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忙しい週突入~
自分がやる諸々に友達がやる諸々にあっちらこっちら行ったり来たり。
しかもほとんどが夕方~夜のお出かけ、肌寒いを通り越して真冬の冷たさ。昼も寒いことが多くなってきたけどもう6月ですからねー。
一昨日は友人のトリオのコンサートだったのでちょっと行って来ました。忙しさと鉄不足なので無理しないように後飲みは無しでしたが。
さっそくプログラムはこんな感じでした。
Plexus「Phantasms」
Stefan Cassomenos(ピアノ)、Monica Curro(バイオリン)、Philip Arkinstall(クラリネット)
Brigid Burke「A Voice is Life」
Andrian Pertout「Voyage a la terre de l'enchantment」
Andrew Ford「Never」
(休憩)
Gernot Wolfgang「Reflections」
グスタフ・マーラー 「亡き子をしのぶ歌」(アルト:Liane Keegan、編曲:Stefan Cassomenos)
いつもの通り委託作曲の作品の初演を中心に先代ともいえるVerdehr Trioの委託作品(4曲目)、そして室内楽レパートリーとしては斬新な新しい編曲のちょっと長めのコンサート。あ、あと1曲目は映像付きでした。でも映像付いてても結構難解だった。
マーラーもこんな小編成で室内楽的な性質のコンサートで弾かれるのは珍しいですが、3曲目の「Never」も実は同作曲家のオペラ「ピーターパン」から派生してたり、一つの音楽やアイディアに色んな演奏の場ができるってのはいいですね。大編成の曲が室内楽のintimateで身近なコンサートで演奏されること、そして本来の場とは違う曲と組み合わされること。色んな変容が面白い21世紀。
そして21世紀で面白いといえば2曲目はミニマルミュージックにあるような手法が使われてたのですが曲全体ではミニマルミュージックとは違って、時代の流れというか時代を経た知識と手法の積み重ねを感じました。これもまた変容で進化。
マーラーは原曲はそこそこのサイズのオケで(マーラーですからね)歌の伴奏してるので3人だけでどう弾くの?どこを削るの?アルトの歌声を支えられるくらい音が残ってる?みたいな懸念はあったのですがなんかすごい納得の編曲でした。しっかり残ってるししっかり成り立ってるし。じっくり聞くとものすごーく削ってるというかちょうど最低限残ってるみたいな感じで。大胆なことしたなー。なんか意味もなくうらやましいです。
好きな曲は「Never」かなー。メリハリと音の響きとあとバスクラのダークな音がかっこよかった。あとファンタジーっぽいというと違うのですがちょうどどんぴしゃな感じの異世界感。オペラの方もちょっと気になるくらいには(共通点はそんなに多くないそうですが)。
そして昨日はオケのリハーサル、そして明日もリハーサル。なぜならコンサートが今週末(日曜日)だから。
そこらの諸々(お知らせ含む)は次回のエントリーで書けるといいなあ。
今日の一曲はお休み。最近休み多いですが。
自分がやる諸々に友達がやる諸々にあっちらこっちら行ったり来たり。
しかもほとんどが夕方~夜のお出かけ、肌寒いを通り越して真冬の冷たさ。昼も寒いことが多くなってきたけどもう6月ですからねー。
一昨日は友人のトリオのコンサートだったのでちょっと行って来ました。忙しさと鉄不足なので無理しないように後飲みは無しでしたが。
さっそくプログラムはこんな感じでした。
Plexus「Phantasms」
Stefan Cassomenos(ピアノ)、Monica Curro(バイオリン)、Philip Arkinstall(クラリネット)
Brigid Burke「A Voice is Life」
Andrian Pertout「Voyage a la terre de l'enchantment」
Andrew Ford「Never」
(休憩)
Gernot Wolfgang「Reflections」
グスタフ・マーラー 「亡き子をしのぶ歌」(アルト:Liane Keegan、編曲:Stefan Cassomenos)
いつもの通り委託作曲の作品の初演を中心に先代ともいえるVerdehr Trioの委託作品(4曲目)、そして室内楽レパートリーとしては斬新な新しい編曲のちょっと長めのコンサート。あ、あと1曲目は映像付きでした。でも映像付いてても結構難解だった。
マーラーもこんな小編成で室内楽的な性質のコンサートで弾かれるのは珍しいですが、3曲目の「Never」も実は同作曲家のオペラ「ピーターパン」から派生してたり、一つの音楽やアイディアに色んな演奏の場ができるってのはいいですね。大編成の曲が室内楽のintimateで身近なコンサートで演奏されること、そして本来の場とは違う曲と組み合わされること。色んな変容が面白い21世紀。
そして21世紀で面白いといえば2曲目はミニマルミュージックにあるような手法が使われてたのですが曲全体ではミニマルミュージックとは違って、時代の流れというか時代を経た知識と手法の積み重ねを感じました。これもまた変容で進化。
マーラーは原曲はそこそこのサイズのオケで(マーラーですからね)歌の伴奏してるので3人だけでどう弾くの?どこを削るの?アルトの歌声を支えられるくらい音が残ってる?みたいな懸念はあったのですがなんかすごい納得の編曲でした。しっかり残ってるししっかり成り立ってるし。じっくり聞くとものすごーく削ってるというかちょうど最低限残ってるみたいな感じで。大胆なことしたなー。なんか意味もなくうらやましいです。
好きな曲は「Never」かなー。メリハリと音の響きとあとバスクラのダークな音がかっこよかった。あとファンタジーっぽいというと違うのですがちょうどどんぴしゃな感じの異世界感。オペラの方もちょっと気になるくらいには(共通点はそんなに多くないそうですが)。
そして昨日はオケのリハーサル、そして明日もリハーサル。なぜならコンサートが今週末(日曜日)だから。
そこらの諸々(お知らせ含む)は次回のエントリーで書けるといいなあ。
今日の一曲はお休み。最近休み多いですが。
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シーズン終わりで安くなってた白葡萄、どうもハズレを引いてしまったようです。
捨てクオリティの粒も多いしそうでなくても微妙な味のものが多く。
でもシーズン中たくさんおいしいブドウ食べたんでシーズンの終わりに悔いはありません。
ちょうどリンゴのシーズンが始まったのでしゃくしゃく齧るぞ~
さて昨日はMelbourne Recital CentreのSalonで私のピアノの先生のリサイタルに行って来ました。
タイトルは「Seven Sonatas」、つまり7つのソナタ。
プログラムはこんな感じでした。
Seven Sonatas
ピアノ:Stephen McIntyre
アレクサンドル・スクリャービン ピアノソナタ第4番
ドメニコ・スカルラッティ ピアノソナタK420, K9, K491, K513
フレデリック・ショパン ピアノソナタ第2番
セルゲイ・プロコフィエフ ピアノソナタ第7番
曲の並び(スカルラッティ以外)を見ると長めのリサイタルかな、と思うのですがなんかすごいあっという間でした。
7つのソナタほぼ全部が「典型的な」ソナタとは何かしら少し違うフレーバーの作品で。先生のリサイタルプログラムって毎回色々面白いなあ。ああいう感性とそれを実行する表現力が欲しいと思っちゃいます。
スカルラッティのソナタは大学時代に必ず弾かなきゃいけなかったような記憶があるのですが、最後のK513はそのイメージを覆すというか、epicなソナタでした(他のスカルラッティのソナタと比較して)。なんたって全660曲あるので出会いも難しいのですがちゃんと知ろうとすればぐっとくる曲も見つかるかも、みたいな気がしてきました。
先生のショパンも相変わらず好きなのですが今回のハイライトはプロコフィエフでしたね。
このソナタ7番は大学でよくみんな弾いててどっかんどっかんパワータイプな演奏がよく聴かれて、先生がこの曲を弾くのは珍しいなと思ってたのですがやっぱり先生の演奏は年の功というかひと味違いました。色々慎重なんですが慎重で内向的な分なんか奥の方の内臓に重くブローがくるタイプの演奏。それでなんかそんなに難しい曲に聞こえないのもすごい(本当はものすごく!難しいソナタなのですよ!)。
先生の演奏を聴いてたくさん学ぶこともあったけど同時に自分のピアノの諸々でなんか最近低迷というか迷走というか「迷」なのがさらにぐるぐるし始めた気もします。一人で悩むしかないところも一部ありながらやっぱり先生に聴いてもらった方がいいかなーと思い始めたり。
あと昨日はちょっとコンサート後で後からしんどいくらいワイン飲んでしまったのでそこんとこ反省。結構リカバリ力はあるんだけど肝臓を過信しちゃいけませんな。
今日の一曲: セルゲイ・プロコフィエフ ピアノソナタ第7番 第3楽章
20世紀になってから(特に複数楽章構成の曲の最終楽章として)Moto Perpetuo=常動曲の出番がぐっと増えた気がします。Moto Perpetuo自体は例えばパガニーニの作品とかでその前もあったのですが、増えたのはその止まらず一定の速いスピードで動き続けるのが産業革命らへんの機械のイメージもあるのかな。
このピアノソナタ7番第3楽章もそんな常動曲の一つ。しかも7拍子というトリッキーなリズムでなんとなくブギ的なファンキーなテイストの7拍子。
一定のリズムが続きはするのですがイレギュラーなエレメントもあり、どこか踊りのエレメントがあるように思われます。
この楽章を外向きな感じに弾くと(そのブギ的な感じと変ロ長調という調も手伝って)陽気な曲になっちゃうのですが今回先生が弾いたみたいな内向きな演奏だと決して陽気とはいえない、なんか別の爆発の仕方があります。
この曲が書かれたころプロコフィエフはスターリン支配下のソヴィエトにいて、ショスタコがそうであったように小規模の器楽曲に自分の思いを込めていたと思われる節があり。
そういう背景を考えるとこの曲を踊りと関連付けるのは「言葉にできない・ならない表現」として色々面白いなーと思うのです。
今回のリサイタルでショパンとスクリャービンは「自分の手で弾いてみたらもっと分かるのかも」と思いましたがこの曲に関しては「踊り・体の動きとして考えたらわかるのかも」。
踊るは踊るでまた弾くのと同じくらい難しそうですが。
プロコフィエフと同時代&ソヴィエトつながりでリヒテルの録音を選びましたが、リヒテルの録音は6,7,9番がセットなのが多いですね。プロコフィエフのピアノソナタは6,7,8が「戦争ソナタ」(第2次世界大戦時代に書かれたので)とまとめて称されるのでちょっとびっくりしたけど録音の長さとかもあるのかな。
ちなみにリヒテルの弾き方は外向きな感じですがかなり重い爆発力があって楽しくもがっつり聴けます。
捨てクオリティの粒も多いしそうでなくても微妙な味のものが多く。
でもシーズン中たくさんおいしいブドウ食べたんでシーズンの終わりに悔いはありません。
ちょうどリンゴのシーズンが始まったのでしゃくしゃく齧るぞ~
さて昨日はMelbourne Recital CentreのSalonで私のピアノの先生のリサイタルに行って来ました。
タイトルは「Seven Sonatas」、つまり7つのソナタ。
プログラムはこんな感じでした。
Seven Sonatas
ピアノ:Stephen McIntyre
アレクサンドル・スクリャービン ピアノソナタ第4番
ドメニコ・スカルラッティ ピアノソナタK420, K9, K491, K513
フレデリック・ショパン ピアノソナタ第2番
セルゲイ・プロコフィエフ ピアノソナタ第7番
曲の並び(スカルラッティ以外)を見ると長めのリサイタルかな、と思うのですがなんかすごいあっという間でした。
7つのソナタほぼ全部が「典型的な」ソナタとは何かしら少し違うフレーバーの作品で。先生のリサイタルプログラムって毎回色々面白いなあ。ああいう感性とそれを実行する表現力が欲しいと思っちゃいます。
スカルラッティのソナタは大学時代に必ず弾かなきゃいけなかったような記憶があるのですが、最後のK513はそのイメージを覆すというか、epicなソナタでした(他のスカルラッティのソナタと比較して)。なんたって全660曲あるので出会いも難しいのですがちゃんと知ろうとすればぐっとくる曲も見つかるかも、みたいな気がしてきました。
先生のショパンも相変わらず好きなのですが今回のハイライトはプロコフィエフでしたね。
このソナタ7番は大学でよくみんな弾いててどっかんどっかんパワータイプな演奏がよく聴かれて、先生がこの曲を弾くのは珍しいなと思ってたのですがやっぱり先生の演奏は年の功というかひと味違いました。色々慎重なんですが慎重で内向的な分なんか奥の方の内臓に重くブローがくるタイプの演奏。それでなんかそんなに難しい曲に聞こえないのもすごい(本当はものすごく!難しいソナタなのですよ!)。
先生の演奏を聴いてたくさん学ぶこともあったけど同時に自分のピアノの諸々でなんか最近低迷というか迷走というか「迷」なのがさらにぐるぐるし始めた気もします。一人で悩むしかないところも一部ありながらやっぱり先生に聴いてもらった方がいいかなーと思い始めたり。
あと昨日はちょっとコンサート後で後からしんどいくらいワイン飲んでしまったのでそこんとこ反省。結構リカバリ力はあるんだけど肝臓を過信しちゃいけませんな。
今日の一曲: セルゲイ・プロコフィエフ ピアノソナタ第7番 第3楽章
20世紀になってから(特に複数楽章構成の曲の最終楽章として)Moto Perpetuo=常動曲の出番がぐっと増えた気がします。Moto Perpetuo自体は例えばパガニーニの作品とかでその前もあったのですが、増えたのはその止まらず一定の速いスピードで動き続けるのが産業革命らへんの機械のイメージもあるのかな。
このピアノソナタ7番第3楽章もそんな常動曲の一つ。しかも7拍子というトリッキーなリズムでなんとなくブギ的なファンキーなテイストの7拍子。
一定のリズムが続きはするのですがイレギュラーなエレメントもあり、どこか踊りのエレメントがあるように思われます。
この楽章を外向きな感じに弾くと(そのブギ的な感じと変ロ長調という調も手伝って)陽気な曲になっちゃうのですが今回先生が弾いたみたいな内向きな演奏だと決して陽気とはいえない、なんか別の爆発の仕方があります。
この曲が書かれたころプロコフィエフはスターリン支配下のソヴィエトにいて、ショスタコがそうであったように小規模の器楽曲に自分の思いを込めていたと思われる節があり。
そういう背景を考えるとこの曲を踊りと関連付けるのは「言葉にできない・ならない表現」として色々面白いなーと思うのです。
今回のリサイタルでショパンとスクリャービンは「自分の手で弾いてみたらもっと分かるのかも」と思いましたがこの曲に関しては「踊り・体の動きとして考えたらわかるのかも」。
踊るは踊るでまた弾くのと同じくらい難しそうですが。
プロコフィエフと同時代&ソヴィエトつながりでリヒテルの録音を選びましたが、リヒテルの録音は6,7,9番がセットなのが多いですね。プロコフィエフのピアノソナタは6,7,8が「戦争ソナタ」(第2次世界大戦時代に書かれたので)とまとめて称されるのでちょっとびっくりしたけど録音の長さとかもあるのかな。
ちなみにリヒテルの弾き方は外向きな感じですがかなり重い爆発力があって楽しくもがっつり聴けます。
オケの仕事が入ってきましたよ!
6月に一つ、そしてどうしても弾きたいと思ってた9月のショスタコも確定です。
詳細はまたリハーサルが始まったりなんだりしたときに。9月のコンサートはなんとHamer Hallでなのでリアルでも、というかこっちでもがんがん宣伝しないと。
さて毎年恒例、豪ABC Classic FMのカウントダウンの季節になったようです。
その前に世界の裏側、イギリスのClassic FMのカウントダウンについて少し。
向こうでのカウントダウンはちょっと前にやってたのですが、2017年の結果はこんな感じでした。
1位~5位の揚げひばり、ラフマニノフピアノ協奏曲第2番、ヴォーン=ウィリアムズのタリス幻想曲、エニグマ変奏曲、そしてベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」が前回から順位が変わってないとか、ベートーヴェンとかモーツァルトを押さえて上位にヴォーン=ウィリアムズ他イギリスの作曲家ががんがんランクインしてくるのとか、色々ありますがとにかく何より揚げひばり強すぎ!私はタリス幻想曲とか他にもヴォーン=ウィリアムズでもっと好きな曲があるのですがとにかく毎年ひばりが当たり前のように揚がるのがすごい。勝てる気がしない。
(でも300位まであるんだから同じイギリスで現在超活躍中のアデスも一曲ぐらい入ってほしかったー)
さて南半球に戻ってきてABC Classic FMのカウントダウン。
今年は「Love~Music of Passion and Heartbreak~」がテーマ。明日の真夜中まで曲のノミネート(何曲でもいいみたい)を受け付けていて、その中から選ばれた曲のリストから5月12日から21日まで投票、そして6月10日と11日にカウントダウン放送です(この週末はうちの州は連休なので12日の月曜日にハイライトの放送もあるらしい)。
採用されるかわかりませんがとりあえず5曲ほど貢献してきました。
まずは多くのメシアンファンにとって「愛」の究極といえばこれ!と思われ・・・てるかどうかわかりませんが「トゥーランガリラ交響曲」。同じメシアンの愛の音楽で「ハラウィ」とか誰か入れてくれ!という思いも込めて。
個人的に一番好きなロマンステーマの作品としてラヴェルの「マ・メール・ロワ」。第4楽章が美女と野獣、そして第5楽章が目覚める姫であんまりロマンス的な要素は注目されにくいものの外しちゃいけない曲だと思います。
あとは恋愛に限らない「愛」代表としてWestlakeの「Compassion」(入るといいな)、passionもheartbreakもぴったりなグラナドスの「Goyescas」、そしてheartbreak部分がかなり多めのシューベルトの「冬の旅」。
まだ投票が始まるのは先ですがどうやって投票しようかということも結構考えたりしてます。好きな曲に純粋に愛の一票を入れるはもちろんですが、100位ちょい下にあるような曲の応援だったり、上の中・下くらいにあるであろう曲のブーストだったり、できればそこらへんもちょちょっと。逆にどの曲が自分の応援は要らないだろうとか(イゾルデさんは他に任せようと思ってます)。
あと単純に曲調がロマンチックな曲よりも曲の元の内容がテーマに合う曲が上位に押し上がって欲しいとは思ってます。はたしてそうなるかは難しいかと思いますが。
ということでまた投票が始まったら&カウントダウン後にまた状況などこちらで書きたいと思います。今は自分が入れた5曲がメインのリストに入ってくれることを願うだけ。
そしてカウントダウンではないですがまたイギリスに戻って、夏の毎日毎日音楽の祭典、BBC Promsのプログラムが発表されたようです。
こないだざっとみたらヴォーン=ウィリアムス9番と惑星というイギリス変則プログラム、チェコあたりの反骨愛国精神100%!みたいなプログラムもありましたし、マーラー未完成+シューベルト未完成、ショスタコ11番とブリテンのRussian Funeral(どっちも同じメロディーを使ってる)の組み合わせなんかもあったり、すでに工夫が楽しすぎる。
あと合唱入り・歌付きの大規模曲を(ミュージカル)どっかんどっかんやってるのもすごい。こっちでそんなに大盤振る舞いの音楽フェスティバルがあったらいいのになー。
去年も一昨年もPromsでは新しく曲に出会ってすごい好きになってる(ただし録音がない曲もある)ので今年もまたいい音楽の出会いに恵まれるといいな。期間限定の後から視聴、なるべく多く聞きたいです。
今日の一曲: エンリケ・グラナドス 組曲「ゴイェスカス」から「エピローグ」
ゴイェスカス、弾きたいなーと思いながら弾いてみると案外音楽的に合わなくて・・・みたいなことがあって、でもイマイチ諦めきれずにいるピアノ弾きがここにいます。今冬もちょっとトライしてみるかなー。
クラシック音楽でもやっぱりスペインは情熱の国で。ただスペインの音楽物語というとカルメンを筆頭にスペインでなく他の国(主にフランス)の作曲家により書かれた曲が多く、なのでネイティブなスペインの愛と情熱がカウントダウンのリストにものるといいなーと思って今回ノミネートしました。
ネタバレという自覚はありますがゴイェスカスは悲劇の愛の物語。男女の間に燃え上がる愛、そして運命に引き裂かれる愛。組曲には6曲入ってるのですが主人公の2人が一緒にいる楽章でもあらゆるところに愛の儚さというかいずれ失われる予兆みたいな感覚がずっと漂っているのが特徴的であり、多分そこが自分がこの組曲に惹かれる一番の要因かな。
その中でも最終楽章である「エピローグ」は男性主人公が決闘で死んだあと一人で踊る女性主人公の元に彼の霊が現れて共に踊り、朝が訪れると消えてしまうという場面。あたかも消えていたような情熱が途中で踊りがデュエットになってふわーっと盛り上がるのも好きですし最後にギターの開放弦の音を残して消えてしまうのも好きですし。むしろ踊りたいけどやっぱり弾きたい。
これとは別にグラナドスのオペラで「ゴイェスカス」もあるみたいだしググると出てくる動画のバレエもそっちの音楽を使ってるのかな?ピアノ版でバレエやったら面白そうなんだけど見つかってないだけか。
とりあえず私と同じくらい手が小さいらしいアリシア・デ・ラローチャの録音をリンク。とりあえず手が小さいからという言い訳はできなさそうです。
6月に一つ、そしてどうしても弾きたいと思ってた9月のショスタコも確定です。
詳細はまたリハーサルが始まったりなんだりしたときに。9月のコンサートはなんとHamer Hallでなのでリアルでも、というかこっちでもがんがん宣伝しないと。
さて毎年恒例、豪ABC Classic FMのカウントダウンの季節になったようです。
その前に世界の裏側、イギリスのClassic FMのカウントダウンについて少し。
向こうでのカウントダウンはちょっと前にやってたのですが、2017年の結果はこんな感じでした。
1位~5位の揚げひばり、ラフマニノフピアノ協奏曲第2番、ヴォーン=ウィリアムズのタリス幻想曲、エニグマ変奏曲、そしてベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」が前回から順位が変わってないとか、ベートーヴェンとかモーツァルトを押さえて上位にヴォーン=ウィリアムズ他イギリスの作曲家ががんがんランクインしてくるのとか、色々ありますがとにかく何より揚げひばり強すぎ!私はタリス幻想曲とか他にもヴォーン=ウィリアムズでもっと好きな曲があるのですがとにかく毎年ひばりが当たり前のように揚がるのがすごい。勝てる気がしない。
(でも300位まであるんだから同じイギリスで現在超活躍中のアデスも一曲ぐらい入ってほしかったー)
さて南半球に戻ってきてABC Classic FMのカウントダウン。
今年は「Love~Music of Passion and Heartbreak~」がテーマ。明日の真夜中まで曲のノミネート(何曲でもいいみたい)を受け付けていて、その中から選ばれた曲のリストから5月12日から21日まで投票、そして6月10日と11日にカウントダウン放送です(この週末はうちの州は連休なので12日の月曜日にハイライトの放送もあるらしい)。
採用されるかわかりませんがとりあえず5曲ほど貢献してきました。
まずは多くのメシアンファンにとって「愛」の究極といえばこれ!と思われ・・・てるかどうかわかりませんが「トゥーランガリラ交響曲」。同じメシアンの愛の音楽で「ハラウィ」とか誰か入れてくれ!という思いも込めて。
個人的に一番好きなロマンステーマの作品としてラヴェルの「マ・メール・ロワ」。第4楽章が美女と野獣、そして第5楽章が目覚める姫であんまりロマンス的な要素は注目されにくいものの外しちゃいけない曲だと思います。
あとは恋愛に限らない「愛」代表としてWestlakeの「Compassion」(入るといいな)、passionもheartbreakもぴったりなグラナドスの「Goyescas」、そしてheartbreak部分がかなり多めのシューベルトの「冬の旅」。
まだ投票が始まるのは先ですがどうやって投票しようかということも結構考えたりしてます。好きな曲に純粋に愛の一票を入れるはもちろんですが、100位ちょい下にあるような曲の応援だったり、上の中・下くらいにあるであろう曲のブーストだったり、できればそこらへんもちょちょっと。逆にどの曲が自分の応援は要らないだろうとか(イゾルデさんは他に任せようと思ってます)。
あと単純に曲調がロマンチックな曲よりも曲の元の内容がテーマに合う曲が上位に押し上がって欲しいとは思ってます。はたしてそうなるかは難しいかと思いますが。
ということでまた投票が始まったら&カウントダウン後にまた状況などこちらで書きたいと思います。今は自分が入れた5曲がメインのリストに入ってくれることを願うだけ。
そしてカウントダウンではないですがまたイギリスに戻って、夏の毎日毎日音楽の祭典、BBC Promsのプログラムが発表されたようです。
こないだざっとみたらヴォーン=ウィリアムス9番と惑星というイギリス変則プログラム、チェコあたりの反骨愛国精神100%!みたいなプログラムもありましたし、マーラー未完成+シューベルト未完成、ショスタコ11番とブリテンのRussian Funeral(どっちも同じメロディーを使ってる)の組み合わせなんかもあったり、すでに工夫が楽しすぎる。
あと合唱入り・歌付きの大規模曲を(ミュージカル)どっかんどっかんやってるのもすごい。こっちでそんなに大盤振る舞いの音楽フェスティバルがあったらいいのになー。
去年も一昨年もPromsでは新しく曲に出会ってすごい好きになってる(ただし録音がない曲もある)ので今年もまたいい音楽の出会いに恵まれるといいな。期間限定の後から視聴、なるべく多く聞きたいです。
今日の一曲: エンリケ・グラナドス 組曲「ゴイェスカス」から「エピローグ」
ゴイェスカス、弾きたいなーと思いながら弾いてみると案外音楽的に合わなくて・・・みたいなことがあって、でもイマイチ諦めきれずにいるピアノ弾きがここにいます。今冬もちょっとトライしてみるかなー。
クラシック音楽でもやっぱりスペインは情熱の国で。ただスペインの音楽物語というとカルメンを筆頭にスペインでなく他の国(主にフランス)の作曲家により書かれた曲が多く、なのでネイティブなスペインの愛と情熱がカウントダウンのリストにものるといいなーと思って今回ノミネートしました。
ネタバレという自覚はありますがゴイェスカスは悲劇の愛の物語。男女の間に燃え上がる愛、そして運命に引き裂かれる愛。組曲には6曲入ってるのですが主人公の2人が一緒にいる楽章でもあらゆるところに愛の儚さというかいずれ失われる予兆みたいな感覚がずっと漂っているのが特徴的であり、多分そこが自分がこの組曲に惹かれる一番の要因かな。
その中でも最終楽章である「エピローグ」は男性主人公が決闘で死んだあと一人で踊る女性主人公の元に彼の霊が現れて共に踊り、朝が訪れると消えてしまうという場面。あたかも消えていたような情熱が途中で踊りがデュエットになってふわーっと盛り上がるのも好きですし最後にギターの開放弦の音を残して消えてしまうのも好きですし。むしろ踊りたいけどやっぱり弾きたい。
これとは別にグラナドスのオペラで「ゴイェスカス」もあるみたいだしググると出てくる動画のバレエもそっちの音楽を使ってるのかな?ピアノ版でバレエやったら面白そうなんだけど見つかってないだけか。
とりあえず私と同じくらい手が小さいらしいアリシア・デ・ラローチャの録音をリンク。とりあえず手が小さいからという言い訳はできなさそうです。
さーて昨日の続きです。昨日これ周りで一通りテンションが上がって落ち着きましたがそれでもやります。
マーラー6番とハンマーの話。
マーラー6番とは19世紀後半~20世紀初頭に活躍したオーストリアの作曲家、グスタフ・マーラーの交響曲第6番のこと。マーラーの交響曲は9つ(とあと10番途中までとか交響曲っぽい歌曲とか)あって、どれもベートーヴェンあたりと比べると長め(1時間弱~1時間半強とか)でオケ編成がでっかい、音楽的な世界観がとにかくものすごい名曲揃い。
その中でもマーラー6番は暗くて激しいのが特徴的で、何かと最後は明るい光の中終わることが多いマーラーの交響曲の中でも異色のバッドエンド。そんな最終楽章の第4楽章で活躍することでちょっと有名なのが木でできたハンマーです。
ハンマーは第4楽章で2回打ち鳴らされるようになってて、3回から減った(本当はもっと多かった?)などのエピソードもあり「運命のハンマー」などと象徴付けられる事も多いです。
実際使ってるハンマーは打楽器扱いでワーグナーの指輪サイクルとかでも登場するらしいのですが、マーラー自身は「これじゃなくちゃだめ!」見たいなことは言ってなくて一言二言こんな音が欲しいぞ的なことを残してるのみなので録音・演奏によって使ってるハンマーは色々みたい。
ようつべで調べてみると(というかこんなハンマー総集プレイリスト作ってる人までいる)打ち出の小槌みたいな形なのもあれば柄が長くて全身で持ち上げて振り下ろすのもあり、はたまたギロチン式だったりそれカナヅチだろとしか言いようのないものもあり。
そのハンマーをどこに振り下ろすかというと大体なんらかの木の箱・台みたいなものみたいですね。音が響くよう(で○じろう先生の空気砲みたいに)穴が開いてたり、クッションが敷いてあったり、粉がはたいてあったり。音はもちろんハンマー×台の組み合わせによるのですが「どんっ」と鈍い重い音がしたり、それに「かちっ」という木と木がぶつかる音がしたり。少なくとも1回はオケがでかい音出してるタイミングですが、それでも結構聞こえます。
打楽器はオケの一番後ろに普段いますが、ハンマーはその中でも左端に陣取ってることがほとんどですね。生で聴く機会があるときはバルコニーから見えるはず。マーラー6番は打楽器が多くて(というかマーラー全般か)、ステージ裏にカウベルがあったりなんだりで打楽器奏者が動き回ることがかなり多いのですが、ハンマーの出番の前には担当の人(カウベルとかトライアングルとか兼任してるかな)余裕をもってその場に立つことが多いですし、柄が長いハンマーの場合持ち上げた状態でしばらく居たりするので分かりやすいかも。
やっぱり男性が担当することが多いか、と思ったらちょこちょこ女性がハンマー(しかもでかい重いタイプ)を担当してる動画もありました。さすがは重いもの運びが日常の力持ちな打楽器軍団。かっこいい。実際のハンマーの使い方は種類・形によるそうですが昨日見たコンサートなど長い柄のハンマーだと持ち上げて待機→振り下ろす前につま先立ちになる→主に重力で落とすみたいなアクションに見えました。もっと短いハンマーだともっと振り下ろす感が強い。
出番は2回だしそんなにリハーサルで何回もやる箇所じゃないですが腰と背中に優しい動作でないと危ないですしそこんとこはどうなんだろう。
打楽器だと大体楽器の扱い方とかちょっとしたコツとかは先生から生徒に直接受け継がれてることが多いのでこれも例外じゃなさそう。
さきほどの動画プレイリストだったり、「女性がハンマー」の動画でトップコメントがハンマー打撃のタイミングだったり、結構このマーラー6番のハンマー2回ってのはこの曲を知る人にとってツボなことも多く。曲の盛り上がってちょうどいいところで打ちのめすような打撃が来てすっごいいいエフェクトというのもありますし、「運命の」と言われるようないわくつきなエピソードもありますし、その奏者のでっかいジェスチャーとある意味楽器としては異質な音の効果だったり、単純に画になったり、全部ひっくるめて「すげぇ・・・」となります。
ハンマーがこの交響曲の魅力の全てではないですが、やっぱり音楽の世界観の中で重要な鍵だと思いますし、あと生でこの曲を聴くときに視覚的な楽しみとしてすごいオススメです。(他の時はだいたいホルン見てるのがオススメ)
なんだか勢いにまかせてハンマー萌えを語っちゃいましたがこういうピンポイントな曲の魅力、また勢いが出てきちゃったらいつかやりたいと思ってます。他にはなにかなあ、ブラームスレクイエムのトロンボーン萌えとかそういうの?改めてネタ探ししないと。
今日の一曲: グスタフ・マーラー 交響曲第6番 第4楽章
昨日のコンサートは14時半開演で終わるときにちょうど4時の鐘がなった=演奏時間90分くらいでした。同じマーラーでは3番だと最初の楽章が長いのですが6番で長いのは最終楽章。手持ちの録音だと30分前後ってとこかな。
でも昨日聴いたときは交響曲全体がほんとあっという間に過ぎてしまって。こんなに暗くて長くて重い(全部褒め言葉)曲がそんなに短く感じる演奏って色々なかなかですよ(語彙は失われた)。
特に日本では伝統音楽・ポップ通じてメロディーがものすごく重要なので日本人の耳って特にメロディーを聴くことになれてるのかなーとたまに思うのですが、この曲(特に最終楽章)ではメインのメロディー以外のところに萌えポイントが多々ある気がします。そもそもメロディーが続いてる感覚がそんなに濃くないですが。
たとえば(交響曲を通じて出てくる)長調→短調和音のモチーフだったり、なんかホルンがトリルしてたりかっこいいリズムを弾いてたり、モチーフをオケの色んな楽器間でリレーしてたり、耳さえなれれば色んなことが聞こえてきて、その地味に見える色んなことがいちいち、というか全てかっこよく聞こえてくる。ほんとマーラーはどこまでもディテールに妥協しない作曲家なんです。
そしてこの最終楽章のもう何度も何度もこれでもかというそのまた後も打ちのめされる感覚。ほんとマーラーって容赦ないし、世界の諸々が容赦ないことをよーく知ってるなーと。そしてそれでも毎回立ち上がる信じられない強さ。5番みたいな眩しい光を見ることはないかもしれないけど別の力を感じます。
さっきの「女性がハンマー」の動画を昨日見てたら「あーやっぱりハイティンクのマーラーいいなー」と思ったのでリンク先録音はハイティンクにしました。うちは5番はハイティンク持ってるのですが6番はアバドとテンシュテットのみ。ハイティンクのマーラーはすっきりさがあって間違いないと思うのです。もっと重いのがよければテンシュテット。逆におすすめしないのはアシュケナージ(テンポが全体的に速くて重さが足りない印象。N響アワーの放送時間にフィットしてる時点でちと疑問が)。あとどこかの動画で見たマゼールの指揮のは2回目のハンマーの前に『死ぬほど』溜めてて他の箇所がどうなってるか怖い物見たさ(聴きたさ)で一度見てみたい。
マーラー6番とハンマーの話。
マーラー6番とは19世紀後半~20世紀初頭に活躍したオーストリアの作曲家、グスタフ・マーラーの交響曲第6番のこと。マーラーの交響曲は9つ(とあと10番途中までとか交響曲っぽい歌曲とか)あって、どれもベートーヴェンあたりと比べると長め(1時間弱~1時間半強とか)でオケ編成がでっかい、音楽的な世界観がとにかくものすごい名曲揃い。
その中でもマーラー6番は暗くて激しいのが特徴的で、何かと最後は明るい光の中終わることが多いマーラーの交響曲の中でも異色のバッドエンド。そんな最終楽章の第4楽章で活躍することでちょっと有名なのが木でできたハンマーです。
ハンマーは第4楽章で2回打ち鳴らされるようになってて、3回から減った(本当はもっと多かった?)などのエピソードもあり「運命のハンマー」などと象徴付けられる事も多いです。
実際使ってるハンマーは打楽器扱いでワーグナーの指輪サイクルとかでも登場するらしいのですが、マーラー自身は「これじゃなくちゃだめ!」見たいなことは言ってなくて一言二言こんな音が欲しいぞ的なことを残してるのみなので録音・演奏によって使ってるハンマーは色々みたい。
ようつべで調べてみると(というかこんなハンマー総集プレイリスト作ってる人までいる)打ち出の小槌みたいな形なのもあれば柄が長くて全身で持ち上げて振り下ろすのもあり、はたまたギロチン式だったりそれカナヅチだろとしか言いようのないものもあり。
そのハンマーをどこに振り下ろすかというと大体なんらかの木の箱・台みたいなものみたいですね。音が響くよう(で○じろう先生の空気砲みたいに)穴が開いてたり、クッションが敷いてあったり、粉がはたいてあったり。音はもちろんハンマー×台の組み合わせによるのですが「どんっ」と鈍い重い音がしたり、それに「かちっ」という木と木がぶつかる音がしたり。少なくとも1回はオケがでかい音出してるタイミングですが、それでも結構聞こえます。
打楽器はオケの一番後ろに普段いますが、ハンマーはその中でも左端に陣取ってることがほとんどですね。生で聴く機会があるときはバルコニーから見えるはず。マーラー6番は打楽器が多くて(というかマーラー全般か)、ステージ裏にカウベルがあったりなんだりで打楽器奏者が動き回ることがかなり多いのですが、ハンマーの出番の前には担当の人(カウベルとかトライアングルとか兼任してるかな)余裕をもってその場に立つことが多いですし、柄が長いハンマーの場合持ち上げた状態でしばらく居たりするので分かりやすいかも。
やっぱり男性が担当することが多いか、と思ったらちょこちょこ女性がハンマー(しかもでかい重いタイプ)を担当してる動画もありました。さすがは重いもの運びが日常の力持ちな打楽器軍団。かっこいい。実際のハンマーの使い方は種類・形によるそうですが昨日見たコンサートなど長い柄のハンマーだと持ち上げて待機→振り下ろす前につま先立ちになる→主に重力で落とすみたいなアクションに見えました。もっと短いハンマーだともっと振り下ろす感が強い。
出番は2回だしそんなにリハーサルで何回もやる箇所じゃないですが腰と背中に優しい動作でないと危ないですしそこんとこはどうなんだろう。
打楽器だと大体楽器の扱い方とかちょっとしたコツとかは先生から生徒に直接受け継がれてることが多いのでこれも例外じゃなさそう。
さきほどの動画プレイリストだったり、「女性がハンマー」の動画でトップコメントがハンマー打撃のタイミングだったり、結構このマーラー6番のハンマー2回ってのはこの曲を知る人にとってツボなことも多く。曲の盛り上がってちょうどいいところで打ちのめすような打撃が来てすっごいいいエフェクトというのもありますし、「運命の」と言われるようないわくつきなエピソードもありますし、その奏者のでっかいジェスチャーとある意味楽器としては異質な音の効果だったり、単純に画になったり、全部ひっくるめて「すげぇ・・・」となります。
ハンマーがこの交響曲の魅力の全てではないですが、やっぱり音楽の世界観の中で重要な鍵だと思いますし、あと生でこの曲を聴くときに視覚的な楽しみとしてすごいオススメです。(他の時はだいたいホルン見てるのがオススメ)
なんだか勢いにまかせてハンマー萌えを語っちゃいましたがこういうピンポイントな曲の魅力、また勢いが出てきちゃったらいつかやりたいと思ってます。他にはなにかなあ、ブラームスレクイエムのトロンボーン萌えとかそういうの?改めてネタ探ししないと。
今日の一曲: グスタフ・マーラー 交響曲第6番 第4楽章
昨日のコンサートは14時半開演で終わるときにちょうど4時の鐘がなった=演奏時間90分くらいでした。同じマーラーでは3番だと最初の楽章が長いのですが6番で長いのは最終楽章。手持ちの録音だと30分前後ってとこかな。
でも昨日聴いたときは交響曲全体がほんとあっという間に過ぎてしまって。こんなに暗くて長くて重い(全部褒め言葉)曲がそんなに短く感じる演奏って色々なかなかですよ(語彙は失われた)。
特に日本では伝統音楽・ポップ通じてメロディーがものすごく重要なので日本人の耳って特にメロディーを聴くことになれてるのかなーとたまに思うのですが、この曲(特に最終楽章)ではメインのメロディー以外のところに萌えポイントが多々ある気がします。そもそもメロディーが続いてる感覚がそんなに濃くないですが。
たとえば(交響曲を通じて出てくる)長調→短調和音のモチーフだったり、なんかホルンがトリルしてたりかっこいいリズムを弾いてたり、モチーフをオケの色んな楽器間でリレーしてたり、耳さえなれれば色んなことが聞こえてきて、その地味に見える色んなことがいちいち、というか全てかっこよく聞こえてくる。ほんとマーラーはどこまでもディテールに妥協しない作曲家なんです。
そしてこの最終楽章のもう何度も何度もこれでもかというそのまた後も打ちのめされる感覚。ほんとマーラーって容赦ないし、世界の諸々が容赦ないことをよーく知ってるなーと。そしてそれでも毎回立ち上がる信じられない強さ。5番みたいな眩しい光を見ることはないかもしれないけど別の力を感じます。
さっきの「女性がハンマー」の動画を昨日見てたら「あーやっぱりハイティンクのマーラーいいなー」と思ったのでリンク先録音はハイティンクにしました。うちは5番はハイティンク持ってるのですが6番はアバドとテンシュテットのみ。ハイティンクのマーラーはすっきりさがあって間違いないと思うのです。もっと重いのがよければテンシュテット。逆におすすめしないのはアシュケナージ(テンポが全体的に速くて重さが足りない印象。N響アワーの放送時間にフィットしてる時点でちと疑問が)。あとどこかの動画で見たマゼールの指揮のは2回目のハンマーの前に『死ぬほど』溜めてて他の箇所がどうなってるか怖い物見たさ(聴きたさ)で一度見てみたい。
行って来ましたマーラー6番!
こないだ7番聴きに行ったのはメル響のマーラーサイクルですが今回はなんと10年くらいぶりに復活したThe Orchestra Project。メルボルン(他からも来てるのかな)の若い音楽家たちが指揮者Fabian Russellの指揮の下に2日集中的なリハーサルでオケの大曲を演奏する、というプロジェクト。前は他にも「英雄の生涯」とか「アルプス交響曲」、プロコフィエフの5番なんかもやってはず。
学生の頃は本当にわくわくするプロジェクトだったのですが10年も経ってみるともうオケに知ってる人がほとんどいない!時の流れを痛感したというかなんというか。きっと私のちょっと下の世代だったら海外に行ったりしてる人も多いんだろうな-。そもそももうその世代でも「ユース」扱いにはならないのか。
特にバイオリンはかなり若そうな子たちも混ざってましたが、こんな難しい(バイオリンにとってもすごい難しい)曲を2日のリハーサルだけでこんなに仕上げられるものか!と久しぶりの感覚にびっくりしました。音楽的なすごさはこれから語るとして、次の世代への期待ぐんぐん上がってすごい嬉しく思います。
(ちなみにオケ弾き友達も言ってましたがこういう難しい大曲は若い頃に1回やっておくとプロになってそういう曲に出会ってもちょっと楽になるはずなので今回の貴重な体験だけでなく未来にもつながると言う意味でも大事なプロジェクトですね)
演奏、ほんとすごかったです。爆発力がある中にちゃんと精密さもあるというか。
暗くて重くてパワーがあって、自分がマーラー6番に求める全てのものが凝縮されてた感じ。
今回演奏場所がSouth Melbourne Town Hallで、あそこはちょっとこのスケールのオケ・曲には小さい上に音の響き方がクリアじゃないのが残念なのですがそれでも多くの物がそれを貫通して響いてきました。
やっぱりマーラーといえばホルン最重視したいですし今回も最高の活躍だったのですが、打楽器と低音楽器全般(特にトロンボーンとかテューバ)が曲のダークな部分をいいこと強調しててかっこよかった。特に第2楽章とか第4楽章の低音楽器だけのところでちょっとぞくぞく感じたり。それからこの交響曲に関してはチェレスタの存在と活躍も嬉しいハイライト。ほんとは弾きたいんですけど聴いてるだけでもテンション上がる。今回もハープ・鉄琴どちらとも違う輝きで聞こえてよかったよー。
さらにマーラー6番といえば第4楽章で2回鳴らされる(演奏によっては3回目も入る)「運命のハンマー」が有名です。今回1階席の後ろの方で(この曲に関しては音量の関係で後ろの方で聴きたかった)聴いてたのですがハンマーの準備・振り下ろされるとこははっきり見えました。元々この曲&打楽器の「萌えポイント」ではありますが今回見て改めて「これはいい萌えだ」と思いました(笑)実際の音もものすごいインパクトがあって、特に2回目はオケとのアンサンブルがぴったりだったのか想像を超える響きでみぞおちにストレートで来ました。
もともとこの曲は聴いた後しばらく余韻で戦慄的な感覚があるのですが今日は内臓にショックがすごかったです。
前この曲をThe Orchestra Projectで聴いたのも何年も前のことですし、Fabianの指揮で弾いたり聴いたりしたのもちょっと久々なのですがなんとなく前回のマーラー6番の記憶も蘇るとこもあり。
そうして思って見るとメルボルンで演奏されるこのマーラー6番が自分にとっての王道で、The Orchestra Projectがあるメルボルンが自分にとってhomeなんだなーと。
常にオケにチャレンジがあって、素晴らしい音楽が演奏されて、そして若い世代が育つメルボルンであって欲しいと切に願っています。
そして弾くチャンスがあるかどうかは分からないながらも何度もマーラー6番(そして他のマーラーの交響曲)に出会い続けたいです。聴いてる側として「挑む」というのもちょっと変にも思えますがそういう感覚。
さて私はこれからハンマー萌えの探検に行って来ます。次回ちょっとそこら辺書いてみようかな。(ネタがまとまれば)
今日の一曲: グスタフ・マーラー 交響曲第6番 第1楽章
ハンマー萌えをやったら第4楽章を紹介しなきゃいけないので今回は別の楽章。
まずはここから始めましょうか。
マーラー7番の感想の時に第1楽章のリズムのタイトさってほんと大事!という話をちょろっとしましたがそれは6番にも言えること。ほぼ現代的な(ショスタコとかみたいな)ミリタリーな行進曲と付点付きのリズム、スネアドラムがしっかりそれを支えてるその「リズムだけでの快感」というのが第1楽章は強い気がします。
そしてこの交響曲を通じて繰り返される長調→短調の和音のモチーフ。なんでも音の物理のメカニズムにより人間の耳には長調の方が自然で聞こえるため普通音楽では短調→長調の方が音の緊張的にも良く聞こえる、それを逆に利用するという。しかもこのモチーフはかならず大人数木管or金管が担当してしっかり繋がって聞こえるようになってる徹底ぶり。
マーラーの音楽全般で凄いのはしっかり重要なところ前に出しながらその他のパートも内容ぎちぎちに詰めてくるとこだと思います。聞き手に全部聞こえない、聞こえ得ないことを分かっててもディテールに妥協しない。耳のチューニングを変えると色んなとこから無限に音が出てきます。
オケの音に慣れてない人はこの音の洪水が苦手な人もかなり居ると聞きますがマーラー6番は慣れててもまだ洪水。でもそれがすごいし心地良い。
やっぱりマーラー6番は暗い重い演奏の方がいいなーということでテンシュテット指揮の録音をリンク。毎日聴くような曲ではないし実際生で聴きに行くときくらいしか聴いてないのですが本当に好きな曲です。そしてかなり好きな録音。
長いですしヘビーな曲ですが生で聞いて音の洪水を味わうのもオススメです。
こないだ7番聴きに行ったのはメル響のマーラーサイクルですが今回はなんと10年くらいぶりに復活したThe Orchestra Project。メルボルン(他からも来てるのかな)の若い音楽家たちが指揮者Fabian Russellの指揮の下に2日集中的なリハーサルでオケの大曲を演奏する、というプロジェクト。前は他にも「英雄の生涯」とか「アルプス交響曲」、プロコフィエフの5番なんかもやってはず。
学生の頃は本当にわくわくするプロジェクトだったのですが10年も経ってみるともうオケに知ってる人がほとんどいない!時の流れを痛感したというかなんというか。きっと私のちょっと下の世代だったら海外に行ったりしてる人も多いんだろうな-。そもそももうその世代でも「ユース」扱いにはならないのか。
特にバイオリンはかなり若そうな子たちも混ざってましたが、こんな難しい(バイオリンにとってもすごい難しい)曲を2日のリハーサルだけでこんなに仕上げられるものか!と久しぶりの感覚にびっくりしました。音楽的なすごさはこれから語るとして、次の世代への期待ぐんぐん上がってすごい嬉しく思います。
(ちなみにオケ弾き友達も言ってましたがこういう難しい大曲は若い頃に1回やっておくとプロになってそういう曲に出会ってもちょっと楽になるはずなので今回の貴重な体験だけでなく未来にもつながると言う意味でも大事なプロジェクトですね)
演奏、ほんとすごかったです。爆発力がある中にちゃんと精密さもあるというか。
暗くて重くてパワーがあって、自分がマーラー6番に求める全てのものが凝縮されてた感じ。
今回演奏場所がSouth Melbourne Town Hallで、あそこはちょっとこのスケールのオケ・曲には小さい上に音の響き方がクリアじゃないのが残念なのですがそれでも多くの物がそれを貫通して響いてきました。
やっぱりマーラーといえばホルン最重視したいですし今回も最高の活躍だったのですが、打楽器と低音楽器全般(特にトロンボーンとかテューバ)が曲のダークな部分をいいこと強調しててかっこよかった。特に第2楽章とか第4楽章の低音楽器だけのところでちょっとぞくぞく感じたり。それからこの交響曲に関してはチェレスタの存在と活躍も嬉しいハイライト。ほんとは弾きたいんですけど聴いてるだけでもテンション上がる。今回もハープ・鉄琴どちらとも違う輝きで聞こえてよかったよー。
さらにマーラー6番といえば第4楽章で2回鳴らされる(演奏によっては3回目も入る)「運命のハンマー」が有名です。今回1階席の後ろの方で(この曲に関しては音量の関係で後ろの方で聴きたかった)聴いてたのですがハンマーの準備・振り下ろされるとこははっきり見えました。元々この曲&打楽器の「萌えポイント」ではありますが今回見て改めて「これはいい萌えだ」と思いました(笑)実際の音もものすごいインパクトがあって、特に2回目はオケとのアンサンブルがぴったりだったのか想像を超える響きでみぞおちにストレートで来ました。
もともとこの曲は聴いた後しばらく余韻で戦慄的な感覚があるのですが今日は内臓にショックがすごかったです。
前この曲をThe Orchestra Projectで聴いたのも何年も前のことですし、Fabianの指揮で弾いたり聴いたりしたのもちょっと久々なのですがなんとなく前回のマーラー6番の記憶も蘇るとこもあり。
そうして思って見るとメルボルンで演奏されるこのマーラー6番が自分にとっての王道で、The Orchestra Projectがあるメルボルンが自分にとってhomeなんだなーと。
常にオケにチャレンジがあって、素晴らしい音楽が演奏されて、そして若い世代が育つメルボルンであって欲しいと切に願っています。
そして弾くチャンスがあるかどうかは分からないながらも何度もマーラー6番(そして他のマーラーの交響曲)に出会い続けたいです。聴いてる側として「挑む」というのもちょっと変にも思えますがそういう感覚。
さて私はこれからハンマー萌えの探検に行って来ます。次回ちょっとそこら辺書いてみようかな。(ネタがまとまれば)
今日の一曲: グスタフ・マーラー 交響曲第6番 第1楽章
ハンマー萌えをやったら第4楽章を紹介しなきゃいけないので今回は別の楽章。
まずはここから始めましょうか。
マーラー7番の感想の時に第1楽章のリズムのタイトさってほんと大事!という話をちょろっとしましたがそれは6番にも言えること。ほぼ現代的な(ショスタコとかみたいな)ミリタリーな行進曲と付点付きのリズム、スネアドラムがしっかりそれを支えてるその「リズムだけでの快感」というのが第1楽章は強い気がします。
そしてこの交響曲を通じて繰り返される長調→短調の和音のモチーフ。なんでも音の物理のメカニズムにより人間の耳には長調の方が自然で聞こえるため普通音楽では短調→長調の方が音の緊張的にも良く聞こえる、それを逆に利用するという。しかもこのモチーフはかならず大人数木管or金管が担当してしっかり繋がって聞こえるようになってる徹底ぶり。
マーラーの音楽全般で凄いのはしっかり重要なところ前に出しながらその他のパートも内容ぎちぎちに詰めてくるとこだと思います。聞き手に全部聞こえない、聞こえ得ないことを分かっててもディテールに妥協しない。耳のチューニングを変えると色んなとこから無限に音が出てきます。
オケの音に慣れてない人はこの音の洪水が苦手な人もかなり居ると聞きますがマーラー6番は慣れててもまだ洪水。でもそれがすごいし心地良い。
やっぱりマーラー6番は暗い重い演奏の方がいいなーということでテンシュテット指揮の録音をリンク。毎日聴くような曲ではないし実際生で聴きに行くときくらいしか聴いてないのですが本当に好きな曲です。そしてかなり好きな録音。
長いですしヘビーな曲ですが生で聞いて音の洪水を味わうのもオススメです。