を入手しなきゃいけないですからね。色々な作曲家の曲を色々弾いてきて今ちょうど外部に新しいリソースを探さなきゃいけない段階に来ているようで。完全なる新鮮!となると現代音楽に向きがちで、そろそろクセナキスに挑戦する時期か、それとももっと早い時代の音楽で盲点を突くべきか。吟味したいと思います。
シューベルトは多分自分には(特にソナタ全体となると)ちょっと難しいですが構成的に「大曲」に挑戦してみたいと思ってたのでまずは始めの一歩。
スクリャービンは今日の一曲で書く予定なのですがちょっと予期せぬ道草というかなんというか。
ラヴェルとメシアンは定期周回の扱いでやってます。「鏡」も構成的に大曲ですし常に自分の物にしておきたい曲なので。
シューベルトは今のところ噛んでかなりタフな感じなのですがスクリャービンだったり喜びの聖霊だったり特に結構chunkyな曲が以前より腕とか手に軽く感じるようになってきた気がします。とはいえ無理は禁物なのですがより楽に弾けるようになるのと成長を感じるのは嬉しいです。
さてピアノはだいたいこれでしばらくいけるかな(+マイナーチェンジで弾きたい曲も若干考えてある)と思うのですがむしろ頭をひねってるのはポケモンの方。
最初のモクローを除いて前世代で使ったポケモンを使わない方針で進めてただいま第2の島の大試練手前。
手持ちはフクスロー(モクローから進化)、アーボック、マーイーカ、メレシー、ユンゲラー、クチート。
一見そこそこ新鮮な面々かも?と思ったらアーボックとかマーイーカなんかは以前もパーティに入れてたのでやっぱり使い慣れた・使いやすいポケモンに頼りがちなんだよなあ。
いかく・へびにらみでデバフできるアーボックだったりデバフをバフに変える特性とか面白いマーイーカはどうしても便利なのです。
それでこの組み合わせでストーリー攻略中の今のレベルだとそんなに多くのタイプに対して抜群は取れないし弱点も若干かぶってるところがあったり、タイプ的に連携がうまくできてない感がひしひし。今の島での炎・水・草ポケモンをパーティに加えるはからいも結局活かせてないしこれからどうなるんだーという印象が強いです。
ピアノと一緒でこっちも視野を広く保って新しい風を入れたいところ。
一応進歩?としてはフェアリータイプ(メレシー、クチート)と岩タイプ(メレシー)が手持ちに入ってることかな。まだまだどっちも本領は発揮されてない感があるのでなるべく手持ちからはずさずじっくり育てたいです。メレシーは本来サポートタイプなんですけどストーリー攻略用パーティで活躍できるかな。
ストーリーは今の所前作と誤差があるなあ、くらいの感じで進んでます。この小さい差がどれくらい後に響いてくるのか、どういう展開になってるのか先が読めない感じが今は楽しいです。
まあ「手持ちが安定しない(汗)」というのも毎回行ってる気がするので今作も最終的にこの6匹でよかったーというチームに落ち着くといいなと思ってます。道のりに色々出会いがあるといいな。ゆくぞアローラ。
今日の一曲: アレクサンドル・スクリャービン 練習曲 op.8-12
誰しも若いときと年を重ねてからと性格だったり好みだったり表現方法だったり変わってきますがスクリャービンの豹変たるやいつ見ても(聞いても)信じがたいレベルです。
何回かここでも書いてますが初期はショパンによく似た繊細なロマンチシズム、そして後期はもうよくわからない悪魔的で神秘的な独特の世界。
私はそんな後期の作品でいくつか「これは自分に合う!」というのがあってそこら辺もっと広げて沼に入っていこうと日頃思っているのですがそんなトレンドに逆らって今回は初期の練習曲を弾く運びとなりました。
一番好きな(中期ですが)練習曲42-5を復習するついでにこれも弾いてみるかーと思って弾いてみたら案外イケて。これは今弾いてみろとのお告げだなととりあえず挑戦することにしました。
この曲はもともと自分では弾けない!と思ってました。この曲に出てくるオクターブ超える和音だったり、とにかく右手が全部オクターブだったり小さい手にはいろいろキツいので。そもそもスクリャービンだって手が小さいんだからこんなの弾けるわけないのに。
でも今回弾いてみたら意外とオクターブもリラックスして弾けたし10度は別にオクターブでもいいかなということになって、これはオクターブ多い曲をなるべく楽に弾く方法を模索してみようかな、という経緯で。ギブアップしても全然良いですしね。
曲調的には(作曲家の年齢関係なく)すごく若い!という音楽ですね。#6つの嬰ニ短調とかショパンの「革命」をもじったような感じとオクターブだったり盛り上がりだったりちょっと厨二的要素もあったりで。でもそれを素直にかっこいい&楽しいで弾きたい気分です、今。
燃えるように&かっこよく&勇ましく弾く演奏もいいですが私はこの曲はスクリャービンの名手ホロヴィッツのアンコールとしての演奏が好きです。op.42-5もこの曲も練習曲なのにアンコールとして弾いたときの崩しというか自由さが枠を超えたスクリャービンらしさがあって心地良い。自分もそんだけ自由に弾けたらなー