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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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Plexus「Propulsion」コンサート感想
今年おそらく最後?のコンサート行きでした。
だからってちょっと調子に乗って多めに飲んだり多めに食べたりしてて昨日はへろへろで家に帰ってきました。あー楽しかった。

・・・と時系列は逆になりますが友人のトリオPlexusの今年最後のコンサートに行って来ました。
プログラムはこんな感じ。

Plexus「Propulsion」
Stefan Cassomenos(ピアノ)、Monica Curro(バイオリン)、Philip Arkinstall(クラリネット)
Stephen Magnusson 「Various」
Hue Blanes 「The sun, the moon, and the planets」より土星、海王星、冥王星
Ross James Irwin 「Thar An Cnoc (Over the Hill)」
James Mustafa 「Speak, without sound」
Niko Schauble 「Mus Persequeris」

毎回初めてお披露目される曲の組み合わせで、毎回コンサート全体の雰囲気って変わってくるのですが今回はJazzyな曲揃いで重めの曲がなかったのでさらっとあっという間に終わってしまった感じでした。
クラシックとジャズとどっちもやってる作曲家ももちろん珍しくないのですが、その中でもジャズ出身だったりクラシックからジャズに足を伸ばしたり色んな経緯でいろんなミックスジャンルのバランスがあるようで、色々話を聞いたりプログラムで読んだりするのも面白いです。

今回のコンサートで一番好きだったのは4曲目だったかな。作曲家さんが来れなかったらしいのですがバードウォッチングの予約があったらしく。曲の中でも鳥の声使ってたのでなるほどなーと納得。それだけでなく他の要素も自分の中にある音楽言語的な何かに近さを感じた音楽でした。

あと5曲目も面白かったですね。ちょっと初聴きだと全てをつなげて一つの曲として考えるのが難しい、作曲家の意図とか考えを捕まえるのが大変な曲なのですが共通テーマがあることはきこえるのでもちょっとじっくり追いかけてみたくなります。

2014年に活動を開始してから突っ走ってもうすぐ3年、Plexusは来年もこれまで通り新しい音楽を世に出していくそうですが、来年からはもうちょっとペースを落としてこれまで弾いたレパートリーやもうちょっと伝統的なレパートリーも交えて演奏していくとのこと。
これまでは一回のコンサートで5曲初演、練習期間の短さもあってかなりしんどいこともあったそうなのでそれで楽になるなら楽な方で続くように応援を続けたいです。
レパートリー予定にマーラーとかヒンデミットとか書いてあるのでそこら辺聴けるのも楽しみ-。

そんなに常に音楽畑の中にいるわけじゃないんですが、コンサートの後で音楽と色んな形で関わってる人の話が聞けるのはほんと面白いです。大学の時からそうですが作曲家とか声楽家とか、同じオケ楽器の中でも管楽器とか全然別世界みたいなことも多く。
そういう場で聴けることってものすごく断片的ではあるのですが、だんだんと自分の頭の中にも音楽の場としてのメルボルンってどんなものなのかぼんやりと分かってきたような。
少なくとも他の色んな都市よりも現代音楽、中でもローカルで活躍してる音楽に優しい文化があるようだなという印象を受けます。
来年も引き続き新しい音楽に出会ってそれに関わる人の話がいっぱい聴けたらいいな。メルボルンの音楽シーン万歳。


今日の一曲はお休み。


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Sightreading now
前回は気候の変化にテンションがちょっと上がってるエントリーでしたが今回はピアノのレパートリーの衣替えの話。
まなざしも好きですし6番は引き続き練習しますが(あと10番ももうしばらく)、これまでと違う曲を弾くのはリフレッシュな感じで楽しいです。
とはいえ全部が全部まっさらに新しい曲ばかりでもなくこれまでに弾いてもうちょっと練習したい、ちょっとだけさらいたい曲も色々。机上の計算だけでは絞り込めないくらいでしたが実際弾いてみると何が今弾きたくて何がもうちょっと後にしたいか分かってくるのがまた不思議。

自分にとってメシアンの音楽はいつでも弾いてたいし曲集が違えば別腹扱いなのでがんがんメシアンもリストアップしてます。特にこれまで余裕がなくてちゃんと練習できなかった練習曲「火の島II」(鳥じゃなくて島)や新しい鳥のカタログを弾くのが楽しみで楽しみで。
どんな曲・作曲家でもそうですが特にメシアン、そしてその中でも特に鳥のカタログは曲をこなすごとに次同じ曲集で新しく曲を練習するときの労力がぐっと減る気がします。自分の一部になってくのが分かるというか、ノウハウを蓄積してってる感じがものすごい。
今狙ってる第12曲「クロサバクヒタキ」は出てくる鳥がほとんど他の楽章ですでに弾いてる鳥なので昔初見で弾いたときと比べて大分楽に感じました。景色のイメージも色々共通するところあるし、スムーズに弾けるようになるといいな。

そして意外に思ったのですがシューベルトの音楽が今ものすごく自分の気質に合う。
ここ数ヶ月で友人の弾く&歌うシューベルトを聴いてきてなんかシューベルトやっぱりいいじゃん、と思ったのは確かなのですが自分が弾いてこんなにうまいこと合うとは。
でも元々(高校の頃特に)シューベルトはそこそこ曲数弾いてたので驚くようなことではないはずなんですが。でもベートーヴェンより行けるかも&ハイドンももしかしたらまた行けるかもと思っちゃうこの変わり様はなんなんだ。

ということで数日初見で弾いてそろそろ弾く曲が固まりそうです。初めまして・久しぶりのわくわくは長くは続きませんが、音楽を手の中におさめていろんな曲を新しく演奏したいレパートリーに加えるのも楽しみです。
ということで今日の一曲もちょこちょこ初見で弾いたところから紹介していこうかな。


今日の一曲: フランツ・シューベルト 即興曲 D935 第1番



先ほどシューベルトはそこそこ曲数弾いたと書きましたがあくまでも「そこそこ」で、そのほとんどが即興曲集(4曲+4曲の2セット)からというかなりの偏りっぷり。ソナタもいずれ挑戦したいけどこれくらいの規模の曲がちょうどいいみたいな感じもあるんだよなー。

全部で8曲あるシューベルトの即興曲ですが、その名の通り特定の曲調や形式を示すものではないので曲のキャラクターは色々。変奏曲もあればスケルツォっぽいのもあれば無言歌風のもあり。
(とはいえ曲の展開とかで似てる部分があったりするので複数一緒に弾くときはチョイスがちょっと難しかったり)

結構いい曲揃いのこの曲集でなぜかこの曲はつい数日前まで注目してませんでした。それが偶然耳にとまってビビッと来たといいますか。ほんと曲ってなにがきっかけで好きになるか分かりません。そこが面白い。(たたビビッと来ちゃいましたが実際に練習し始めるのはもうちょっと後にとってあります)

ところでクラシックの作曲家ってそれぞれ得意な調というか音楽が馴染みやすい調があるなーと時々思います。ベートーヴェンだったらハ短調、ショスタコだったらニ短調、とか。あと主となる調から転調する先の調のチョイスにも癖があったり。シューベルトの場合はこの曲がそうであるようにヘ短調が得意な印象があります。そこから同じ4つ♭の変イ長調に変わったりそのまま長調で転調したり。ベートーヴェンの「熱情」のヘ短調とはまた違う魅力がシューベルトのヘ短調の曲にあるのかも。

リンク先は2つのセットの即興曲集。作曲時期も違うし本来は別のものとして見たほうがいいのかもしれないけどどっちのセットにもいい曲が入ってるので一緒の録音を探してみました。(そしてブレンデルさんにしたかった)
D899の方の第2・3番はものすごく有名ですがその他でお気に入りは同じくD899の第4番、そしてこれといっしょのD935の第4番。いやあまた弾きたいなあ。

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弾いてきました
さっき弾いてきたのでさっそく報告。

St. Mark's in Recital
場所:St Mark's Spotswood
日時:11月13日(日)16時半~
↑でピアノを弾かせてもらいました。
ソロはメシアンのまなざし第15番(幼子イエスの接吻)を弾いて、あと歌を一曲伴奏しました。
緊張しないなーこれは弾き始めてから緊張するかなーと思いましたがほぼ緊張せずに弾けました。なんかここ数日15番は身にかなり馴染んでましたね。(6番とか10番もこれくらいなんとかならないか・・・)

基本的に満足のいく演奏でした。すごく年季の入ったアップライトピアノで弾ける分はなんとかなったと思いますしこれがもっといいピアノでも結構いい演奏になったんじゃないかなーと(だからクライマックスはもっとクライマックスをお届けしたかったです。ピアノの限界。)
クラシックコンサートに慣れている聴衆というわけでもなかったし(教会の集まりですから)子供も多かったので比較的さくさく弾いちゃいましたが他の演奏のときと比べてもかなり静まってたしもうちょっとのびのび弾いてもよかったかなー。

でもそういう人にメシアンの音楽をお届けできて、それでいい曲だった、素晴らしい演奏だったと言ってもらえるのはものすごくありがたいです。ついでながら音楽仲間2人のメシアンへの(ネガティブな)認識を改めることができたのも嬉しい。実は音楽やってる人にメシアンを好きになってもらう方が難しいとこがあるので。そういうのも含めて「メシアン弾き」の仕事だと思ってますし、メシアン弾きで本当によかった、これからもまだ布教(?)を続けていける自信が持てました。

そして教会の集まりという普段触れるコミュニティとは違うコミュニティに触れたのも面白かったです。なんかものすごく暖かいコミュニティで、みんな知らない人ばっかりでしたが演奏を聴いてくれてこっちが一瞬びくっとなるくらいの大きな拍手をくれて、コンサート後にも声をかけたり楽しく談話したり、全てひっくるめて感謝感謝でした。演奏したということだけじゃなくてそうやってお褒めの言葉を頂いたり歓迎してくれたりで今後演奏することにもより一層自信が持てた気がします。

一通り終わってみてこれからも人前で弾きたいなあ、というのと(基本的に自信がない人間ですが演奏のことが多分一番自信がない)今後の曲も色々考えないとなーという気持ちでいます。本番まではそんなことなかったんですが急に「繊細で甘くてロマンチックな曲はもう十分だからさばさばガツガツした曲弾きたいぜー」なんて思い始めちゃったもので(笑)
まなざし15番もワーグナーもまたいつか演奏するときまでレパートリーのひきだしの手の届きやすいところにしまっておこうと思います。

ということで今日の一曲はもちろんこれ。


今日の一曲: オリヴィエ・メシアン 「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」より第15番「幼子イエスの接吻」



今回弾いてこの曲が好評だったのがとにかく嬉しくて。自分の演奏に自信がないのもそうですが自分の耳も色んな物に慣れてしまったので一般の方々にメシアンがどう聞こえるかとかにも自信がないんですよ。

でも実際メシアンの音楽の美しさと世界観を知ってもらうならほぼ真っ先にまなざし15番だと思います。
ちょっと長い(=前半がゆっくり進む)のを除けば比較的調がはっきりしてる(聴きやすい)・ロマン派に通じる曲調・全体を通してピアノ曲らしい・メシアンの音楽言語がわかる・物語的な展開とかドラマがある・いろんな美しさと愛がある・それでも典型的なメシアン、など色々推しな要素がありまして。
なので聴くにも弾くにもこの曲からってのはありだと思います。

それで20のまなざしの中でこれだけ1曲で世界観が完成してるのもこの曲が一番だと思います。
ちょくちょく(20番とか)20曲セットの中で存在してることに依存してるような曲もあり。この曲はそれだけでメシアンを語ってくれるし、他の作曲家のピアノ曲と組み合わせるにも適している。(ただ逆にまなざし以外のメシアンの曲と合わせるのはどうかな、みたいな印象も個人的にあったり)

弾いててもかなり満足度高い曲です。繊細からドラマチックまで幅広く、曲を盛り上げるのも素直に気持ちが入れられるというか(個人談)。クライマックスの「接吻」の部分なんかほんと気持ちいいです。あと絵画的なイメージだったり踊りのイメージだったり感じ方によって色々アプローチのアイディアも湧いてきやすい。

まなざしの中で一番の推し曲ではありませんが(自分の推しは17番)とにかくもっと弾かれて&聴かれて欲しい15番です。私もこれからもメシアンいっぱい弾くけどもっとメシアンが弾かれて聴かれる世界になれ!


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ACO「Slava, Rodrigo & Beethoven VII」
何日も特に書くことがなかったので更新してなかったらまたコンサート感想になっちゃいました。
仕事とピアノ意外にもしてることはしてたんですが。久しぶりに三国志13挑戦してみたり(そういえばPCのバッテリーが故障気味でいきなり三国志プレイ中にシャットダウンされてプレイ記録が飛びました。セーブは残ってるのですが諸々の解除した武将が・・・)、改装&増築になったChadstone Shopping Centre(南半球最大のショッピングモール)に行って人混みに若干目を回したり。
それでも大体ははっきりした目的・時間制限があって動いてたことがほとんどだったので昨日今日みたいにある程度の余裕があって動いたのはちょっとぶりだったかも。

さて、昨日のコンサートは珍しくAustralian Chamber Orchestra(ACO)のコンサートでした。去年友人(学校でバイオリン弾いてた&Richard Tognetti好き)の30歳の誕生日プレゼントにACOのコンサートのvoucherをあげたので今年一緒に行こうといってたのが実現したという経緯。
なので珍しくコンサート前に軽く飲んだりもなんだりしました。なんかものすごくメルボルン。メルボルン万歳。

しかも今回はギター奏者Slava Grigoryanがソリストとして参加ということで私にとってもいいチョイスでした。(あっしまったGrigoryan BrothersのCDまだ買ってなかった)
プログラムはこんな感じでした:

Slava, Rodrigo & Beethoven VII
Artistic Director/バイオリン:Richard Tognetti
Gordon Kerry 「So dream thy sails」(バイオリン:Helena Rathbone)(世界初演)
ホアキン・ロドリーゴ アランフェス協奏曲(ギター:Slava Grigoryan)
(休憩)
ルートヴィッヒ・ファン・ベートーヴェン 交響曲第7番

Artistic Directorとありますがちょっと説明。TognettiさんはACOのコンサートの舞台ではコンサートマスターを務めながら指揮者のような役割もあって(あと裏方では企画とかそういうこともおそらくやっててACOの大体の方向性とかプログラムとかある程度決めてるんじゃないかな)、今回はKerryの曲でバイオリン持たずに指揮、他の2曲ではバイオリン持って指揮したり弾きながらリーダーとして合図したりしてました。Kerryに関しては複雑な曲だし自身・オケ両方のためにも指揮に専念するのがベターだったという解釈でいいのかな。

ちなみにACOでは大体指揮者が存在しない「室内アンサンブル」としての性質もあって座らなきゃ行けないチェロとかギターとか以外全員立って演奏してます。ファゴットとか重みもあるしちょっと大変そう(ハーネスは着用してましたが)。

Gordon Kerryはオーストラリアの(そしてメルボルン郊外が拠点の)作曲家で、今までPlexusのコンサートとかでちょこちょこ作品聴く機会がありましたが今回の曲は作曲家のスタイルと曲と題材のイメージが上手く合って面白かったです。ものすごく流動的でつかみどころのない感じの音楽が得意なんですね、彼は。オーストラリア色々あれどちょっと珍しい作風かも?それが今回の曲の波と風の描写にぴったりで。欲を言えばHamer Hallでなくもっと奏者と近い演奏場所で音をもっと近くで聴きたかったかな。浴びる&飲み込まれるくらいの距離が理想。

Slava Grigorianは相変わらずの音でしたね。なんでクラシックギターの音があんなdecayの仕方になるんだろう。彼の音は古き良きクラシックギターの、例えばセゴヴィアとかジョン・ウィリアムスとかの指の腹で弾く暖かい音とはかなり違う、どこか神経質なところがある音なのですが、それがまた好きで。ACOの演奏とも相性がいいんですよね、そういうとこが。

で、そんなACOの演奏の面白さがベートーヴェンの7番で思いっきり楽しめました。何の変哲もなく普通な感じで演奏されても充分楽しい曲なのですが、ACOの伝統的・王道にちょこちょこ独特な尖った何かを加えてくるのが新鮮で。アンサンブルのタイトさがその音楽の鋭さとあらゆるところに現れる踊りのリズムの躍動感を倍増させる感じ。
第2楽章も1拍子が1ビートになるくらい速いテンポだったのですが室内楽的な複雑なアンサンブルと横方向の絡み合いが強調されてまた別の美しさがあって。自分にとってのベストなテンポとは離れてるけどこういう演奏も好き。
ベートーヴェンの7番は巷の色んなところで頻繁に耳にする機会があるのですがたまーに良い演奏をちゃんと聴いたほうが楽しめると思います。次聴く機会まで大事にとっておこう。

ここ最近でもっとコンサートも行きたいな、という音楽畑以外の友達がちらほらいるので来年の色々コンサートを見ておかないとですね。一人でコンサート行くのも楽しいですがプログラムによっては友達と楽しんでも楽しいものもありますし。もうちょっと検討しよう。


今日の一曲: ホアキン・ロドリーゴ アランフェス協奏曲 第1楽章



今回演奏されたアランフェスとベートーヴェン7番ってなんか相性よかった気がします。目が見えない作曲家&耳が聞こえない作曲家という偶然のつながりもあるのかもしれませんがなんとなくよく似た明るさだったり軽さだったり踊りっぽいリズムだったり、文化圏も時代も違えどなんか心に明るさをもたらす似通った何かがあるような気がします。

あとは日常・非日常のバランスもそうかな?ものすごく親しみが持てる距離とテンションだけど日常というにはちょっと特別な感じがあって。特にアランフェスのこの第1楽章はちょっと聞き流すとそんなに大きく盛り上がることもなく日常の範囲に思われるかもしれないけど耳を澄まして聴き込むとこんなにも愛しい小さな幸せがあるのかとびっくりします。
とにかく耳を傾けて心を音楽に向けることが第一歩であり何よりも大事な曲かも。

この曲(第1楽章)は以前書いた創作ストーリーの一場面のイメージ曲として使ったり、日常的にも結構の頻度で聴いてますが自分にとって曲が「すり減る」ようなことはあんまりなかったりする不思議。創作に関しては今後別の物語を書いてこの曲がイメージ曲として使いたくなったらまた使いたいかも。(結構イメージとしては汎用的な感じがあるかな)

日本の中学校の音楽の教科書(少なくとも私がこっちで領事館から入手して使ってたの)に載ってたのは第2楽章で、有名なジャズアレンジなんかもあって耳にする機会は多いですが第1楽章・第3楽章も素敵な曲なのでまとめてオススメしたいです。

リンク先はジョン・ウィリアムスの演奏。手持ちではないのですが(手持ちはジュリアン・ブリーム)、手持ちと同じくヴィラ=ロボスのギター協奏曲が入ってるのでチョイス。そっちもまあ素晴らしい曲です。第2楽章特に推し。もう美しい。


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コンサート「Beethoven and Beyond」第4弾感想
久しぶりにバレエに行ったら太腿の後ろ側が筋肉痛ですこんばんは。
ただ思ったほど広い範囲で筋肉痛じゃなかったのでとりあえず良しということにしています。
それより遅れをとった分を取り戻さなければ。

こないだの更新の前の日に友人のコンサートに行った感想を書いてなかったので改めて。
Beethoven and Beyondシリーズの今年ラストでした。

Beethoven and Beyond Recital Four
ピアノ: Tristan Lee & Gintaute Gataveckaite
フランツ・シューベルト 幻想曲 D.940
ヨハネス・ブラームス ハンガリー舞曲第5, 11, 17番
(休憩)
モーリス・ラヴェル 「マ・メール・ロワ」
ピョートル・チャイコフスキー 「眠れる森の美女」組曲(ピアノ連弾編曲:ラフマニノフ)より序曲とワルツ

というオール連弾プログラムでした。
兎にも角にもベートーヴェンがいない(笑)まあ前半のシューベルトとブラームスはベートーヴェンに音楽的にも作曲家の人間的な意味でも濃く繋がってますが。

シューベルトよかったですね。哀しいというには濃すぎる色彩と、河でも時でもない流れがものすごくシューベルトで。連弾だからこその分厚さが感じられる演奏でした。同じ事はブラームスにも言えますね。
ラヴェルはまだまだこれから、といった印象でしたが自分がとにかくこの曲には厳しいので(汗)

一番連弾うまくいってるな!と思ったのはチャイコフスキーでしたね。2人のチームワークもうまいこといってたし、チャイコのバレエの華やかさ、そしてピアノの音の豊かさが素晴らしくて。あとあのワルツはいつ聴いても楽しい。ついでに言えばディズニーはチャイコの曲をそのまま使っていい仕事した。

連弾って(特に夫婦とか今回みたいにパートナー同士で弾くと)見ててほっこりするんですよね。殺伐した2人だとそもそも演奏までこないってのもありますが、物理的に距離が近いなか繊細なチームワークを繰り広げて、曲もまたこぢんまりした感じの曲が多いみたいですし。

とはいえ連弾で活躍する奏者ってそんなに多くなかったり。ピアニスト同士共演するのが(時間だったりその他の理由だったり)難しかったり、レパートリーがかなり限られてるのもあるかな。今回のコンサートで弾かれたあたりが最高のレパートリーであと諸々知られてない曲がそんなに多数はない感じで点在してたり。私もちょこちょこ連弾経験あるのですが楽しいんだけどいつもはやらないかなーみたいな感じ。

で、今年のBeethoven and Beyondは(ベートーヴェンさん不在の中)おしまいだったわけですが来年の存続はまだ分からないそうです。やろうと思えば同じテーマで続けられるそうですが(まあベートーヴェンより後の作曲家はみんななんらかの形で直接的・間接的にその流れを汲んでいるので要するになんでもOKとも言える)、さてどうなるか。
一聴衆としては続けて欲しいですね。そのそのベートーヴェンからの流れを楽しんだりピアニスト以外の人にも味わってもらったり、聴き広げる楽しみとかも含め。
そういう音楽的なことはもちろんですが日曜日の午後にあの教会(St Stephens Anglican Church, Richmond)で心地よいこぢんまりしたリサイタルでゆったり音楽を聴くのは貴重な時間&機会だと思うので。是非続けてほしいなー。

今回演奏した二人はもうすぐ中国で演奏旅行だそうで。いい旅になるといいな。


今日の一曲: モーリス・ラヴェル 「マ・メール・ロワ」(ピアノ連弾版)第3楽章「パゴダの女王レドロネット」



この曲はもう2,3回紹介してるかもしれないけど気にしない。それだけ好きな曲なのです。
ラヴェルの少数精鋭な作品、どれも魅力があるし弾いて愛着がある曲も多いのですがその中でも(投票のときとかに)一番にこれを選んでしまう。

だってこの「マ・メール・ロワ」は愛せずには居られない素敵な曲で。題名通り「おとぎ話」の曲なのですが、その小さな世界に詰まったミニチュアのディテールの愛しさ、色彩のファンタジー。もうたまらないです。

で、その細かいところを楽しむならやっぱオケ版じゃないかなーと思うのですが元々連弾曲として書かれてますしその連弾ならではの技巧や表現も最高級だと思うのでこちらもオススメ。そして出来れば音だけでなく実際に「見る」ことができる映像or生演奏がオススメ。

オケ・連弾どっちも弾きましたがこの第3楽章は自分の曲だと勝手に思ってます。小さい手に有利・チェレスタソロ・アジア風・ミニチュア・元のおとぎ話で蛇が出てくる(この楽章だけ知られてないおとぎ話なんです、不思議な事に)と自分有利(?)要素がてんこ盛り。

それにしてもこの曲、以前書いたと思うんですが連弾といっても子供2人が弾く用に書かれた曲で。題材とは裏腹に色々難しいところもありますが(そりゃあ色々手抜きなしのラヴェルですから)子供たちは技巧的・表現的にどうクリアしたんだろう。最終楽章のグリッサンドで流血とか聞いてますが。

リンクしたのはもちろん大人の演奏。というか聞いてみて改めて「おー大人の演奏だー」となりました。アルゲリッチ&プレトニョフのコンビすごいなー。ただ今ちょっと試聴しただけだとピアノ2台のカップリング曲(シンデレラ)の方がのびのびしてるかも・・・?

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