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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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コンサートラッシュ!(ACO「Timeline」感想)
前回のエントリーに拍手ありがとうございます~

木曜日から続くコンサートラッシュまっただ中です!
ブログの更新がない夜はコンサート行って、コンサートがない夜にブログに感想を書くというシステム。
仕事もちょっとスケジュール間違えて仕事がちょっとぎりぎり的な中で夜はコンサートに行って慌ただしい!
ほんとはちょこちょこ用事もあるしピアノも最近まばらだし書き物なんか触れられてもいないのですがとりあえずこの忙しさを抜けてから。

とりあえずまずは月曜に行ったコンサートの感想から。
Australian Chamber Orchestraによる一風変わったコンサート「Timeline」でした。

↑のプログラムはpdf版が公式サイトからダウンロードできるようになっています。213曲のラインアップがどんなもんか是非見てみてください。
ちょうど親指があるところには「4万2000年の音楽・213曲・1つの演奏」と書いてあります。
その文の通りこのコンサートでは古代から現代まで音楽の演奏を録音音源・演奏・映像で一続きに味わうパフォーマンス。
ゲストにオーストラリアのエレクトロ・デュオThe Presetsを始め様々な演奏家を迎えクラシックに限らず多彩な音楽が演奏されました。

「Timeline」は宇宙の誕生・ビッグバンの音のシミュレーションから始まり、その余韻がオーストラリアの伝統楽器ディジェリドゥの響きになり、古代・中世・ルネッサンス・バロックとヨーロッパを中心に歴史をなぞっていきます。
前半はビッグバン~1900年までで、休憩を挟んで後半は1900年~2014年をカバー。曲の数と移り変わりの速さで現代に向かってめまぐるしくなっていく様子を表します。
映像は各時代・文化を表すシンボルや絵がスクリーンに映し出され、万華鏡のような動きでプレゼンされることもあり。

ビッグバン→ディジェリドゥの流れもそうですが曲の順序にも意味があるようで。
特にこれは意図してそうなってると思うのですがワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」でこれで音楽が一度終わる感覚からブラームスの「惜しみなく与えよ」の『気を落とすことなかれ』から黒人霊歌「That's All Right」でガムラン経由、そしてサティのジムノペディ第1番でふと足下に新しい音楽の花が咲いている、みたいな感じにちょっとうるっと来ました。

それが後半になると曲の順序というよりミックスになってきます。違うジャンルの曲同士をミックスしたり、録音と生演奏で合わせたり(特にクラシックの前衛的なのとポピュラー系統を合わせるのは楽しそう)。フィリップ・グラスとエミネムとか、クセナキスとマイケル・ジャクソンとかすれ違う数秒の面白さ。

だんだん音楽が入り乱れたカオス(ただしコントロールされたカオスが多い)になっていくなかで1960年台が特にカオスですごかった!(笑)クラシック含め色んな音楽がいろんな方向にぶっとんでて、それをうまく合わせてまたすごい混沌に。

で、1990年台から2014年までほとんどACOは弾かず(録音音源中心)、フィナーレで全員が演奏というフォーマットでした。このフィナーレがACOのdirectorであるRichard TognettiとThe Presetsが共同でこのプロジェクトのために作曲した「Continuum」という曲の世界初演(つまり正に今現在!)。

音楽的にいうと色んな音楽がちょこちょこっとずつ楽しめる反面どの音楽も少しずつしか味わえない、ちょっと不完全燃焼なところもあるのですが、様々なジャンルの音楽に出会う機会としてはなかなか面白いセッティングで(なのであとでプログラムにチェック入れてあとでフォローアップする楽しみもあります。私はリヒャルト・シュトラウスのMetamorphosen要フォローアップ)。
そしてこの「Timeline」のテーマは「走馬燈が聞こえる(life flashes before your ears)」で、そもそも個々の音楽を味わうことでなく音楽とともに駆け抜けてきた人間の歴史を音楽により体験すること。時代を表す音楽のチョイスやその移り変わりなどアイディア、プレゼン含めパフォーマンス全体としてはほんとうに素晴らしいと思いました。

こんな体験は他ではできませんし、一回だけ味わうのもすごく勿体ないと思いますし(そして私の説明の拙さではどうも伝わらなさそうですし)、是非ACOにはDVD(映像も欲しいので)を作って欲しいと思うのですがどうでしょう。出来たら買いたい。
(あと完全に余談ですがACOのACO Virtual企画もちょくちょくどこかでやって欲しいです。あれも楽しかったしアイディアが良かった。)

明日は昨日のコンサートの感想を書く予定です。
そして今日の一曲はお休み。213曲の中から1曲ピックアップするのもなあ、と思ったので。


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メル響トリビアナイト感想!
前回のエントリーに拍手ありがとうございます!
今回は金曜に行ったメルボルン交響楽団のトリビアナイトの感想を。

メル響トリビアナイト
Melbourne Town Hall 5月30日(金)6:30開演
演奏:メルボルン交響楽団
司会:Phillip Sametz
指揮者:Richard Gill
ソプラノ:Antoinette Halloran

トリビアナイトとは英語圏ではどうやらよくあるらしいクイズ大会のこと。
大体大人数の集まりでテーブル毎にチームを作る団体戦のフォーマットをとります。
問題の内容は普通はいわゆるGeneral Knowledge(一般教養や文化などの知識)ですが、今回メル響主催ということで内容はクラシック音楽に関するもの。
そして問題の間の時間だけでなく実際の出題などにもメル響による生演奏がたくさんありました。

今回場所はメルボルン・タウンホールのフロアに円卓がところ狭しと42チーム分並んでいて、オケのいるステージ側とあと反対側ののバルコニー側にスクリーンが設置してありました。ちなみにやっと写真に撮れましたがここのパイプオルガンは南半球一の大きさなんですよ。

今回私は大学のピアノ友達に誘われて同じメルボルン大学音楽科卒業してて演奏メインでやってない面々でチームを組みました。ガヤなんかも飛び出す若干行儀は悪いかもしれない、でもノリのいいチームでした(でも奏者も聴衆もみんな楽しいノリだった!)

ちなみにテーブルにはそれぞれチーム名がついていて(メル響側で考えたみたいです)、作曲家の名前+同じ文字・音で始まるスポーツチーム風のフレーズで構成されていました。例えばうちのテーブルはこんな感じ。ヤナーチェク・ヤンキーズです。もっと面白い名前もあったけどスコアボードでしか見なかったので覚えてない。

イベント全体ものすごく楽しかったですしうまいこと企画されてたと思いますがとりあえず実際のクイズ問題よかったです。
問題の種類にもバラエティがあって、問題を普通に読み上げて筆記で答える一問一答の形式だったり、オケが演奏した曲のタイトルと作曲家を挙げたり、聴衆参加型の問題もありました。

ビオラがソロで弾く別の楽器のソロの曲名・作曲家名・元の楽器の名前を書く問題ではラプソディー・イン・ブルーの冒頭のクラリネットソロをビオラで弾くのに拍手と歓声が起きたり。
4つのラウンド全てにある「音楽メドレー」問題ではオケがいくつかひく曲の曲名・作曲家名を書いていくだけでなく全ての曲に共通するテーマを答えたり。
あとはソプラノ歌手が歌っている歌とそれが途中で変化する曲名を答えるのはよく出来てた!ラ・ボエームが途中でブリトニー・スピアーズになって一同笑いました!

それからベートーヴェン逆再生問題もすごかった。ベートーヴェンの交響曲の一部を一音一音逆に生演奏で(!)メル響が演奏するというもの。答えるのも楽しいですがこれは作るのが大変でしょう。
もう一つ問題作成者good job!と思ったのが(あまり知られていない作曲家の)奇妙な死因の三択問題。三択なので実際の奇怪な死因の他にも同じくらい奇怪なフェイクの死因の話を作らなくちゃいけないのですがなかなか凄かったです。
(ちなみに問題にあった作曲家はヨハン・ショーベルト、ジャン=バティスト・リュリ、あともう一人が思い出せない。気になったらググってみると色々作曲家の変な死因の話が出てきますよ)
ちなみに一番難しかったのが肖像画問題の一つ、3つある肖像画のうちどれが作曲家でどれがブッシュレンジャーか答えてさらにそれぞれの人物の名前を答える、というもの。結局2枚ブッシュレンジャーだった。ブッシュレンジャーなんかネッド・ケリーしか知らないし!


そして前述聴衆参加の問題。聴衆から何人かが選ばれて作曲家のコスプレをしたり、有名なクラシックのフレーズを初見で弾いたり、オペラの登場人物のコスプレをしたり。その様子が上記。上の写真の左側、うちのテーブルから選ばれた彼(そうです、女装させられました)は誰のコスプレでしょう?
ヒント:夫の不在の間に・・・

最終成績ですがヤナーチェク・ヤンキーズは42チーム中10位でした!結構すごかった!
中間成績で7位だったり他にも同じ大学出身チームが3位獲って賞品もらってたりしててあれですがなかなかの健闘でした。
自分でいうのもなんですがほぼエースでした。とにかくオケ関連に強いのが幸いして、他の人がちょっと抜けがちな20世紀前半(さすがに後半はでない)を正解できたり。
そして私があんまり詳しくないオペラ方面や映画方面は得意なチームメイトがいてうまくカバーし合えたり。
チームワークもよく楽しくチャレンジできてさらに好成績、とあって次回はトップを狙いにいけそうです。

今回メル響の初トリビアナイトでしたがすごい楽しかったです。前述のとおり問題も良かったですし雰囲気・ノリもよかったですし音楽・演奏もよかったですし。
それから会場内で食べ物飲み物を買える場所があって、5ドルでパイとか2.5ドルでブラウニー(うまかったー)とかを購入できるシステムだったのですがこういうイベントにしては安いですし手軽に食べれるもので。
ついでに参加費も20ドルで(テーブル単位で予約した場合)かなりお手頃な価格。実際儲かってるのかなあ、という話もありましたがどうなんだろう。でも来年も開催する予定でいるそうなので今からもう楽しみです。


今日の一曲はお休み。


そしてさっきの写真のコスプレしているオペラの登場人物はワーグナーの指輪サイクルの第2作「ワルキューレ」に登場するジークリンデです。

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弾いたコンサートと聴いたコンサート
まずは無事弾いてきました!から。

Stonnington Symphony Orchestra
Malvern Town Hallシリーズ コンサート1
2014年5月31日(土)16時開演
指揮者:Mark Shiell
Frederick Septimus Kelly 弦楽のためのエレジー
ジョージ・バターワース 「緑の枝垂れ柳の岸辺」
エドワード・エルガー チェロ協奏曲(チェロ:Kalina Krusteva)
ヴォーン=ウィリアムズ 交響曲第3番「田園交響曲」(ソプラノ:Alexandra Flood)

演奏まで色んなハプニング・アクシデントがありましたが演奏はなかなかでした。
前半も楽屋で聞こえる分はよかったですし、実際弾いた後半もちゃんとまとまり。チェレスタ弾きとして数少ない音を届けてきました。
やっぱりリハーサルでも本番でもアマチュアとユース精鋭との違いってあるんですけど、でもそれでもいい演奏でした。

ヴォーン=ウィリアムズは奏者には結構評判良かったのですが聴衆的にはどうだったのかな。ヴォーン=ウィリアムズの交響曲はちょっと演奏頻度低いのでもちょっと演奏されるようになればいいな、と密かに思いつつ。
あと今回ハープを弾いてた子(前もどっかで共演してる)と話が弾んで楽しかったです。こないだのオケピアノの話で書くの忘れましたがオケピアニスト・チェレスタ弾きは積極的にハープ奏者と仲良くすると楽しいです。ハープの世界もまた別世界ですしね。

で、一昨日はMelbourne Recital Centreで先生のリサイタルに行ってきました。

ピアノ:Stephen McIntyre
フランツ・シューベルト 3つのピアノ曲
フレデリック・ショパン アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ
フランツ・リスト ピアノソナタロ短調

さすが先生というか、シューベルトの気まぐれさ(と私はいうのですが先生が書いたであろうプログラムの文には様々な感情が混在しているという「同時的」な解釈をしていました)だったり、ショパンの誇り高き繊細さだったり、ピアノらしいピアノのプログラムの中にピアノという楽器とその表現の核を感じました。

中でもリストのソナタの素晴らしいことといったら。
リストが好きでないとかピアノ弾きとしておいおいなことを言いますがそんな私にとってもリストのソナタは別格、というか特別。
音楽であるという以上に命であり人生でありある意味神でもある、言葉で語ることができない音楽と心の直接の対話。ピアノ曲として特別なだけでなく音楽として、一つの作品としてものすごい高みに存在している曲だと思ってます。
(なので聴くにも弾くにも容易に近づけない曲で、この曲を弾くならもっと年を重ねて他諸々成長しないと無理なのですが、でも弾くことにしたとき自分がこの曲にどう立ち向かうか、どう弾くかはちょっと楽しみだったり)

先生のリストは凄かった。魂をまるっと持って行かれました。なんか振り返ってみようとするとあの演奏が別の世界のもののようで。先生がああいう風に演奏するのを聴いたことはなかったかも、色んな意味で。やっぱりピアニストとしてとか音楽家としてとかいう以上に人間としての存在の結晶なんだろうな、あの演奏は。こりゃ一生敵わない、と思いました。

さて、あとは昨日のトリビアナイトの話ですがそれはちょっと長くなりそうなのと今までの文はさっき全部書いて消えてからの書き直しでもう疲れたのでまた次回。(すごい楽しかったのでゆっくり余裕を持って書きたいです)


今日の一曲: ヴォーン=ウィリアムズ 交響曲第3番 第1,2楽章



急ぎなのと1つずつ紹介できる自信がないので残りの楽章まとめて。
一応1ヶ月くらい弾いてきた曲ではありますが諸々の事情で体感的には短い付き合いでした。

聴けば聴くほど美しいながらも同時に地味さが目立つこの交響曲。割と4つの楽章どれも似たような緩い(かならずしも遅くはない)テンポで、どれも調性がはっきりせず似たようなハーモニーを使うなか何を楽しみに聴けばいいかというとその懐かしく切ない響きと、草を揺らして流れていく風のような音楽の流れと、あと具体的にはそこここで現れるソロ楽器の活躍でしょうか。

ほとんどの楽章でコール・アングレやフルートのソロがあったり、ビオラのソロがどっかであったり(どの楽章だっけ(汗))。どの楽器もすっと現れては自分の歌を歌い、また消えて行くようなところがあります。(それは第4楽章の歌のソロも少しそうですね)
そしてそれを時と風の流れとともに運び、過去に押し去っていくように常に音楽を動かす弦の流れ。

あと第2楽章にはトランペットのソロとホルンのソロもあります。このド→ソから始まるメロディーは軍隊のトランペット(ビューグル)の音色を表したもの。オーストラリアでも11月11日の終戦記念日にThe Last Postと呼ばれるビューグルの演奏でおなじみです。
この曲の演奏ではビューグルでなくナチュラル・トランペットというバルブ(キー)のないトランペットを使います。音色だけでなく音程もちょっと独特。

この交響曲に最初に触れて以来色々イメージを自分なりに膨らませようとしていました。
とんでもない規模の戦争が終わって残ったもの、その景色。
戦争で破壊された場所にも、残骸や死体が埋められた跡にもやがてまた雑草が根を張り、緑に変えていく。そしてその緑をたたえ時は流れていく。
最初戦争関連の話を聞く前からなんとなく松尾芭蕉の「夏草や兵どもが夢の跡」という句が頭をよぎってたんですよね。ちょっと上記とは性質が違いますが。

あとは今日はっきりしたのですが第4楽章がどうもWilfred Owenの「A New Heaven」という詩のイメージとつながってたり。Owenの詩では一番お気に入りなんですが、人を殺して死んだ兵士たちの魂はどこに安らぎを求めるか、という内容でそれがこの第4楽章の雰囲気とうまく合う。(同じ戦争の話ですしね)

という自分の解釈を長々と書いてしまいましたがヴォーン=ウィリアムズの音楽全般景色を描くというか「景色を求める」のがいいアプローチではないかと思います。みんなどんな景色を見ているんだろう。


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リハーサルで弾いた!(笑)
タイトルのテンションがあれですがその前に前回の続き。
今クロノス・カルテットがKickstarterでクラウドファンディング企画をやってるので寄付してきました。
クロノスは常に世界中の音楽家と協働し、彼らの新しい作品を演奏したり編曲の委託をしたりしていますがこのたびそういった活動を実現・支援するためにDavid Harrington Research & Development Fundを立ち上げました。音楽の作曲・編曲を委託したり演奏・録音するための基金ってことでいいのかな。
R&D Fund自体は前からあってリンク先にあるように様々な結果を出してきましたが、今回クラウドファンディングという形で寄付を募ることになったようです。

寄付金額に応じて様々な特典がありますが注目は25ドルでR&D Fundにより委託された曲のmp3録音(1曲)、35ドルでの前述を含む数曲のmp3録音、そして75ドルでクロノスの第1バイオリン奏者David Harringtonによる選曲のミックスCD。このミックスCDが欲しくて75ドル(+海外送料5ドル)寄付しました。あれだけ音楽の知識があって、そしてとにかく音楽に対する好奇心が強い人が選ぶミックスCD、楽しみすぎます。
(あと到底手が届かない高額寄付の特典も面白いですね。クロノスとディナーとかリハーサル見学とか、あとDavid Harringtonと電話で話すとか一緒に音楽ショッピングとか(これも上記と同じ理由で面白そう)。)


本題。
リハーサルに行くこと三度、本番まで1週間を切ってやっと昨日リハーサルで弾きました!
弾いたところでやっぱりちょろっとだけなんですがこれで指揮者のやってることも周りのオケの塩梅も分かってとりあえずオーケー。
あとは明日のリハーサルでちゃんとしたキーボードがあれば音の調整もばっちりになるはず。

こないだまたヴォーン=ウィリアムズの3番を通して聴いて「どうもつかみどころがないなー」と悩んでたのですがリハーサルで直に音楽に触れると自ずと身にしみて分かってくる不思議。
ほんといい曲です、3番。ものすごく懐かしい、でも存在し得ない場所の風が吹く。悲しさもあるけどその気持ちは遠く風化したようなところがあって。生で出会えて良かった。

こないだ山ほどコンサートがあるとここに書いたばかりなのにまた行くコンサートが増えました。
国立音楽アカデミーで6月3日6日にピーターが弾いたり作曲した曲が演奏したり他にも結構音楽周り友達が弾いたりしてるので是非行きたい。なるべくどっちも行く。ほんと死ぬほどコンサート行く日々になりそう。

そんななかでこないだ大学の図書館に行ってブリテンの弦楽四重奏曲全集(第1~3番+3つのディヴェルティメント)とかウォルトンのバイオリン協奏曲+ブリテンのバイオリン協奏曲、そしてショスタコーヴィチの第9番+第15番のCDを借りて聴いたりしてます。
まだまだ消化出来てませんがとりあえずショスタコ15番面白い!ショスタコは15つの交響曲を書いててこれが最後の交響曲。もちろん最後の曲までにはまだいくつかありますが交響曲というジャンルの最後というのはなかなかsignificant。もっと余裕のあるときにじっくり浸かりたいです。

音楽もこんなに色々あって仕事もありでかなり頭も疲労してきてるのですがそれでもゲームは欠かさない。
ポケモンではブラック版の最初のポケモンだったツタージャを厳選してジャローダまで育ててました。速い!そしてくさタイプなので弱点多いながら堅い!努力値は素早さとHPに全振りしただけですがいいサポート役になりそう。というか私が使えるといいな。

そしてAge of Wonders 3ですがキャンペーンゲームは停滞中。
Elven Courtのミッション5をやってたのですが相変わらずのペースで進めてたため途中で「あと20ターン以内にクリア」が必要条件になってしまって、その時点で敵の4勢力が一つも撃破できてない上に同盟組んでるとこもできちゃったためこれは最初に戻ってやり直さないと無理と判断。
地下にいくつか街もらうところから結構時間切り詰め策を講じないといけないなあ・・・(高位ユニット生産とか穴掘りとか収入確保とか街によって役割分担?みたいな?)
・・・ということでここ数日はカスタムキャラ使ってランダムマップに潜って遊んでました。
コンサートの合間にそっちの感想も書きたいです。
(ただ当分コンサートの感想が続くかも・・・)


今日の一曲: ヴォーン=ウィリアムズ 交響曲第3番 第4楽章



とりあえずこの楽章はリハーサルで聴きました。そして生で聴いて身にしみました。
他の楽章と同じく地味ではあるのですが、でも味わい深い音楽。

マーラーの例でも見られるように交響曲は必ずしも純粋な器楽音楽である必要は無く、合唱やソロの歌い手が歌う交響曲、歌曲のような形式になってる交響曲の楽章も珍しくありません。
ただ交響曲で歌い手がステージ裏から言葉のない歌(ヴォカリーズ)をちょろっとだけ歌う交響曲はちょっと珍しいんじゃないかな。

この第4楽章では楽章の最初と最後、ステージ裏でソプラノ歌手がヴォカリーズを歌います。
歌のパートが楽器のソロみたいに扱われてる、というのが一番しっくりくる見方かな。
(例えばローマの松のトランペットソロとか幻想交響曲のオーボエソロとか、そういうステージ裏楽器ソロみたいに)

ただその歌のエフェクトが凄い。最初聴いたときなにか人間の声なんだけど人間の声じゃないような・・・これは何なんだ、どこからどうして聞こえてくるんだ、と思うような。
確かに音楽の一部ではあるんですが、別世界のものというかここにあるべきではないような感じまでしてしまう。
平たく言えば幽霊の声ですね。(イギリスですしそれっぽい雰囲気があります)

もちろん器楽の部分の音楽も美しいです。よく英語には「なつかしい」という言葉がないと言われますがヴォーン=ウィリアムズの音楽は懐かしいを体現していると思いますし、それをまた超えたものを表現していると思います。
なにか後ろ向きな方向に狂おしいいとおしさと寂しさと、すでにないもの、そもそも存在し得ないものへの憧れ、実際しない場所への望郷。それがこの交響曲では主に心の表面をスルーして深いところにじわじわくるのがたまらない。
そういう曲調でコール・アングレのソロなんて反則ですよ。あれは美しい。

やっぱり取っつきづらいというかしみこみづらいところはあると思いましたがこの時代にしては比較的短い交響曲ですので少し静かに耳を傾ける時間があればじっくり聴いて欲しいと思います。一番身に染み良いのは生演奏ですがちょっとレアかなあ・・・

リンクしたのはイギリスのオケとイギリスの指揮者による演奏。試聴箇所でほとんど楽器が聞こえない(汗)カップリングが5番で、こちらはもっととっつきやすい素晴らしい交響曲です。(あと両方に共通してるところも結構あるのでこの組み合わせはちょっと面白いかも)

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音楽イベントラッシュ?
なんだかまだ自覚がないのですが久しぶりにばたばたとしそうな一週間に突入です。
そして物理的に動く以外でも事前に動く部分もたくさんあり。
どうやら自分周りは音楽関連イベントラッシュのようです。ということでこれからしばらくの間にある楽しみなことなどなどをざっと紹介エントリー。

まずは明日・木曜日とリハーサルがあってもう土曜日本番のこのコンサート。
Stonnington Symphony Orchestra
Malvern Town Hallシリーズ コンサート1
2014年5月31日(土)16時開演
指揮者:Mark Shiell
Frederick Septimus Kelly 弦楽のためのエレジー
ジョージ・バターワース 「緑の枝垂れ柳の岸辺」
エドワード・エルガー チェロ協奏曲(チェロ:Kalina Krusteva)
ヴォーン=ウィリアムズ 交響曲第3番「田園交響曲」(ソプラノ:Alexandra Flood)

何度か書いてますがヴォーン=ウィリアムズでちょろっと弾きます。イギリスと第一次世界大戦の余韻とが集まったプログラム、どう仕上がるか(&他の曲を聴くのが)楽しみです。

で、木曜はリハーサルなのですがリハーサル行く前に先生のリサイタルがあります。
Melbourne Recital CentreのSalonで、詳細はこちら。どうやら売り切れてるようですね。
先生が得意とするシューベルトももちろんですがリストのピアノソナタを先生がどう弾くのか興味津々です。リストがそんな好きでない私でもピアノソナタは特別なピアノ作品だと思っています。(いつかもっと年齢を重ねてチャレンジしたい気持ちもあります)色んな深いところのある曲が何を見せてくれるか楽しみ。

金曜の夜は友達に誘われたメル響のトリビアナイト(クイズ大会)。
クイズはまあ楽しくやるし音楽は楽しく聴くとして何着てけばいいのかな。ご飯とお酒も出る(別に購入とあるけどどういうシステムなんだ)場なのでそれなりの格好をしてかなきゃ、でもそれなりの格好ってなんなんだろう(汗)イベントの詳しい内容もまだ何も知らないので色々行ってからのお楽しみか。

6月2日の夜はAustralian Chamber Orchestraのコンサート「Timeline」を聴きに行きます。
エレクトロポップ界の刺客(?)The Presetsをゲストに迎え紀元前4万年から現在まで音楽の歴史を通して様々なジャンル・形態の音楽を展開するコンサート。
ここ1~2週間ほどSpotifyにこのコンサートに使われる楽曲の185曲・20時間にわたるプレイリストを何日かに分けて聴いたのですがあまりにも色んな音楽がありすぎてコンサートとしてどういう感じになるのか全く見当が付かない。ただ豪他都市でのコンサートのレビューが「Chaos」って言葉を使ってたのでカオス期待。わくわくです。

昨日3MBSのRadiothonの一部として以前聴きに行った同門のピアノ友達のトリオPlexusの演奏が放送されましたが彼らは今週末、そして来週末と2回コンサートをやるそうです。私は8日の昼のコンサートを予約しました。引き続きオーストラリアの新しい作品の演奏も多くありますが、ここで演奏されるメシアンは初めて聴く予定。日頃私がメシアンを精力的に弾いてるのをうらやましく思ってくれてるのでこれは聴きにいかなきゃ。

そしてその8日の夜にまた行くコンサートが。こないだたまたまHamer Hallの外でお知らせを見つけてこれは行かなきゃ!と思ったやつ。
毎年開催のMelbourne International Jazz Festivalの一部としてなんと!Gary BurtonとChick Coreaがデュエットを弾きに来ると!
去年いろんな縁で聴くようになったこの2人の演奏が生で聴けるといっちゃあ逃すわけには行きません。初めてのジャズコンサートです。

で、まだチケットは予約してないけど6月にMelbourne Recital Centreでビオラ奏者Maxim Rysanovのリサイタルがありますし、あと11月にロンドン交響楽団がメルボルンに来てGergiev指揮でオールロシアでがっつりエキサイティングなプログラムを演奏するのも予約したい。
それに加えて諸々メル響のコンサートもありますし、とにかく行きたいコンサートがたくさん。

そうそう、メル響といえば7月の末に(両親がメルボルンに来たときに一緒に)マーラー1番をやるそうで、11月にマーラー2番をやるそうですがそれがどうもマーラーの交響曲を数年かけて全部やるサイクルプロジェクトらしいです。ということはこれから近いうちに(たぶん再来年)6番とか7番とかもまた生で聞けるということで。何せ時間はかかるので引き延ばされますが壮大なプロジェクトの始まりです。

さて、かなり長くなってしまって一つ音楽イベントで書けてないのがあるのですがちょっとそれは別方面なのでまた次回エントリーの頭に来るように紹介したいです。


今日の一曲: パウル・ヒンデミット 組曲「1922年」第2楽章「シミー」



こないだ大学で3枚ほどCDを借りたのですがそれはまだ1回聴いただけなのでぼちぼち。
最近ちょっとピアノが停滞気味なところでちょっと新しく始めてちょっとばかり再活性のきっかけになるようなところがあったこの曲を。

第1次世界大戦後のドイツで「狂騒の20年代」と呼ばれる世界的な文化の変化の波がヨーロッパに押し寄せる中花開いた流行の音楽をモチーフにしたこの組曲「1922年」組曲。
ヒンデミット自身は流行してた音楽をベースにしてそんなに音楽的な深さとかはない的な扱いをしていたようですが、リアルタイムの音楽による時代レポみたいな作品になってる面もあって今となっては貴重だと思います。
(ちなみに1922年だったらヒンデミットは25歳くらいだったかな。年齢としてざっくりいえば流行に飛びつくほど若くもないけど古い価値観にとらわれるほど年を重ねてもいない、冷静なお年頃か)

第2楽章「シミー」は(他の楽章にあるボストン・ワルツやラグタイムもそうですが)当時流行したジャズ音楽に合わせて踊りの名前。なかなかヒンデミット色が強い曲で元の音楽がどんな感じか想像つかないのですが(これから探しに行きます)、1920年代の文化を語る上では結構重要なキーワード。
「シミー」は今でもある胸を揺らすような動きのダンスで、特にフラッパーと呼ばれる若い女性ダンサーが踊るものだったそうで。その「フラッパー」について調べてみると当時の女性の服装や態度、行動やライフスタイルの(前の時代から比べて)劇的な変化の話につながり。
読み進めていくと以前NGVで見に行ったアール・デコ展や映画「シャネルとストラヴィンスキー」なんかで見たような話にどんどん繋がっててものすごく面白い。

その当時の若い女性の膝丈のすとんとしたドレスや車の運転、飲酒や喫煙、性的な奔放さなどについてWikipediaで記述を見てるだけでもそれが前の世代の価値観とは全く違う、考えられないようなものであったのがちょっと伺えて。もしかしたら「古い時代の人」にとっては眉をひそめるというか言語道断、abominableなものだったんじゃないかな。

そういう視点でフラッパーの像について考えてみると彼女たちがちょっとした「魔物」のように思えてくるというか。夜の街を闊歩して自由に振る舞い自由に男性と付き合い、大胆なダンスを踊り、性的な奔放さや酒とたばこのイメージが古い価値観ではグロテスクに写る。そんなイメージでこの「シミー」を弾きたいな、と思いました。
(で、さらに広げて時代の他の側面から他の楽章のイメージを広げてみたりしたい)

そんなわけで1922年組曲、いつか演奏するときにどういう形になるかは分かりませんがちょっとまた色々イメージを膨らませて形にしてみたい欲が出てきました。やっぱり「夜の音楽」がお気に入りなんですがね、「シミー」もまた魅力的です。

リンクしたのは手持ちの録音。リヒテルの20世紀音楽の演奏を集めたCDです。こんな曲も弾いてたんだーというのも結構あり、1922年組曲もその一つ。
ちょっと古い録音ですが自由自在な第2楽章、ロシアンマッチョな第5楽章など聴いてて面白いです。もちろん素晴らしい演奏ですが面白さもある。
私もいつか自分なりに魅力的な演奏を目指したいです。

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