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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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メル響「Enigma Variations」感想
前回のエントリーに拍手ありがとうございます~
日本に行く前に、と色々外に出ることが多く、それからピアノも新しく曲を始めたりして書きたいことも色々ありますがまずはコンサートの感想から。

今年予約したメル響のコンサートではラスト、そして同時にメルボルン国際ブラスフェスティバルのラストでもあります。
ブラスフェスティバルについては以前のエントリーでも書きましたように今年は開催が最後の年、ラストのラストで。
いつもはバンドやソリスト集まって派手なでっかい音のコンサートという形だったのが最後の最後がこういう形で正直実感がなかったり。

そんなコンサートのプログラムがこちら:
指揮者: Christopher Seaman
コダーイ・ゾルターン 「くじゃく」による変奏曲
レイフ・ヴォーン=ウィリアムス テューバ協奏曲(テューバ:Oystein Baadsvik)
(休憩)
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト ホルン協奏曲第2番(ホルン:Rodovan Vlatkovic)
エドワード・エルガー エニグマ変奏曲
アンコール: ベンジャミン・ブリテン 「青少年のための管弦楽入門」のフーガ(フィナーレ)

最初と最後が変奏曲で全体的にイギリス色が強いプログラムでした。
コダーイのみ初めて聞く曲でしたが、出会って良かったです。同時代でハンガリー中心に民族音楽を専門としていたり何かとバルトークとコダーイは一緒の括りにされますが作風は違うな、と改めて。(もちろん今年弾いた「ハーリ・ヤーノシュ」もそうですが)
ハンガリーの景色や歴史を強く感じるような曲でしたね。あとちょっと中国っぽいところがあるパートもあって、フン族=匈奴説を思ってにやりしたり。あとコールアングレのソロとか、木管楽器の活躍がすごかったです。

ヴォーン=ウィリアムスのテューバ協奏曲では先日リサイタルで聞いたOysteinの素晴らしい演奏が聴けました。
第1,3楽章のテンポが持ってる録音よりも速いのはやっぱり彼の超人的な技巧だからなせる技で。彼の演奏は毎回「テューバってこんな器用な楽器だったか!?」と思わせるような、全てがびっくりするような表現の幅広さと自然さ。
ところどころのトリルとかビブラートとか、あと第2楽章で豊かに歌うテューバが美しかったです。

モーツァルトのホルン協奏曲は4つあるうち第2,3,4番はキーも同じで曲調も(奏者がこんがらがるほど)似ているのですが、そんな中どうやら第2番がメル響のプログラムからあぶれてしまったようで今回が初演とのこと(!)。
私にとっては大学で友達がソロやって親しみが深い曲なのでちょっと意外でした。
今回のソリストの方はクロアチアのホルン奏者で、初めて聞く方だったのですが(リサイタルが生配信されなかったのです!)、面白い音でした。前述ソロを弾いた友達と似た、爆発するようなエッジを持った音ながら暖かい柔らかさがあって、そのバランスが音楽に応じて変わるのがまた面白く。

ホルン奏者には有名な話だそうですが(母によると)、モーツァルトは友達にホルン奏者がいて、その友人のために協奏曲を書いたそうなのですが、モーツァルトは書き上げたスコアをばらばらにして拾わせたり、楽譜にいろんな変な書き込みをしたりして意地悪していたそうです。その意地悪は書かれた音楽(ホルンのソロパート)にも及んでいて、速い音階パッセージとか今の楽器でも難しいのに当時のナチュラルホルン(バルブなし)では本当に恐ろしかったものと思われます。

そしてエニグマ変奏曲。真ん中ほどに位置している第9変奏「ニムロッド」が有名なのもあってオーストラリアではやっぱり愛されている曲ですね。
オケ全体だとちょっとゆるいというか、ちょっと演奏やアンサンブルで納得いかなかったりするところはありましたがチェロがすごかったですね。歌わせるところ、主役になるところは大々的に前にでて歌わせるのが気持ち良かった!やっぱチェロは楽しいですね(笑)
それからなんといってもこの曲はティンパニが花形なんですね!ものすごくかっこよかったですよ!聴くのもそうですが奏者の姿を見るのもまた格好いい(ちなみにメル響のティンパニ奏者は女性です)。

このプログラムでまさかアンコールがあるとは思わなかったのですが上記のとおりあったんですよ。
エニグマの最後も盛り上がるのですが、このブリテンが入ったことでさらに爽快なエンディングになりましたし、後から振り返ってみるとコンサート全体のイギリス色の印象が強まるというか。
ただメインのプログラムよりもこのブリテンの方が演奏難易度が高いというか、リハーサルに労力を要するような・・・特にハープのパートに関して言うとメインのプログラムの10倍難しい、という点についてはつっこんでおかないといけないと思いまして。
このフーガではものすごいスピードの主題で各楽器が入ってくるのですがハープの登場のかっこよさはもちろん、コントラバスが入ってきたときがすごかったです。地響きを立てて疾走している!(笑)驚きであんぐりしそうだったり笑いそうになったり。

楽しいコンサートでした。特に金管のソリストの演奏は聴けて良かった!と思います。先ほども書きましたが、’なんだか普通にメル響のコンサートで「ブラスフェスティバルがこれで終わり」という感じは薄くて。
ブラスフェスティバルは10年続いてきましたが、金管友達ができてその存在を知ってからは毎年楽しみなイベントになっていました。毎年1つはコンサートに行って演奏を楽しむだけでなく、自分のルーツを確認したり友達と遊んだり、金管奏者ならではの場の雰囲気などを味わったりして。毎年楽しみでした。
奏者のみなさん、そして色々教えてくれたり一緒に遊んだりしてくれた友達にも感謝していますが、なによりも10年マスタークラスやコンサートなどのプログラム、コンクールなどを参加者にとって有意義なものにするため世界で一流の奏者を呼んだりフェスティバルの質を維持してくれた運営の皆さんには本当に感謝しています。
関係者・奏者・参加者などいろんなところから復活を望む声が上がっていて、何らかの形でなにか起こるのではないかとは思ってますが・・・とりあえずのところは指をクロスしています。それがコンサート一つだとしても再開したらまた行きたいです。


今日の一曲: エドワード・エルガー エニグマ変奏曲 第12・13変奏曲



これまで紹介してこなかったので今日はエニグマを。
自分自身そんなに思い入れも強くなく(弾いたことないんですよねー)、それからここで紹介するときにどこでくぎるのかが難しいので紹介してこなかった、という経緯なんですが。

そもそもこのエニグマ変奏曲には「エニグマ」=謎が2つあるんです。
一つは各変奏曲につけられている副題やイニシャル。これはエルガーの友人たちを指していて、それぞれの変奏曲が対象人物の特徴や性格などを表しているのです(クラムのマクロコスモス第1,2巻も似たようなシステム)。
もう一つはこの変奏曲のテーマ(主題)。エルガーはこの主題は「ある主題のバリエーションであるメロディー」と言っていたそうなのですが、実際の元ネタについては推測が飛び交うばかりで答えが出ていないそうです。

第12変奏曲はチェロ弾きの友人に捧げられ、チェロのソロ、そしてセクション全体がものすごく活躍します。ロマンチックで哀愁を帯びたメロディーを高らかに奏でる喜び!チェロ弾きとしてはyummyな瞬間ですよ。
(他にも主題とかちょこちょこチェロがメロディーだったりカウンターメロディーだったりを歌わせる部分があって、さすがはあのチェロ協奏曲を書いたエルガーだなと。結構イギリス音楽ってチェリストにはおいしいんですよ)

そして第13変奏曲を捧げられた相手はエルガーの友人(女性)で、なんとオーストラリアに渡った人なんだそう。
その船旅を表すのにこの変奏曲には「海」「船旅」を表す曲が引用されているとプログラムに書いてありました。
光と影のコントラスト、その表現のイギリス風味も好きですが、やっぱりイギリスの海関係音楽はとにかく愛しいです。どこか暗さがある、オーストラリアでの太陽にあふれた海とは違うイメージです。

先ほど書いたように第9変奏曲の「ニムロッド」が有名でそれだけで弾かれたり、それが終わったらちょっと聴き手の気が抜けるところが若干あるんではないかと思ってるのですが今回紹介したこの2つの変奏曲、そしてその後のフィナーレもまた素晴らしい音楽ですので是非最後までしっかり聴いてくださいね!

そしてやっぱりイギリス音楽はイギリスのオケで!エルガーの他の作品、さらにヴォーン=ウィリアムスの作品も一緒に楽しめる録音をリンク。同じ国の違う作曲家の音楽の似ているところ(=お国柄)、そして違うところ(個々の作曲家のスタイル)を聞き比べてみるのもおすすめの聴き方です。

拍手[1回]

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MNOZIL Brass Unravels Blofeld感想!
前回の記事に拍手どうもですー♪
今日は先日のリサイタルの録音が届きました。ちょこちょこっと聴いた感じでは割と上出来だと思います(本番の時の印象はそんなに変わらなかったです)。
でもやっぱりテンポがところどころ速い、というか全体的にせっかちな感が。危なっかしい感はそんなにないですし、弾いてるといつもと変わらないのですがどうしても本番にそういう差はでてきてしまう。それを認識すること、そして人前での演奏経験を重ねることでもっと広がる空間を演出できたらな。

さて、昨日はこちらに行って来ました。
MNOZIL Brass - Blofeld第10回にして最後となるメルボルン国際ブラスフェスティバル、今回もやつらが帰ってきた!
オーストリアの金管軍団MNOZIL Brassです。
彼らはみんな演奏がピカイチなだけでなく、歌ったり踊ったりコントをやったりとにかく芸達者なおじさん達で、ただ楽器を演奏するだけでなくかなりコメディー要素の強い(金管奏者らしいユーモアを含んだ)ショーをくりひろげるのです。
これまで何度もメルボルンのブラスフェスティバルで演奏しに来てくれて、さらにトロンボーン奏者の一人はその縁でメルボルンの金管奏者と結婚してますしねー(今年は子どもも産まれたみたいです)。

(ここから内容についてのネタバレあります、注意!)
そんなMNOZIL Brassの今年のショー「Blofeld」。金管楽器のパワー、超人技も味わえたんですが、なんといってもものすごく笑わせてもらいました!
Early birdでチケットをとったため良い席に座ってました。Hamer Hallの一番下の階、ホールのほぼど真ん中。
舞台から遠ざかるに従って少しずつ床が上がってるのであそこらへんはちょうど金管楽器の朝顔(ベル)がこっちにまっすぐ向いている状態で。彼らの音量がすごいもので、正直ガチでうるさかったところも結構ありました(笑)
それにしてもあの音量、技巧、テンションなどを短い休憩1回はさんで2時間のショーで維持するってのもまた驚き。

2時間のショーの前半後半で共通してる伏線とか、ちょこちょこ拾っていくことがあったりコントとしてもよく出来てました。
なんといってもバストランペット&トロンボーン担当の方が登場から終始悪党に徹していたのがよかった(笑)ちょい悪のトロンボーン奏者もいる中、ものすごく「悪党」だったのにずっとにやにやしてました。
ネタのなかで長い部分ではそれぞれの奏者が交互にソロを務めるジェームス・ボンドメドレー、後半のオリンピックコント、そしてなんと言ってもテューバ奏者の方が調子にのっている中後ろで色々起こっているコント。
MNOZILのショーって同時に複数のことが起こってて見ててどーする!?ということがちょくちょくあります。

それにしてもまさか火を使うとは。あと唾(楽器の唾抜きネタはもちろん、ほんまもんの唾まで)。禁じ手じゃないですが「それ大丈夫か!?」と思うことあり。他にも「そのまま!?」とか「その状態で!?」と思う展開たくさん。
テューバにピアニカとコイン数枚入れて踊ったり動いたりながら吹いても異音を立てないのはものすごく不思議です。
それからまさかの「トキエさん」出演(参照:すべらない話)。金管奏者なので下ネタが出るのは想定済ですがなかなかこのくだり良かったです。

演奏に関して好きだったのはハチャトゥリアンの「仮面舞踏会」からのワルツですね。ピアニカ演奏から始まって、全員が円になって楽器とともに回りながら回り、演奏するところのちょっとした美しさ!
そうそう、ピアニカといえば別のところで見た「ピアニカを吹く人と弾く人が別」という技(?)も。

あと第2トランペット(でいいのかな?)の方がとにかくかっこいい(笑)ルックスももちろんなのですが演奏も含めて!前回MNOZILを見たときには彼がキル・ビルの「Green hornet」でソロを演奏したときのかっこよさったらもう。
第1トランペットの方のほうが音量だったり高音の出だったり、「すげー!」と驚くことが多いのですが、たたずまいとか演奏とかだと第2トランペットの方が「格好いい」。

今回のショーではアンコールが2曲ありました。最後は「曲」でしたが最初のアンコールはしっかりコント仕立てでものすごくほくほくしました。もう面白すぎる。公演一回で一生分笑えますね!
ブラスフェスティバルは一応今回で最終回ということになってますが新しい形でリスタートしてもしなくてもまた近いうちにMNOZIL Brassがメルボルンに来てくれることを願ってます。

そして日本にMNOZIL Brassが公演に来るようなことがあれば(2009年に来日したみたいですが)是非彼らのショーを見に行ってください。言語の違いは関係ない(実際ちょろっとドイツ語で話すこともありますが分からなくても問題ない)、最高に楽しいパフォーマンスが味わえること間違い無しですよ!


今日の一曲: 「Age of the Wonders: Shadow Magic」サウンドトラックより「Desert Moon」

とりあえずYoutubeに録音がありました

こないだSteamでダウンロードしたちょっと懐かしいゲーム、Age of Wondersシリーズ。Shadow Magicは第3作です。
このゲームはTriumph Studio制作のターン制ファンタジー戦略ゲームで、シリーズ3作をまとめて買うとサントラ集がついてくる!という特典あり。
第1作目から第2作目にちょっと間があいてて、ゲームシステム・雰囲気ががらっと変わりましたがゲーム音楽の作りもまた大きく変わりましたね。
第1作は全部デジタルだったのが第2作以降は実際の楽器演奏も入って、さらに民族音楽・民族楽器の影響が多々見られるのが特徴的。

まだ本作をちゃんとプレイしてないんで詳しくは分からないのですが、第3作目は新しく「Nomads」という砂漠の遊牧民族を種族として選択することができるので「Desert Moon」はそこら関連の音楽かな。
でもメインとなる笛のメロディーはアラビア系の影響だけでなくちょっと南米っぽいところがあるのも面白い。
他には爪の音の入るギターの音色、そして力強いエスニックな太鼓の音が良い感じです。

ゲーム自体の紹介もそのうち(ちゃんとプレイしてから)したいですが、サントラもまだまだ聞き込む余地があります。今のところの印象だとSacrificeのサントラみたいな奇抜さを備えた完成度、ゲームの風景との融合感は感じないのですが、ゲーム音楽として良いですし、そこはやっぱりゲームを進めながら味わわないと。

 

拍手[1回]

Curatingの話ちょびっと、そしてブラスフェスティバル開幕!(オンライン)
前回のエントリーに拍手どうもありがとうございます!

なんとか一息、仕事をしながらいろいろちょこちょこ。ゲームやったり、今日はちょろっと新しく曲を探してみたり。
リサイタル前にも友達とコンサートのプログラムを組むことの楽しさ、わくわくすることについて話してたんですよ、実は。
リサイタルを録音してくれた友達は3MBSラジオで働いてるのですが、一度「機械に関して書かれた曲」を集めて放送したら電話で「なんでこんな現代音楽ばっかりやるんだ」と抗議が相次いだらしく(笑)
他にも四大元素をベースにしたプログラムとか、いろいろ面白そうという話をしました。

次のリサイタルに関してはそんなに急いで考えることはないんですが、決まらないのももやもやしていけない。
ぼんやりしてること極まりないですが、フランス音楽で「水」関係のプログラムにしてみたいなーとか思ってます。
ドビュッシーの「沈める寺」だったり「映像」だったり(第1,2集どっちでも可なんですよね)、ラヴェルだったり、メシアンの鳥のカタログだったり、フォーレの舟歌とか・・・?バロック時代の音楽にも手を伸ばしてみるべきだとは思ってます。
メシアンは水気ゼロの「ヒメテンコウシ」は絶対入れたいですし、海や芦原・川関係の楽章を選びたい。できたら「イソヒヨドリ」なんかいいなあ・・・
あとラヴェルに関してはこれを機に「水の戯れ」にチャレンジするべきかどうか・・・

あと他にいつかやりたいと思ってるプログラムはソヴィエト音楽周り、というのがあります。同時代で「鉄のカーテンの外」の国々の文化と対比してみるか、完全にソヴィエトに絞って文化の流入や国内での多文化に焦点を当ててみるか、とか。
今日楽譜漁ってたらメシアンの「ダイシャクシギ」とシマノフスキの「メトープ」も相性がいいかな(ちと聞きにくくはなるかもしれないけど)、とかちょこちょこアイディアの種みたいなものは出てくるようで。

そして今日はメルボルン国際ブラスフェスティバルが開幕しました。
明日MNOZIL Brassのコンサートで吹いて踊って歌って鼻リコーダー吹いてコントやってetc. etc.の素晴らしい演奏&爆笑エンターテイメントを見るのを楽しみにしていますが、今日は友達がアカデミーでのブラスフェスティバルコンサートを生配信している、ということでテューバ奏者Oystein BaadsvikのリサイタルをPCで聴きました(ホルンのリサイタルも生配信で聴けるといいな)。
北欧出身の奏者ということで北欧の音楽もあり、そして真逆というか南米の音楽もあり、彼自身の作曲もあり。
ピアソラをテューバで聴くのはいいですね!意外かもしれませんがスローな曲は特に合うんですよ。
Oysteinの音って速いパッセージでのフットワークの軽さもチューバ離れしてますが歌わせるときのビブラートといい、音量の豊かさといい、ものすごく特別な奏者だと思います。

そしてアンコールにFnugg(無伴奏バージョン)を吹いてくれた!FnuggというのはOysteinの有名なショーピース的作品で、multiphonics(同時に複数の音を鳴らす)だったりボイスパーカッションのような効果だったり、様々な特殊奏法や技巧を駆使した楽しい曲。普通テューバは座って吹きますが、立って楽器を抱えて歩き回ったり踊りながら吹くのもこの曲の特徴。ブラスバンド伴奏付きのFnugg BlueはこないだiTunesで買ったCDにも収録されています。
そうそう、Oysteinは金曜日のメル響のコンサート(ブラスフェスティバルとタイアップだそうです)でもソリストとして出演するのでそちらも楽しみ。

慌ただしい中ブラスフェスティバルを自分なりに楽しめるといいな。なんといっても明日!明日が楽しみ!


今日の一曲: Oystein Baadsvik 「Fnugg Blue」

アメリカのamazonのMP3アルバム(試聴あり)

やっぱり今日はこれ。
先ほども書きましたがこれはショーピース的な立ち位置の曲で、アンコールやコンサートの終わりで演奏されることが多かったりするようです。
そしてコンサートによって、演奏によって色々バリエーションが出てくるのもまた面白い。(Youtubeで「Fnugg」で調べてみてください。Oystein以外の演奏もいろいろありますよ~)

前回このFnugg Blueを聴いたのも数年前のブラスフェスティバルで、やっぱり盛り上がるんですよね、生で聴くと。
特殊奏法が超人技で聴いててエキサイティングなのもありますし、曲の調子がいいのもありますし。
あとソリスト、バンド含め全員が遠慮ない音量で吹けるのもあるかな。金管が調子良いとこっちも爽快、気持ちいい!(うるさいとか言わないで!)

テューバって楽器は大きくて音量もその気になればでかいけれど、オケとかブラスアンサンブルでは本当の土台の土台の役目を務めるためその音量や楽器としてのポテンシャルが存分発揮できることが少なかったりします。
ソロレパートリーも少ないですし、協奏曲もそんなにぱっとしたのがなかったり。
楽器としての難易度も高いですし(体力がなんといっても)、奏者自体少なかったり、素晴らしい奏者が少ないのもあり。
そんな中Oysteinが今回のリサイタルやリンクしたCDで演奏している曲は彼のこの楽器のmasteryを披露するだけではなく、テューバという楽器のポテンシャルを存分に引き出すものでもあり。
こんなことも出来ちゃうんだ!という嬉しい驚きでいっぱいです。

ということでこのFnugg Blue、そして以前紹介しましたMetallephonicを中心に聴いててとにかく楽しい曲いっぱいなこのリンクしたCDをお薦め!テューバってすごいんだぜ!

拍手[1回]

the End of the Beginning
前回のエントリーに拍手ありがとうございます!
無事リサイタルも終了です。応援ありがとうございました。
例によってリサイタル詳細から:

日時: 9月22日(土) 14:30~
場所: Richmond Uniting Church、メルボルン
プログラム:
ヨハン・セバスチャン・バッハ トッカータ ホ短調
エイトル・ヴィラ=ロボス 「ブラジル風バッハ第4番」より
 第2楽章 コラール(藪の歌)
 第3楽章 アリア(賛歌)
オリヴィエ・メシアン 「幼子に注ぐ20のまなざし」より
 第11番 聖母の最初の聖体拝受
 第7番 十字架のまなざし
 第14番 天使達のまなざし
 第5番 子に注ぐ子のまなざし
アレクサンドル・スクリャービン 「炎に向かって」

なんだかあっという間でしたね。一続きにプログラムを弾いたから、というのもありますが、弾いた後の片付けで余韻にあんまり浸れなかったのもあり。でも演奏自体はもっと次は長くても大丈夫かな、という感じ。
聴衆は少人数でしたが暖かい聴衆でした。そしてその他諸々方向からの応援も大変感謝しています。
舞台に出て先生の姿を見たらなんか妙に落ち着きましたね。「あ、いつもと一緒か」みたいな感覚がありました。普通逆だと思われるのですが・・・

演奏に関しては結構満足しています。一つだけ計算外だったのが、練習やリハーサルと違って実際に本番で弾いてるとだんだん体とか手が冷えてくるんですよね、緊張で。「ああそういえばそうだった」と思う程度だったのですがこれから覚えておかなきゃいけないことの一つです。
録音してくれた友達からはメシアンが一番のハイライトだと言ってもらえて、実際ヴィラ=ロボス(学校の友達には一番受けが良かった)とメシアンは本当に自分の物にできたと思いました。
バッハはそれほど素晴らしいってことはなかったですが割とのびのびと弾けた・・・かな。
ちょっと惜しいのはスクリャービンかな。うまく発揮できなかったような。なんとなく冷えた体から余裕がなかったり、正確さもベストじゃなかったですし。またどっかでプログラムに組み入れて別の機会に再挑戦したい、と強く思ってます。

先生からもお褒めの言葉をいただいて。あまりにも嬉しかったんで英語のままのせますね。
「You played it better than I can play it .」とおっしゃってました。メシアンにしろスクリャービンにしろ先生のレパートリー内でもある作曲家で、そう言ってもらえるのは本当に嬉しいです。

あとは大学のときと変わらず自分は本当に演奏するときがちがちに緊張しないタイプだなー、と(恵まれた性質です、ほんとに)。
演奏せずこんなに間が開いてしまったのはピアノを始めて以来のことなのでもしかしたらものすごい勢いで緊張するんじゃないかと思ったら割と冷静で。弾き始める前は「表面数層が冷静」という状態だったのですが、弾き始めてからは根から落ち着いていて、それだったら今後も心配ないなと。

とにかく今日は久しぶりに演奏できて、聴いてもらえて、無事録音できて(途中なんか近くの教会の結婚式かなんかの馬車の音がすごかったですがどうなっただろう)。
あと帰りには西日を受けながらwing archiver IIを聴いたのが本当に身にしみました(終わったら聴く、と決めてたのです)。
今日はもう休むのみですがピアノでこれから弾くこと企画することも早く始めたいですし、なんといってもブラスフェスティバルと一時帰国がすぐそこまで迫っている!
日本に行く前に楽しみたいこともちょっとあるのでそちらもまた。

何度も書きますがまだまだこれは第一歩、なので。でもとりあえずは休憩します。


今日の一曲: アレクサンドル・スクリャービン 詩曲「炎に向かって」



今回のリサイタルで弾いた最後の曲、そして今回のリサイタルから紹介する最後の曲。
なかなか癖が強い曲ですが何よりプログラムのラストとしてこれほどふさわしい曲はないと思います。

前も紹介したようにこの曲はスクリャービンの晩期の曲で、彼の独特な哲学・色彩・ハーモニーがしっかり確立され濃く表現された曲です。
とにかく「詩曲」「詩」という曲のくくりが好きですね、スクリャービンは。もともとこの曲はピアノソナタになるはずだったそうですが、規模がちょっと小さいと言うことで「詩曲」になったという経緯があるとか。

スクリャービンが好きだなーと思うもの、それは「炎」ですね。プロメテウスだったり別のピアノ曲の「暗い炎」だったり、このエレメントがものすごくしっくり来る、ものすごく強い共感を感じるところがあるんですよね。
この「炎に向かって」も熱の集積が世界の破滅を導く、みたいなスクリャービン独自のイメージに基づいているようです。炎はパワーであり、熱であり、エネルギーであり、破壊であり、浄化である、そんな関連イメージが湧いてきます。

実は昨日だったか一昨日だったか、2010年?にやったトリビアの泉で10万本のマッチに火をつけるトリビアの種を見ていたんですが、あの炎はほんと強烈でしたね。何メートルだったかな、あの大きさといい色といい、激しさといい明るさといい、この曲を弾くにあたって見といてよかったですね。

やっぱりもう一回チャレンジしたいこの曲ですが、もしかしたら炎関係でプログラムを組んでみるのも面白いかもしれませんね。もちろんこの曲はラストで。
炎関係にしろそうでなくてもうまいことこの曲の最後の盛り上がりがうまく生きるようプログラムを組みたいです。
もっともっとものにしたい、炎をこの手で操りたい。

そして今回ベストな演奏でなかったとはいえスクリャービンの後期の作品はやっぱり自分の性質にものすごく合ってると思うので他の曲(ソナタ?)も弾いて広げていきたいです。楽しみ。
(そんな他のスクリャービンのピアノ曲の中で特に弾きたいなと思ってる黒ミサソナタ(ピアノソナタ第9番)がリンクしたCDに入ってるのでそちらもおすすめ)
 

拍手[1回]

いよいよ明日です。
前回のエントリーに拍手ありがとうございます。
そして4500 hit もありがとうございます!今日は手短に感謝だけになってしまいますが・・・・

それでは本題:
いよいよ明日になりました、私の久しぶりのリサイタル。

日時: 9月22日(土) 14:30~
場所: Richmond Uniting Church、メルボルン
プログラム:
ヨハン・セバスチャン・バッハ トッカータ ホ短調
エイトル・ヴィラ=ロボス 「ブラジル風バッハ第4番」より
 第2楽章 コラール(藪の歌)
 第3楽章 アリア(賛歌)
オリヴィエ・メシアン 「幼子に注ぐ20のまなざし」より
 第11番 聖母の最初の聖体拝受
 第7番 十字架のまなざし
 第14番 天使達のまなざし
 第5番 子に注ぐ子のまなざし
アレクサンドル・スクリャービン 「炎に向かって」

2012年リサイタル用イラストちなみにこんなイラストをチラシなど用に描きました。
アイディアが出るとこういう絵描きも楽しいですがやっぱり次回は描いてもらおうかな、と思ってます。(小学校からの友達で絵を描く子がいるので)

今日は残念なお知らせが。
ピーターが来れなくなった、ということで大分へこんでおります。
こういうときのために「録音頼んでおいてよかった!」ということなのですが、やっぱり生で聴いてもらいたかったなあ・・・初めてピアノの演奏を聴いてもらえると楽しみにしてたので。
でもまあ、そこは録音も渡せるし、また次回もやろうということで。
(日本に行く前に渡せるかな・・・)

でももちろんリサイタルに来てくれるお客さんはみんなとっても大切。そんなに多くはなくても自分の演奏を楽しみにして来てくれるのは本当に嬉しいです。久しぶりに会う人も居ますし、音楽畑の人もそうでない人も居ます。
そして教会まで来て聴いてくれる人もそうですが、今回のリサイタルを録音したCDを聴いてくれる人も大事な聴衆です。家族一同を始めいろんなところに渡す予定になっていますが、日本で聴いてくれるのを楽しみにしています。

ということで若干の不安と落ち込みはありますがやるっきゃない、ということで。
今夜何を考えたらいいか、何をしたらいいか悩みますが、明日はきっと大丈夫。
いい知らせがレポに書けることを願っています。


それでは「今日の一曲」で紹介する最後のリサイタルからの曲はそのレポで、ということで今回は今日の一曲はお休み。

 
 

拍手[1回]