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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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キーワード to 音楽: 風にまつわるエトセトラ
前回のエントリーに拍手どうもです~♪
ちょっと更新がまばらになっています。相変わらず仕事と創作に主に頭が向いていて、ピアノは腕の疲れで休みがちで、さらにあんまりしっかり音楽と向き合えてないこの頃(弾くにも聞くにも)。
今日追加の翻訳案件を受けたのですが全体の納期は結果的に延びたことになったので出かけて休むこともできるかな。

そんな中もう春も終わるので四大元素のキーワードto音楽の最後を今回は消化します。
残りは「風」でいいんですよね(汗)風でやっちゃったんでいきなり進めます~

1) Light: プロコフィエフ 10の小品 第7番「前奏曲」
「軽い」の方のLightです。実質重さなんてないので軽いもへったくれもないですし、逆に風が強ければ壁のように重く手応えを感じるものですがとりあえず「風」というエレメントの一般的なイメージと言えば「軽い」ものですね。(風の精霊シルフィードも飛んだり浮いたりしてますしね)いろいろあるなかで鍵盤楽器で弾いているということを忘れるような軽いアルペジオのこの曲かな。「ハープ風な」曲だけどハープよりもまだ軽いです。

2) Fast : ドビュッシー 前奏曲第1集 第3曲「草原を渡る風」
これも割とよくある風のイメージですね。速く駆け巡るイメージ。ドビュッシーの前奏曲は第1集だけで風に関する曲がいくつかあるうちとにかく絶対的なスピード、そして体感的なスピードを重視でこの曲をチョイス。所謂「緩」と「急」のコントラストがその「体感的な」風の速さをぐっと強く感じさせるのですが、それを実行に移すピアニストのタッチの軽快さもすごいのです。

3) Free: ラヴェル 「クープランの墓」より「前奏曲」
Free =「自由」というだけでなくて「解き放たれた」というニュアンスも風のイメージに合うかな、と思いました。この曲はリズムとか音の連なりでいうと自由さは一見少ないながら(ほぼ全部16分音符)、ハーモニーの変化やピアノの鍵盤を縦横無尽に駆け巡る様子や、もっと他の説明できないところで不思議と自由を感じる曲です。

4) Travel: プロコフィエフ ピアノ協奏曲第3番第1楽章
「風」というエレメントでプロコフィエフを連想することってまずないんですが今回2曲プロコフィエフ。例えば船がそうですが風は「旅」を誘うものとして描かれることが多いですね。風に呼ばれて、風を感じてどこかに行きたくなるわくわくがある、必ずしもいつも順調じゃないながらも日常とは違う何かが待ってるのが感じられるような曲だと私は思います。

5) Message: ラフマニノフ 練習曲「音の絵」op. 33-2
風の便り、という言い回しを始め風が「知らせ」であるイメージはいろんなところで見られ、そして天使みたいに「使者」と翼がイメージとしてあったり、それを色々ひっくるめた結果がこの曲のチョイス。風を纏って、羽ばたく翼を持ってメッセージを携え現れた使者のイメージ。気まぐれなようだけどしっかり芯が通ったようなところがあるんですよね。短いながらも魅力的な曲です。

6) Soaring: サン=サーンス 交響曲第3番「オルガン付き」 第1楽章
・・・といってもこの楽章はオルガンなしです。嵐のような激しく暗い音楽の中をメロディーが力強く「飛翔する」みたいで好きなのです。特に最初のメロディーでなく第2主題(でいいのかな)の推進力が良いです。「飛翔」といえばシューマンの作品にそのタイトルの曲があるのですがあえてこちらに。どちらも広い跳躍で上昇するメロディーが特徴的ですね。

7) Intangible: アデス 「Traced Overhead」
四大元素のなかで「風」が他のエレメントと違うところは「触れられない」ところ(火は触れられてはいないけれど熱さを感じます)。触れられないし見えない、実体がない。前々からこの曲は風のイメージがあるのですが(気流的な意味でなんか理がかなってるのかな)、その実体があるようでない、予測不能で掴めない様はやっぱりこれだと思うのです。

8) Escape: ブリッジ 「Miniatures」より「ワルツ」
風というものは常にどこかに「去ってしまう」もので、特に秋と冬のそれは特別な切なさを持っている・・・という特徴からこの曲。ちょっとマイナーな曲で、高校生のときに弾いて以来ブリッジの音楽は手元にちゃんとないのが諸々悔やまれ(もっと知りたい、ブリッジの音楽)。イギリス音楽にあるあの懐かしくて切ない感じが小さい曲ながら濃く現れてていいんですよねー風情があります。

9) Illness: クラム 「マドリガル」第2巻 第3楽章「Caballito Negro」
これまでどの元素でもなるべくネガティブな関連イメージもカバーするよう考えてきましたが今回も風の「病気」を運ぶものという昔からのイメージをちょっと持ってきたり。曲・・・というよりはどっちかというと歌詞であるロルカの詩の方からのイメージですね。黒い馬と冷たい馬、聖書にある最後の審判を思わせる不吉なイメージ。それがスペインの乾いた夜の風に乗ってくる、みたいな。

10) Tornado: スメタナ 「わが祖国」 第3楽章「シャールカ」
風関連の災害(台風とかだと水関連でもあるので純粋に「風」)でとくにドラマチック、というか「竜巻」のパワフルさは映像でみてもすごいですよね。それが音楽で選ぶとなるとものすごく難しかったです。この「シャールカ」もとにかくそのパワフルさ(&パワフルの種類)で選んだものの炎的なイメージもあったりで・・・うーん。ちなみにこの曲には物語があって、要約すると「女を怒らせると怖いぜ-」というのですがそういう意味でもぴったり・・・かも?

11) Emptiness: ブラームス チェロソナタ第1番 第2楽章
前述の通り風は実体がなくて、捕まえようとしても指をすり抜けていくような感覚、「空っぽ」な性質があり。それをブラームス、しかもチェロでイメージしたのはちょっと不思議なチョイスですね(汗)でもこの楽章の民謡的なところがあるメロディーが短くすっと消えてしまったり、ハーモニーがそっけなく変わってしまう感覚は確かにそうだなーと。

12) Whisper: リゲティ 練習曲第12番「入り組み模様」
風が渡っていく音を「囁き」と表現しますが、これを音楽で例えるとしたら本来はオーケストラの弦楽器の集団がふさわしい・・・かと思われますがここもまたピアノの軽いタッチを。軽いだけでなくとってもevenなタッチで作り出されるトレモロのような震える音の繊細さ。はっきりした調に入っていないこと、ハーモニーの変化の微妙さも曲の繊細さを増していますね。


ということで四大元素終わり。実は今年四大元素を巡ってる間もなんとなーく「また季語やりたいなー」とか思ってて。なのでまたやるかもしれません。ただ実際に季語のリストみて出来るかどうか考えたわけじゃないんで分かりませんが。
キーワードto音楽にしても類似の「テーマに合う音楽を出してみる」やつ(くくりの名前未定)にしてもこういう考えの巡らせ方が好きなんです。特定のテーマについて考えを巡らせるにしても、音楽について考えるにしても。
なので半定期的にやりたいなーとは思っているのですが。

で、そういう考えの巡らせ方が好きなので実はキーワードto音楽、次のやつも練ってる途中です。創作周りから派生してちょっと。
四大元素を終わったばかりもあってちょっとやりにくい感は否めないのですが、楽しいには楽しいので近いうちに。


今日の一曲はおやすみです。

拍手[1回]

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ピアノで鳥を弾く
前回のエントリーに拍手どうもです~
相変わらず手とか疲れ気味ですがなんとかなってるかなー・・・精神的な疲れもあってなかなか大変ですが。
出かけたい予定があるのでなんとかやりくりしていきたいです。

最近はだからピアノの練習も望んでるほどは集中できてないというかproductiveでないというか。
ラヴェルは指の疲れも頭の疲れもよく出ますし、メシアンは頭の疲れがかなり響く。
それに加えてフォーレをちょろっと弾いてるのですがなかなかこれがスタイルに慣れなくて。和音進行というかHarmonic languageというかが伝統的なそれをはちょっと離れているところがあって、かといって論理で理解できるようなところもなくて感覚的というか、そういうところがあってなかなか馴染みにくいのです。
聴いて綺麗なことは綺麗なんですけどね。

メシアンは相変わらずの「イソヒヨドリ」 from 鳥のカタログ。
まだちょうど折り返し地点(といってももちろん完全に同じではないですが)で止まっていて、音のバランスとか音楽性とかもあんまり手が届いてなくて音をさらってるのみ。
進んでるのかどうかというとちょっと難しいところですね。だんだん身について来てるかな。

で、弾き始めてからの忙しさでまだこの曲に出てくる「実際の鳥の声」を聴いていないんですよね。
前も紹介したかもれませんがInternet Birds Collectionとか、Oiseaux.net(メシアンはフランス語で楽譜に書いてるのでフランス語のまま調べられるのは内容が読めなくてもありがたい)にお世話になっています。前者は写真や動画、音声が聞けますし後者はメシアンが使うのに近い音声が聞けます。

メシアンの耳は素晴らしいもので鳥の鳴き声を単旋律としてではなく倍音まで聞き取って、リズムも細かく記しているのですが、それでも色々再現できないものはあるんですよね。鳥の鳴き声ってピアノの音域より高く飛び出すのもありますし、倍音を2つの手で再現しようとするとなかなかバランスが難しい。
イソヒヨドリの鳴き声だったりニシコウライウグイスの鳴き声とかはそのハーモニーを構成している音のバランスが難しくて、ぴたっと合わないと響きが濁ったり鳥の鳴き声に聞こえなかったりするんですよね。

でもこの曲の中のイソヒヨドリの鳴き声って(メシアンは正確に記しているとはいえ)色々鳥離れしたような印象を持つところがあって、実際メシアンも最後の余韻的な鳴き声は「女声合唱のように」という風に書かれてますし。
その柔らかくて不思議なハーモニーが海辺の崖や波やセグロカモメの荒々しい音楽とコントラストになっているんですが、それがなんか羽衣を纏った天女みたいなイメージを抱きます。(羽衣伝説が関連している鳥は白鳥らしいですが)

そもそも、というかなんですが鳥の音楽的な・言語的な常識と人間のそれってものすごく違うんですよね。
例えばフレーズの作り方一つにしても人間はメロディーの形、そして強弱も上向きに弧を描く、ある程度のシンメトリーがあるものが基本というか、美しくて自然だと感じます。良い例が「北の国から」のあのメロディーですし、それに音楽だけでなく言語も語尾は弱くなるのが自然です。
鳥はそうじゃないんですよね。フレーズの終わりが予期なくぶつ切れるのはよくあることですし、とっても即興的にフレーズが続いていくような、全体的な構成がわかりにくいような。(全体的な構成、あるんだろうな、と思うことはちょこちょこありますが)

基本拍子がない、というかメシアンがよく使うAdditive rhythmを鳥も使います。
一小節を2つとか4つに分けるヨーロッパの伝統的なリズムの取り方ではなく、2+3+2+2+・・・とどんどん長さを足していくようなリズムのシステム。
それだけでなく記譜できないようなリズムを鳥って使うんだな、というのが鳥カタを弾き始めて分かるようになりました。
なんというか、速い部分は一気にまくし立てるようにいっぺんにまとめて歌ってしまうというか。相対的な長さはあるんだけれど比率はめちゃくちゃ、みたいな。あと特に下降する音で音が「落ちる」のが異常に速い。
だからメシアンが書いているよりもちょっと違うんですよね、リズムが。鳥の鳴き声そのものに近づけようとするとメシアンが書いているリズムはどっちかというとガイドラインみたいな位置づけになるかなあ・・・と私は思っているのですが。

他の奏者はどうこの「鳥のカタログ」でピアノと鳥の間の諸々を解決しているのかわからないのですが、とりあえず私は楽譜に忠実に、というよりは元の鳥の声に近づけられるときはなるべく再現してみよう、という方針でいます。
例えば「ヒメコウテンシ」の最後のヒバリの声なんかその高揚した感じを表現するには16分音符と32分音符の比率を大事にするよりも、音がすごい激しく飛躍するのを強調して、鳥がやるみたいな速い跳躍を再現できたらなあ、と思うのです。

そういうところの感覚や考え方も含めて同じメシアンを弾いていても「20のまなざし」と「鳥のカタログ」って弾いててものすごく違うなあ、と思います。
だから常にメシアンを弾いていても「鳥のカタログ」を弾かない状態でしばらくいるとなかなかその鳥的な勘・感覚を忘れちゃったりするんですよね。ほかの曲で練習できるようなものではないですし。
それにそもそも「鳥のカタログ」全13曲(大体2時間半)をマスターするとなるとかなり時間が必要なので、なるべく多くの時間を弾いて過ごしたいとは思っていますしね。

20のまなざしをコンプリートするのもだんだん近づいてきていますが(残りの楽章についても書きたいですね)、鳥のカタログも大事にして、全部弾けるようにするだけじゃなくて自分の誇れるレパートリーにしたいです。


今日の一曲: オリヴィエ・メシアン 「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」 第12曲 「全能の言葉」

NaxosでのMichael Kieran Harveyの録音(時間限定試聴あり)

鳥カタの話でしたが20のまなざしから。最近これも再習得中です。
マイケルをして「ハードロックのやつ」と言わしめた(笑)(とピーターが言っていた)この曲。短いけれどパワフルで弾いてて楽しい・・・けど手が痛くなる曲です。

メシアンといえば不思議な和音の連なりで虹のような色彩を作り上げるのが特徴的ですがこの曲ではハーモニーはほとんどないです。
オクターブのメロディー、そしてガムランの銅鑼のような超低音のリズムサイクル(3-5-8-5-3+7休み。フィボナッチ数列の一部を使ってシンメトリーにしています)。それだけ。

というのもメシアンが言うには「神の言葉」は唯一にして絶対、全能のものなのでハーモニーを使わずユニゾン、オクターブで表現するのだとか。
それをこの曲では全てf以上の音量で力強く奏でます。

メシアンの音楽に特徴的なadditive rhythm、そして繰り返されるリズムサイクルが合わさってとってもダイナミックでどこか幾何学的なリズムになるのが大好きです。
あとこの曲を弾く際に大事なのが「身体の動き」だと思います。弾く時はなんというか振り付けというか、効率的かつ最大音量が出せるような身体の動きになってそれがどこか儀式的な感覚を帯びてくるところがあって。私だけかしらん。
割と直線的な動きをしていると自分では思ってるんですがどうだろう。

不協和音的といったらそうかもしれませんし、割と刺激の強い音楽ですが、慣れるとこれが爽快なんです(笑)とにかくパワー!
(ただやっぱり弾く方がそれが味わえるですねー)

リンクした演奏はマイケルの演奏。パワフルもパワフルですがテンポが速いのが特徴的です(笑)らしいというかなんというか。でも大学時代自分が弾いてたときは割と似たようなテンポで弾いてた(汗)今は・・・どうだろう、再習得してる間なんでもちょっと遅いかな
そういえばこの曲マイケルに在学中に見てもらったことありますがパワーが足りないからmuesliをもっと食べろと言われました(笑)良い思い出です。

拍手[1回]

チェレスタでカバーしてみたい曲
前回のエントリーに拍手ありがとうございます~

相変わらず仕事です。ピアノもやってます。詰まってる感はあるけど弾いてる曲はなんとかなってきてる・・・かな。
メシアンを弾いてるのがやっぱり一番楽しいというか落ち着くというか、やりがいがあるというか。
なんとなくパワフルである程度不協和音的なものを望んでいるのかな。

今日はちょっと前に注文した新神話主義の本が届きました(感想は以前ここで書いてます)。再読になりますが手元の資料としても、創作や音楽のアイディアをまとめたりするにもいい本なので読む時間ができるといいな・・・とは思っていますが。
それから今日はiphone5が来ました。まだ電話として使えないのですがとりあえずなんとか中身はなったかな。

最近ちょっとチェレスタの事を考えていたのですが(例の大学のオケのコースの情報が来てなかったりで)。
もうご無沙汰気味なんですよね、チェレスタ。オケで弾かせて機会も少ないのですが、できればそれだけじゃなくてチェレスタで色々弾いてみたいな―と。
割とできることが限られてる楽器なのですがもうちょっとなんとか自分なりに広げられないかなーと思うんですね。
兎にも角にもソロレパートリーというのがほぼない楽器ですし、普段触れられないのでそこら辺の探索も難しい。

なので今自分で考えてるのは「他の楽器の曲をチェレスタで弾くならどんな曲が弾きたいか」ということです。
自分のPCに入ってる音楽のリストを見たり、あとは普段聞いてるなかで「これはチェレスタで弾けるんじゃないか?」というところにちょっと注意を向けてみたり。

チェレスタは鍵盤楽器で、テクニックはピアノと同じなところが多いのですが、音域が狭かったり(しかも高音寄りなので厚み・深みが出しにくい)、音量の幅が狭かったり、出せる音のバラエティが狭かったり(なので複雑な物を弾くとぐだぐだに混ざり合ってしまったり)、そういう短所もあるのですが、まあ長所といえば音色が鉄琴みたいなああいう音色なので何を弾いてもものすごく耳に悪い、ということはないのですよね(つまらないことはあっても)。

そういうことがあるのでピアノ曲をカバーするとなると結構絞られてくる。
そんな中で前からちょっとやってみたいなー、と思ってたのがラヴェルの「クープランの墓」の「フーガ」。響きがいいと思うんですよ。ピアノでやるとちょっと望むサウンドよりもドライな感じになる、というかあとペダルを透明に保つやりくりも大変で。そういうところがちょっとチェレスタだとどうなるかなーと。フーガで各声部を独立させるのはちょっと難しいけど響きが柔らかくなるし溶け合う具合がいい感じになると思うんですよね。

最近は鍵盤楽器だったらハープシコード(特にバロック時代のレパートリー)にも目を向けた方がいいのかも、と思い始めてます。チェレスタのキータッチもハープシコードほどではないですが軽めなのでスカルラッティのソナタとかの速い軽いパッセージは苦にはならないはず。連打はちょっと苦手かもしれないけど。ああいう音楽的にストレートな音楽をストレートにチェレスタで弾くのも(何も変哲もない感じですが)ありかな、と。スローなソナタでの間の取り方とか響きとかも試してみたい。
バッハ方面はどうなんだろう。弾いてみないとどうなるか分からないかな・・・

チェレスタに音が似ている楽器といえば鉄琴とかビブラフォーンとかハープとかもあります。鉄琴のレパートリー・・・あるのかな。ビブラフォーンはジャンル超えて色々ありそうなのでこれから探索してみたいですね。
ハープはピアノよりはまだ厳しくないかな。割とソロレパートリーだとハープも低音をよく使うので音域がアウトなのもあるか。
でもペルトの「Pari Intervallo」みたいに音の余韻を楽しむスローで暗めな曲はいいかも。チェレスタの巷のイメージから広げるという意味でも暗い曲でのチェレスタの音のポテンシャルは探索したいです。(バルトークからの流れを継ぐ形で)
暗い曲と言えば低音域をなんとか活用してThelonius Monkの「'Round Midnight」が弾けたらいいな、と思ってます。Monkは「Pannonica」でチェレスタを使ってますからそのつながりもあって。

あと最近思うのはクラシカルギターも結構チェレスタに近いんじゃないか?と。音域の下限もそんなに変わらないはずだし、音量・音色が限られているのも似ているし。バロック時代から21世紀までちょこちょこレパートリーはありますしね。もしかしたら鍵盤で弾くにはちょっと音が少ないかもしれないけれど(ピアノだとすかすかに聞こえてしまいますが)チェレスタなら良い方に転ぶ可能性も。
ふと思いついてこれはチェレスタで弾きたい!と思ってネットで楽譜をダウンロードした曲があります。バリオスという作曲家の「大聖堂」という曲なのですが、ギターで難曲と言われるのがかえってチェレスタでは(音の数的にも)ちょうどいいような。3楽章編成の真ん中のスローな楽章ではギターにはできないけれど鍵盤楽器ではよくある装飾和音とか、バロック風に足したりして。うまくいくと思うんですよね-。

あとはクラシックに限らず、ジャズだったりポップだったりも。シンプルに考えればうまくいく曲たくさんあると思うんですよね。ただものすごくうまくいく曲となると本当にしっかり考えないといけないかも。いつも聞いてるあっち方面とかこっち方面とか。改めて考えて見たい。
ただクラシックもそうですが元の曲とイメージががらっと変わるようなのはもっと探すのが難しいと思うんですよね。改めて意識しないと。実はそういう曲がカバーしてて一番楽しいと思いますし、探してみたいんですが、楽器を触らないと無理なところもあるかなー・・・

チェレスタはオケでもそうですが音のアタックと同じくらい、またはそれ以上に余韻を楽しむ楽器なので、ピアノやハープ、ハープシコード、ギターなどにはない音の溶け合い方みたいなものに注目したいです。明るい響きも、柔らかい響きも、暗い響きも、濁った響きも(案外目着けられてないけどここは大事)。
いつかまた機会があれば色々実験してみたいと思っています。チェレスタがとにかく好きで、周りが思うよりも色々できる楽器だと信じているので。


今日の一曲: アグスティン・バリオス 「大聖堂」(La Catedral)



最近私が愛してやまないクラシックギターの曲です。これと、以前紹介したコシュキンのUsher Waltzと、ヴィラ=ロボスの前奏曲集・協奏曲と、WestlakeのShadow Dancesあたりかな、特に自分にとってSpecialです。

バリオスは調べて見たら19世紀末~20世紀の南米はパラグアイの作曲家。(パラグアイではお札に肖像画がのったことがあるらしいですね)
ギター奏者でもあり、ギターのための作品をたくさん残している作曲家です(同時代のセゴビアもギター奏者兼作曲家で、自分の曲は自分で弾いて積極的に広めてたのと同じ事情かな)。
Wikipeを読んでみると生きた時代より前の時代の様式を用いることがあったそうで、この「大聖堂」もバロック時代、特にバッハのスタイルと似ています。

先ほど書いたようにこの曲は3楽章構成で、ものすごくギターらしいアルペジオの第1楽章、バロック時代の前奏曲風の付点リズムが特徴的なスローな第2楽章、そして速くて長くて難しい第3楽章に分かれています。
第3楽章の難しさはあくまでギター弾かない人としてしか分からないのですが、それでもめちゃくちゃ難しいのは分かります。あと楽譜プリントして気づいたんですが2回最初に戻るところがあって初見で楽譜を追いにくかった(汗)

でもですねえ、ものすごく美しい曲なんですよ。単純に、純粋に美しい。
あとなんかこう、この抱きかかえられるようなサイズの音楽に世界がものすごく完成されているというか。大きくはないけれど、でもバッハの音楽に確かに似ている無限の広がりみたいなものがあって。すごい曲です。
なんかとってもギターのための曲なんだけれど、ギターを超越するものがある気がします。

リンクした録音は試聴はないのですがJohn Williamsの素晴らしい演奏です。
どんな曲か試聴したい場合はこちらへ。コシュキンの曲の紹介を書いてるとき気づきましたが結構ロシア系のギタリストっているんですよね。そちらのギタリストももっと聞いてみたい。

拍手[1回]

海にまつわる曲コレクション
前回のエントリーに拍手ありがとうございます~
今日はドクター(精神科医)のアポに行って来たのですがドクターの部屋の本棚にこないだ紹介したTouched with Fireが置いてありました。なんか嬉しい(どうしてかは分からないけれど)。ついでに他に何があったかちゃんと見てくればよかったー。
今ちょっと悩んでる真夜中の軽躁と睡眠サイクルのずれによる寝付きの悪さに関して新しいタイプの対処というか薬を処方されたのですが一日のリズムに関しても含めて次回書けたらいいなーと思ってます。とりあえず今夜薬飲んだりしてから。

今日は海にまつわる曲を10曲集めてみました。
海といっても内海、外海、大海原、色々あります。作曲家を山派・海派に分けるとイギリスやフランスの作曲家に海派が多いような印象がありますが、他にもギリシャ神話モチーフの曲にも海が題材のものがちょこちょこあります。
なるべく色んな国の作曲家で、色んな海と色んな表現方法をカバーしようとしてみました。どうぞ。

1) クロード・ドビュッシー 「海」 第1楽章「海の夜明けから真昼まで」
いきなり来ました。海が得意な作曲家といえばまずドビュッシーだと思います。海をモチーフにしている曲も色々ありますし、モチーフにしてなくても景色に入ってたりもする。そんな中でこの「海」の第1楽章は海の様子、色、そして受ける光が時間と共に変わり、海が表情を変えていくのをものすごく鮮やかに描きます。メルボルンではSandringham行きの電車に乗って、Brighton Beach過ぎで電車から見える穏やかな海にいつもこの曲を思います。

2) ニコライ・リムスキー=コルサコフ 「シェヘラザード」 第1楽章「海とシンドバッドの船」
海を描いた大曲といえばシェヘラザードも有名ですね。これはアラビア辺りの海が舞台になっています。何よりも「まだ誰も行ったことのない未知の世界」という特徴が強い海です。主に弦楽器と木管楽器によって奏でられるうねる波の音型だったり風のような音型だったり、とにかく果てしなく広がるような感じですね。運んでくれる「味方」の海だけれど、同時に立ちふさがる障害でもある危険な海。

3) ベンジャミン・ブリテン 「ピーター・グライムズ」より「4つの海の間奏曲」 第1楽章「夜明け」
海を舞台にした、今度はオペラです。こちらはイギリスの海なのでなんだか空が灰色なイメージですね。「4つの海の間奏曲」の名の通り4曲あるうち第1楽章を選んだ理由はその「近さ」にあると思います。風もほとんどない夜明けに穏やかな波がもうすぐ足下に打ち寄せているような、そんな感覚。勝手知ったというか、ものすごく親しい感があるのですよね。でもこの海の穏やかさは「嵐の前の静けさ」みたいな感覚もあります。

4) カロル・シマノフスキ 「メトープ」 第2楽章「カリュプソー」
これも全曲が海にまつわる曲集。ギリシャ神話の「オデュッセイア」の女性キャラクターを各楽章のモチーフにしたピアノ曲です。その中でも「カリュプソー」は海の描写に主人公の心象が現れているところが好きです。海は今オデュッセウスをカリュプソーの島にとどめているけれど、いつの日かオデュッセウスは故郷へ帰り、海は二人を隔てるものとなってしまう・・・みたいな、波と共に揺れ動く女心が素敵な一曲。

5) モーリス・ラヴェル 「鏡」より「洋上の小舟」
水の描写だったらラヴェルもピカイチです。ピアノの上を縦横に駆け巡るアルペジオ(分散和音)で波のうねりを表します。でも書かれている音だけじゃなくて弾く時のニュアンスもこの波の表現には大事で、技巧・表現両面で結構難しい曲なのです(汗)ラヴェルの表現って「コロンブスの卵」なとこがあって、当たり前のようだけどものすごく新しくて天才的な表現がこの曲の随所に見られます。ハーモニーの変化が何よりも素晴らしい!

6) オットリーノ・レスピーギ 「ボッティチェッリの3枚の絵」 第3楽章「ヴィーナスの誕生」
元になった絵は有名なので大体想像はつくと思います。レスピーギの表現も一つ前のラヴェルと同じくシンプルに映るところがあって、最初にバイオリンが弾くリズムパターンでしっかり穏やかな海の絵ができちゃうのがなんだかすごい。で、小さめのオケで奏でる柔らかい色彩がまた元の絵に忠実で(これも言えばものすごくシンプルでストレートな表現だなあ)。本当に「絵のような」美しさを持った曲です。

7) オリヴィエ・メシアン 「鳥のカタログ」 第3楽章「イソヒヨドリ」
「鳥のカタログ」には3つほど海の周りを中心に書かれている曲がありますが、今回はこれをチョイス。今弾いているから、というのとあと一番好きな「ダイシャクシギ」を語り始めたらここでは足りないので(汗)フランス南部の荒々しい岩に覆われた崖が舞台で、その激しくぶつかる波がイソヒヨドリの鳴き声の女性的なのとコントラストになっていたり、そして海の青とイソヒヨドリの青がコントラストになっていたり、パワフルさと繊細さが同居するメシアンらしい曲です。

8) ジョージ・クラム 「鯨の声」 第3変奏「中生代」
クラムの作品の中でも数少ない(唯一)海モチーフの曲。ザトウクジラの声のテープを聞いたことが作曲のきっかけになったこの曲は、生命の誕生から人間の出現まで長い長い海の歴史をたどります。中生代は恐竜が繁栄した時代。鱗と牙を持った生物たちが地上だけでなく海の中でものさばっていて、この曲もかなりダイナミックな曲調です。ピアノの特殊奏法の金属的な音や5連符のモチーフが特にかっこいい!(他の楽章も素晴らしいですよー特に最終楽章に「ゲド戦記」の第3作の最果ての海を思います。)

9) 武満徹 「夢の引用 ―Say sea, take me!―」
この曲ではちょっと違うタイプの海をイメージします。先ほど紹介しましたドビュッシーの「海」がところどころに引用されているこの曲ですが、「夢」というタイトルだったりその引用の現れ方だったり、海のそのものというよりは心理学で見るような無意識の広がりとしての「海」の方がしっくり来る気がします(これはホルストの「惑星」の「海王星」にも言えることだと思います)。触れられるような触れられないような、不思議な深さと広がりを見せる内なる世界です。

10) 「Moments」 (ピアノ伴奏ver.) (アーティスト不明)
今回ほぼクラシックばかりのラインアップとなりましたが、そんな中この曲は自分の「海」のイメージに欠かせないです。ただ問題はこの曲が父が持ってるオーディオチェックのCDに収録されているためアーティスト名も分からないし歌詞もものすごくぼんやりとしていること。ただ全体的な雰囲気から冬の海の寂しさは感じ取れますし、歌詞から聴き取れるキーワードだったり、あとピアノや歌声のフレーズの作り方にものすごく海というか波を感じます。あと空に目を向けるようなサビの部分も好きです。


やっぱり「海」を表現するのに弦楽器の存在は大きいと思います。流れるような、継続した音を出すこと、うねるような音型も4弦に渡る分散和音で表せること、そして弓の力の入り方・音の出し方が波のカーブを表すのにものすごく向いていたり。
シェヘラザードを筆頭に、オケ曲ってどうしてもソロを弾く金管・木管楽器に耳がいくことが多いと思いますが特に海を表す音楽のときは「主人公の周りの海」を描いて支えている弦楽器にも耳を傾けてほしいなあ、と思います。


今日の一曲はおやすみです~

拍手[1回]

豪ABC Classic FM: The Classic 100 French Music Countdown終了!
前回のエントリーに拍手ありがとうございました(コメントは別途返信済です~)。
そしてさらに!ハープシコードについてのエントリーと楽器と性格チェロ編のエントリーに拍手ありがとうございます!(遅れてすみません、昔のエントリーのは気づきにくいんです・・・)

今日はオーストラリアのABC Radioでやっていたフランス音楽カウントダウンがフィナーレに、ということで早速所感をまとめたいと思いまして。 完成した100位~1位のリストはこちら。(試聴もあるみたいです)
今まだ日本にいるということもあり、前回みたいにしっかり追っていたわけではないのですが、去年よりはラストにどきどきした・・・かな。

まずはトップ5位を書き出し:
5位 ビゼー 「真珠採り」
4位 サティ 「ジムノペディ」
3位 フォーレ レクイエム
2位 サン=サーンス 交響曲第3番(通称「オルガン交響曲」)
1位 ビゼー 「カルメン」

そして私が投票した曲5つとその順位を:
1) エクトール・ベルリオーズ 「幻想交響曲」 (7位)
2) クロード・ドビュッシー 交響詩「海」 (12位)
3) モーリス・ラヴェル ピアノ三重奏曲 (55位)
4) フランシス・プーランク 六重奏曲 (ランク外)
5) オリヴィエ・メシアン 「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」 (97位)

今回は全体的に「それそこ来るか?」と疑問に思ったものよりも「大健闘!」と喜んだ場面が多かったです(それについてはまた後ほど)。ポピュラー系統ももちろん高い順位に入る中、玄人好みの曲もしっかり入ってくるのはやっぱり嬉しい。自分の投票した曲の順位をみてもこの括りに関しては一般とマニアの間の認識の差はそんなに大きくないのかな、と。
ドビュッシー、ビゼー、ベルリオーズ、ラヴェル、サン=サーンスなどのロマン派~20世紀初頭の大御所が次々とランクインする中バロック勢もちらほら顔を見せたり、映画音楽も入っていたり、ジャズ界隈からもひょっこり(93位)。

カルメンが1位なのはなんかまあ、しょうがないよなあ、というところがあります。スペイン舞台でスペイン色が強いけれど、そして本当に飽きるほど聴いたり弾いたりしてきてるけど、でもこの曲の知名度とか人気には(ジャンル問わず)敵わないところがある気がします。
第2位のオルガン交響曲はやっぱり映画「ベイブ」(オーストラリアも制作国の一つで、音楽は前回のカウントダウンで健闘したNigel Westlakeが書いてるのです)の影響が大きいかな。それからやっぱり欧米など大きな教会があるような国だとこの曲には触れる機会が比較的多いのもあるかも。
フォーレのレクイエムがこの順位、というのはちょっと意外なとこがありますね。素晴らしい音楽なのはもちろん知っていて、好きな曲でもあるのですが一般の認知度はそんなに高くないと思ってたので。

フランス音楽だと室内楽や歌曲など小さい編成の曲が光る中、それでもランキングに大編成の曲が多く入るのはやっぱり前回と同じでインパクトと知名度と、あと票割れもあるかな、と思います。一番私が票割れを懸念していたのがプーランクで(彼は様々な楽器のためにソナタや室内楽を書いてるので)、それに関してはなんとかフルートソナタがランクインしたのみ、という結果がまさにそれの反映なのかな・・・

あ、あと前回のカウントダウンでも結構上位に入ってて今回も8位に入ったJoseph Cantaloubeの「Songs from the Auvergne」が気になります。前回も気になってたんですがフォローアップし忘れてたので今回こそは忘れないようにしたいです。
そのすぐ下の順位の9位、ラヴェルのボレロはもう始まる前から「どうせ上の方に入るんでしょ」みたいな雰囲気がありましたが(なんせどこでも使われる曲で、さらに繰り返しばっかりなのでネタにされたり本当に飽きられたりするんですよ)、良い意味でも悪い意味でも期待を裏切らずこの順位に。AメロとBメロを17分くらい繰り返すだけでこの順位ですよ(笑)

面白かったのはベルリオーズの頻出ですね。ランキングの真ん中辺りを中心にかなりの曲が出てました。一般に知られてる曲、そしてプロが出会う曲も出尽くしたんじゃないかな。
そんなに演奏頻度は高くないんですよね、ベルリオーズ。幻想交響曲とか夏の夜とかロミジュリちょこっととかローマの謝肉祭とか、そこらへんくらいか・・・レクイエムとか編成が巨大だったり変わったりしててほとんど演奏されないものまでランクインされてて、やっぱ愛されてるなあー、と思いました。

ドビュッシーが5位以内に入らなかったのはちょっと惜しかった(6位に牧神の午後が入ってる)。ドビュッシーやラヴェル、メジャーどころから手堅いレパートリーまでかなりの曲がランキング全体に出てるんですがそれぞれの曲の順位をちょこっとずつ上げてあげたいような印象(ボレロを除く)。
ただドビュッシーの「海」が12位、ラヴェルの「ダフニスとクロエ」が31位なのは本当に嬉しい。この2人の作曲家の作品で言うと必ずしも巷でよく聴くものではないのにこんなに評価が高いのは色々希望が持てます。
そんななかメシアンは97位に20のまなざし、51位にトゥーランガリラ、24位に時の終わりのための四重奏曲が入って心から嬉しいです。キワモノじゃないですよー、立派に一般に認められた手堅い定番レパートリーですよー(笑)
欲を言えば同じメシアンで例えば鳥のカタログやコンセール・ア・カトルなんかもランクインするような社会になって欲しいですね。

さて、今回大健闘したと思った曲のリストはこちら:
メシアン 「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」(97位)、プーランク フルートソナタ(72位)、ドビュッシー チェロソナタ(63位)、Durufle レクイエム(60位)、プーランク オルガン協奏曲(57位)、ラヴェル ピアノ三重奏曲(55位)、メシアン トゥーランガリラ交響曲(51位)、フォーレ 「月の光」(46位)、ラヴェル ダフニスとクロエ(31位)、メシアン 時の終わりのための四重奏曲(24位)、ドビュッシー「海」(12位)、フォーレ レクイエム(3位)。

先ほど書いたように今回のカウントダウンのランキングでは(前回と違って)クラシックに精通している人と比較的そうでない人の認識にあんまり差がなく、例えばテレビなんかで聴かないような、でもものすごく素晴らしい作品が多数上位に上がっています。さらに各時代・ジャンルからフランス音楽・フランス文化(そして言語)の魅力を存分に含んでいる曲がたくさん入っています。(1位はさっき書きましたがスペインっぽいとこ多いですけど)
なのでこれを機にフランス音楽に触れ合う(触れ合って欲しい!)際には素直にランキングの上の方から気になる曲を拾っていくのがいいと思います。
是非先ほどのリンクなり別のところなりでちょこっと聴いてみてください。

さて、今日の一曲はランキング1位からになるのですが日本に来る前に買ったCDがあと1枚紹介残ってる上にAmazonで新しくCDを買ったのでそちらも選んでいくつもりです~


今日の一曲: ジョルジュ・ビゼー 「カルメン」より「前奏曲」



あーあ、オルガン交響曲とか幻想とかの方が書くの楽しいんだけどなー・・・と思ったのは内緒です。
でも何度も弾いている曲ですしね、色々書くことはあるんです。

「カルメン」は歌劇、つまりオペラですが必ずしもいつも全曲弾かれるわけではないんです。例えばオペラのハイライトをやるコンサートもありますし、ライトミュージックのコンサートで「ハバネラ」とかのアリアを選んでちょろっとやったり、あとは「カルメン」のオケのための組曲もいくつか書かれていますし。
だからコンサートという形式だけでも演奏される場の種類がいくつかあるわけです。で、知名度も相まって演奏頻度もさらに増える、という。

フランスの作曲家って必ずといっていいほど外国を舞台としたり外国のスタイルで曲を書いた経験があるんですが、そのなかでもスペインは特に多く題材にされています。そのフランス人によるスペイン音楽の筆頭がこの「カルメン」なんですが、その人気からするとスペインに憧れてるのはフランス人だけじゃなくて世界中なんだなあ、ということがうかがわれますね。

さて、オケ用の組曲で一番有名なホフマンの編曲で第1組曲の最初に弾かれるのがこの「前奏曲」。オペラでの扱いは「運命のテーマ」ということになっているようですが・・・
なかなか前奏曲でこれだけネタバレするのも珍しいなあ、と思う曲です(笑)
もちろん前奏曲はオケのみなので言葉はないです。ただそれがどれだけこの物語のエンディングを明確に表しているか、というのが面白い。
(ただギリシャの古典とかイギリスの戯曲とかだと最初のナレーションとかでエンディングをばらす場合もあったようななかったような・・・そういう印象なのですが)

そんな不吉で激しく暗い前奏曲ですが、なんとなく主人公カルメンのバックグラウンドがジプシーであることをうまく表している気もします。
ジプシーというと色んな作品で「占い女」であるジプシーの女性が出てきますから、逃れられない運命、不吉な予感などを表すのにこの音楽は確かにぴったり。

この前奏曲、チェロがメロディーを弾くんで楽しいんですよ(笑)難しくはないメロディーを、精一杯の激しさ、情熱、不吉さをこめて弾きあげる、というのはチェロの本領発揮、といいますか。
他の弦のトレモロやチェロのメロディーにある刃のような鋭さが好きですが、その他楽器使いにも何かと「凶」という感じを表すようなところが多々あって、小さいながらもよく書かれてる曲ですね。

オペラ全体はちょっと長いかな、と思ったら(歌手は入っていませんが)オケのための組曲で名曲どころを聴いてみるのがおすすめです。もちろんハイライトとかアリアの詰め合わせなどで歌を味わうのもいいですよ。
カルメンのオケ組曲は同じビゼーの「アルルの女」(カウントダウンでは27位)のオケ組曲とよくカップリングされていますね。カルメンほどcatchyではないですがこれも特定の地域・文化への憧れが光る音楽です。
 

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