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前回のエントリーに拍手どうもです~
マレーシアの両親の家に無事到着、だらだら一日を過ごして更新中。
ここに来る途中で一昨日のコンサートのソリストの方を見ましたよ。チェロ(アコードのケース!)しょってました。楽器と一緒に旅するのは大変そう(というか身にしみて大変なことがわかってる)ですがかっこいい。オーストラリアの中でもメルボルンは特に他の外国から遠いのでほんとお疲れ様です。
そんな一昨日のコンサートの感想。現代音楽を扱うMetropolisシリーズの中メル響はフィンランドの作曲家・指揮者Olli Mustonenを迎え北欧・ロシアの現代音楽を3つのコンサートに渡って取り上げてきました。一昨日はその最後のコンサート。
プログラムは以下の通り:
メル響Metropolisコンサート「Concert Campetre」
指揮者:Olli Mustonen
Ilari Kaila チェロ協奏曲(チェロ:Marko Ylönen)
Rodion Shchedrin 弦楽、オーボエ、ホルンとチェレスタのための音楽
Joonas Kokkonen 12人の弦楽器奏者とハープシコードのための変容「...durch einen Spiegel...」
Olli Mustonen Concert Champétre(田園のコンセール)
このうちShchedrinがロシア出身で他の作曲家はフィンランド出身、Kokkonen以外は存命の作曲家です。全曲がオーストラリア初演でした。
中でも最初の曲を作曲したKailaは36歳。ピアニストとしても作曲家としても世界でばりばり活躍しているそうです。演奏後のインタビューによると彼が伝統的な「協奏曲」を作曲したのは初めてとのことですがものすごく成熟した、確立した、そして渋い曲でした。協奏曲というジャンルとチェロという(フルオケと弾かせるにはバランスとりがかなり難しいらしい)楽器を色々探ったとのことですが、それでソリストというよりはナレーターのような役割のコンチェルトになってそれがまた魅力的でした。
(あと作曲を委託されることの面白さにもちょっと話してくれてその話も面白かったです)
今回のコンサートで目当てで聴いた結果一番好きだったのがShchedrinの作品。スタイルは例えて言うならチャイコフスキーとシュニトケを合わせたような感じ。Shchedrinはバレエのジャンルと縁が深く(この曲も元はバレエだったそうで)、古風な踊りの感じが終始濃くありながら現代の感性とサウンドと鋭さがまたたまらない。
思って見れば弦・ホルン・オーボエはモーツァルトの時代のオケに近い編成でホルン・オーボエは神話時代からある楽器で、そこに比較的新しいチェレスタが入るってのはちょっと面白い。
そんなチェレスタは中ほど・最後の方に長いソロがあって存在感のある素敵なパートでした。機械のような、夢のような、自分だったらどう弾きたいかなと色々思うところあり。
3曲目のKokkonenは今回のプログラムで自分にとって一番難解な曲でした。表現してること向かってるところなかなかわかりにくいのですが曲としては結構好きでした。わからない分面白いってのはあるかも。弦楽器が弦らしく動くところもあれば(比較的テンポが速い部分)12人しかいないのにオルガンのように響くところもあり、ちょっとびっくり。そこにまた昆虫的というかcritter的なハープシコードの音が入ってきたり、前の曲のチェレスタと違うようでどこか似てるところがある異質さで。
そして最後の曲Concert Champétre。指揮者兼作曲家がいうところの「今回のコンサートのデザートにあたる曲」。古風なスタイルに則った聴きやすい曲で5つの楽章がどれも魅力的でした。聴きやすい=良い曲ではないですがちゃんとしっかりした曲でした(ただ同じく聴きやすい=良い曲ではなく今回のコンサートは他のコースの方がおいしかったです)。
前述の通り古風で田園的な曲ですがそのスタイルを基盤にしてしっかり音楽を進化させて元々のスタイルになかったものを作り上げてるのはやっぱすごい。あとピアノの存在が納得するような異様なようなちょっと不思議。
第3楽章のスケルツォが一番好きだったかな。楽しいしcraftを感じました。
ただ今回の指揮者さんは作曲家としての方が評価が高いかなあ。熱情的なんだけどちょっと読みにくいところがあった印象。ただ最後の最後で勢い余って前のめりにガタッてなったのは愛嬌です(笑)
あとコンサート全体として最後ものすごく満足だったわけじゃないのが不思議。曲それぞれも魅力的で、全く違う方向性の曲を集めた取り合わせも面白かったのですが最後聴きやすくて比較的軽い感じで終わったのがちょっと違ったのかも。20世紀以降の曲のプログラム組みってほんと難しい。こうやってシリーズにするともちろんそれ以上の難しさがあるんだろうなあ。
そんなことは言っても今回のコンサートに行って本当によかったです。これからちょっとフォローアップしてみたい曲もあり、どの曲も出会えて良かった&聴いて楽しかったですし。
だんだん現代音楽のコンサートにもお客さんが集まってきてるみたいなので来年のMetropolisがもっと盛り上がることを願っています。
そうそう、前々回日本にいく飛行機の中で読み始めた音楽と脳に関する本、ここにくる飛行機でやっと読み終わりました。最後の方でかなり自分にとってツボな話もありました。面白い本だったので感想書きます。とりあえず読み終わってよかったー。
今日の一曲はお休み。さっきの曲の並びで他の曲を紹介するのはもったいなく感じます。(録音あるかな、Shchedrinとか。改めて紹介できたらいいな)
買った音楽の紹介の間にご無沙汰になったところいろいろカバーしていきたいです。
マレーシアの両親の家に無事到着、だらだら一日を過ごして更新中。
ここに来る途中で一昨日のコンサートのソリストの方を見ましたよ。チェロ(アコードのケース!)しょってました。楽器と一緒に旅するのは大変そう(というか身にしみて大変なことがわかってる)ですがかっこいい。オーストラリアの中でもメルボルンは特に他の外国から遠いのでほんとお疲れ様です。
そんな一昨日のコンサートの感想。現代音楽を扱うMetropolisシリーズの中メル響はフィンランドの作曲家・指揮者Olli Mustonenを迎え北欧・ロシアの現代音楽を3つのコンサートに渡って取り上げてきました。一昨日はその最後のコンサート。
プログラムは以下の通り:
メル響Metropolisコンサート「Concert Campetre」
指揮者:Olli Mustonen
Ilari Kaila チェロ協奏曲(チェロ:Marko Ylönen)
Rodion Shchedrin 弦楽、オーボエ、ホルンとチェレスタのための音楽
Joonas Kokkonen 12人の弦楽器奏者とハープシコードのための変容「...durch einen Spiegel...」
Olli Mustonen Concert Champétre(田園のコンセール)
このうちShchedrinがロシア出身で他の作曲家はフィンランド出身、Kokkonen以外は存命の作曲家です。全曲がオーストラリア初演でした。
中でも最初の曲を作曲したKailaは36歳。ピアニストとしても作曲家としても世界でばりばり活躍しているそうです。演奏後のインタビューによると彼が伝統的な「協奏曲」を作曲したのは初めてとのことですがものすごく成熟した、確立した、そして渋い曲でした。協奏曲というジャンルとチェロという(フルオケと弾かせるにはバランスとりがかなり難しいらしい)楽器を色々探ったとのことですが、それでソリストというよりはナレーターのような役割のコンチェルトになってそれがまた魅力的でした。
(あと作曲を委託されることの面白さにもちょっと話してくれてその話も面白かったです)
今回のコンサートで目当てで聴いた結果一番好きだったのがShchedrinの作品。スタイルは例えて言うならチャイコフスキーとシュニトケを合わせたような感じ。Shchedrinはバレエのジャンルと縁が深く(この曲も元はバレエだったそうで)、古風な踊りの感じが終始濃くありながら現代の感性とサウンドと鋭さがまたたまらない。
思って見れば弦・ホルン・オーボエはモーツァルトの時代のオケに近い編成でホルン・オーボエは神話時代からある楽器で、そこに比較的新しいチェレスタが入るってのはちょっと面白い。
そんなチェレスタは中ほど・最後の方に長いソロがあって存在感のある素敵なパートでした。機械のような、夢のような、自分だったらどう弾きたいかなと色々思うところあり。
3曲目のKokkonenは今回のプログラムで自分にとって一番難解な曲でした。表現してること向かってるところなかなかわかりにくいのですが曲としては結構好きでした。わからない分面白いってのはあるかも。弦楽器が弦らしく動くところもあれば(比較的テンポが速い部分)12人しかいないのにオルガンのように響くところもあり、ちょっとびっくり。そこにまた昆虫的というかcritter的なハープシコードの音が入ってきたり、前の曲のチェレスタと違うようでどこか似てるところがある異質さで。
そして最後の曲Concert Champétre。指揮者兼作曲家がいうところの「今回のコンサートのデザートにあたる曲」。古風なスタイルに則った聴きやすい曲で5つの楽章がどれも魅力的でした。聴きやすい=良い曲ではないですがちゃんとしっかりした曲でした(ただ同じく聴きやすい=良い曲ではなく今回のコンサートは他のコースの方がおいしかったです)。
前述の通り古風で田園的な曲ですがそのスタイルを基盤にしてしっかり音楽を進化させて元々のスタイルになかったものを作り上げてるのはやっぱすごい。あとピアノの存在が納得するような異様なようなちょっと不思議。
第3楽章のスケルツォが一番好きだったかな。楽しいしcraftを感じました。
ただ今回の指揮者さんは作曲家としての方が評価が高いかなあ。熱情的なんだけどちょっと読みにくいところがあった印象。ただ最後の最後で勢い余って前のめりにガタッてなったのは愛嬌です(笑)
あとコンサート全体として最後ものすごく満足だったわけじゃないのが不思議。曲それぞれも魅力的で、全く違う方向性の曲を集めた取り合わせも面白かったのですが最後聴きやすくて比較的軽い感じで終わったのがちょっと違ったのかも。20世紀以降の曲のプログラム組みってほんと難しい。こうやってシリーズにするともちろんそれ以上の難しさがあるんだろうなあ。
そんなことは言っても今回のコンサートに行って本当によかったです。これからちょっとフォローアップしてみたい曲もあり、どの曲も出会えて良かった&聴いて楽しかったですし。
だんだん現代音楽のコンサートにもお客さんが集まってきてるみたいなので来年のMetropolisがもっと盛り上がることを願っています。
そうそう、前々回日本にいく飛行機の中で読み始めた音楽と脳に関する本、ここにくる飛行機でやっと読み終わりました。最後の方でかなり自分にとってツボな話もありました。面白い本だったので感想書きます。とりあえず読み終わってよかったー。
今日の一曲はお休み。さっきの曲の並びで他の曲を紹介するのはもったいなく感じます。(録音あるかな、Shchedrinとか。改めて紹介できたらいいな)
買った音楽の紹介の間にご無沙汰になったところいろいろカバーしていきたいです。
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前回のエントリーに拍手ありがとうございます。
昨日確認しましたが来月末にオケで弾きます!曲全体の長さに対する私のパートは過去最小と思いますが大事な大事なパート。また後日詳細はここに書きますが今から楽しみです。
今日は昨日Twitterでちょっとつぶやいてた昨日のエントリーにちょっと関連することをまとめてみたいということで。(明後日マレーシアに行く準備もしなくてはならないですがその前に)
メルボルンは芸術の街として知られていますが(知られてますよね(汗))、私がちょこちょこ関わっているクラシック音楽のジャンルもかなりアクティブな街です。
それも私が大学に入ってからと比べると演奏頻度、レパートリー、演奏場所、演奏形態などかなり広がっていて、格調の高いコンサートからもっとカジュアルなコンサートまで、古音楽から現代音楽まで、そして他のいろんなジャンルとコラボしたコンサートまで楽しめます。
世界で一流とまではいかなくてもメルボルンの観光として音楽(クラシックに限らずですが)を楽しむというのはありなんじゃないかと最近思います。
メルボルンのシティ内・周りだけでもシーズン内(3月くらい~12月中旬くらい)ならほぼ毎日なんらかの音楽演奏イベントをやっているんじゃないですかね。比較的小さい編成のコンサートなら平日でもやってるみたいです(後述)。
そんな中私が是非メルボルンで楽しんで欲しいと思うコンサートは大きく分けると大小2種類に分けられます。
まずは「大」のコンサート。
これはメルボルン最大のコンサート会場Hamer Hallが主に舞台となる大規模なコンサート。
(格調が高い、といいますが服は普通で行けます。あと主に週末ですが木曜とか月曜にやってる場合も)
ここでは特にメルボルン交響楽団の演奏がおすすめです。演奏レパートリーも定番から現代まで良い曲を弾いてますし、オケもしっかりしてる。ソリストも指揮者も国内・海外から素晴らしいゲストを迎えています。
特に19世紀以降のでっかい編成の曲(マーラーとかショスタコーヴィチとか)を聞くのが楽しいです。曲自体が聞いててエキサイティングですし、オケもパワフルで、特に私は打楽器セクションの働きが好きで。オケの「動き」を目で見るというのも楽しい体験です。
メル響は他にもMelbourne Town Hallでコンサートをやることがたまにあります。こちらはちょっと古い感じの建物が魅力的で、オケにちょっと近く座れる場合もあり。そしてここには南半球一の大きさのパイプオルガンがあるのでオルガン付きのコンサートは一聞の価値ありです(オルガンのリサイタルもやってるみたいですね)。
そしてHamer HallではAustralian Chamber Orchestraもたまに演奏してます。このアンサンブルは弦楽器だけのオケで編成は小さめですがフルオケと違った結束とサウンドが楽しめます。
そして「小」のコンサートは5年前に建てられたMelbourne Recital Centreの小さいホール、Salonでのコンサート。
前述平日でも頻繁にコンサートをやっているというのは主にここで、イベントのカレンダー表示を見るとそれがわかると思います。大きいホールElizabeth Murdoch TheatreとSalonで時間差で2つコンサートがある日もちょくちょくありますね。
Salonは公式サイトによると136人定員の小さなホールですが、ここで開催されるイベントは多岐にわたります。
ピアノのソロリサイタルもありますし、数人の奏者による室内楽のコンサート、歌曲のコンサートもあればジャズ・アンサンブル、そして世界の様々な文化の音楽の演奏まであります。
一般的にSalonでのコンサートは大体1時間ほどなので行きやすい、というのはあるかな(大は大体2時間くらいはかかる)。あとチケットも比較的お手頃な価格。
国外から奏者がやってくることもありますがメルボルンの音楽家(奏者・作曲家)を取り扱うことが多いのも特徴かな。私と同世代の若い音楽家たちもよく演奏しています。
そしてSalonでは(最近聴衆が増えてはきましたがまだまだ集客力が弱いとされている)現代音楽のコンサートが頻繁にあります。オーストラリアの作曲家をフィーチャーしたり新しい作品の初演をやったり、そういうコンサートにはおあつらえ向きの場になっている様子。
(なので上記「大」のコンサートと比べると聞けるレパートリーには好みの差が出てしまう可能性が高くなりますが、でも全く新しい音楽、オーストラリアの今の音楽に出会える素晴らしい機会でもあります。ちょっと冒険してみる価値はあると思いますよ。良い出会いあります。)
上記のリンク先を見るとちょっと写真がありますがSalonはちょっと狭めの直方体で天井が高いホールで、奏者のためのステージがなく奏者と聴衆が同じレベルでしかも近いセットアップになっています。この一見四角いホールがコンサートによりセットアップ・演出・照明で摩訶不思議な別世界になるのがこの場所の一つの魅力。
前回のエントリーにあるように蝶のカタログ(投影)やMythweaver(照明など)での空間のつくりかたも凄かったですし、以前にはクラムの「鯨の声」の青い照明がすごい効果的だったり。そういえばWhite Nightのときに行ったACO Virtualもここでしたね。
小さな空間のなかで音楽だけでなくその演出も創意工夫が凝らされた、そんなコンサートがSalonでは味わえます。
あとSalonではコンサート後に出待ちというか聴衆が奏者に挨拶することが多くて、割と気軽に奏者に声をかけられます(聴衆に身内・知り合いが多いのもそうですがそうでない場合もあるっぽい)。アンサンブルによってはCD販売やサイン会もあったりします。
私も奏者に知り合いがいる場合は大抵待ちますし、知らない人でもたまに(クラムの演奏だったときとか)残って挨拶して演奏が素晴らしかったことを伝えます。
知り合いの場合はあとでMelbourne Recital Centreにあるバー・レストランで一緒に飲んだり他の色んな音楽家に合わせてもらうことも。聴衆と奏者の距離の近さもここでのコンサートの特徴かもしれません。
かなりざっくり分けちゃいましたがこの「大」「小」どっちかだけじゃメルボルンの今のクラシック音楽は語れないと思います(この2つだけで語れるわけでもないですが)。
そしてなによりどっちもそれぞれの楽しさがある!どっちも楽しい!
ほぼ間違い無くいい曲がでっかいオケの響きで味わえるけどちょっと長めで堅めの雰囲気の「大」、どんな曲が演奏されるかわからないけど間近で創意工夫を凝らした演奏が味わえる「小」。
できたらどっちも楽しんで欲しいなあ、と私は常日頃思っています。特に「小」はまだ最近伸びてきてるばかりのものなので見過ごされやすいんじゃないかな。
さて、そろそろ準備を進めなければ。
明日はまたコンサート行きですが感想は(書けたら)マレーシアに行ってからになりそう。できたら書きます。
今日の一曲: Homayun Sakhi 「Rangin Kaman(抜粋)」(クロノス・カルテット演奏)
週末は郵便が来ないというのにこないだリリースしたA Thousand ThoughtsのCDが来ない!
とりあえずmp3アルバムは一通り2周ほど聞きました。
東アジアから北欧、アメリカから南米まで14カ国の音楽を収録したこのCD。クロノスの40年の歴史をカバーしながら(歴代チェリスト全員収録されてます)大部分はこのアルバムのために新しく収録された曲となっています。
曲のリストはこちら(Nonesuch Recordsのページ)。ゲストアーティストの数も凄いですね。
そしてこのCDを聞いても自分はやっぱり中東周りの音楽が広く好きだなと実感。最後までSim Sholom(以前コンサートで生で聞きましたね)にするかこの「Rangin Kaman」にするか悩みましたがほとんど背景情報がない状態で無謀にもこっちにしました。
とりあえず抜粋とあることでほんとはもっと長い曲であることは明らかですね。もっと聞きたい気もしますが初めましてでは5分弱のこれくらいがちょうどいいのかも。
そしてどこの音楽かもよくわからない。とりあえずクロノス・カルテットの紹介ページで見るとペルシャ=イランの音楽ってことでいいのかな。
でも終始ソロを弾いてるrubâbって弦楽器はアフガニスタン発祥で、打楽器tablaはインドから中央アジア、同じく打楽器Doyraもペルシャ含む中央アジアの楽器っぽい。さっきざっと紹介ページで「アフガニスタンは複数の文化が交差している」的なことがこの楽器の取り合わせでも垣間見れますね。
そしてメロディーがその独特な音階をはっきり示してくれてそのエキゾチックさが感じられるのがなんだか嬉しい。rubâbの音もそうですが音階にも不思議な暗さがあるんですよね。
さらにクロノス・カルテットが西洋の弦楽器で入ってきてその同じ暗いトーンを受け継ぐのがまたかっこいい。特に最初にメロディーを弾くビオラの音の相性の良さ。こういう渋い暗い感じのビオラの音が大好きなんですよ。
そして意外と西洋のハーモニーを付けちゃってもあんまり違和感がないのも面白い。そこんところ考えるにはもっとイラン・アフガニスタンの音楽の背景を知らないとなんとも言えないですが、やっぱりそう遠くはない音楽言語なのかも。
このA Thousand ThoughtsというCDでは先ほど言及しましたSim Shalomも素晴らしいですし(こんど紹介したい!)、北欧のTusen Tankarの美しさ、ピアソラの演奏も聴けるAsleep、そして最後のトラックDanny Boyの息の長さなど楽しみどころいっぱい。
先ほどリンクしましたNonesuchのページ(こちら)で試聴・購入もできますし、iTunes store、そしてリンク先のAmazonでも購入可能です(まさかの一時在庫切れですが)。
是非是非おすすめ。
昨日確認しましたが来月末にオケで弾きます!曲全体の長さに対する私のパートは過去最小と思いますが大事な大事なパート。また後日詳細はここに書きますが今から楽しみです。
今日は昨日Twitterでちょっとつぶやいてた昨日のエントリーにちょっと関連することをまとめてみたいということで。(明後日マレーシアに行く準備もしなくてはならないですがその前に)
メルボルンは芸術の街として知られていますが(知られてますよね(汗))、私がちょこちょこ関わっているクラシック音楽のジャンルもかなりアクティブな街です。
それも私が大学に入ってからと比べると演奏頻度、レパートリー、演奏場所、演奏形態などかなり広がっていて、格調の高いコンサートからもっとカジュアルなコンサートまで、古音楽から現代音楽まで、そして他のいろんなジャンルとコラボしたコンサートまで楽しめます。
世界で一流とまではいかなくてもメルボルンの観光として音楽(クラシックに限らずですが)を楽しむというのはありなんじゃないかと最近思います。
メルボルンのシティ内・周りだけでもシーズン内(3月くらい~12月中旬くらい)ならほぼ毎日なんらかの音楽演奏イベントをやっているんじゃないですかね。比較的小さい編成のコンサートなら平日でもやってるみたいです(後述)。
そんな中私が是非メルボルンで楽しんで欲しいと思うコンサートは大きく分けると大小2種類に分けられます。
まずは「大」のコンサート。
これはメルボルン最大のコンサート会場Hamer Hallが主に舞台となる大規模なコンサート。
(格調が高い、といいますが服は普通で行けます。あと主に週末ですが木曜とか月曜にやってる場合も)
ここでは特にメルボルン交響楽団の演奏がおすすめです。演奏レパートリーも定番から現代まで良い曲を弾いてますし、オケもしっかりしてる。ソリストも指揮者も国内・海外から素晴らしいゲストを迎えています。
特に19世紀以降のでっかい編成の曲(マーラーとかショスタコーヴィチとか)を聞くのが楽しいです。曲自体が聞いててエキサイティングですし、オケもパワフルで、特に私は打楽器セクションの働きが好きで。オケの「動き」を目で見るというのも楽しい体験です。
メル響は他にもMelbourne Town Hallでコンサートをやることがたまにあります。こちらはちょっと古い感じの建物が魅力的で、オケにちょっと近く座れる場合もあり。そしてここには南半球一の大きさのパイプオルガンがあるのでオルガン付きのコンサートは一聞の価値ありです(オルガンのリサイタルもやってるみたいですね)。
そしてHamer HallではAustralian Chamber Orchestraもたまに演奏してます。このアンサンブルは弦楽器だけのオケで編成は小さめですがフルオケと違った結束とサウンドが楽しめます。
そして「小」のコンサートは5年前に建てられたMelbourne Recital Centreの小さいホール、Salonでのコンサート。
前述平日でも頻繁にコンサートをやっているというのは主にここで、イベントのカレンダー表示を見るとそれがわかると思います。大きいホールElizabeth Murdoch TheatreとSalonで時間差で2つコンサートがある日もちょくちょくありますね。
Salonは公式サイトによると136人定員の小さなホールですが、ここで開催されるイベントは多岐にわたります。
ピアノのソロリサイタルもありますし、数人の奏者による室内楽のコンサート、歌曲のコンサートもあればジャズ・アンサンブル、そして世界の様々な文化の音楽の演奏まであります。
一般的にSalonでのコンサートは大体1時間ほどなので行きやすい、というのはあるかな(大は大体2時間くらいはかかる)。あとチケットも比較的お手頃な価格。
国外から奏者がやってくることもありますがメルボルンの音楽家(奏者・作曲家)を取り扱うことが多いのも特徴かな。私と同世代の若い音楽家たちもよく演奏しています。
そしてSalonでは(最近聴衆が増えてはきましたがまだまだ集客力が弱いとされている)現代音楽のコンサートが頻繁にあります。オーストラリアの作曲家をフィーチャーしたり新しい作品の初演をやったり、そういうコンサートにはおあつらえ向きの場になっている様子。
(なので上記「大」のコンサートと比べると聞けるレパートリーには好みの差が出てしまう可能性が高くなりますが、でも全く新しい音楽、オーストラリアの今の音楽に出会える素晴らしい機会でもあります。ちょっと冒険してみる価値はあると思いますよ。良い出会いあります。)
上記のリンク先を見るとちょっと写真がありますがSalonはちょっと狭めの直方体で天井が高いホールで、奏者のためのステージがなく奏者と聴衆が同じレベルでしかも近いセットアップになっています。この一見四角いホールがコンサートによりセットアップ・演出・照明で摩訶不思議な別世界になるのがこの場所の一つの魅力。
前回のエントリーにあるように蝶のカタログ(投影)やMythweaver(照明など)での空間のつくりかたも凄かったですし、以前にはクラムの「鯨の声」の青い照明がすごい効果的だったり。そういえばWhite Nightのときに行ったACO Virtualもここでしたね。
小さな空間のなかで音楽だけでなくその演出も創意工夫が凝らされた、そんなコンサートがSalonでは味わえます。
あとSalonではコンサート後に出待ちというか聴衆が奏者に挨拶することが多くて、割と気軽に奏者に声をかけられます(聴衆に身内・知り合いが多いのもそうですがそうでない場合もあるっぽい)。アンサンブルによってはCD販売やサイン会もあったりします。
私も奏者に知り合いがいる場合は大抵待ちますし、知らない人でもたまに(クラムの演奏だったときとか)残って挨拶して演奏が素晴らしかったことを伝えます。
知り合いの場合はあとでMelbourne Recital Centreにあるバー・レストランで一緒に飲んだり他の色んな音楽家に合わせてもらうことも。聴衆と奏者の距離の近さもここでのコンサートの特徴かもしれません。
かなりざっくり分けちゃいましたがこの「大」「小」どっちかだけじゃメルボルンの今のクラシック音楽は語れないと思います(この2つだけで語れるわけでもないですが)。
そしてなによりどっちもそれぞれの楽しさがある!どっちも楽しい!
ほぼ間違い無くいい曲がでっかいオケの響きで味わえるけどちょっと長めで堅めの雰囲気の「大」、どんな曲が演奏されるかわからないけど間近で創意工夫を凝らした演奏が味わえる「小」。
できたらどっちも楽しんで欲しいなあ、と私は常日頃思っています。特に「小」はまだ最近伸びてきてるばかりのものなので見過ごされやすいんじゃないかな。
さて、そろそろ準備を進めなければ。
明日はまたコンサート行きですが感想は(書けたら)マレーシアに行ってからになりそう。できたら書きます。
今日の一曲: Homayun Sakhi 「Rangin Kaman(抜粋)」(クロノス・カルテット演奏)
週末は郵便が来ないというのにこないだリリースしたA Thousand ThoughtsのCDが来ない!
とりあえずmp3アルバムは一通り2周ほど聞きました。
東アジアから北欧、アメリカから南米まで14カ国の音楽を収録したこのCD。クロノスの40年の歴史をカバーしながら(歴代チェリスト全員収録されてます)大部分はこのアルバムのために新しく収録された曲となっています。
曲のリストはこちら(Nonesuch Recordsのページ)。ゲストアーティストの数も凄いですね。
そしてこのCDを聞いても自分はやっぱり中東周りの音楽が広く好きだなと実感。最後までSim Sholom(以前コンサートで生で聞きましたね)にするかこの「Rangin Kaman」にするか悩みましたがほとんど背景情報がない状態で無謀にもこっちにしました。
とりあえず抜粋とあることでほんとはもっと長い曲であることは明らかですね。もっと聞きたい気もしますが初めましてでは5分弱のこれくらいがちょうどいいのかも。
そしてどこの音楽かもよくわからない。とりあえずクロノス・カルテットの紹介ページで見るとペルシャ=イランの音楽ってことでいいのかな。
でも終始ソロを弾いてるrubâbって弦楽器はアフガニスタン発祥で、打楽器tablaはインドから中央アジア、同じく打楽器Doyraもペルシャ含む中央アジアの楽器っぽい。さっきざっと紹介ページで「アフガニスタンは複数の文化が交差している」的なことがこの楽器の取り合わせでも垣間見れますね。
そしてメロディーがその独特な音階をはっきり示してくれてそのエキゾチックさが感じられるのがなんだか嬉しい。rubâbの音もそうですが音階にも不思議な暗さがあるんですよね。
さらにクロノス・カルテットが西洋の弦楽器で入ってきてその同じ暗いトーンを受け継ぐのがまたかっこいい。特に最初にメロディーを弾くビオラの音の相性の良さ。こういう渋い暗い感じのビオラの音が大好きなんですよ。
そして意外と西洋のハーモニーを付けちゃってもあんまり違和感がないのも面白い。そこんところ考えるにはもっとイラン・アフガニスタンの音楽の背景を知らないとなんとも言えないですが、やっぱりそう遠くはない音楽言語なのかも。
このA Thousand ThoughtsというCDでは先ほど言及しましたSim Shalomも素晴らしいですし(こんど紹介したい!)、北欧のTusen Tankarの美しさ、ピアソラの演奏も聴けるAsleep、そして最後のトラックDanny Boyの息の長さなど楽しみどころいっぱい。
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是非是非おすすめ。
雨続きでなんだかすっかり秋になったメルボルンですがなんとか精神の調子と音楽の調子を保っています。ただし仕事がちょっと途切れています。なのでコンサート行ってきました。
またMelbourne Recital CentreのMetropolisシリーズです。
「Sappho's Butterflies」
Stefan Cassomenos(ピアノ)
Judith Dodsworth(ソプラノ)
Kevin March作曲
Catalogue des Papillions
(+Heliconius Sapho)
Mythweaver
このメルボルン出身の作曲家Kevin Marchは今回のコンサート以前に聞いたことなくて作品も全くしらなかったのですがもちろんAustralian Music Centreのサイトにはプロフィールと作品のリストが掲載されています。
今回演奏されたうちピアノ独奏のためのCatalogue des Papillons=蝶のカタログは世界初演。
歌曲Mythweaverは豪ABCのドキュメンタリーで取り上げられたことがあるそう。
「蝶のカタログ」はメシアンの鳥のカタログのように各楽章に特定の種類の蝶(世界の大小様々な種)が題材として使われています。ただ鳥と違って蝶は鳴かないので色と形、動きを主にピアノで表現。どんな種の蝶が使われてるかはプログラムにもあって後でも調べましたが和名がないものもちょこちょこあったりでちょっと大変。
ちなみに全体で40分ほどかな?鳥カタと比べてコンパクトな編成ですが後から追加されたHeliconius Saphoを含めると鳥カタと同じ13楽章編成になっています。
全体的にものすごく素晴らしい曲かというとそうではないかな、という気がしますがそれでも魅力がそこここにあって、特に最後の3つの楽章が好きでした。コンサートで久しぶりに会った母校のピアノの先生がどれも似たり寄ったりでトッカータ的な曲が多い、と言ってましたが「昆虫」という生物を扱う以上ある程度はしょうがない気も。
そして今回演奏に合わせてSalonの壁に蝶の写真が投影されるのも助けになりました。プログラムにある言葉の説明だけではなかなかイメージできませんし、あと標本・生きてる蝶の写真両方があるのもよかったですね(第12楽章の蝶は標本と生きてる状態では色が違って、生きてる蝶の写真になったときの色彩の輝きが凄かった)。
どっちかというと音楽的な魅力としてはMythweaverの方が上でしたね。世界観・色彩を作るピアノのパートと心を溢れさせる歌のパート。メロディーの美しさにも惚れ惚れしました。
そして今回初めて触れるサッフォーの詩。結構シンプルな言葉で、でも芸術として紡がれていて歌曲に向いているというかメロディーと相性が良い。
サッフォーの詩はところどころ言葉が抜けている・残っていない部分があって詩としての扱いも色々あるようですが(まだ調べてない)この歌曲ではその言葉がない部分をmmmとかahhhとかの音節で補っていました。たぶんその長さもある程度考えてるのかな、あたかもそこに言葉があるような、あるべき感がリアルでした。
この曲で面白かったのは歌い手が(ミュージカルにも似た形で)歩き回ったり振り付けのある動きをしたり、ピアノの中に向かって歌って弦の共鳴を起こしたりと色々な動きをしていたこと。さらに照明も凝っていた(これはSalonでほんと映えますね)。音楽表現とそれに関連する表現形態による空間や世界のつくりかたについて色々勉強になりました。
今回のコンサートはまた友達が弾いてるので行った部分もありますしサッフォーの詩に初めましてしたかったのもありますがなにより蝶に釣られて行ったのが大きく。
改めて蝶のカタログ(蝶カタですか、略号は)を聞いてみるとこれなら自分でも弾けないことないし弾いてみてもいいかもなあ、と惹かれるところがあり。
それでどうしても「鳥カタと蝶カタ一緒に弾いたら」とか頭をよぎっちゃうわけです。
で、コンサートの後に弾いてた友達から私も弾くべきだよ、とか言われるとやっぱり心惹かれてしまうというかなんというか。
こういう「カタログ」的な曲のまず最初に生物の諸々を調べるプロセスだったり科学関連から想像を広げたり、そういうアプローチが好きで自分にとって自然で。
もう小さいときからずっと蝶やら蛾やら(主に後者ですが)他の虫も好きで、虫や鳥や魚の図鑑に頭つっこんで暮らしてた身にはほんと好奇心をくすぐられるというか私ホイホイというか。
20数年経ってもまた違う形で図鑑っ子バリバリやってるなあ、と思うとなんか笑えますねえ(汗)
蝶のカタログ。弾いてみたいという気持ちもありながら「こりゃ私が弾かんとだめだろう」みたいな惹かれかたもあって、ちょっとこれは前向きに考えてみようと思います。
ただ弾くだけじゃいけませんからね。今回のコンサートとはまた違う形でプレゼンして、自分の得意を活かしていい演奏にしないといけない。
もし蝶カタ弾くことになったら改めて曲も蝶の種類も紹介したいなあ・・・と考えながら今日の一曲はおやすみ。
ちょっと書くことも出来たのでまた明日更新できるかな。
またMelbourne Recital CentreのMetropolisシリーズです。
「Sappho's Butterflies」
Stefan Cassomenos(ピアノ)
Judith Dodsworth(ソプラノ)
Kevin March作曲
Catalogue des Papillions
(+Heliconius Sapho)
Mythweaver
このメルボルン出身の作曲家Kevin Marchは今回のコンサート以前に聞いたことなくて作品も全くしらなかったのですがもちろんAustralian Music Centreのサイトにはプロフィールと作品のリストが掲載されています。
今回演奏されたうちピアノ独奏のためのCatalogue des Papillons=蝶のカタログは世界初演。
歌曲Mythweaverは豪ABCのドキュメンタリーで取り上げられたことがあるそう。
「蝶のカタログ」はメシアンの鳥のカタログのように各楽章に特定の種類の蝶(世界の大小様々な種)が題材として使われています。ただ鳥と違って蝶は鳴かないので色と形、動きを主にピアノで表現。どんな種の蝶が使われてるかはプログラムにもあって後でも調べましたが和名がないものもちょこちょこあったりでちょっと大変。
ちなみに全体で40分ほどかな?鳥カタと比べてコンパクトな編成ですが後から追加されたHeliconius Saphoを含めると鳥カタと同じ13楽章編成になっています。
全体的にものすごく素晴らしい曲かというとそうではないかな、という気がしますがそれでも魅力がそこここにあって、特に最後の3つの楽章が好きでした。コンサートで久しぶりに会った母校のピアノの先生がどれも似たり寄ったりでトッカータ的な曲が多い、と言ってましたが「昆虫」という生物を扱う以上ある程度はしょうがない気も。
そして今回演奏に合わせてSalonの壁に蝶の写真が投影されるのも助けになりました。プログラムにある言葉の説明だけではなかなかイメージできませんし、あと標本・生きてる蝶の写真両方があるのもよかったですね(第12楽章の蝶は標本と生きてる状態では色が違って、生きてる蝶の写真になったときの色彩の輝きが凄かった)。
どっちかというと音楽的な魅力としてはMythweaverの方が上でしたね。世界観・色彩を作るピアノのパートと心を溢れさせる歌のパート。メロディーの美しさにも惚れ惚れしました。
そして今回初めて触れるサッフォーの詩。結構シンプルな言葉で、でも芸術として紡がれていて歌曲に向いているというかメロディーと相性が良い。
サッフォーの詩はところどころ言葉が抜けている・残っていない部分があって詩としての扱いも色々あるようですが(まだ調べてない)この歌曲ではその言葉がない部分をmmmとかahhhとかの音節で補っていました。たぶんその長さもある程度考えてるのかな、あたかもそこに言葉があるような、あるべき感がリアルでした。
この曲で面白かったのは歌い手が(ミュージカルにも似た形で)歩き回ったり振り付けのある動きをしたり、ピアノの中に向かって歌って弦の共鳴を起こしたりと色々な動きをしていたこと。さらに照明も凝っていた(これはSalonでほんと映えますね)。音楽表現とそれに関連する表現形態による空間や世界のつくりかたについて色々勉強になりました。
今回のコンサートはまた友達が弾いてるので行った部分もありますしサッフォーの詩に初めましてしたかったのもありますがなにより蝶に釣られて行ったのが大きく。
改めて蝶のカタログ(蝶カタですか、略号は)を聞いてみるとこれなら自分でも弾けないことないし弾いてみてもいいかもなあ、と惹かれるところがあり。
それでどうしても「鳥カタと蝶カタ一緒に弾いたら」とか頭をよぎっちゃうわけです。
で、コンサートの後に弾いてた友達から私も弾くべきだよ、とか言われるとやっぱり心惹かれてしまうというかなんというか。
こういう「カタログ」的な曲のまず最初に生物の諸々を調べるプロセスだったり科学関連から想像を広げたり、そういうアプローチが好きで自分にとって自然で。
もう小さいときからずっと蝶やら蛾やら(主に後者ですが)他の虫も好きで、虫や鳥や魚の図鑑に頭つっこんで暮らしてた身にはほんと好奇心をくすぐられるというか私ホイホイというか。
20数年経ってもまた違う形で図鑑っ子バリバリやってるなあ、と思うとなんか笑えますねえ(汗)
蝶のカタログ。弾いてみたいという気持ちもありながら「こりゃ私が弾かんとだめだろう」みたいな惹かれかたもあって、ちょっとこれは前向きに考えてみようと思います。
ただ弾くだけじゃいけませんからね。今回のコンサートとはまた違う形でプレゼンして、自分の得意を活かしていい演奏にしないといけない。
もし蝶カタ弾くことになったら改めて曲も蝶の種類も紹介したいなあ・・・と考えながら今日の一曲はおやすみ。
ちょっと書くことも出来たのでまた明日更新できるかな。
ちょっと仕事が途切れてピアノをやった以外は大分だらだらして1日過ごしました。(夕飯も妹が作ってくれましたし)
最近こういう日が不足していたのですがいざだらだらしてみるとなんかもっとやってなきゃと思ってどこか落ち着かないところがあったり。
そんなわけで明日の夜は前回行ったコンサートで弾いたピアノ友達が弾いてる歌曲のコンサートに行ってこようと思います。(そしてあとでラーメンでも食べるかな)
前回と同じくMetropolisシリーズのコンサートで「Sappho's Butterfly」というコンサート。Kevin Marchというまだ知らない作曲家のピアノ曲と歌曲が演奏されます。蝶とかサッフォーとかすっかり釣られてしまう題材ですよ(笑)あとサッフォーは名前は何度も聞いていてモローの絵画の題材としても知っていたのですが肝心の作品は知らなかったのでいい機会です。やっぱ詩は歌曲から入るのが自分にとってはいいのかも。
そしてついでに今週末のメル響Metropolisコンサートも予約。これも一つも知らない曲ばっかりなのですがとりあえず「弦楽、オーボエ、ホルンとチェレスタのための音楽」というところだけで決めました。チェレスタ楽しみ。今年のMetropolisメル響部分は北欧周りの音楽を中心にしたプログラムということ。こないだラウタヴァーラを聞いただけで知らないことが多いジャンルなので結構わくわくしています。
メル響といえばこないだ大学のピアノ友達から来月末にあるメル響のトリビアナイトに招待されました。トリビアナイト=クイズ大会みたいなもので、メル響主催ということから生演奏などもあるとか。実際にそういうトリビアナイト的なイベントに参加したことがないので詳しいフォーマットはなんとも言いがたいですがたぶんクラシック音楽に関する問題が出題されるっぽい。自分の穴あき知識でどれくらい通用するのか、さてはて。
あと来月末には先生のリサイタルもあるんです・・・が、チケットを予約してから気づいたのですがもしオケの話がありとしたらリハーサルがあるかもしれない。リハーサル全部に必要とされるわけじゃないのでセーフかもしれませんがとりあえずまず弾くかどうか確認せねば。
ところでこないだクロノス・カルテットの新しいCD「A Thousand Thoughts」を予約購入してリリースが今日ということなのですがNonesuch公式だとまだpre-orderのカテゴリに入っててmp3アルバムのダウンロード方法もちょっとわからなくて困惑中。メインはやっぱりCDになるんですが(それもそろそろ届くかな)どうなってるのかなーと。
あと今日ふと懐かしくなってというか思い出してAQUAのCDを購入したいなーと試聴してました。以前ファーストアルバム「Aquarium」をどういった経緯か持っててそこからCD紛失して数トラックしか手元にない状態なのですが改めて好きな曲を取り戻したい&もっと知らない曲も知りたいなあ、と思っています。
となるとGreatest Hitsあたりがよさそうかな。Aquarium収録で好きな曲も入ってるし、知らない曲も入ってるし、試聴した感じ良い感じ。
それから今日はまただらだらしながらミュージカル映画「Grease」のサントラも試聴してました。学校の授業中に3回くらい観た思い出の映画。改めて聞いてみると名曲いろいろ(ただプロムのシーン辺りで覚えてない曲もあった)。楽しいんですよね、思わず一緒に歌いたくなるくらい。何曲か手元に購入しようかなあ、そのうち・・・
あとは今度マレーシアに居る間に両親(主に母)にネットラジオで活用するところを紹介しとこうと画策中。自分でも最近徐々に活用できるようになったばかりですが。何よりオーストラリアでやってるコンサートとかが聴けるのが良いかな、と。
そして7月末に両親がこっちにきたらちょうどメル響のマーラー1番のコンサートがあるので一緒にいくのが楽しみです。さすがにまだチケット買わなくていいですよね。
あんまり関係ない話ですが今日本のクイズ番組でBGMとして使われている音楽をクラシック中心に(他は手元にあったらですが)プレイリストとして集めています。特にそれでどうする、ということもないのですがちょっとしたコレクションとして。ちまちま溜まっていくのが地味に楽しいです。
ということでだらだらしているようにも思えますがこうやって書いてみると動く予定もありますしあんまり気に病まないほうがいいってことですかね。天気も季節もあってちょっと迷いの多い時期になってるのかもしれませんがまあぼちぼちと諸々進めていきたいです。
今日の一曲: 聖飢魔II 「スキャンダラスな絆」
こないだ妹が日本のAmazonで頼むものがあるということで私も便乗して聖飢魔IIのCDコレクション一つ増やさせてもらいました。NEWS、LIVING LEGEND、そしてMOVEと後期のアルバムが3つそろってなぜかどこか一安心した感があります(妹もまだ初期中心に買いそろえるはず、というのがあるかな)。
自分の印象だとNEWSはちょっと個性派な曲が揃い、LIVING LEGENDは濃い曲が揃い、だったのですがMOVEはポップ色があるような曲が収録されています。聖飢魔IIってこんな曲も書く&弾くんだぜー、みたいに友達に紹介する隠し刀(????)になるかも?
ちょこちょこ好きな曲はあるのですがお気に入りはこの「スキャンダラスな絆」かな(この曲含めエース長官の曲全般ツボです)。ノリのいいテンポとストーリー的な音楽展開がキャッチーでさらに深いところにぐっとくる。
特に歌詞と音楽の刹那的なところがちょうど今響くところがあるのかな。(それともメシアンの永遠を弾いててそれとは違うものを求めているのか)
その歌詞の中にあるような花火のような刹那的な、儚い性質がとても魅力的に思える曲です。
同じMOVEだと他には「空の雫」とか「オトナやめたいわ」あたりも好きで良く聞きます。とにかく聞きやすいのでいろんな心持ちのときに楽しく聞けるのがとてもありがたい1枚。
とりあえずこれまで購入した・借りたCDの紹介キューは消化しました(といってもこれからクロノスも来るしAQUAも買いますが)。めでたい。またしばらくスポットライト当ててない曲もぼちぼちピックアップしていこうと思います。
最近こういう日が不足していたのですがいざだらだらしてみるとなんかもっとやってなきゃと思ってどこか落ち着かないところがあったり。
そんなわけで明日の夜は前回行ったコンサートで弾いたピアノ友達が弾いてる歌曲のコンサートに行ってこようと思います。(そしてあとでラーメンでも食べるかな)
前回と同じくMetropolisシリーズのコンサートで「Sappho's Butterfly」というコンサート。Kevin Marchというまだ知らない作曲家のピアノ曲と歌曲が演奏されます。蝶とかサッフォーとかすっかり釣られてしまう題材ですよ(笑)あとサッフォーは名前は何度も聞いていてモローの絵画の題材としても知っていたのですが肝心の作品は知らなかったのでいい機会です。やっぱ詩は歌曲から入るのが自分にとってはいいのかも。
そしてついでに今週末のメル響Metropolisコンサートも予約。これも一つも知らない曲ばっかりなのですがとりあえず「弦楽、オーボエ、ホルンとチェレスタのための音楽」というところだけで決めました。チェレスタ楽しみ。今年のMetropolisメル響部分は北欧周りの音楽を中心にしたプログラムということ。こないだラウタヴァーラを聞いただけで知らないことが多いジャンルなので結構わくわくしています。
メル響といえばこないだ大学のピアノ友達から来月末にあるメル響のトリビアナイトに招待されました。トリビアナイト=クイズ大会みたいなもので、メル響主催ということから生演奏などもあるとか。実際にそういうトリビアナイト的なイベントに参加したことがないので詳しいフォーマットはなんとも言いがたいですがたぶんクラシック音楽に関する問題が出題されるっぽい。自分の穴あき知識でどれくらい通用するのか、さてはて。
あと来月末には先生のリサイタルもあるんです・・・が、チケットを予約してから気づいたのですがもしオケの話がありとしたらリハーサルがあるかもしれない。リハーサル全部に必要とされるわけじゃないのでセーフかもしれませんがとりあえずまず弾くかどうか確認せねば。
ところでこないだクロノス・カルテットの新しいCD「A Thousand Thoughts」を予約購入してリリースが今日ということなのですがNonesuch公式だとまだpre-orderのカテゴリに入っててmp3アルバムのダウンロード方法もちょっとわからなくて困惑中。メインはやっぱりCDになるんですが(それもそろそろ届くかな)どうなってるのかなーと。
あと今日ふと懐かしくなってというか思い出してAQUAのCDを購入したいなーと試聴してました。以前ファーストアルバム「Aquarium」をどういった経緯か持っててそこからCD紛失して数トラックしか手元にない状態なのですが改めて好きな曲を取り戻したい&もっと知らない曲も知りたいなあ、と思っています。
となるとGreatest Hitsあたりがよさそうかな。Aquarium収録で好きな曲も入ってるし、知らない曲も入ってるし、試聴した感じ良い感じ。
それから今日はまただらだらしながらミュージカル映画「Grease」のサントラも試聴してました。学校の授業中に3回くらい観た思い出の映画。改めて聞いてみると名曲いろいろ(ただプロムのシーン辺りで覚えてない曲もあった)。楽しいんですよね、思わず一緒に歌いたくなるくらい。何曲か手元に購入しようかなあ、そのうち・・・
あとは今度マレーシアに居る間に両親(主に母)にネットラジオで活用するところを紹介しとこうと画策中。自分でも最近徐々に活用できるようになったばかりですが。何よりオーストラリアでやってるコンサートとかが聴けるのが良いかな、と。
そして7月末に両親がこっちにきたらちょうどメル響のマーラー1番のコンサートがあるので一緒にいくのが楽しみです。さすがにまだチケット買わなくていいですよね。
あんまり関係ない話ですが今日本のクイズ番組でBGMとして使われている音楽をクラシック中心に(他は手元にあったらですが)プレイリストとして集めています。特にそれでどうする、ということもないのですがちょっとしたコレクションとして。ちまちま溜まっていくのが地味に楽しいです。
ということでだらだらしているようにも思えますがこうやって書いてみると動く予定もありますしあんまり気に病まないほうがいいってことですかね。天気も季節もあってちょっと迷いの多い時期になってるのかもしれませんがまあぼちぼちと諸々進めていきたいです。
今日の一曲: 聖飢魔II 「スキャンダラスな絆」
こないだ妹が日本のAmazonで頼むものがあるということで私も便乗して聖飢魔IIのCDコレクション一つ増やさせてもらいました。NEWS、LIVING LEGEND、そしてMOVEと後期のアルバムが3つそろってなぜかどこか一安心した感があります(妹もまだ初期中心に買いそろえるはず、というのがあるかな)。
自分の印象だとNEWSはちょっと個性派な曲が揃い、LIVING LEGENDは濃い曲が揃い、だったのですがMOVEはポップ色があるような曲が収録されています。聖飢魔IIってこんな曲も書く&弾くんだぜー、みたいに友達に紹介する隠し刀(????)になるかも?
ちょこちょこ好きな曲はあるのですがお気に入りはこの「スキャンダラスな絆」かな(この曲含めエース長官の曲全般ツボです)。ノリのいいテンポとストーリー的な音楽展開がキャッチーでさらに深いところにぐっとくる。
特に歌詞と音楽の刹那的なところがちょうど今響くところがあるのかな。(それともメシアンの永遠を弾いててそれとは違うものを求めているのか)
その歌詞の中にあるような花火のような刹那的な、儚い性質がとても魅力的に思える曲です。
同じMOVEだと他には「空の雫」とか「オトナやめたいわ」あたりも好きで良く聞きます。とにかく聞きやすいのでいろんな心持ちのときに楽しく聞けるのがとてもありがたい1枚。
とりあえずこれまで購入した・借りたCDの紹介キューは消化しました(といってもこれからクロノスも来るしAQUAも買いますが)。めでたい。またしばらくスポットライト当ててない曲もぼちぼちピックアップしていこうと思います。
前回のエントリーに拍手ありがとうございます!
AoW III の公開周りで関連エントリーにアクセスが増えててなんだか恐縮です。
前回のエントリーでAoWシリーズが戦略ゲームであるとかかなり基本的な事書くの忘れてたりそういう変な至らなさがあってすみません(汗)
そして音楽エントリーもまだ至らぬところだらけですが、ちょっとずつ心を取り戻している(?)ようなのでぼちぼちまたネタを探したり詰めたりしていきたいところ。
さて、昨日はコンサートに行ってきました。メルボルンで4月といえば新しい音楽の祭典Metropolisシリーズ。Melbourne Recital Centreで今年もやっています。
そんなMetropolisのコンサートで同門の先輩であり友人であるピアニスト(こないだドイツのベートーヴェンコンクールで準優勝してきたとのこと!)が最近新しく始めたアンサンブル「Plexus」で演奏する、ということで行っていました。詳細は下記に。
Plexus 「Pantheon」
場所:Melbourne Recital Centre(Salon)
ピアノ:Stefan Cassomenos
バイオリン:Monica Curro
クラリネット:Philip Arkinstall
テノール:Christopher Saunders
プログラム:
Paul Grabowsky 「Djuwalparra」
Ian Grandage 「The Keep」
Richard Mills 「Ganymede and Leda」
Gordon Kerry「The End of Many Worlds」
Michael Kieran Harvey 「Deus est Fabula」
オーストラリアの作曲家による神話や信仰に関する曲を集めたプログラム。1時間ちょっとのコンサートでしたが濃かった!
そして5曲中5曲が世界初演です。ちょっと一部プログラム順が変わっててMillsとGrandageの曲がどっちかどっちかわからなくなってしまったため感想は他の3曲について書きます。
テノール歌手が入ってたのがGrabowskyとKerryの2曲。どちらも聴き応えのある曲でした。
こないだシューベルトの歌曲について考えてたり聴いたり(生じゃなくてですが)してたのですが、あの頃と比べてほんと楽器付きの歌曲って進化したなあと思います。歌のパートもピアノのパートもその他の楽器のパートもものすごく規模が大きく難しくなって。それでいて個々のパートも自由と表現の豊かさが増えて、パート間の掛け合いもすごいことになって。
特に「Djuwalparra」はその歌曲の進化を実感しました。歌、ピアノ、バイオリン、クラリネットそれぞれのパートがすごく自由で豊かな表現をしていて、音楽の至るところが生きているような。一つの生きてる世界がありました。この曲はオーストラリア北部の先住民の部族の祖先にあたる人物を題材にしていて、その名前をこのタイトルに使うのに実際にその部族の代表から許可をもらっているそうです(オーストラリア従来の文化とのコラボ自体も素晴らしいですがそのプロセスも大事ですね)。
Kerryの「The End of Many Worlds」はカンタータという形をとっているため上記の曲よりもテキストの中身が音楽の意味に重要な役割を担ってきます。なのでできたらテキスト入手してからもう一回じっくり聴きたい。(ちなみにテキストはエウリピデスの「トロイアの女たち」、セバスチャン・バリーの「A Long, Long Way」から来ているそうです)
とにかく歌い手のパートが強くて、こちらは「人間」を感じる曲でした。
そしてHarveyの「Deus est Fabula」。マイケルの曲は久しぶりに聴きますが(会うのも久しぶり)安定の曲調というか世界観、そしてパワフルさですね。一つのテーマ(この場合はDeusを表すレ(D)とミ♭(Es)からパターンを幾何学的に展開していく、思考に通じるところがある音楽。ところどころ特定の音型が何かを「象徴」しているんじゃないかと思える部分があったり、テーマの繰り返しを追ったり、そういう音楽は自分にとって聴いて楽しいです。わからなくとも楽しめる音楽ってそういうものなのかもしれない(一例として)。
あとクラリネットは途中何曲かでバスクラリネット持ち替えだったのですがバスクラかっこよかった!ものすごく良さそうな楽器で狭いホールとはいえものすごく密な響きでぶいぶい言ってました。あれはもっと聴きたい。
そもそも室内楽のアンサンブルだと普通ピアノ+バイオリン+チェロとかバイオリン+ビオラ+チェロみたいに音域的にもバランスをとるような編成になってるのですが、このピアノ+バイオリン+クラリネット(バルトークとかストラヴィンスキー以来多くなった編成)という編成ではクラリネットが割と低音も弾けるにもかかわらずバイオリンとクラリネットがどっちも高音で似たようなパートを時に競うように、時に寄り添うように弾くのが特徴的。
5つの曲どれもアンサンブルのポテンシャルをフルに発揮してさらに挑戦するような作品ばかりで、書く方も大変だと思いましたがなにより5つまとめて弾く奏者がものすごく大変そう!
でも(ほとんど満席だった)聴衆の反応も良さそうでしたし、新しい(オーストラリアの)音楽を発表する場としては素晴らしい機会のコンサートになったと思います。
そしてちょっとぶり&長いことぶりのピアノ仲間にも会えて良かったです。
音楽仲間とコンサートという場であったり話したりするのは楽しいし安心しますね。奏者に友達がいるとそのつてでまた輪が広がったり。
(必ずといって良いほど「メシアン弾き」として紹介されるんですよね、そういう場だと。そして前述同門の友達は昨日私をとんでもなくもったいない言葉で紹介して今でもなんだかプレッシャーに感じてます)
コンサートとその後の集まり合わせてちょっと音楽に関する燃料が補給された気がします。まだちょっと低迷は続くかもしれませんがなんとかそっち方面色々取り戻していきたいです。
(室内楽アンサンブルちょっと憧れたけどまずはソロの心ですねー)
あとMetropolisはあと1つ2つコンサートに行きたいです!両親のいるマレーシアに遊びに行く前に!
今日の一曲: エイノユハニ・ラウタヴァーラ チェロ協奏曲第2番 「地平線に向かって」
今回コンサートで演奏された曲は紹介無理で、似たようなジャンルとしてオーストラリアの比較的前衛的ながっつりな音楽を選ぶのもハードルが高くて、となった時にちょうどこないだ借りたラウタヴァーラの音楽が(曲は違いますが)Metropolisで演奏されるということでそれならラウタヴァーラにしようと。
手持ちからだとチェロ協奏曲と打楽器協奏曲が面白いのですが、後者はもちょっと聴き込みたいので前者に。
20世紀のチェロ協奏曲ってちょっと難解というか、難解なこと自体よりもチェロの得意である情熱とかメロディーを歌わせるとかいう表現形態とはちょっと別なところにある場合が多かったりする印象。そんな中でラウタヴァーラのチェロ協奏曲は古き良きチェロ魂と伝統的な形式に新しいサウンドを融合させた作品です。
もう最初の最初の音からチェロがかっこいい!嵐の様なオケの音に乗って駆け上がるチェロの音。そしてそこから続く情熱的なメロディー。哀愁もあれば気高さもあり、技巧も充実しています。
同じフィンランドのシベリウスのバイオリン協奏曲をちょっと思わせるような冷たさのなかの情熱、独特の暗さ、そして語り手・歌い手としてのソロの楽器のかっこよさがたまらない。
ハーモニーやオケ使いも大部分が聴きやすい、後期ロマン派と比べてそんなには変わらないような感じですが、要所要所での緊張感ある不協和音の混ぜ込みが良いですね。冒頭部分でも一部締め上げるような和音があります。
とにかくチェロ弾きの心をくすぐる新星のコンチェルトです。ちなみに作曲年は2008~09年。生年1928年ですから86歳ですか。そんなお年とは思えない感じ(むしろ成熟しているスタイルながらも精神は若々しい)曲です。
Metropolisで演奏されるのは1970年代のバイオリン協奏曲。スタイルが違ってくるのかちょっと気になります(聞きにいけるかわからないですが)。
新しい曲ということで録音は今のところ手持ちのと一緒のしかないかな?
同じCDに収録されてる打楽器も同時代の作曲で似たところがありますが打楽器がソロということでまた違う展開になっていて面白いです。また別の機会に紹介できるかな。
(お、Amazonのmp3アルバムのリンク表示直ったっぽいですね)
AoW III の公開周りで関連エントリーにアクセスが増えててなんだか恐縮です。
前回のエントリーでAoWシリーズが戦略ゲームであるとかかなり基本的な事書くの忘れてたりそういう変な至らなさがあってすみません(汗)
そして音楽エントリーもまだ至らぬところだらけですが、ちょっとずつ心を取り戻している(?)ようなのでぼちぼちまたネタを探したり詰めたりしていきたいところ。
さて、昨日はコンサートに行ってきました。メルボルンで4月といえば新しい音楽の祭典Metropolisシリーズ。Melbourne Recital Centreで今年もやっています。
そんなMetropolisのコンサートで同門の先輩であり友人であるピアニスト(こないだドイツのベートーヴェンコンクールで準優勝してきたとのこと!)が最近新しく始めたアンサンブル「Plexus」で演奏する、ということで行っていました。詳細は下記に。
Plexus 「Pantheon」
場所:Melbourne Recital Centre(Salon)
ピアノ:Stefan Cassomenos
バイオリン:Monica Curro
クラリネット:Philip Arkinstall
テノール:Christopher Saunders
プログラム:
Paul Grabowsky 「Djuwalparra」
Ian Grandage 「The Keep」
Richard Mills 「Ganymede and Leda」
Gordon Kerry「The End of Many Worlds」
Michael Kieran Harvey 「Deus est Fabula」
オーストラリアの作曲家による神話や信仰に関する曲を集めたプログラム。1時間ちょっとのコンサートでしたが濃かった!
そして5曲中5曲が世界初演です。ちょっと一部プログラム順が変わっててMillsとGrandageの曲がどっちかどっちかわからなくなってしまったため感想は他の3曲について書きます。
テノール歌手が入ってたのがGrabowskyとKerryの2曲。どちらも聴き応えのある曲でした。
こないだシューベルトの歌曲について考えてたり聴いたり(生じゃなくてですが)してたのですが、あの頃と比べてほんと楽器付きの歌曲って進化したなあと思います。歌のパートもピアノのパートもその他の楽器のパートもものすごく規模が大きく難しくなって。それでいて個々のパートも自由と表現の豊かさが増えて、パート間の掛け合いもすごいことになって。
特に「Djuwalparra」はその歌曲の進化を実感しました。歌、ピアノ、バイオリン、クラリネットそれぞれのパートがすごく自由で豊かな表現をしていて、音楽の至るところが生きているような。一つの生きてる世界がありました。この曲はオーストラリア北部の先住民の部族の祖先にあたる人物を題材にしていて、その名前をこのタイトルに使うのに実際にその部族の代表から許可をもらっているそうです(オーストラリア従来の文化とのコラボ自体も素晴らしいですがそのプロセスも大事ですね)。
Kerryの「The End of Many Worlds」はカンタータという形をとっているため上記の曲よりもテキストの中身が音楽の意味に重要な役割を担ってきます。なのでできたらテキスト入手してからもう一回じっくり聴きたい。(ちなみにテキストはエウリピデスの「トロイアの女たち」、セバスチャン・バリーの「A Long, Long Way」から来ているそうです)
とにかく歌い手のパートが強くて、こちらは「人間」を感じる曲でした。
そしてHarveyの「Deus est Fabula」。マイケルの曲は久しぶりに聴きますが(会うのも久しぶり)安定の曲調というか世界観、そしてパワフルさですね。一つのテーマ(この場合はDeusを表すレ(D)とミ♭(Es)からパターンを幾何学的に展開していく、思考に通じるところがある音楽。ところどころ特定の音型が何かを「象徴」しているんじゃないかと思える部分があったり、テーマの繰り返しを追ったり、そういう音楽は自分にとって聴いて楽しいです。わからなくとも楽しめる音楽ってそういうものなのかもしれない(一例として)。
あとクラリネットは途中何曲かでバスクラリネット持ち替えだったのですがバスクラかっこよかった!ものすごく良さそうな楽器で狭いホールとはいえものすごく密な響きでぶいぶい言ってました。あれはもっと聴きたい。
そもそも室内楽のアンサンブルだと普通ピアノ+バイオリン+チェロとかバイオリン+ビオラ+チェロみたいに音域的にもバランスをとるような編成になってるのですが、このピアノ+バイオリン+クラリネット(バルトークとかストラヴィンスキー以来多くなった編成)という編成ではクラリネットが割と低音も弾けるにもかかわらずバイオリンとクラリネットがどっちも高音で似たようなパートを時に競うように、時に寄り添うように弾くのが特徴的。
5つの曲どれもアンサンブルのポテンシャルをフルに発揮してさらに挑戦するような作品ばかりで、書く方も大変だと思いましたがなにより5つまとめて弾く奏者がものすごく大変そう!
でも(ほとんど満席だった)聴衆の反応も良さそうでしたし、新しい(オーストラリアの)音楽を発表する場としては素晴らしい機会のコンサートになったと思います。
そしてちょっとぶり&長いことぶりのピアノ仲間にも会えて良かったです。
音楽仲間とコンサートという場であったり話したりするのは楽しいし安心しますね。奏者に友達がいるとそのつてでまた輪が広がったり。
(必ずといって良いほど「メシアン弾き」として紹介されるんですよね、そういう場だと。そして前述同門の友達は昨日私をとんでもなくもったいない言葉で紹介して今でもなんだかプレッシャーに感じてます)
コンサートとその後の集まり合わせてちょっと音楽に関する燃料が補給された気がします。まだちょっと低迷は続くかもしれませんがなんとかそっち方面色々取り戻していきたいです。
(室内楽アンサンブルちょっと憧れたけどまずはソロの心ですねー)
あとMetropolisはあと1つ2つコンサートに行きたいです!両親のいるマレーシアに遊びに行く前に!
今日の一曲: エイノユハニ・ラウタヴァーラ チェロ協奏曲第2番 「地平線に向かって」
今回コンサートで演奏された曲は紹介無理で、似たようなジャンルとしてオーストラリアの比較的前衛的ながっつりな音楽を選ぶのもハードルが高くて、となった時にちょうどこないだ借りたラウタヴァーラの音楽が(曲は違いますが)Metropolisで演奏されるということでそれならラウタヴァーラにしようと。
手持ちからだとチェロ協奏曲と打楽器協奏曲が面白いのですが、後者はもちょっと聴き込みたいので前者に。
20世紀のチェロ協奏曲ってちょっと難解というか、難解なこと自体よりもチェロの得意である情熱とかメロディーを歌わせるとかいう表現形態とはちょっと別なところにある場合が多かったりする印象。そんな中でラウタヴァーラのチェロ協奏曲は古き良きチェロ魂と伝統的な形式に新しいサウンドを融合させた作品です。
もう最初の最初の音からチェロがかっこいい!嵐の様なオケの音に乗って駆け上がるチェロの音。そしてそこから続く情熱的なメロディー。哀愁もあれば気高さもあり、技巧も充実しています。
同じフィンランドのシベリウスのバイオリン協奏曲をちょっと思わせるような冷たさのなかの情熱、独特の暗さ、そして語り手・歌い手としてのソロの楽器のかっこよさがたまらない。
ハーモニーやオケ使いも大部分が聴きやすい、後期ロマン派と比べてそんなには変わらないような感じですが、要所要所での緊張感ある不協和音の混ぜ込みが良いですね。冒頭部分でも一部締め上げるような和音があります。
とにかくチェロ弾きの心をくすぐる新星のコンチェルトです。ちなみに作曲年は2008~09年。生年1928年ですから86歳ですか。そんなお年とは思えない感じ(むしろ成熟しているスタイルながらも精神は若々しい)曲です。
Metropolisで演奏されるのは1970年代のバイオリン協奏曲。スタイルが違ってくるのかちょっと気になります(聞きにいけるかわからないですが)。
新しい曲ということで録音は今のところ手持ちのと一緒のしかないかな?
同じCDに収録されてる打楽器も同時代の作曲で似たところがありますが打楽器がソロということでまた違う展開になっていて面白いです。また別の機会に紹介できるかな。
(お、Amazonのmp3アルバムのリンク表示直ったっぽいですね)