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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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コンサート「Plexus: Heliosonic」感想
前回のエントリーに拍手ありがとうございます!

そして相変わらずゲームについて書けてないですがこれだけ書かせてください。
Age of Wonders 3のElven Court Campaign(Torchbearersルート)クリアしました!難易度はEasyですが終わったことに変わりはない。最後のミッションはその特殊な勝利条件を生かして(=余計なことは捨てて)功を奏したようです。もう一つのキャンペーンはHuman Dreadnoughtという種族クラス組み合わせであんまり食指が動かないので拡張のキャンペーンをやってみようかな。

さて、月曜日には同門の友達が弾いてるPlexusというトリオのコンサートに行ってきました。
Plexusはメルボルンを拠点としたピアノ・バイオリン・クラリネットのトリオ。同じ編成のVerdehr Trioの精神を受け継いだアンサンブルのために作曲家に曲を書いてもらい演奏するシステムをとっているアンサンブルです。(ちょっと文が迷子になりましたが)
なのでPlexusがコンサートをやれば演奏されるプログラムはほとんどが世界初演・メルボルン初演。地理的な要因上オーストラリアの作曲家が多くなりますが、国外の作曲家を含めた色んな現在活動中の作曲家の作品を世に出しています。

今回のコンサートプログラムはこんな感じでした。今年亡くなったPeter Sculthorpeを偲ぶコンサートということでSculthorpeの作品が2曲(どちらもVerdehr Trioのために作曲された作品)が演奏されましたが他の5曲は存命の作曲家の世界初演です。

Plexus: Heliosonic
Monica Curro (バイオリン), Philip Arkinstall (クラリネット), Stefan Cassomenos (ピアノ)
(+「ABRAXAS」でMichelle Wood (チェロ))

Peter Sculthorpe 「Night Song」
Michael Knopf 「Quasi Helio Sonic」
Sean O'Boyle 「Morning Ramble」
Robert Cossom 「Lux Aeterna」
Adrian Hollay 「Desert Cities」
Nicholas Buc 「ABRAXAS」(James Vinsonらによる映画付き)
Peter Sculthorpe 「Dream Tracks」

今回7曲演奏されましたがクラリネットの方はB管、Es管(Lux Aetaerna)、バスクラ(Dream だったっけ)、そしてバセットホルン(Morning Ramble)と4本持ち替えでした。ご本人に聞いてみたら持ち替えはほとんどいいのですがEs管はもはや別の楽器だそうです。
それぞれの曲に楽器のチョイスがものすごくしっくりきましたが、特にMorning rambleではバセットホルンは暖かい音色が心地よかったです。

Sculthorpeの作品はどちらもものすごく美しい、アンサンブルの特色が生きる曲でした。夜や夢の色彩がなんだかオーストラリアっぽくて、ものすごく好きです。オーストラリアの宝ですね。
こういう感じの曲がピアノソロでもあれば是非Sculthorpeの作品を弾いてみたい。

Nick Buc作曲の曲を聴くのは実にユースオケ以来(このブログで紹介した「Sky Saga」)。あの頃から物語や映画とものすごく親和性の高い音楽でしたが昔以上に今も物語の流れや人物の心の動きとしっかり絡み合う音楽が素敵でした。映画も短くどっちかというと静かながらものすごくパワフルでした。

でも一番のお気に入りはメル響のシンバル奏者でもあるRob Cossomの曲でした。
打楽器奏者らしく音色や音の質にただならぬこだわりが見える、ものすごくものすごく繊細な曲。「Lux Aeterna」=永遠の光というタイトルで様々な作品が書かれていますが、この曲はそのどれとも違う、独特な場所で特別な光を放っていてすごく好きです。(そして解説文がまた音楽にすごくしっくりくるんだな!)

7つの曲がどれも違う性質とキャラクターだったのも面白かったですがそれが不思議とひとつのプログラムとしてまとまって成り立っていたのも面白かった。Sculthorpeで始めて終わってるのも一つの要因だろうけどそれだけじゃなさそう。

で、今回のコンサートはシティのすぐ北、North Melbourneのリトアニア人クラブで行われたのですがコンサートがあったホールの奥の方にバーがあってそこでコンサート後飲みました。
(ちなみに玄関周りにあったプレートなどをみたらリトアニアの名前って見たことない綴り!それからバーの張り紙なんかもリトアニア語でも書いてある!しかも英語と同じアルファベットで書かれてるので一瞬読めそうに見えるのに読めなくて何度か酔っ払ったかと思いました)

そこで前述Stefanに「20のまなざしを全部演奏するべきだ」と強く言われて。(しかも知らない人に私を紹介するときに毎回「20のまなざしコンプリートまであと3曲」と紹介した)
そろそろ考えなきゃなあと思っていたのですがちょっと真剣に考えてみようと思いました。力になってくれるそうですし。
実は実現させる話なら自分の20のまなざしの演奏だけでなくメシアンマラソンとかも構想が頭の中にありますし、あと20のまなざしもやりたいけど他にも色々やりたいことあるんだよなーと改めて思ったので色々整頓しはじめました。考えるだけならできるけど実現できるかどうか。

ただ「20のまなざし」は本当にやりたいと思ってますし、演奏に関しては一番実現できそうな夢であり爪痕足跡残せそうなことですし、あと他のメシアン含め色々やる上でも「20のまなざし」はやっておかなきゃいけないみたいなとこがあるかなー・・・と思ってます。
ただ改めてプランするとなると簡単ではないのでモチベーション落とさず行きたいです。

そういえば数日前オスバルド・ゴリホフのピアノ作品2曲の楽譜を注文しました。いつ届くか分からないのですが今夏はアルゼンチン周り固めたいというのもやりたいことの一つなので。(ヒナステラやピアソラも借りてくるよ!)楽しみです。


今日の一曲はお休み。


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異種コンサート2つまとめて感想
前回のエントリーや前・過去のエントリーに拍手ありがとうございます。
一時帰国の話の途中でしたが火曜水曜とコンサートに行ったのでこちらを先に。
あと昨日リハーサルだった話も書きたいです。

さて火曜日のコンサートはピーターの作品を聴きにいきました。
詳細はこちら。

コンサート「Arianna on a Bridge of Stars」
Melbourne Recital Centre、Salon
Peter de Jager 「Arianna Meandering」(ホルン独奏)
Brett Dean 「Night Window」(室内楽アンサンブル)
Claudio Monteverdi 「Lamento d'Arianna(アリアンナの嘆き)」(ソプラノ+ハープシコード)
Peter de Jager 「Model Universe」(ソプラノを含む室内楽アンサンブル)

このコンサートは3番目に演奏されたバロック時代の作曲家モンテヴェルディのオペラの「アリアンナ」から唯一現存しているアリア「アリアンナの嘆き」という曲を中心にしたコンサート。他の3曲は「アリアンナの嘆き」をテーマとして作曲された曲です。(ちょっと説明下手かな)

Deanの音楽もピーターの音楽も頭で理解して吸収するのいものすごく難しいところのある音楽ですが改めて隣同士で聴いてみるとその音楽の性質も難しさの性質もかなり違う印象。ただそれを言葉で説明しようとするとできないのですが(汗)
あとこのコンサートのテーマへのアプローチだったり闇のエレメントの扱い方も違うのが面白い。

なにより最後の「Model Universe」が面白かった。ピーターの室内楽作品って(多分必然的に)人数=楽器数が多いのですがそれでも楽器同士の絡み合いが強力で聴いててびっくりします。さらに歌い手のパートも楽器と同等に絡んでいて(大変そうだけど)普通の「歌曲」とは違う聴き応えがありました。
そしてびっくりするといえば毎回彼の作品を聴く度にその裏の思考のメカニズムの凄さに驚きます。難解な世界ではあるけど聴いてると引き込まれる。
そしてピーターの音楽の「幾何学的だけれど生命的な気まぐれさ」という特徴がものすごく強く表れてた気がします。

そして今回プログラムとともに手書きのスコアの断片を含めた作品紹介ページがあったのもよかったです。ああいう音楽だから最終的な結果としての作品だけでなく作曲のプロセスも見てみたいと思っていたので。本当に断片なので垣間見える程度ではありますがそれでもものすごく興味深いです。

そして水曜日はMelbourne Festivalの一環のコンサート、Pat Metheny Unity Groupを聞きにHamer Hallに行きました。本拠はアメリカだそうですがメルボルンに来るのは30年ぶりだそう。(ここに来る前に日本でも公演やってたみたいですね)

そもそもなぜPat Methenyのコンサートを私が聞きに行くことになったかの経緯をちょっと。
クロノス・カルテットを知ってから彼らのCDを出してるNonesuch Recordsのネットラジオチャンネル(Nonesuchが出してるCDのトラックをランダムorジャンルごとに再生してくれる)を聴くようになり。それで色々聴いてたらふと「おっこれ良いな」と思った演奏があって、見てみたらPat Methenyというジャズギタリストの演奏で。
その名前に聞き覚えがあり、それがいつだったか碓氷峠音楽堂本舗でACEさんが対談したとおっしゃってたギタリストだ!と思い出してNonesuchのサイトで改めて録音を調べてみたら実は手元のElectric Counterpoint(Steve Reich作曲)の演奏を弾いてたのがPat Methenyだということが判明。
そしたら今回メルボルンで弾きに来る、しかもかなりの年数ぶりということでこれは聞き逃せないということになりました。

そんな経緯でほとんどPat Metheny(ソロでもUnity Groupでもその他アーティストでも)の音楽を知らない状態でコンサートに行くことになり。でもいつものHamer Hallなので普通にぶらりと聞きに行きました。

いやあ楽しかったです。ジャズでもかなり頭を使うというか複雑な魅力がある音楽。
なによりリズムがすごい!こんなリズムを使ってくるんだ!みたいなわくわく。
途中から自動で動くパーカッションみたいのが人間ではなかなかやりにくい細かい刻みを常時続けるのを担ってて(この常時刻みの存在は面白かったです)、でもその上にまた人間のドラマーがかーなーり細かいリズムを奏でるIntricateなつくり。
ドラマーの方のパートはすごかったなー。ソロももちろんかっこよかったですがそうでないところもびっくりような細かいパートを弾いてて。実際どうやって弾いてるんだろう。どういう考え方と体の動かしかたなんだろう。

Pat Methenyのギターも面白かったです。千変万化の音にこれまた独特なリズムのセンス。アコースティックも弾いてたけどエレキの方が魅力を感じたかな。時々フレーズの作り方が管楽器みたいに聞こえるところがあって、サックスとものすごく相性の良い音になったり。サックスとのデュエット部分は異種の楽器同士とは思えないくらいの絡みでした。

ということで火曜日も水曜日も良い音楽に出会えて、楽しいコンサートに行けてよかった。
Pat MethenyもこれからゆっくりCD買ったりNonesuch radioで聴き込みたいです。


今日の一曲はお休み。リハーサル分も紹介しなければなのでキューがまた伸びる!
(でも聴いて消化して選ぶほうはある程度進んでます)

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一時帰国振り返り:ライブ周り
さて、振り返ってみますか。

今回の一時帰国でface to aceのライブは2回行きました。大体毎年いるうちに2回行くように調整してます。face to aceはACEさん+海月さんの二人が演奏する2topスタイルのライブとサポートメンバーが入るバンドスタイルのライブがあるのですが今回(あと前回も)それぞれのスタイルに1回ずつ行ってます。
前回は2topのライブの中でも「パジャマライブ」と呼ばれるちょっとゆるめの、ご飯が食べれたりするお店でのライブにも行きましたが今回は2回ともライブハウスでの参戦になりました。
ロケーションは静岡(2top)と恵比寿(バンド)。どちらも違う楽しみで堪能しました。

盛り上がるのはやっぱりバンドライブですね。セットリストも激しい曲がちょっと多くなりますしアレンジも演奏もがんがん楽しめる。CDで聞くのと2topで生で聞くのとバンドで聞くのでは去年も書きましたが音楽が変わってきます。曲が化けます。バンドスタイルだと(自分にとってツボである音楽要素の)リズムとハーモニーが増強される傾向がまたいい。
それからCDで聞いてる時はバンドでやると思っても無かった曲が結構入ってきたりという驚きもわくわくです。今年もありました。

でも今年行ったライブでものすごくよかったと思ったのが静岡での2topライブでした。
まずライブハウスの良し悪しに詳しくない私でもはっきりわかった音響の良さ。face to aceの音楽の魅力であるハーモニーが綺麗に響くという印象で。
それでセットリストがまた良かった。ラジオ(碓氷峠音楽堂本舗第286回)でそのときのセットリストについてお二人も話してたとおり精神的にがっつりくる曲の連なりで。ライブの後で(割とおとなしく聞いてたにもかかわらず)呆然としてました。でも精神的に消耗するのは音楽ならほんと大歓迎。むしろそういうのが大好きなんですよ。(クラシック界隈での好み&これまでのコンサート感想で分かるかもしれませんが)
あのライブを音響+セットリスト含め全部ひっくるめて持って帰りたかった-。あんなライブにまた行きたい。

ライブ自体もものすごくよかったのですが東海界隈のファンの皆さんたちとの話も弾んでしまったのもあり次回も静岡Sunashでのライブに是非是非参戦したい!と思ってます。一時帰国の日程の調整基準の一つには確実になるくらいには。
ただ福島や仙台のライブハウスもラジオでのお二人の話によると音が良いそうで(めっきりこの言葉に弱くなりました)もっと地方のライブも行ってみたいなあと。あと座るスタイルのパジャマライブとかも雰囲気など違う楽しみがあるのでまた行きたい。
お二人も1年通して日本ほぼ全国回ってますし、自分もJR Passがあれば大抵のところは行けますし、日付の都合さえ付けばいろんなライブに行けるわけで。来年の動向がすでに楽しみです。
(ああでも来年も浴衣の季節には日本に行けないんだよなー・・・ラジオで楽しそうに話してらした浴衣が・・・)

あと今年はライブDVDが出て(まだかいつまんでしか観てませんがわくわくです)、来年は新曲も出るということでライブもCD購入も期待大です。どんな景色、どんな新しい色がみられるんだろうなー。

そして今回はライブのDVDだけではなくカバーアルバム「Songs Make My Day」とシングル「ヒグラシ/GET MY DAY」を購入しました。シングルオンリーの曲はまだなかなか揃わない・・・
さらに調子に乗ってACEさんが絵を描いたグッズから扇子も買いました&お二人にサインいただきました。こちらも今夏愛用させていただきます。

ということで久しぶりの今日の一曲は今回購入したCDから。もう片方のCDからもまた後日。


今日の一曲: face to ace「GET MY DAY」



購入したシングル「ヒグラシ/GET MY DAY」から。CDを入手する前からライブで聴いて知っていて好きでしたが改めて落ち着いて聴いてみると(=どうやらライブのときは落ち着いていないらしい)すっごい良い曲。生で聴くときの音楽の圧倒的なパワフルさに代わってCDで聴くと曲全体、そして歌詞のパンチの力強さが楔のように刺さって、最初に聴いた時から脳内再生頻度すごいです。

face to aceの音楽の中でも特に勢いがあるアップテンポのナンバーで、ACEさんらしいメロディーの強さと心をぐっと掴むハーモニー使いがとても魅力的。聖飢魔IIの時代の楽曲を聴いても思う事ですがほんとACEさんは音楽の動かし方をよく知ってる。心に響くのは理に適ってるからって部分も大きいよなー。

そんなこんなでいきなりACEさん作曲の楽曲、そしてface to aceの楽曲全体でもかなり上位に上がってきたこの曲。改めて曲をじっくり聴いてからの来年のライブでこの曲を聴くのがものすごく楽しみです。

そういえば「ヒグラシ」はこのブログで紹介しましたっけ?一時帰国のタイミング上生で聴く機会も多い、face to aceが好きになったきっかけの曲でもある曲で、ジャンルを問わずたまの「「夏です」と一回言った」やクラムの「夏の夜の音楽」に並ぶベスト「夏曲」の一つです。今サイト内検索かけたら今日の一曲で紹介したことはなかったようなのでそのうち改めて。

先ほども書きましたがまた後日「Songs Make My Day」からも1曲紹介します~

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Grigoryan Brothersコンサート感想
今年も春が来た-!と思ったら明日からまた気温が下がるそうです。暖かいと目に見えて体も頭も動くのに寒いのに逆戻りしたくない・・・(涙)
そんな暖かいのも一旦終わりの今日は昼間に近場でコンサートに行ってきました。

Glen Eira Town HallでWinter Music SeriesのコンサートとしてギターデュオGrigoryan Brothers(Slava Grigoryan & Leonard Grigoryan)の演奏がありました。今日会場に行ったらチケットは全部売り切れとすさまじい人気。予約しておいてよかったー。

プログラムは紙に書いたものがなかったので正確な曲名とかは覚えてないところもあるのですが前半は定番ナンバーのFantasie on the Theme of William Lawesと一番最近のCDに収録されたチャイコフスキーの「四季」からいくつかと前も聴いたことある曲ばかりだったのですが後半には初めて聴く曲、新曲も多く並びました。
なんでも今年のヨーロッパでの演奏旅行の間ノルウェーで録音をしてきて新しいCDを12月頃に出すそうで、今回弾いた曲もいくつか収録されるそうです。

毎回のことながら単純に「兄弟だから」で片付けられないすごいアンサンブル。(そもそもかなり年が離れてる兄弟なので私の思ってる「兄弟」とはちょっと事情が違うんじゃないかな、一緒に音楽を奏でるにしても)
特にチャイコフスキーの2月など速いパッセージの掛け合いでそれが本当に際立つ。音を奏でるタイミングがぴったりということだけでなく個々のラインの音の粒の揃いだったり流れだったり勢いも失わず全体が一つの音楽になっている感がいい。

それに一人一人あんだけ技巧が素晴らしかったらほんと2人合わせてもなんでもできるよなーと思いますね。曲のレパートリーもギターのレパートリーやギターに合いやすい曲に限らずもっと冒険できますし、曲の中での表現も広がりますし。特にギターやピアノみたいな弾く音が多い楽器でしっかり技巧を磨いておくことの大事さを改めて思い知りました。

今回のコンサートで一番演奏が好きだったのはピアソラのタンゴ組曲の第2楽章でしたが(そっちは今日の一曲で紹介します)、Grigoryan Brothersはブラジルの音楽とものすごく相性がいいですね。2人のうちだとLeonardの弾き方がよりラテン的なのですが、ブラジルの音楽の半音的に冒険する色彩は二人の技巧やスタイルとうまいこと働き合うというか。オーストラリアの音楽を弾くときとは全く違うスタイルと色彩で魅力的です。

前回2人のコンサートを聴いた時にも演奏されたWilliam LoveladyのIncantation No. 2(元はギター1本だったのを2本用に編曲した版)は生で直接雰囲気空気も含めて味わうのも好きですがこんどのCDに収録されてると聴いて嬉しいです。ふと思い立ったときに聴けるよう手元に身近に置いておきたい一曲。
CD、12月に発売されるのが結構楽しみですでに購入を前向きに考えています(笑)

短くなりましたがあとは今日の一曲で。


今日の一曲: アストル・ピアソラ タンゴ組曲 第2楽章(アンダンテ)



今日聴いたのはもちろんギターデュオ版ですが2人の録音が見つからなかったので(出してるのかな?)手持ちのヨーヨー・マのチェロ版で。どちらにしても魅力的な曲で平行して紹介します。

ギター版のこの曲はものすごい繊細で終始細い線に触れられているような不思議な緊張があってものすごく好きです。一つ一つの音が大切に弾かれ消えていくのがまるで泡のような儚さがあって、余韻やちょっとしたためらいのような間までもが美しく。

チェロ版の繊細はちょっと違う感じがあります。長く伸びるメロディーのラインが自由でセクシーで、心のままに描いて紡いでいくように、ふと黙るように、あたかもそこに人間がいるような感覚があります。

同じピアソラでも例えばリベルタンゴとかLe Grand Tangoみたいながっつり情熱とはちょっと違うラテンの魅力がこの曲にはあって、それが心の隙間にすっと入るのがいいなーと前々から好きなピアソラの一つです。是非ギターデュオ版も欲しいな・・・

ところでピアソラの曲がコンサートで演奏されたりCDに収録されたりするときって複数楽章構成の曲集も一部だけ収録というケースが多い気がします。一つ一つの楽章が個々の曲でありそれだけで十分成り立つようなところが大きいのかな。そういう自由度が大きいのはいいことですが私は曲集まとめて全体像を見てみたい傾向が強いのでもっとwhole work単位での録音も欲しいなあ・・・

そしてピアソラを知ってゴリホフを知ってまたピアソラに戻ってくるとちょっとだけピアソラの音楽の見方というか感じ方が変わってきたような。アルゼンチン音楽やっぱりいいですね。暗いところに惹かれます。もっと聴き広げていきたい。

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ビオラパーティーという名のコンサート感想
前回のエントリーに拍手ありがとうございます。

こないだAge of Wonders 3でランダムマップをやろうと思って思い切って難易度・地図の大きさを1段階上げてプレイヤー数を8人にして始めたらしばらくしてものすごく切羽詰まってきてわたわたしております(全部上げるんじゃなかった・・・)。
さらにプレイヤー数を増やすと勢力のシンボルカラー(主色)がかぶってランダムで他の色に変えられてしまい、せっかくつくったカスタムキャラが出会ってみたら変な色になってて微妙にショックだったりしました。仕方がないですけどねえ・・・

さて、昨日は国立アカデミーに通うビオラ弾き友達のリサイタルに行ってきました。
リサイタルといっても毎回試験のリサイタルでは室内楽レパートリーも交えてビオラのソロでの魅力だけでなく他の人とアンサンブルで弾くことの魅力まで味わえちゃうそうで。
今回は卒業前最後のリサイタルだったみたいで、こんなプログラムでした。

国立音楽アカデミー ソロリサイタル
ビオラ:Katie Yap
ミェチスワフ・ヴァインベルク 無伴奏ビオラソナタ第2番
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調 K.364

前者はタイトル通りビオラ1人の作品で、後者はバイオリンソリスト、ビオラソリストとオーケストラ(モーツァルトなので小さめですが)のための作品。書かれた時代も曲調も含めてほぼ正反対の2曲でした。

ヴァインベルクは始めて聞く作曲家でした。ポーランド出身のユダヤ系の作曲家で、ホロコーストの際にソヴィエトに亡命してスターリンから圧力を受けたり(時代の影響もろ受けてますね)、ショスタコーヴィチとも親交があり比較対象にもなったりした作曲家だそうです。ピアニストだったそうですがこのビオラソナタを聴く限り弦楽器ネイティブと言われても納得しちゃうような書き方で(そこからヒンデミットの無伴奏ビオラソナタにも通じるところがあると思います)。ボロディン・カルテットと親交が深かったにしても見事。要チェックの作曲家です。

今回の演奏ではビオラ1台でものすごく幅広い表現をする弓使いが凄かったですね。弦楽器の音楽性って右手がものすごく大事なんですよ。(楽器によっても変わってきますが右:左=7:3くらいじゃないかな)この曲の魅力を作る細やかな表現は弓のコントロールと使い分けがしっかりして始めて成り立つこと。曲にもわくわくでしたが弾き方にも終始わくわくでした。

ビオラの音の特徴として他の楽器(弦楽器に限らず)と溶け合いやすい、というのがあります。なのでモーツァルトみたいに他のソリスト・バックのオケと一緒に弾く部分が出てくるとどうしても隠れてしまうんですよね。
ただソリストとして前に出るところはバイオリンのソリストにひけをとらない存在感できっちり前に出て、バイオリンとビオラ2人の世界が聴き応えありました。

ビオラはやっぱりいいですねー。レパートリーがそんなに多くないということはよく言われるのですが、ここ数年で行ったビオラのコンサートでは自分が知らない曲(ソロ、アンサンブル含め)色々初めて出会ってて、まだまだいっぱい良い曲が巷にはある感が満載で。
素敵な曲に出会うだけでなく、それらの曲を通じてビオラの魅力を何度も再発見できるのも本当に楽しいです。
あと自分はやっぱり楽器としてビオラが好きなんだと実感。音も役割もレパートリーも、なんか性に合う。ビオラを弾かないながらも人生の要所要所で縁ができてうれしい。

さて、次聴きに行くコンサートは日曜日。ギターデュオGrigoryan Brothersがうちの比較的近くでコンサートをやるそうなので聴きに行くことにしました。
日本に行って帰ってきてからも結構色々行きたいコンサートがあるのでちょっと考え始めないと。なんだか考えることがたくさんで慌ただしい・・・


今日の一曲: ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調 K.364 第1楽章



多分この曲前も紹介してるけどこの機に再度。(ほんとモーツァルト多かったなあ最近)
モーツァルトはピアノやバイオリンを演奏するイメージが強いと思いますが(マダム・タッソーの蝋人形はバイオリン弾いてました)、ビオラを弾くことも多かったそうですよ。
モーツァルトの作品でビオラがソリストに入ってたり室内楽の一員だったりする曲ではビオラパートは自分が弾くのを想定して書いているらしいです。もちろんこの曲もそう。なのでビオラもバイオリンに負けず前にでて技巧的に活躍するようになってます。

(ちなみに有名な作曲家でビオラ弾きって意外といます。モーツァルト、ドヴォルザーク、レスピーギ、ヒンデミット、Brett Dean・・・と思って調べたらこんなにいた!すごいリストだ!そしてちょっと面白いサイトですね)

バイオリンとビオラが対等に扱われてるこの曲、第1楽章では特にそれぞれのパートが対称的に書かれています(=バイオリンのソロが曲の前半で弾いたソロはビオラが曲の後半で弾いてる)。
でもバイオリンとビオラのソロが競い合うというよりは互いに会話するように、キャッチボールするよう。よくよく聞いてみるとフレーズの終わりであたかも片方がもう片方にパスを出すような音型がたびたび出てきたり、バトンを渡すようにしばし音が重なり合ったり、うまいこと書かれててにやりとします。

もちろんこの曲は録音も多く出ています。どんなバイオリニストがどんなビオリストとコンビを組んで弾いてるかってのも見所ですね。録音を選ぶ際にビオラ弾く人知らないなーという場合でもバイオリニストで選んでそこからビオリストを知っていくルートができるのも良い。
リンクしたのは持ってなくて試聴はないのですが、五嶋みどり&今井信子の日本人コンビの録音もあるんですよーということで紹介。他にも色々ありますよー。

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