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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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米Q2 Musicの年末カウントダウン
前回のエントリー&過去のエントリーに拍手&拍手コメントありがとうございます。
音楽と生活のバランス、人それぞれですがなんらかの納得ができるところに落ち着けるのがいいですね。

さて引き続き年末です(当たり前の話ですが)。
以前言及した米Q2 Musicのカウントダウンに投票してきたので今日はその話。

アメリカのニューヨーク?だったっけ?東海岸時間だから多分ニューヨークを拠点としてクラシック音楽専門に放送しているWQXRというラジオチャンネルがあるのですが、そのWXQRはオンラインラジオチャンネルとしてQ2 Musicというチャンネルも運営していて。
WQXRがクラシック音楽全般を扱うのに対してQ2 Musicは現代音楽に特化したチャンネル。これまでにもクロノス・カルテットの40周年を祝う24時間マラソンをやったり特定の作曲家や分野をがっつり24時間扱う24時間マラソン企画も色々やってます。ちょこちょこ流れてくる意見とかからもリスナー達もかなり強者なことがうかがえます。

年末にはWQXRもQ2 Musicもリスナー投票(自由投票)でカウントダウン企画をやります。
Q2 Musicはもちろんカウントダウンも現代音楽。これまでは過去100年に絞って投票を募っていましたが今年はその「新しい音楽」を再定義するべく過去何年までで区切るか事前にリスナー投票をすることに。結果選択肢の中で一番短い「過去20年のレパートリー」ということになりました。

これほんとすごいことですよね。前述リスナーの強者さもそうですが、過去20年に絞ってもちゃんと100位までカウントダウンが成り立つってことも。
世界の様々なクラシックラジオチャンネルのこういう投票企画で過去20年に作曲された作品なんか1曲も出てこないのが普通ですし(ただし英Classic FMとか映画音楽も入れてる場合は例外)。世の中のクラシック愛好家が過去20年の作品をどれだけ知ってるんだろうってのもありますし。

自分も現代音楽好きではありましたがつい最近まで聴くのも20世紀の音楽中心で21世紀の音楽はあんまり知らなくて。でもここ数年でオーストラリアで活躍中の作曲家の作品を聴いたりクロノス・カルテットからつなげていったり、Q2 Musicをたまに聴いたり、そういうところから色々知識を広げてきて。
ほんと知らないエリアを知るって面白いし、要はきっかけと意欲と好奇心ですね。

なのでこんかい100年が20年に狭まってもどんとこい!と思いましたね。
一度に投票できる曲数(複数回投票可)は3曲~5曲でしたが5曲ノミネートしてきました。
だいたいこのブログでは何回も言及してきた曲ばかりなので解説はまとめて。

流 星姫のノミネートした過去20年の音楽作品
(1)トーマス・アデス 「Polaris」
(2)Brett Dean 「ソクラテスの最後の日々」
(3)ジョン・アダムズ 「City Noir」
(4)陳其鋼 「ヴェールを取られたイリス」
(5)ジョージ・クラム アメリカ歌曲集第5巻「Voices from a Forgotten World」

ソクラテスは録音がコンサートからのものしかないと思うのですがそれでも名前を出しておきたかった。もっと知られろ!というか。
そしてアデスも20年ならAsyla、Tevot、Polarisが全部該当するのですが、比較的最近の作品が前回ふるってなかった覚えがあるのでPolarisをプッシュ。
PolarisにしてもCity Noirにしてもソクラテスにしても古き良きクラシックの要素を受け継ぎながら新しい形で、みたいなところがある、ちょっと保守的かもしれないけど猛烈に推したい曲です。

イリスもそういうとこあるにはあるんですけど、陳其鋼の場合は20世紀の巨匠メシアンから流れを受け継いだ21世紀の作曲家であり(アダムズとかクラムは20世紀を自ら旅した作曲家)、西洋と東洋の融合ってのもあり、あとソクラテス同様心を直撃されたので。
クラムは過去20年っていうと主に歌曲集くらいで。でも今のクラムを食い込ませておきたくて一番好きなアメリカ歌曲集をノミネートしました。

ルールが変わった今回のカウントダウン、結果がどんな感じになるか正直想像も付きません。
20世紀初頭の割とポピュラーな曲だけじゃなくハードコアなモダニストの作品もがっつりそぎ落とされて。何が残るかっていう心配じゃなくてこの小さなカオスの中で何が票を集めるか。
アメリカ偏りにはなるのかなあ。とりあえずJohn Luther Adamsあたりは賞もとってるしMeet the Composerでも扱われてるし上位確実か。他はなんともいいがたいなあ。

実際のカウントダウン放送は向こう時間の12月28日から。旅行なんかもあって聴けるのは限られるけどできるだけフォローしていきたいです。そしてその際にまた現代音楽の今にここで言及したい。
もっともっと今の音楽に応援を!とこれからも願います。


今日の一曲: ジョージ・クラム アメリカ歌曲集第5巻「Voices from a Forgotten World」 第9楽章「Firefly Song」



意外にこの第5巻今日の一曲であんまり紹介してなかった。前述の通りアメリカ歌曲集では一番好きな第5巻。多分一番際最初に触れあったクラムのアメリカ歌曲集だからかな。あと題材のチョイスも(知ってる曲もそうでないものも)自分好みで。
題材ソースが黒人霊歌だったり英国から来た感じのだったりばらけ気味なのもなんとなく好きなのかも。

その中でもメルボルンの今の季節によく聴くようになるのがこの第9楽章。
アメリカの先住民オジブワ族の民謡が元なんですが、ペンタトニック(五音音階)のメロディーなのでアジア系統にもちょーっと似てる。

以前虫関係の音楽についてのエントリーで書きましたが歌詞を見てみるとこの歌のFireflyって文字通りの蛍じゃなくて蛾なんじゃないかな?と思います。Flittingって言葉を始め動きに関する形容や白いってこととか(光を反射して白い?)。あと曲もそこはかとなくそんな感じ。実際どうなんだろう。

そしてなんか最近打楽器がすっごい細かいパート弾いて活躍する曲ばっかり紹介してましたがこの曲もそう。そもそもクラムのアメリカ歌曲集全般の編成は歌い手(1人か2人)+ピアノ+打楽器4人で、まあピアノもこの際打楽器なんですけど打楽器セクションが音楽の表現の大部分を担っています。その面白さを見つけちゃうともう止まらないというか(笑)クラムの打楽器使いってなによりほんとに面白いし楽しい。

今回Q2 Musicの投票をするに当たって「過去20年」という区切りで「現代音楽」を見てみたらなんか色々見え方が違ってきたような気がします。
こうやってみるとクラムの音楽って20世紀の音楽なんだなーというか。表現の開発、打楽器の使い方、そして西洋音楽に限らないアメリカの音楽のアイデンティティの探索と確立、そういうものはどっちかというと前の世紀の流れなのかも・・・と思えてしまう。
でもクラムの作品に感じる課題ってまだまだこれからなところもあるようで。そういうところを含めて21世紀の音楽にどう繋がっていくのか。

難しく考えて長々書きましたがVoices for a Forgotten World、クラムのアメリカ歌曲集入門としてもオススメです。Beautiful DreamerやDemon Lover、The House of Rising Sunや大胆にアレンジ(?)したSomebody Got Lost in a Stormも大好き。


拍手[2回]

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オケピアノ&チェレスタ無事終了。
行って来ました本番!
さっそく詳細から。

Zelman Symphony Orchestra「Russian Dance」
2015年12月5日 20時開演
Eldon Hogan Performing Arts Centre, Xavier College
指揮者:Mark Shiell
<プログラム>
ピョートル・チャイコフスキー バレエ「くるみ割り人形」組曲
Elena Kats-Chernin フルート協奏曲「Night and Now」(フルート:Sally Walker)
セルゲイ・ラフマニノフ 交響的舞曲

いやあ一時はどうなるかと思いましたがこの難しいプログラム、なんとかいい演奏になりました。
ラフマニノフは最後まで難しくて、なんか途中で誰かがミスカウントしたのか崩れた場所がいくつかありましたが輝いた瞬間も少なからず。

Elena Kats-Cherninのフルート協奏曲(本州初演)も素晴らしい演奏になり。
実はこの日のサウンドチェック(とその前のリハーサル)には作曲家が来てて、曲の詳細を変えたりなんだりもしていた様子。曲がリハーサルと演奏を通じて作られていくプロセスを見るのも面白かったです。そういう経験もまた貴重。

さらにアンコールではソリストのSallyと作曲家Elenaのデュエットも。Elenaの代表作のバレエ「Wild Swans」から「Eliza Aria」(ちょっとロシア系ユダヤ風味入りバージョン)で。知ってる人いっぱいいたみたいでよかった。
サウンドチェックの時にElenaとちょっとだけお話しすることもできてよかったです。色々コミュニケーションに難ありの自分ですが協奏曲もアンコールも素晴らしいことだけでも伝えられてよかった。今回チェレスタがあるの知ってたら入れたのにとおっしゃってたし、どこか音楽のお仕事でご一緒できたらいいなと心から願っています。

自分自身の演奏は結構良かったかなと。サウンドチェックで一回も引かなかった割に金平糖の精ものすごく安定してましたし。そしてラフマニノフでは久しぶりのグランドピアノの音とタッチの深さをエンジョイし。
曲が曲なんで終わっちゃったのはものすごく名残惜しいですがこれでまた一つ死ぬまでに弾きたい曲が一つ弾けたのは嬉しいこと。(ただし当分オケの仕事はこなさそうですので気長に待つしかない・・・)

そんなコンサートがあった昨日から数日30度くらいのいい暑さ。
仕事が一段落したしちょっと明日も出かけるかな、と思ってます。買い物もあるし美味しい物も食べたいしクリスマス模様のシティもちょっと写真撮りたいし。
それとはまた別にちょっと書きたいことができたので次回はそちらを。

そして今日の一曲はラフマニノフですが次回はKats-Cherninのフルート協奏曲を紹介したいですね。録音ないですけどそのうち作るのかな。


今日の一曲: セルゲイ・ラフマニノフ 交響的舞曲 第3楽章



昨日思ったんですけどこの曲の難しさって技巧的な難しさとかアンサンブルの難しさとかそういうこともあるのですが曲について把握してなくちゃいけない情報の量がとにかく多いんですよね。多分奏者一人一人が指揮者と同じくらい音楽の中で何が起こってるか常に知ってなくちゃいけない。全員が個も全体も把握してなくちゃいけない参謀クラス。
そこまで奏者全員に求めるかなあラフマニノフ。無茶にも程がある。

前に第2楽章を紹介したとき踊りたくなるのは第2楽章、でも踊りの本能を一番感じるのは第3楽章的なことを書きましたがとにかくこの最終楽章のリズムの凄さ。明確に踊りのリズムなんだけど、でも振り付けとして考えてみるとどうリズムを解釈して動きにしていいか分からなくなる。春の祭典みたいに西洋文化以外のもっと原始的な何かも感じるような爆発性のあるイレギュラー。

そして曲の複雑さも多分この第3楽章がMAX。なんかこう詰め込んだ感があるんですよね。華やかさとちょっと異常とも言える複雑さと。ラフマニノフに関してはこんなに細かいのは珍しい気がするけど、それがまた他には出会えない魅力でもあり。その複雑さの中に入ってみるってのはなかなか面白い経験でした。(第3楽章で弾いてないのが残念でしたが)

さらにこの第3楽章で好きなのがその儚さ。ちょっと長くも感じる中間部のスローな部分の後にくるフィナーレはあっという間。ラフマニノフはこの最後の作品のことを「last spark」といってたそうですが、sparkを火花と訳したくなるのはこの楽章が原因。花開いては闇に消えていく花火の様なフィナーレを聴きながら、この曲が終わって欲しくないことやラフマニノフの最後の作品であることに思いを馳せて切なくなってしまいます。

交響的舞曲はラフマニノフの作品だと知名度が比較的低めで、ラフマニノフが有名なロマンチックな部分はちょっと少なめはあるものの、それとはまた違った魅力もあり、新しい風も感じられるような曲で。聴き込めば聴き込むほど、知れば知るほど心に浸みる音楽です。
ピアノ2台版もオケ版も是非聴いてみてください。

リンクしたのは手持ちの録音。いくつかバレエ作品もあるみたいなので振り付けしたバージョンも見てみたいです。

拍手[1回]

久しぶりにキーワードto音楽:「晴れ」を表す言葉
前回のエントリーに拍手ありがとうございます。
どうも新しいタイプのスパムがコメント欄に湧いているようでゆるゆる対処中。
お見苦しいとこがしばらくあるかもしれません~

明日から12月、師でないので走るとまではいきませんがそこそこイベントがある月です。
そこはもちろん全部楽しみなのですが、とりあえず基本の幸せとして仕事がちょこちょこもらえてピアノも練習できるといいな。

さて、ちょっと久しぶりにキーワードto音楽です。題材が長いこと見つからなかったのですが、こないだ何年前かのQさま見てたらちょっと使えそうなドボン問題があったのでちょっと題材にさせてもらいました。
問題は「晴れ」を表す言葉を選ぶ、というもの。11つの言葉の内10つが実際「晴れ」を表す言葉で、1つだけ違う言葉が混ざってます。
ということで10つの晴れを表す言葉に音楽を割り当ててみました:

(1)青空: オリヴィエ・メシアン 「鳥のカタログ」 第12楽章「クロサバクヒタキ」
ストレートに空が青いという表現。鳥の名前には「砂漠」が入ってますが曲の舞台は海。解説・曲中にあるように「青い海の喜び」なのです。そして海がそれほど青いってことは空も青いということですね。つまり同時に青い空の喜びでもある。ちなみに鳥が歌うのも気候・天候に色々関係するから鳥カタはほとんどが晴れの日の曲だったりします。

(2)蒼天: ヨハネス・ブラームス 交響曲第3番 第1楽章
上記と同じ青い空を表す言葉ですがこちらはHeaven的な天のニュアンスが強いようで。それならこのブラームスかな(多分この曲は「笑う」関連の言葉でも選んだ気がしますが気にしない)。一人のちっぽけな存在でしかない人間がでっかい山々に囲まれて見上げるでっかい青空、みたいなイメージ。

(3)碧空: オットリーノ・レスピーギ 「ボッティチェッリの3枚の絵」 第3楽章「ヴィーナスの誕生」
もう一つ青い空を表す言葉。「碧」だからちょっと緑色の色合い?ある程度雲もありそうな?と考えてたらこの曲に。題材の絵画よりも曲の方が天気がよさそうに聞こえます。上記2つの青空の突き抜けたパワフルさと日差しの強さ、曲元のイタリアや絵画の元のギリシャの地中海の晴れのイメージと比べてこちらはもっと穏やかで優しい印象に。(お肌に優しい?)

(4)好天: フランシス・プーランク 「シテール島への船出」
好天=良い天気、というニュアンスですね。いい天気っていっても色々ありますが門出だったり旅に出たりするのに恵まれた天気とみるとなんとなくこの曲が陽気に躍り出てくる。シテール島に行く芸術作品は数ありますがこの曲の明るさが一番「天気良い!」のテンションにふさわしいかなと。船に乗って旅に出る日に天気が良いってのはほんと清々しいですもんね。

(5)小春空: アントニン・ドヴォルザーク ピアノ五重奏曲第2番 第1楽章
「小春」というのは春のことではなく、秋の終わり~冬の初めの晴れて穏やかな気候のことを言うそうで。そういう季節ならヨーロッパ周りも色々音楽がありそう。ただ自分にとってはこのドヴォルザークかな。ちょうどこの曲に出会ったのも秋のそういう日で、これから来る厳しい季節をちょっと匂わせるようなところもあり。

(6)霜日和: セルゲイ・プロコフィエフ 「キージェ中尉」より「キージェの誕生」
小春と似たような季節の、もっと寒い晴れの日。そこまで寒いんならやっぱり探すはロシアとかそっち方面ですね。キージェという人物自体がなんか諸々謎なのですが、それでも誕生のときには天気がいいと縁起が良いよね、祝福されてるといいよね、みたいな思いのチョイス。音楽としてもわかりやすく寒さとほがらかさがある曲かな。

(7)上天気: クロード・ドビュッシー 前奏曲第1集 第5番「アナカプリの丘」
イタリアってほんと天気がいいイメージで。ただ地元の作曲家の作品を選ぶのもこの場合はちょっと違う。イタリアに旅行に来てる外国人が旅行だ!天気がいい!とテンション上がってるのを含めて選んぶべきだと思ったわけです。というわけでこの曲なんですが、旅行好きのドビュッシーに限らず他の国からイタリアに遊びに来て曲を書いてる作曲家多いですねー。

(8)長閑: レイフ・ヴォーン=ウィリアムズ 「揚げひばり」
のどか、と言うと田園題材の曲をいろいろ浮かべますがぶっちぎりでのどかなのはこの曲じゃないかなあ。ヒバリが歌い翔ける青い空、というのもありますが曲の穏やかさと息の長さ、時が止まるような、絵画になったような時間と空間。そしてなにより静けさ。この曲の(ひばりが主役と見せかけて)青い空に雲がただただ流れていく静けさがぴったり。

(9)凪ぐ: Stuart Greenbaum 「City Lights, a Mile Up」
これもまた空が晴れる、に風が止む=静けさの要素が加わった言葉。夕凪という言葉もあるくらいですから夕方とかの方がイメージしやすいかと思い。街の灯りを空から見下ろすというタイトルなのですが、曲を聴いて思ったのは夜ではなく、夕方に灯りがつきつつある状態で街を見下ろす風景。それにしてもこの曲が収録されてるThe Magic Islandは「凪ぎ」な曲ほんと多いです!オーストラリアの曲はデフォルトで天気良い曲多いですが穏やかな風景も幅広い。

(10)晴雪: ドミトリ・ショスタコーヴィチ 交響曲第13番 第5楽章
言葉は「雪が降った後の晴れ」ですが、曲のイメージとしては「雪が降った冬の終わりを告げる晴れと日差しの暖かさ」ですかね。交響曲第13番の他の楽章を聴かなくても、ロシア・ソヴィエトやショスタコーヴィチの音楽や歴史や諸々を知らなくても多分そういう画になるんじゃないかな。ささやかな暖かさ、まだ弱い日差しのまぶしさ、そしてそよ風にかすかな痛みと安堵を覚えるような曲です。

ちなみにドボン(ダミー)として入ってた言葉は「回天」。状況を一変させること、突然勢いを盛り返すという意味があるそう。Upside downな「回」ってことかな。
この言葉から連想するのはストラヴィンスキーの「春の祭典」とかかな。正にクラシック音楽・バレエの世界をひっくり返して新しい風をばーっと入れた、新しい世界が生まれた作品なので。

やっぱこういうエントリー楽しいんですけど題材準備するのも曲選びも時間・労力かかるので。
また思いついたらいずれ。


今日の一曲はお休みです。

拍手[1回]

Plexusコンサート@Medley Hall感想
前回のエントリーに拍手&拍手コメントありがとうございます。

前回書いた通り昨日は友達のコンサートに行って来ました。日本に行ったりしてちょっと音楽畑から離れてると仲間の演奏を生で聴くこととか音楽仲間の集まりの雰囲気とかすっかり忘れてしまって。戻って来れてなんだか安心。

そのコンサートはちょっとぶりのPlexusトリオのコンサート。場所は以前別の友人が弾いたMedley Hall。メルボルン大学の小規模な寮で古く美しい建築と、あとかなりお客さんと近いセッティングが独特。

プログラムはいつもとはちょっと違う性質でこんな感じでした:
Plexus @ Medley Hall
バイオリン:Monica Curro、クラリネット:Philip Arkinstall、ピアノ:Stefan Cassomenos
Kevin March 「Une Petite Sonate」
ヨハネス・ブラームス バイオリンとピアノのためのスケルツォ
ヨハネス・ブラームス op.119より2つの間奏曲
Tony Gould 「Trio for Stefan」
Ian Munro 「Schubertiades」
フランシス・プーランク クラリネットとピアノのためのソナタ
Mary Finsterer 「Julian Suite No 1」より第1楽章「Nobility」
Allan Zavod 「Flurry」

今年のこれまでのPlexusのコンサートで初演してきた曲の再演を中心にトリオ、デュオ、ソロの曲を色々ミックス。初演は初演で特別ですが、いろいろプレッシャーや必要な事が伴うため初演ではできないことも多く。その分再演は音楽に改めて思うこと、楽しむ余裕、そして熟成もあって奏者も作曲家も楽しみだそう。
特にZavodの「Flurry」はすっかりPlexusのsignature曲になりつつありますね。曲のジャズっぽいかっこよさはもちろんですが、3人の演奏、チームワーク、そして色んなプログラム組みで最後にこの曲を置いたときの決まる感、ほんと最高です。

そして再演に限らずブラームスやプーランクも組み入れてくれて、この3人の奏者たちが比較的伝統的なプログラムをどう弾いてくれるのかってのを改めて聴けてよかったです。あとプーランクはいつ聴いても楽しいしいつでもウェルカムな曲なんですよ。

それにしてもTony GouldとかAllan Zavodとか息をするようにこのトリオにジャズを書くのがすごい。複数ジャンルに住んでる人々がうらやましいです。
あと今回改めてすごいとおもったのがMonicaの(特に最後の曲での)リズムのセンス。バイオリンがあんなにリズムセクションになるのって見たことがないかも。かっこよかったなー。

そしてコンサートの後は恒例飲みに。イタリアンで有名なLygon StreetのCarlton Yacht Clubのエスプレッソマティーニは美味しいです。あんまりお酒感がないというか、なによりまずコーヒー。コーヒーの美味しい街ではエスプレッソマティーニも美味しくなりますわな。

今回主に盛り上がった話は音楽家の(特にこのトリオの)ワークライフバランス。
演奏を生業とする人は生活するために本業以外に仕事をしたり、本業のための無償の仕事(何時間も練習したりとか)も多かったり、一般に知られている「演奏でやっていくのは苦しい」ということ以上に大変なことが水面下にあり。
Plexusの場合は作曲家にお金を払って曲を書いてもらったり、短期間で曲をリハーサルして演奏できるようにしたり、オケや他の本業もその間続けたり(海外に行くこともありますし)、身体的・精神的な労力と負担がかなり多く。(もちろんプライベートもまた別にあります)

だから今回一緒に聴きに行った友人(前回Medley Hallで弾いた)曰く、Plexusの活動の中枢と存在意義はここ2年でしっかり確立したし、再演にも再演のいいところと大切さがあるから新しい曲を世に出すペースをちょっと落として負担を減らしたほうがいいのではないか、と。それに加えてコンサート関連とは別に純粋に友人として一緒に時間を過ごすのも大切、と力説してて。

現実問題それも色々難しいらしいのですが、少なくとも最後の部分に関しては(その話がでる前に)私が今年も年末に近いし一通りコンサートとか終わったら音楽仲間を家に招いて日本食を振る舞いたいと話していて。
そういうことが音楽仲間の憩いというかちょっとした助けになるといいなあ。
自分はなかなかその大変な世界に足を踏み入れてけないけど、演奏・作曲の世界で頑張っている仲間の力にはなりたいと強く思っています。音楽自体も応援したいけど、携わる人も。
自分も演奏という形でも携わりたいですが、音楽愛好家として応援するのももっと力入れたい。
そう思った夜でした。

それにしても日本食ディナー楽しみです。前述通りコンサート関連とは別で遊ぶのも新鮮ですし、料理振る舞いたいモードが発動してますし、音楽仲間と一緒にいる楽しさってやっぱり特別だと今回飲んで思ったので。頑張って企画するぞ。

そして明日はリハーサル。1年ぶりのチェレスタ楽しみ。ちゃんと音出せますように。


今日の一曲は用意してなかったのでお休み。また次回。

拍手[1回]

リハーサル始まった
やっと体調が元に戻ってきた。
花粉症もなく風もそんなにはひかないので人生でこんなに鼻が詰まったのは極めて珍しい。
まだ口呼吸ですしここ数日で鼻周りの皮膚がひどいことになりましたがなんとか大丈夫かな。

とりあえずおとといバレエに行って昨日オケのリハーサルに行けるくらいにはとりあえず回復。
オケは一時帰国後半あたりで話してたアマチュアオケでの仕事です。
コンサートの予定はこんな感じ。

Zelman Symphony Orchestra「Russian Dance」
2015年12月5日 20時開演
Eldon Hogan Performing Arts Centre, Xavier College
指揮者:Mark Shiell
<プログラム>
ピョートル・チャイコフスキー バレエ「くるみ割り人形」組曲
Elena Kats-Chernin フルート協奏曲「Night and Now」(フルート:Sally Walker)
セルゲイ・ラフマニノフ 交響的舞曲

私が弾くのはくるみ割り人形(金平糖の精のチェレスタのパート)、そしてラフマニノフにもピアノパートがあります(ただし第3楽章は休み)。
Kats-Cherninでパートがないのはちょっと残念だなあ。ちなみにこの曲はこないだダーウィンで初演があったそうで、どんな感じだったかちょっと気になります。レビューでてないかどっかに。

で、昨日のリハーサルはラフマニノフでした。これまでユースで弾いてきたピアノ協奏曲第2,3番や交響曲第2,3番などが簡単とかシンプルな音楽だったわけじゃ全然ないですが複雑さではほんとこの「交響的舞曲」は段違い。甘さ控えめで何かと「細かい!」と言いたくなる、でもそれがなにより魅力の曲でした。

オケ版だとわかりにくいかもしれませんが(=ピアノ2台版の方が分かる)、使ってる和音やその連なりのちょっと奇抜なのもすごい芸が細かい。というかピアノみたいに普段から和音を強く意識して操作する楽器の人はなんとかなるとしても横のラインがデフォルトの楽器の人にとってこのトリッキーなハーモニーの流れを把握するのって結構難しいんじゃないか?
(ハープに関しては把握よりも技巧的に弾くのがすごい難しそう)

この曲に限らずマーラーとかショスタコとか複雑なオケ音楽って自分のパートはもちろん、自分のパートに直接関わってくるパート、のみならず曲全体の流れや細かい動きまで知ってることがかなり求められると思うんですよね。
それをオケの一人一人ができるかっていうとアマチュアだとちょっと厳しいとこがあるかな。自分のパートでいっぱいいっぱいになりがち。(ユースもちょっとそうだけど向上心とオタク気質がちょっと多めと思うので)

だから今回のこのレパートリー(まだ聴いてないけど多分Kats-Cherninも)はチャレンジ&reality checkになりそう。がつんというのを感じてもらわなきゃ伸びないぞー。

で、そんな昨日はリハーサルする楽章の順番の関係で私に待ち時間が生じたためkindleで「孔明のヨメ。」の著者による「江河の如く」を買って移動&待ち時間で読みました。
「江河の如く」は孫子の兵法の誕生物語+ちょっと解説みたいな漫画+文章本で、どちら部分も軽く読めて。「孫子の兵法」入門(with背景)というかここから始まる、みたいな印象。

なので一通り読んだらもっと詳細に勉強したくなりました。内容はもちろんまとめ方も面白いから中国語で書いてあるのも見たいなーとか(ついでながら英語版でどう訳されてるのかも職業柄気になる)。あと作中であった「孫子の兵法」の全般的な性質も面白くて、それが後の時代にどう応用されてるかとか。さらには戦争以外の応用ってあるのかなーとか。(なんとか・・・音楽に・・・???)
とにかくこの本を読み終わってここからどう学びたいか具体的になった気がします。

ということでラフマニノフのこっまかい音楽で頭の働き刺激されながら孫子の兵法で頭の働き刺激されて(でも必要なときにはきれいに切り替わるんですよね)、なんかこれから「兵法」って聴いたら交響的舞曲が自動的に頭で流れそう(笑)

来週はメルボルンはカップデーの祝日なので次のリハーサルは2週間後。こんどはくるみ割り人形で去年ひいたチェレスタと再会です。
オケで久しぶりにピアノ弾くと「あ、やばい音量がソロでなれてる感覚じゃ大きすぎる」ってとこが多々あったのですがあのチェレスタは反対にピアノの感覚だと音量が出ない。なるべく早く慣れたいとこです。

さあ、ここらで日常のルーチンとリズムを取り戻せるかな。ついでに気候もいい感じになってるので暖かいときは外にもっとでたいぞ。(なぜならそれでも家の中は寒いから)


今日の一曲: face to ace 「kaleido-parade」(シングルバージョン)



いま計算したらリハーサルまだ数が十分あるのでラフマニノフとか金平糖の精はまたじっくりやることにして日本で入手CDシリーズを続けることに。
これはface to aceのライブに行ったときに買ったシングル「kaleido-parade」から。もしかしたら以前アルバムバージョンを紹介してるかも。でも好きなんでもう一回紹介しちゃう。(このシングルの収録曲はアルバムでいうと「fiesta」に収録されてます)

行進のテンポがいい感じでちょっとだけ気持ちを持ち上げるのも、安定のピアノベースもメロディーのリズムも好きで。「fiesta」収録曲はなにかと自分の心を微調整する的な音楽が多いような気がするけど気のせいかしら。爽やかで透明な曲が多いからか。

アルバムバージョンに比べてシンプルなイントロのシングルバージョンですがどっちも好き。
行進風のリズムが綺麗な曲だからイントロでわくわくさせるアルバムバージョンもいいけど、最初から和音の美しさが光るシングルバージョンもいい。

でもまだこの曲を生で聴いたことがないんだよなー。(記憶あってるよね)
face to aceのライブのセットリストは結構季節を意識してて、一時帰国の季節だと「ヒグラシ」の終わりの季節だったりもっと秋冬の曲で共通して何回か聴いてるのもあり。
「kaleido-parade」ってどのタイミングでやってるんだろうなー。聴いてみたい。

同じシングルに収録されてるのがロック色ありのアップテンポな「流星雨」、そして穏やかきわまりないバラード「Into the blue」。どれも名曲でバランスとれた3曲です。でもそれだったらやっぱりアルバムで買うのがオススメかなー。face to aceの景色の色彩を存分に。


拍手[2回]