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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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メルボルンの冬の花と団子(not literally)
7月に入って冬になった、に加えて風が強い日々が続き特に朝はほんとうに動くことがおっくうな今日この頃です。
効率良く生活するのはもはや無理なのでとりあえずなんとかそこそこに生活を維持するところまでレベルを落として生きています。季節とともになんとかなるものだと思うのでしばらくの辛抱。

そしてこないだこの上着を買ったり(今リンク貼るのに見たらすっごく安くなってるじゃないかよ)CD6枚も買っちゃったりして物欲が一段落してしまったのでなかなかシティにいくきっかけも思いつかない。うまいご飯は食べたいんだけどそれだけじゃなー・・・

でも生活してるからにはスーパーまで買い物にいくのは必須。ということでちょっといつも通ってる(=最寄りではないけど大きい)スーパーまでの片道30分のみちのりでちょっと観察してみました。

今年の秋というか5月は記録的な暖かさだったそうで、それで新聞にも「冬なのに花が咲いてる」とかいう記事が載るほどちょこちょこ影響があった様子。
とはいえ元々メルボルンの冬って最高気温が一桁にはあんまりなりませんし、市街部で普通に世話している庭や公園なら色んな花咲いてるのが普通で、それに慣れてしまうとどの花が例年咲いてるのか今年間違って(?)咲いてるのかなかなか区別が付かない。

ということでちょっといつものスーパーへの道に7月始め時点でどんな花が咲いているか、ちょっとぱっと見分かる分(または後で調べられるくらいにはわかる分)メモってみました。ほとんどがちょろっと咲いてるだけじゃなくてはっきり複数花を開かせてるものです。

カラー、桜、ラベンダー、ゼラニウム、薔薇、インパチェンス、タンポポ、椿、キング・プロテア、ユーカリ、ローズマリー、スイセン、サツキ、極楽鳥花、秋海棠、バンクシア、エニシダ、アヤメ、ナスタチウム、木蓮。

当然メモれなかったやつもたくさんいました。普段から結構植物を見る癖(習性ですね)はあるのですが思ったよりもたくさんあった。一つ一つ本来の季節を調べようかと思ったのですが調べてもメルボルンの元々の不安定な気候でどれだけ外挿可能か分からなかったのといっぱいあって面倒くさかったのでやめときました。

とりあえずタンポポとかラベンダーとかバンクシア、キング・プロテア、ゼラニウム辺りは例年だいたいいつでも咲いてる印象。木蓮は季節が決まっててちょうどこれからでいいのかな。

いつも不思議に思うんですが極楽鳥花ってメルボルンはどこでも冬咲いてるんですよね。元々熱帯の植物でもしかしたら夏にも咲いてて気づいてないのかもしれませんが、毎年冬にも必ず咲いています。寒くないの?
あと今年はバラが今咲いてるんですよね。多分これはイレギュラー。実もついてるのですがやたらとたくさん花も咲いている。一旦気温が下がって5月でまた上がったんで咲いたのかな?と思ってますが。なんたって数が多い。例年こんな感じじゃなかったと思うんですがねえ。
エニシダも(いわきに住んでたときの記憶をたどると)春でもかなり暖かい季節の花だと思ったのですが。

桜はでもいくつか種類があるみたいで(しだれもいます)それによってちょこちょこタイミングは変わってくるのかな。こないだ桜がささやかに咲いてたところは20m先に(種類は分かりませんが)紅葉している木があって、紅葉と桜が同時に味わえる不思議な空間。

メルボルンは一日に四季があるというほど天気が変わりやすいことで有名ですが植物を見てみるともしかしたら時間軸じゃなくて空間軸で同時に四季が混在してるっていうこともあるのかも。
どのみち天候をみても植物を見ても異常気象の影響ってなかなか気づきにくい環境ではあるのかもしれません。(2014年夏の高温とか5月の高温とか6月の寒さとか、かなりインパクトが必要)

さて、今回植物を観察してみた同じ道は多彩な食文化のレストランがあります。
(家に近い半分が主に植物観察できる人の家の庭の連なり、スーパーに近い半分が商店街的な通り)
これはメモするのはものすごくめんどくさくて難しいのですがどんな国の食べ物が食べられるのか書き出してみたいと思います。

日本、中国(四川、上海)、韓国、タイ、インド、マレーシア、ベトナム、イタリア、ギリシャ、他にも東ヨーロッパ系スイーツ、ベーグル、フィッシュ&チップス、チェーンですがポルトガル風チキンなどもあります。
割とメルボルン市街部のちょっと賑やかな通りの平均的な構成かな。
最近はこの「日本」の部分においしいラーメン屋が加わって妹と通っています。あとチェーンで比較的気軽にマレーシアのストリート系料理が食べられるところもできるみたいでちょっと気になります。4月にKLに行って食べた味がちょっと恋しいのでマレーシア料理もどっか見つけたいです。

数日に一回は通る道ですがそこそこ面白いんですよ。ただこれからもうちょっと別に外出するきっかけと機会を作らないと。食欲以外で。


今日の一曲: リヒャルト・シュトラウス オペラ「サロメ」より「7つのヴェールの踊り」



メタモルフォーゼンを!紹介したいけど!それはちょっと待ってください!(汗)
ちゃんと紹介できるときにしたいので(汗)
前紹介したかもしれないけどこの曲に触れておきたいのです。

リサイタルやオケコンサートなど自分の演奏で録音が残っているもの数々ありますが、多分現時点でこれで自分の演奏がベストだった!と思うのがこのサロメの7つのヴェールの踊り(チェレスタパート)だと思います。
(この曲をやったコンサート自体も自分にとってトップ旧に入るくらい楽しく&素晴らしい演奏でした)
今聞いてもチェレスタパートが素晴らしい(自画自賛ですが)。指揮者もよかったしオケもよかったしなんてったって隣で当時メル響で首席ハープだった方が弾いてて。

(特にシュトラウス、ワーグナー以降のオペラそうですが)オペラをやるってのは大変なことで、オケだけじゃなくて歌い手や舞台や衣装や何やらあって、あくまで主役は歌い手と全体のストーリーで、オケの素晴らしい・楽しいナンバーがあってもそんなにフィーチャーされなかったりするのですが、この「7つのヴェールの踊り」みたいにオケのコンサートで単独で演奏できるのはオケにとっても嬉しいですし、オペラ作品に初めましてするのにもちょうど良い。

それに7つのヴェールの踊りは(旧約聖書が元ネタの)オペラの中で主人公サロメが豹変して破滅へ向かっていく物語のターニングポイントということもあってものすごく盛り上がる音楽になってます。
楽器の見せ場も多い。オーボエやフルートなどエキゾチックでセクシーな旋律を奏でるソロ楽器たちだけでなくサポート楽器のパートも素晴らしい。最初の方でのビオラの伴奏がかっこよかったり、ハープやチェレスタのエフェクトも色を添えますし、最後の速いセクションでの駆け上がるトランペットのソロは最高にかっこいい!(自分のなかでは格好良さMAXなトランペットパートです)

パワーも色っぽさも美しいメロディーも盛り上がりも楽器使いも全部そろってる、刺激的で楽しい曲です。私が大学のオケで弾いた時はたしかコンサートの最後に弾いたはず。コンサートの後半では同じシュトラウスの「ばらの騎士」のオケ版を弾いた後で金管とか結構体力使うプログラムでしたが最高に盛り上がるフィナーレでした。この感動を興奮をあなたにも!(違)

そういえばこの7つのヴェールの踊りは本来ストリップですがオペラの各プロダクションがどういう演出・振り付け・衣装でやってるのか気になります。色々あって面白そう。

そしてこの曲が収録されてるCDを探すと大体ドン・ファンやらティルやらリヒャルト・シュトラウスの手堅いオケ曲が芋づる式についてくるので便利ですね。テンション高くいきたい時にオススメ。

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やってみた:キャラクターで曲コレクション「高遠遙一」
前回書いた買って来たCDを聞き進めてますが面白いです、いろいろ!
改めてバリー・タックウェルのすごさを実感したり面白い曲に出会ったり、Sitskyの曲が案の定分からないながらもすでに面白いしぐいぐい惹かれたり。
聴く方も充実してますが弾く方も新しい曲が加わったりこれから弾きたい曲も耕したりでそろそろ停滞から抜けて来てる様子。弾きたい曲を(特にオーストラリア方面で)もっと広げていけたらなー。

そんな中しばらく暖めていたテーマで曲を集めてみる的企画を一つ。
普段から自分の創作でキャラクターが楽器弾いてたり、楽器弾きじゃないキャラクターもある程度どんな楽器弾いてどんな風に演奏してどんな曲が得意かは目星を付けておく習慣があり。
それは自分の創作の外でも同じく、人物を観察して同じように楽器・弾き方・得意曲を考える癖があります。それが転じて頭の中にオケがいくつか出来てますがそこまで行かない場合も多々あります。

「金田一少年の事件簿」でいうと地獄の傀儡師・高遠遙一は前々からピアノ弾きっぽいなあという印象がありました。元がマジシャンという手先が器用な仕事で犯罪芸術家としても守備範囲が広く器用で。色んな人と広く仕事するけど基本は一人というところもピアノっぽいし、エフェクトだけでなくメカニズムもこだわるところとか考えると音楽に反映するとしたらピアノくらいしかその多彩な表現欲を満たし得る楽器はなさそうだな、という(ただ持ち運べる楽器がないのは不便そうなのでバイオリンもセカンド楽器として弾けてもいいかなーとも思う)。
そしたら本当にスピンオフの「高遠少年の事件簿」の予告でピアノ弾いててすったまげました(笑)すったまげた後には「今もたまには弾いてるのかな、弾かないと勿体ないよね」と老婆心が出ましたがこれある意味職業病?

それでマンガボックスで一通り読んで以来ここでキーワードto音楽とかやってるみたいにイメージ曲を集めてみようと思いちまちま足して10曲そろえてみました。単に似合う曲でなく「高遠遙一がピアニストだったらどんな曲を弾くか」というテーマでのコレクション。なので全部ピアノ曲というこのブログではまたちょっと珍しいパターンですがこんな感じになりました。
(ちなみに「高遠少年の事件簿」で曲名がはっきりでてるベートーヴェンの「月光」は除外)

1)フランツ・リスト 「詩的で宗教的な調べ」S.173より「葬送曲」
「高遠少年の事件簿」の冒頭で高遠が何らかのリストの曲を弾いてて、自分だったらここにリストのどの曲を当てはめるかなーと考え。作中に暗い曲とあるのとピアノは音大生だった女性に教わったとあったのを考えて(曲を教わったわけでなくても耳にする曲で影響はあると仮定)、自分の大学時代で周りで演奏されてたリストを考慮すると超絶技巧練習曲のどれかここらへんか、で高校生が弾いてて恐ろし過ぎない程度を考えるとここにくるかな。多分。イメージしてる演奏はやっぱり完璧でも成熟もしてないけどしっかり技巧が身についてて結構ストレートな表現。

2)フランツ・シューベルト 「魔王」(リストによるピアノ編曲版)
「薔薇十字館殺人事件」で高遠がはじめちゃんの鞄にいつの間にか忍ばせていた携帯の着メロがシューベルトの「魔王」でしたがこの曲はリストがピアノ独奏のために編曲してて歌わなくても弾けちゃいますよーとチョイス。リストはベートーヴェンの交響曲とかいろんなオケ・他の楽器の曲をピアノのために編曲してるのですがそういうのも似合いそうだし、かなりトリッキーですが弾けちゃいそう。

3)セルゲイ・プロコフィエフ ピアノソナタ第3番
前々から高遠(少年でなく大人版)に一番似合うピアノソナタはこれだな、と揺るぎない自信というか持論です。ショスタコかプロコだったらプロコ、そしてプロコの9つのピアノソナタは数々ピアニストに愛されてるものありますがなぜかこれ。単一楽章で短めですがプロコの音楽の良いとこが凝縮されている名曲。ころころ変わる曲調も独特のトリッキーな技巧も機械的ながら情熱的なキャラクターもうまいこと弾くんじゃないかなと想像しています。

4)リゲティ・ジェルジュ ピアノのための練習曲第13番「悪魔の階段」
「悪魔」のイメージもそうですが技巧的・頭脳的にここまではいけるだろうというイメージ。あんまりモダニズム方面とかやたらとややこしくて感情的な内容がないのは弾かなさそうだけど、リゲティは彼の美学の範囲に入るかな。結構リゲティ全般自分にとっては聴く・弾くと思考をものすごく刺激するので「高遠少年~」で考え事しながらピアノ弾いてるのと相性が良い。悪巧みをしながらの悪魔の階段。実際すっごい複雑な曲なんで考え事しながら弾けるかわかりませんが。

5)オリヴィエ・メシアン 前奏曲第5番「夢の中の触れえない音・・・」
例えば私の得意分野からだったら何を弾くだろう、と考えたらここに落ち着きました。メシアンの中でも比較的早い時期の作品。宗教的なテイストの作品だったり鳥中心の作品だったりは相性が良くなく、でもメシアン全般だめなわけでもなさそう。あくまでも人間の音楽、ピアノの音楽を弾くなかでメシアンの音楽のどこに美しさを見いだすか、となるとこの曲の細かい虹色の和音とかいいんじゃないかな、と。あと指が細くて指先の器用さがあるとこの曲は有利だし比較的気持ち良く弾けそう。

6)ヨハン・セバスチャン・バッハ 平均律第1巻第22番 変ロ短調
うちの大学だと実技試験でバッハの平均律(またはショスタコーヴィチの前奏曲とフーガ)を1つ課題曲として弾くことがあるのですが、その場合ピアニスト高遠が何を選ぶか。相変わらず短調寄りで、ショスタコを選ぶほどにはピアニストとしてひねくれてはなさそう。バッハの作品でもどっちかというとロマンチックなテイストがある(入れられる)曲の方が合いそう。ということで結構弾く人は多いですが美しいこの前奏曲とフーガをチョイス。さらにこれだと高校生時代でも演奏が想像できる。

7)ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト 幻想曲 ハ短調 K.475
「高遠少年~」で姫野先生がモーツァルトとか明るい曲弾いたらどう?っていうんでモーツァルトのソナタの楽譜をめくってみるとどうもやっぱり弾きそうな曲は少ない。ただソナタ14番の前に位置してるこのくらーいくらーいモーツァルト(笑)はちょっとひと味違う。暗いだけじゃなくてオペラを思わせるドラマチックさ、そして暗いからこそ映える明るいセクション。様々なキャラクターを演じながらさらっと弾きそうなイメージ。

8)マイケル・キーラン・ハーヴィー Toccata DNA
さらに範囲を広げて「もしオーストラリアの曲を弾くとしたら」と考えたら手元に録音がある分だとこの曲になりました。リゲティと似たような思考の音楽であり、マイケルの音楽の独特の闇の色だったりがんがん頭と心襲ってくる(?)ような音の連なりだったり、闇方向の好奇心と負けず嫌いが刺激されるのではないかと思うのです。そういうところからこれまでの曲とはちょっと違う反応も望めそう。

9)アレクサンドル・スクリャービン ピアノソナタ第9番「黒ミサ」
これは「黒魔術殺人事件」で扮していた「黒瓜鬼門」イメージで。安易なあれですがでも実際弾くのも合いそう。実際今自分が弾いてる身として高遠だったらこれがどんな解釈・演奏になるかってのは興味深いです。といってもスクリャービンが特別得意でも好きでもなく、器用で色んなものをこなす範囲にたまたまこの曲が入ってたくらいのイメージ。黒瓜鬼門が高遠の変装の一つでしかないのと同じように。

10)セルゲイ・ラフマニノフ パガニーニの主題による狂詩曲
得意ソナタはプロコの3番、と決まってたのと同じ頃から得意協奏曲はラフパガと決まってました。24の変奏を通じた千変万化、ソリストとしてあらゆる表現を披露する様子、派手さ、そしてちょっとベタな演出も少しだけありなところまで含めてぴったり。今回選んだ曲10曲ありますが弾いてる様子を想像するとこれが一番楽しそうかもしれない。犯罪芸術家の「芸術家」の部分、ステージに立つマジシャンのイメージがこのチョイスには強く表れてると思います。

全体的に考えるとレパートリーの範囲としてはものすごくポピュラーに傾いてもなく、とはいえものすごくマニアックでもなく、大体自分のピアノ仲間の大学生のときのレパートリー傾向と同じくらいかなー。時代でいうとバッハ(前述通りバッハ全般ではない)からちょっと押してメシアン初期くらいまで?が妥当か。大体なんでも器用にこなせるから弾く範囲も広いけど本当に好きな曲にかんしてはこだわりがありそう。

他に例えばショパンとかラフマニノフとかラヴェルとか、今回特定の曲を挙げなかったけど全般的にに弾く作曲家もいそうで、逆にブラームスとかシューベルトとかちょこちょこ合わない作曲家もいるような。ブラームス合わなさそうなのがちょっと面白い。

それから「露西亜人形殺人事件」ではビオラ弾きの幽月さんにお世話になってた話がありましたがそれなら一緒に弾けるじゃん!シューマンの「おとぎの絵本」とかブラームスのビオラソナタ(第2番がよさそう)とか弾いてたらいいのに。

長々と書いてみましたがここまで一人のキャラクターに曲を割り当ててみたり弾くとこ想像してみたり考察書き出してみたのは初めての試みでした。なかなかこれが難しくてピアノだったからできたような部分もあるので次いつできるかわからないですがまたやりたいです。


今日の一曲はお休み。

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なんかいろいろ買っちゃったよー
雨は降るわ暴風は吹くわ寒いわすっかり冬がしんどいメルボルンです。
なのでどうしても外に出る用事をため込みすぎる傾向があるのですが、昨日ちょっとシティに買い物に行きました。

ユニクロのオーストラリア第1号店が出来たシティのEmporium、中に店がどんどん揃ってきました。ユニクロの他で日本系だと無印(MUJI)が出来てますし、他にもMetropolitan Museum Arts Shop、T2他お茶屋さん、Spud Bar、Australian Geographic、時計のFossilなど自分の好きな店がここ一箇所でそろってしまってびっくり。

そしてここにできないかなーと思っていたABC shopもホントに出来てしまった!ついついCDを見てたらメル響の首席トランペット奏者がソリストのトランペット曲集CD(メル響演奏)を見つけてしまって、さらにオーストラリアが誇る世界的ホルン奏者バリー・タックウェルのモーツァルトホルン曲集をみつけてしまってこれは買わなければと(タックウェル氏はもっと最近のホルン音楽の演奏も聴きたいな、どれくらいあるんだろう)。来月末に両親が来たときにあげる予定。
ついでにマゼール指揮ベルリンフィル演奏のラフマニノフ交響的舞曲、岩、死の島のCDも買ってしまった。
そこで今回は見るのやめたのですがメル響の演奏録音とかオーストラリアの作曲家の作品とかまだまだありそうです。

そもそも昨日はThomas' Musicまでいってリヒャルト・シュトラウスのメタモルフォーゼンを手にいれたかったのです。行きましたが。
Thomas' Musicはクラシック周りで欲しいCDなんでもあるし潜在的な「欲しい」を呼び起こすようなものもあるので行くとほんと大変です。見て回ってて楽しいを超えてむしろしんどいですもん、欲しいものが多すぎて(笑)結構現代音楽の方も充実してるんです。
欲しいが増えるのも考慮してThomas' Musicに行くときはあらかじめ1曲(1枚)だけ欲しいCDを決めていきます。予期せず新しく良さそうなCDに出会うのも大切にしたいので。
で、大切にした結果今回も予期せず出会いました。

結局こっちで買ったのは3枚。
お目当てのシュトラウスはメタモルフォーゼンの他にサロメの7つのヴェールの踊り(大学で弾いたときの録音しか持ってなかった)やすでに持ってる他の曲などが入ってる録音。
それからそのうち弾きたいと思ってるアルヴォ・ペルトのピアノ曲集(Jeroen van Veen演奏)。
そして最近マイケル(Michael Kieran Harvey)のCDを最近買ってなかったなーと気づいたので
まだあんまり知らないオーストラリアの作曲家Larry SitskyのDimensions of nightを演奏してるのにしました。様々な神話をモチーフとしている作品なので調べ物が楽しみ。そして神話をモチーフとしているこの作品を筋金入りの無神論者がどう弾いてるか楽しみ。

Thomas' Musicはほんと品揃えがマニアックなレベルまで充実してて、ボックスセットも数々売ってるのですがそのうちショスタコーヴィチの交響曲のボックスセットが欲しいなあと思ってます。ボックスセットで持つならまずショスタコ。昨日見ただけでも2つあるのでなるべく良い(好みの)録音で入手したいです。

そんなわけで今回購入した録音を聴いて消化するのがかなりかかりそうです(買ったCDほとんど2枚組みです)。仕事もゆっくりで全然いいのですがCDを聴くために仕事を延々とやってしまう予感(汗)
そして例によってこっちでも紹介予定です。トランペットとかホルンとかなかなか紹介するきっかけが少ないですし聴くのも久しぶりな曲もあるのでちょっと楽しみ。

さて、企画中のエントリーの選曲もまとめなければ・・・


今日の一曲: たま「かなしいずぼん」



またクラシックが続く前にちょっと久しぶりに。
なんか空とか気持ちとか全体的に暗いとどうもこの曲が馴染みやすくなる。他にもショスタコとかマーラーとかこういう時期・心持ちに馴染みやすくなる暗い曲ってあるのですがこの曲は全然負けてない。

というのもまずこの歌の自分にとっての馴染みようがすごい。
この曲が収録されてるアルバム「ひるね」が出たのが1991年で、それからそんなにたってないうちからうちでも「ひるね」をよく聴いていて。そのころから「かなしいずぼん」はお気に入りの歌の一つでした
暗い曲好き、ハ短調好き(ほぼワンコード)とか特定の音階のタイプが好きとか、自分の今の好きの一角がこの歌を好きになった時点ですでに確立していたことに自分でよくびっくりしています。
そもそもその年齢でこんなに暗い内容の曲好きだったとは色々根深い。

曲の和音とかメロディーとかの暗い魅力もそうですが、歌詞も描かれるイメージ一つ一つがシンプルながらもそれを超えた闇とか妖しさとかがあって。今でも一つも色あせることのない世界だけど余計に私子供でそれにはまってたのかと(汗)

あとは「日曜の夜は出たくない~♪」の部分がなんか好きだった記憶がある。メロディーにも歌詞にも魅力があるのと、あと「遠い昔のぼくらはこどもたち」と重ねる同時進行も好きだった(今も好き)。色々シンプルではあるけれどエフェクトとしてはずっと噛みしめてもさらに奥深いなあと20年経っても思います。

途中の石川さんのアドリブの部分はとりあえず「ひるね」と「Live in New York」のライブ版で2通り知ってるのですがTwitterのたまbotにはもう何通りか流れてくるのでもっと色々聴いてみたい。今となっては録音されてる分に限られてるんだろうなあ。

今でも「ひるね」は自分が好きな曲が多く入ってる、たまのお気に入りのアルバムの一つです。
なんか色々自分の音楽・創作の諸々につながっているところもあるかなあ。でもそういうノスタルジーと長年の馴染みを抜いても「美しい」曲が本当に多いいいアルバムです。

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久しぶりに国毎に音楽紹介:ロシア編
昨日の豪ABCでのコンサート放送面白かった-!
タスマニア交響楽団と合唱団によるMONA(Museum of Old and Artsというタスマニアの州都ホバート近郊の現代芸術を主にしたイベントなどもある美術館)で冬至の夜と闇と光をテーマにしたコンサートをやったのですが、これが演奏も素晴らしければ曲の取り合わせもセットアップもシチュエーションも全てすごくて感銘を受けました。
こういうイベントで冬至を感じるのもいいなあ、ということをちょっと長々とTwitterの方でつぶやいてしまいました。こっちではまあいいや。

さて、今日は随分長いことやってなかった国毎に音楽紹介をまたやってみようかなと。寒いメルボルンの冬(気温はそんなに低いわけじゃないですが)に熱くなるロシア音楽をテーマに。
地理歴史の関係で「ロシア」がどこら辺までを指すかはちょっと曖昧に。とりあえず一般に言われるロマン派のロシア音楽、それからソヴィエトの音楽のなかでも今のロシアに近い部分をおおまかに(バルト三国とかフィンランドとかは明らかに除外)カバー。「ロシア音楽」というと大体音楽畑の人達は一緒の範囲を指すのですが改めて定義しようと思うと難しいですね。

ロシアの歴史では西欧の影響が本格的に入ってきたのがピョートル大帝の時代で、クラシック音楽もやっとよく知られてる名前が出てくるのは19世紀、ロマン派から。
西欧化とはいいますが、ロシアの民謡がクラシック音楽の作品に頻繁に取り入れられるのもロシア音楽の特徴。ロシア民謡のメロディーはピアノでいえば片手の5本の指で弾けるようなシンプルで素朴なメロディーが多いです。

そしてロシアの歴史といえば先ほども言及があったようにでかい国土に様々な変化があって、一口にロシアといえども色んな文化を含んでいることも特徴的です。ロシアからずっと西の方に至るエキゾチックな風味だったり、北欧ノルウェーやフィンランドの音楽にも通じるところもあったり、西方のキリスト教のスタイルとはちょっと違った宗教音楽だったり。

ロシアの音楽で前から面白いと思ってるのがハーモニー。基本的な三和音を(七度とか足さず)使うことが多く、それから基本的な三和音の真ん中の音(和音が長調か短調か決まる音)を抜くopen fifthも頻繁に使われる。比較的シンプルで素朴な和音なんだけどその音の重ね方とか楽器の使い方でものすごく重厚なサウンドになるのがロシア。
重厚さもそうですが独特の土臭さ(多分和音がもとになってる)や寒さと熱さの共存、ある種の暗さや厳しさ、そして比較的ストレートな表現がロシア音楽の魅力だと思います。ちょっと前衛的な音楽でも比較的ストレートに響きやすいところがあるんだよなあ。

今楽器の使い方と書きましたが大編成のオーケストラが基本だったロマン派以降で活躍したロシアの作曲家はみんなオケの使い方がものすごくうまいですね。すでにそのメソッド的なものが確立してたってのもあるのですがチャイコフスキーとかリムスキー=コルサコフとかストラヴィンスキーとかラフマニノフとかショスタコーヴィチとかプロコフィエフとかみんな楽器使いが素晴らしい。
特にロシアの音楽は打楽器の使用数が平均多くてしかも打楽器に力が入ってる印象です。

あとロシアの音楽はバレエが強い。オペラももちろんありますがバレエが強い。チャイコフスキーの3大バレエからバレエ・リュス関連の作品まで、優れた踊り手を多く輩出する国であると同時に踊りのための音楽の作曲も充実。
それから特にロシア革命後のソヴィエトでの映画音楽のジャンルの大きさ(ショスタコ始め)ってかなりすごいと思います。クラシック音楽からの観点だとちょっと注目されない傾向にありますが。

1917年の革命によりロシアがソヴィエトになったことの政治的変化は大きいですが、音楽への影響も多大でした。革命前後に多くの作曲家(演奏家も)が国外亡命してヨーロッパやアメリカで活動したり、国内に残った作曲家も政府から圧力がかかって作品のアウトプットが大きく変わったところもあります。20世紀に起こったヨーロッパ全般のモダン化・前衛化と共通すること・ちょっと違うことがありますし、そして革命以前のロシア音楽の精神を受け継いでるところもあり、ソヴィエトはソヴィエトで色々面白いです。歴史の変動の影響をものすごく受けてる音楽ですからね(なので歴史的背景を調べながら音楽に会うのも楽しい)。

私は幼少の頃にロシア・ソヴィエトの音楽をピアノでよく弾く機会があったり(ピアノコスモスシリーズにて)、そしてよく考えれば生涯で最初に好きになったハチャトゥリアンの剣の舞とかムソルグスキーの展覧会の絵もロシア音楽。こっちに来てから最初に習ったピアノの先生がロシア人だったり、それからオケでもロシアの作品色々弾いて。重厚さや暗さやストレートさや感情表現が若い人に響きやすいと思うんですよね。ショスタコは中でも自分にとっては幼なじみのような音楽です。そんなわけで好きですロシア音楽(行き着くとこはそこか)。

ではロシアの主な作曲家の作品とスタイルを短く紹介のコーナーへ。

ピョートル・チャイコフスキー(交響曲第6番「悲愴」、くるみ割り人形、ピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の思い出に」)一番有名である意味元祖ロシアの作曲家。土臭さのある壮大な音楽も有名ですがミニチュアの世界の美しさも唯一無二。
ニコライ・リムスキー=コルサコフ(シェヘラザード、スペイン奇想曲、熊蜂の飛行)変幻自在の楽器使いで外国の風景まで音楽で描き出す、色彩とメロディーの印象が強い作曲家。
モデスト・ムソルグスキー(展覧会の絵、禿げ山の一夜、死の歌と踊り)実は有名な曲の多くは他の作曲家が編曲した版だったり。でも元のものもまた独特のしっかりとした魅力があります。
アレクサンドル・スクリャービン(練習曲 op. 8-12、詩曲「炎に向かって」、法悦の詩)ショパンのようなスタイルから独特の神秘と炎と共感覚の世界にはまりこんだ変わり者。音楽も思想もキャラクターもぶっとんでます。
セルゲイ・ラフマニノフ(交響曲第2番、合唱交響曲「鐘」、交響的舞曲)ロマンチックな作風が有名で、ピアニストとしても偉大な作曲家。ピアノ、オケ、合唱など各分野で楽器の使い方がうまいのが実はすごい。
セルゲイ・プロコフィエフ(ピアノ協奏曲第2番、交響曲第5番、ロミオとジュリエット)モダンだったり新古典派だったり何をやっても精密でパワフルな作品を書いています。弾く方は決まって難しいけど!
ドミトリ・ショスタコーヴィチ(交響曲第5番、チェロ協奏曲第1番、ビオラソナタ)ソヴィエトの圧力をもろに受けそれを音楽としてアウトプットした作曲家。公のための交響曲、私的な弦楽四重奏もありますが映画音楽を多く残したことも有名。
アラム・ハチャトゥリアン(ガイーヌ、スパルタクスよりアダージョ、バイオリン協奏曲)ロシアの西の方のエキゾチックなフレーバーが作品の随所に現れるちょっと毛色の違う作風が特徴的。

あとは残念ながらあぶれてしまった作曲家としてはグリンカやバラキレフ、ボロディン、そして革命後だとカバレフスキーやシチェドリンなんかもいます。ロシア出身ではないけれどシュニトケもソヴィエト音楽に大分近いような(あんまり詳しくないですが)。
プロコフィエフ、ショスタコーヴィチの双璧の後の時代の作曲家ってちょっと知名度が下がるのですが結構まだまだいるんですよ。そこももっと知ってみたい。(シチェドリンはほんと出会って面白かったですし)

今回久しぶりにこのくくりで書いてみて思ったのはロシア音楽の面白さとか魅力って伝えるの難しいなあと。文章の拙さがまずあるのですがその音楽が自分に近すぎるというか当たり前というかで。同時に前述双璧の後の作曲家はあんまり知らなかったり死角も多いことに反省。
もっと面白いロシアの音楽に出会いたいです。


今日の一曲: ピョートル・チャイコフスキー ピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の思い出に」 第1楽章



壮大なロシアの音楽の歴史の中からこれを選ぶのもどうかな、という感じはするのですがロシアのエッセンスの一部を濃く表していると思いますしあとこのブログではさっきまで言及したことが全くなかったことに気づいて(汗)

昔手が小さいけどものすごくパワフルな演奏をするロシア系の女性ピアニストのためにこの曲のページめくりをしたことがあったんですよ。以前書いてると思いますが普段あんまり意識してない曲でもページめくりするとその曲との独特な距離から好きになるところがありまして。
この曲も正にそうでした。スコアを見て聴くだけではなく、弾く手を見て曲を間近で浴びてなんてすごい曲なんだと圧倒されました。

タイトルの「偉大な芸術家の思い出に」というのはこの曲がニコライ・ルビンシテインの追悼のために書かれた作品を指しています。
最初の音から悲痛さがストレートにヒットする曲で、それだけでなく悲しさがものすごく長く続くのもすごい(これもまたなんかロシアっぽい気がする)。すすり泣きのような静かな悲しさから激しい慟哭、深い絶望など様々な悲しみを旅する壮大な音楽です。

本文の方で書いたロシアの特徴だと比較的シンプルなメロディーとハーモニー、重厚なサウンド、ストレートな感情表現、冷たさと熱さ、一種の土臭さ、厳しさと暗さなど多くの特徴が見られます。ピアノの技巧に関してもアルペジオとか和音の使い方などすっごいロシアだなーという感じがします。

この第1楽章もそうですし、変奏曲となってる第2楽章の最後の変奏(第1楽章への回帰の前の)もそうなのですが、長調(イ長調)だからといって曲調が明るかったりハッピーにならないところが何より凄いと思います。空に太陽が輝いててもその周りに暗雲が立ちこめてて激しく雨が降ってることがあるように、長調の音楽でも悲愴さがあって、辛さと悲しさに満ちている。むしろ長調で表現するからこそそれが痛々しい。ショスタコーヴィチがユダヤの音楽に関して「笑いながら泣く、明るい踊りで悲しみを表す」みたいなことを言ってたと思うのですが文化的にそういうものがロシアにもあるのかな。

色々とin-your-faceなストレートさが魅力のピアノ三重奏曲。もちろんピアノのパートは難しいです。弾きたいかというとちょっと微妙だなあ・・・技巧はもちろん音楽的・感情的に自分ができるかどうか自信がない(笑)
ところでチャイコフスキーはこんなに素晴らしい作品を書いてるのに室内楽作品は意外と少ないんですね。他ジャンルでの活躍も凄いですがちょっと勿体ない気も。

リンクしたのは手持ちの録音。カップリングがショスタコーヴィチのピアノ三重奏曲です(ただこっちの演奏はちょっとイマイチだなあ)。曲の組み合わせはものすごく良いです。違いもあれば共通点も見えるコンビネーション。

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クラシック関係ラジオチャンネル
以前のエントリーで紹介しましたクロノス・カルテットのKickstartersでのクラウドファンディング企画、期限があと5日になりました!
1週間を切ったあたりからちょっと寄付額が上がるペースがちょっと速くなりますがそれでもまだターゲット額の半分を超したあたり。
現在進行形の現代クラシック音楽の作曲・編曲・演奏のために、というのはなかなか広くはぴんとこないような話ではありますが、クロノスは音楽に関して(クラシックに限らず)いつも面白いことをしています。是非是非応援して欲しいと思います。
・・・なーんてことをなんとなく(もっと短く)つぶやいてたら公式アカウントに捕捉されました(笑)Twitterでもこちらでもクロノス・カルテットと現代のクラシック音楽を引き続き応援していきたいです。

あと本題の前にもう一つ。
Limelight Magazineというオーストラリアのクラシック音楽・芸術関連マガジンがあるのですが(最近活用しようと思い始めてまだ使い勝手が分からないでいます)、そこで今オーストラリアの作曲家で偉大な10人を決める、という企画をやっています。Limelightのパネル投票と一般投票が半々ずつというweightになっていて、一般投票では3人まで投票(自由記述回答、要サイトアカウント)できるということで私も投票してきました。とにかくすごい音楽を書き世界で作品が演奏されるBrett Dean、オーストラリアの音楽の現在のアイデンティティを他に先駆けて作ったPeter Sculthorpe、そしてクラシックの枠を出るような活動も含め広くに訴える音楽を書くNigel Westlakeをチョイス。投票は7月2日までということで結果発表はその後になりますが楽しみにしています。

ここ1年くらいの間にネットラジオを活用することが多くなりました。
というのもまず部屋で使ってるステレオが日本で買って持ってきたものでオーストラリアのラジオの周波数とちょっと違ってたりってのが小さな発端だったかな。
あとはちょこちょこ海外のクラシックラジオチャンネルのことを知る機会があったり、それでラジオって一口にいっても今の時代とてつもないほどの選択肢があるのを実感したり。
まだまだ聴く頻度もバラエティも少ないのですが今日いくつか紹介したいなと思います。
ちなみに日本だとNHK-FMがクラシック充実してるみたいですが海外で聴けないので割愛(聴けないの残念ですねー)。

1)ABC Classic FM
オーストラリアの国営放送ABCのクラシックチャンネル。
バラエティに富んだプログラムとレパートリーを常に放送していて、マニアックな曲や現代音楽、オーストラリアの作曲家の作品も取り扱い、複数楽章の曲も基本フルで放送。国内外の名だたるオーケストラのコンサートの録音を放送したり、国内のオケのコンサートは生放送もやります。こちらのブログで紹介してるカウントダウン100を主催・放送してるのもここ。あとMusic Listingで放送予定が細かく見れるのも大変便利でたまに自分もTwitterで放送紹介したりもします。英語が分かる方は毎週日曜のメルボルン時間正午に放送されるKeys to Musicでのやさしい音楽解説もオススメ。
トータルで見てかなり質の良いクラシックチャンネルでオーストラリアでは第一選択チャンネルです。

2)ABC Classic 2
前述ABCが最近打ち出した新しいネット専用ラジオチャンネル。オーストラリアの演奏家による演奏に特化したチャンネルで、楽章単位で比較的聴きやすい曲を中心に放送しています。あと本拠ページがTumblrブログで、ちょっとしたクラシックネタや曲の紹介、クラシックに関連した記事へのリンクがあるのも面白い。特に良いなと思ったのがここの作曲家紹介。数行でウィットのある文章で作曲家を次々と紹介していく面白さ。リンクはしませんがアーカイブでリンクしてるアルヴォ・ペルトとのインタビュー記事やブリテンとピアーズについての記事など結構いいもの拾って来てます。これからも楽しみなクラシックチャンネルです。

3)3MBS Radio
メルボルンを拠点にしたコミュニティベースのクラシックラジオチャンネル。メルボルンの演奏家と広く繋がりがあり、様々なコンサートの放送やスタジオ演奏の放送などを多く手がけています。以前ここで紹介したベートーヴェンマラソンやシューベルトマラソンなども3MBSが主催・放送してます。以前3MBSで働いていた友人いわくメシアンの鳥のカタログを放送すると現代音楽がどーだこーだという電話が来るらしい(つまりちょっと保守的な放送レパートリーではあるのかも)ですがオーストラリアの音楽を支援している面もあります。

4)米国WQXRQ2 Music
WQXRはアメリカのニューヨークとかニュージャージーとか東海岸そこら辺の由緒正しいクラシックラジオチャンネル。そちらも手広く色んな音楽扱ってて(サイト内検索書けたらこっちの演奏もあった)良さそうですが今回紹介したいのはその中のネット専門チャンネルQ2 Music。こちらは今存命の作曲家の作品に特化したチャンネルで、クロノス・カルテットの40周年マラソンをやったり現代の作曲家の特集を他にもやっているそうです。ネットという媒体だから海外からでもこういうピンポイントな専門チャンネルにアクセスできるのはありがたい!同時にすでに確立してるクラシックチャンネルのweb展開だからこそできることなのかな。

5)英国Classic FM
イギリスのClassic FMは結構聴きやすいレパートリーを楽章単位で放送、さらに映画音楽などもちょくちょく放送しているチャンネルですが、注目すべきはウェブコンテンツ。Twitterではちょっとした判じ絵的な謎解きをやってたりちょくちょくいいネタ探してきたり、公式サイトでの特集記事も面白い。クラシック音楽の様々な要素の解説だったり曲の紹介、作曲家の名言、そしてここでも毎年クラシック音楽の人気投票をやっている模様(そしてすごい英国偏りな結果!)。さらにユーモア関連の記事も色々あって、例えば「ビオラ奏者で困る10のこと」とか「作曲家同士の悪口特集」とか面白いです。ちょっとサイトのナビゲートが難しいのと画像が多いのが難点ではありますが色んなものが見つかります。

6)Nonesuch Radio
上記とはちょっと違う性質のラジオ。これはNonesuch Recordsというレコード会社のサイトで、クロノス・カルテットが何枚もCD(あとLP)出してたり映画のサントラ手がけてたりクラシックだと現代音楽が多めながら様々なジャンルを扱っている会社なのですが、このトップページにあるNonesuch RadioはNonesuchが出している様々なCDのトラックをオンデマンド・シャッフル形式で聞けるラジオです。「Nonesuch Mix」だとラジオ公開してる全トラックがランダムで再生されますがお好みでジャンル分けもできます。結構トラック数ありますしいろんなジャンルの音楽に手軽に出会えるのが楽しく、結構長い間楽しめます。バラエティに富むとはいえある程度枠のある安心さもありますし。ラジオとはちょっと違いますしクラシック以外も絡んできますが結構オススメ。

今6つ紹介しましたがネットで世界中から聞けるということは時差も考慮する必要があります。
1, 2, 3はメルボルン時間なので日本では放送時間はサイトの表示より-1時間(夏時間では-2時間)になります。
6はオンデマンドなので関係ないですが4,5はこっちからも外国でかなり時間差があるのでちょっと把握していません(汗)ただ4はニューヨーク時間で5はロンドン時間なはず。

同じクラシックというジャンルの放送でもお国柄があるというか、放送レパートリーって結構変わってくるんですよね。チャンネル毎の特色はもちろんですが国毎の違いも侮れない。
例えばオーストラリアの音楽を海外で扱ってくれることは稀ですし、前述英Classic FMの人気投票を見るとオーストラリアよりもさらに英国偏りな感じがありますし。
なのでラジオがネットに進出して世界中の音楽が世界中から聴けるようになったのは素晴らしいと思いますし、これを機にオーストラリアの音楽・演奏が国外の人に触れる機会が増えるといいなあ、と思います。(オーストラリアに限らずですがね。そのためにも自国の音楽を演奏する大切さです)


今日の一曲はお休みです。


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