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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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Oh Honey Honey
前々回?でも語りましたように日々自分の知識が進化していくことを願う私ですが、知識は勉強だけでなく実践ももちろん大切。
前「自分のこだわり」をこのブログに書きましたが、あのころから実践により進化したトピックが一つ。
それは・・・大好きな大好きな蜂蜜です♪

ここ数ヶ月間でいろんな試みをしてきました。
まず、蜂蜜の食べ比べ。
最近思い出せるだけで、スーパーで購入したRed Gum, Blue Gum, Yellow Box, Iron Barkの四つを食べてます。どれもユーカリの種類です。プラスHoneycomb、つまり蝋入りの蜂蜜も2種類食べました。

味の感想を大変簡単に:
Red Gum - フレッシュで、癖はちょっぴり?軽いかと思ったら他のと比べてみるとちょっとボディがある感じ。
Blue Gum - すっきり系でなんか若さがあります。名前の印象もあるんでしょうが。ユーカリの風味が爽やか。
Iron Bark - あったかくて、わりとユーカリ風味が和らいだ感じです。オージーハニー初心者におすすめ。
Yellow Box - トップノート的な・・・深みには欠けるけれどUpliftingな味です。

Honeycombは・・・いまのところ蝋の飲み込みに多少苦戦してます。でもこれはどうやら種類によるらしいです(だって数年前お土産屋さんで買ったときはそんなことなかったですもん・・・)
あの蝋はなんか身体にいいことあるのかしら?とか疑問に思いながら食べてたり。

あとこちらのスーパーでは蜂蜜は「逆さまボトル」がいまや主流です。(例えばBeechworthというブランドのはこんな感じ
下に蓋があって、ボトルの側面を押すと弁を通して蜂蜜がでて、押すのをやめるとぴたっと止まります。あんまり下手にやらなければ垂れたりすることはありません(表面張力万歳)。最後まで綺麗に出せるというてんでもガラスの瓶などと比べたら比較的良い感じです。
(Honeycombは四角の浅い箱に必ず入ってます)

今年はマヌカハニーも試しました。
よくマヌカの植物は「ニュージーランドにしかない」と言われますが、オーストラリア南東部にもあります。
マヌカ、というのはマオリ族の言葉で、オーストラリアでは「ティー・ツリー」と呼ばれエッセンシャルオイルにも使われています。
で、味のほうはというと・・・個人的には蜂蜜の中でいったらあんまり上位にはランクしない味かな、と思います。
濃いめなのとユーカリとはまた違う独特のフレーバーがあるのでそのまま舐めるのにも、料理などに使うにもちょっと難しいかな、という印象も受けました(パンにはでも良さそう)。
同じ濃いのだったらとことん主張が強いLeatherwoodあたりを選んでしまいそう。

難しいなあ、と思ったのにもう一つ。オレンジの花の蜂蜜もまたこれもどこかオレンジのエッセンシャルオイルを思わせるような風味があって。それ以外の風味(蜂蜜としての風味)は結構薄いんですよね。
あれはでも大根の皮を漬けると不思議な世界が味わえます。

自分にとって蜂蜜のスタンダードな用途、というのは以下の通りです。
1)パンにぬる
2)そのまま舐める
3)紅茶、または他のお茶に入れる
4)大根の切った後の端っことか皮とかを漬けて喉のためにする

このうち1)と2)はもうほとんどなんでも大丈夫で、あとは気分次第、という(笑)
3)のうちの紅茶に入れるというのはユーカリ系ではなかなか難しいです。紅茶自体の風味が消える場合が多いです。
最近Yellow Box をカモミール茶に入れてるのですが、これがなかなか相性がいいです。Yellow Box の味の浅さがいい方向に働いてるみたいです。あとは入れる量を・・・
4)に関しては色の薄い(=味の濃くない)蜂蜜で結構いろいろ行けますね。私はblue gum(ただやっぱり大根は皮でやってたりするので全体的に青臭くなったり)、Iron bark(まろやかになります!)あたりが好きです。そしてさっき言いましたようにオレンジの花はまた別世界です。

で、いろいろ考えあぐねた結果もう一つ新しい用途ができました。
それは・・・ベーコンエッグマフィンとの共演(笑)
肉類と合うんですよ。たとえばでっかいソーセージとか焼いて蜂蜜かけたりとかしたらおいしいだろうな~とか。
しょっぱい肉で、もっと味に「深み」が欲しい、と思うことが多々あった結果、この共演をいろいろ試行錯誤してみたんです。
結論はというと:

1)マフィンは暖めるのはいいけれど、断面がかりかりしてしまうとあとで蜂蜜が流れやすくなる
2)使う蜂蜜はIron barkがベスト。ソフトだけれどまろやかさがちょうど望んでいたものそのもの。
3)蜂蜜はマフィンの断面に、具を挟むちょっと前に塗って少し染みこませておく(油と混ざって流れてしまうので)
4)トーストに塗る蜂蜜の感覚よりも少なめで。あまり端には塗りすぎない。
5)胡椒必須。

これさえできてれば本当に美味しくなります。
自分のイメージしてた味の足し算が本当に現実になったので美味しい以上にまた嬉しいのですが(笑)

オーストラリアというのは輸入、持ち込みがものすごく厳しい国なので日本の蜂蜜専門店などのサイトを見るとよだれを垂らすしかないのですが、でもオーストラリアだってたくさん蜂蜜があって、それはそれで充実しています。
逆にオーストラリアの蜂蜜、日本ではあんまり輸入してないそうで・・・これもまたユーカリの蜂蜜は他の植物とは違う味なのでもったいないなーと思ってるのですが。

もっともっと蜂蜜をいろんな場面で使えるようになりたいな~と密かに闘志を燃やしている次第であります。


今日の一曲: セルゲイ・ラフマニノフ 交響曲第3番 第2楽章



蜂蜜にちょっぴりちなんだ、そんな感じの曲です。
映画的なロマンチック音楽はラフマニノフの十八番ですが、例えば彼の有名なピアノ曲や、協奏曲よりももっと・・・その甘さにあふれた曲がこの楽章。同じ交響曲でも第2番のアダージョはもっと壮大で、もっともっと切ないのですが、この曲はこの曲でものすごく魅力的。
蜂蜜に例えたらIron Barkあたりでしょうか。ロマンチックに伴う痛み(切なさなど)の先端をなるべく丸めたような、そんな曲です。
ハープとかチェレスタとかバイオリンとかホルンとかフルートの使い方とかでもうメロメロですよ(笑)
あとラフマニノフってちょっぴりスペインのハーモニー進行をつかったりするんですよね。(代表的な例がピアノ協奏曲第2番の最終楽章のメインメロディー)ちょっと短和音をつかったりで。それがちょっとエキゾチックな雰囲気をかもしだして・・・リンゴの甘いお菓子にシナモン、みたいな感じで。

で、それよりも私をとりこにしたのが中間部の、これはきっとスケルツォなんでしょうね。
曲の詳細よりも先にその「スロー楽章のなかにスケルツォ」というのが不思議で。
ラフマニノフのこの曲のほかに、映画「シャイン」で有名なピアノ協奏曲第3番、そしてバルトークのピアノ協奏曲第2番、バイオリン協奏曲第2番でも同じような形式がとられてるんですが、誰が始めて、どうしてこう地味ーに流行ってるのかわからなくて(笑)
アイディア自体は好きなんですよ。実際に創られたものも良いですし。ただどうしてこんなことになったかがわからなくて。
マーラーとかかしらん。あの人ならやってそう。(スローな楽章が何かと長いのと、いろんな楽想のセクションを織り交ぜたりするので)

中間部のスケルツォ、なんですが。
チェレスタ弾きとしてこんなに地味に達成感を感じる、というか作曲家に可愛がってもらってる感を感じる曲はなかなかありません(笑)
あと主題のビオラかっこいい(笑)ソロというわけでもなさそうですが、あそこはビオラのサポートがかっこいいです。
マーラー以降のダークでパワフルなビオラが好きで。

あとこのセクションはデュカの「魔法使いの弟子」にどこか似てますね。
主題のメロディーもそうですし、飛び交う色彩とか、茶目っ気とか。
ほんとうにこう、わくわくするような、魔法のような。
これが再現部に溶けていくところもまた素敵です。

あとはもうハーモニーの複雑で渋い色彩がやっぱりラフマニノフは晩年がすごいなーって思いますね。
作品番号でいうと33(練習曲1セット目)を超えたあたりからが本当の味だな、って(それ以前の音楽も素晴らしいですが)。

とりあえず、蜂蜜のように甘い、ロマンチックの一つの体系ということで紹介しました。
恋人と聞くには・・・どうでしょう。おすすめかな。自分自身が恋人と何を聞きたいか、というのはもうちょっと考えあぐねさせてもらいます(笑)

追記: 録音にはベルリン・フィル&マゼールの「ラフマニノフ交響曲全集」を選びましたが、マゼールはロマンチックの大王みたいな人なので本当にこれでおすすめです!(同じのはもってませんが、2番はマゼール&ベルリンフィルで持ってます。そのロマンチックさも素晴らしいです!)

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学生時代の・・・Part I - キャンプ
(ここで今日お話しすることはあくまでも私の学校で、私が在学中の時代での話です。他のメルボルンの私立および公立の学校のことについては全く分かりません。)

日本で小学4年を終えて、メルボルンの学校には5年生の2学期(4学期中)から入りました。
3学期になって、キャンプというものがあるのだと知ることになり。

うちの学校は3年生から8年生まで年に一回、9年生に2回、さらに10年生と11年生に年一回参加必須ではないキャンプがあります。
キャンプと行ってもいろいろですが、今日はちょっとばかりその学校キャンプについてまとめたいと思います。

3年生と4年生は合同でキャンプに。1泊でバララットかフィリップ島へ(一年ごとに交替、つまりどっちの場所も行くことになります)。
それぞれのロケーションで学習見学(バララットでは歴史、フィリップ島では自然)がメインで、あとは集団宿泊施設にお泊まり、といった形だそうです(妹他下級生からの話によると)。

5年生はPortseaへ、2泊3日。
オリエンテーリングやアーチェリー、ダンス、写生などのアクティビティに加えて海岸沿いを3kmほどみんなで歩いて、フェリーで帰ったりして海周りで過ごしたりクイズナイトをやったり。
このキャンプは事前にそれぞれ旅のしおりみたいのを作って、それが今でもとってあるので結構覚えているところが大きいです。

6年生は北東の山の方、Myrtlefordへ、3泊4日(?)。
2人が力を合わせてクリアするアスレチックコースや、近くのMount Buffaloの自然を観察するツアーも印象深いですが、なんと言ってもこのキャンプは野外で火をおこす方法を初めて習った回でもありました。
ソーセージ、卵など何種類かの食物プラス予備のロールケーキを持ってグループに分かれるのですが、案外時間が短くて(火をおこすのに時間がかかったりで)結局みんな(毎年)ロールケーキを食べることになるんです。
オーストラリアの山で火を起こすのは気をつけないと危険ですからね。
ちなみにこのセッションで火を付けるなら油分を含むユーカリの葉が使える、と習いました(その反面燃えやすい=火事になると危ない、ということも)。

7年生はグレート・オーシャン・ロードの手前のAngleseaで3泊。
カヤックや水辺のアクティビティ、サーフィンなども体験し、一泊だけ初めてテントで宿泊しました。
夕飯はメタノールを燃料としたコンロでパスタを作ったんですが、まずかったです。燃料が少量入ってしまったのかなんなのか、今でも謎です。

8年生は東北のLake Eildon付近で、3泊全てテント宿泊。
1日マウンテンバイクで移動、1日ラフティング、1日ブッシュウォーキングという形態のキャンプです。
ほとんど居る物は自分でパックに入れて背負います。
私たちの時は、私のいたグループで最終日に食中毒かなにかの胃腸炎がはやって大変でした。
あ、それから7年生からキャンプに持って行くもののリストの中に「Chux」と「Jex pads」なる謎の物体があって。これ、商標名でChux=台所を拭くための半使い捨て布的物体、Jex pads=石けん付スチールたわしなんです。商標名で書くのはいいとしても名前が変で困りました(笑)

9年生の前半には4泊5日(?)の8年生と同じようなキャンプ、そして年末近くには通称12 daysと呼ばれるその名の通り12日間のキャンプがあります。
これは難易度によって3グループに分かれ、すこし日程をずらして少しずつ違うロケーションに行きます。
そのうちマウンテンバイク、ラフティング、ブッシュウォーキング、カヌーなどで移動だとか。

12日で驚いていてはいけません。
10年生の年末に志願者のみが参加するキャンプ、通称Summit to the Seaは22日。その名の通りオーストラリア最高峰のコジウスコ山からSnowy Riverをくだり海まで行くという内容です。
12 daysとSummit は特に学校のキャンプの中ではThe Journey(旅)と呼ばれ、かなりコアなプログラムのキャンプです。

極めつけは11年生の志願者オンリーキャンプ。ヴィクトリア州を遠く飛び出してノーザンテリトリーにある有名なカカドゥ国立公園で同じようなキャンプをやるとか。

こちらではDuke of Edinburghという賞が学校のプログラムを通じて取得できるようになっていて、キャンプ(特に9年生~)もまたその一部です。
体力のため、自然のため、いろいろありますが、キャンプの苦しさ、楽しさを通じて学ぶ物は多いです。

実は私は当時の病状から必須であるはずの9年生のキャンプも一つも行ってないんですが、最近Tomorrow シリーズのHellや、それからグランピアンズ、Wilson's Promontoryなんかもキャンプに行きたいと強く思っています。
心配なのは体力ですが(友達は結構12 daysでも難易度高を選んだ人も結構います)・・・

寒い時期はこちらでも山は雪がすごいのでまた暖かくなったら・・・親友に示談してみたいと思います。


今日の一曲は・・・今日はお休みさせていただきます。
ちょっと思いつきませんでしたし遅くなってしまっているので・・・
また気をとりなおして行きたいと思います。


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Booklist from Schooldays
今日こっちの新聞「Herald Sun」にPuffinという出版社の子供のための推薦図書のリストが載っていました。
詳しくはこちら
私が5年生でオーストラリアに来たときに初めて読んだ絵本「The Eleventh Hour」(Graeme Base作)、そして同じく「Possum Magic」(Mem Fox作。オーストラリアを代表する絵本の一つです)が入ってなかったのはちょっと残念かな~。

中学・高校では英語(つまりは国語ですね)の授業の一環として4学期のうち2~3学期は決まった本の勉強をします。(1学期につき1冊)
結構なかなか良い本ぞろいで、読んで・そしてじっくりクラスで勉強してよかったな~というものもあります。
映画化されたりした本は授業で映画をみたりもしますし、戯曲は(それに限らず)音読したりもします。
基本テストはなく、高学年になると本についてのトピックをいくつかから選んでEssayを書いたりするのが課題となります。

良い本揃い・・・といいましたが実は7年生にやった本は全くといって覚えていません。
なんででしょうかねえ・・・本自体もぱっとしないものばっかりだった覚えだけはあるんですが。
ということで8年生から。

8年生:
"Wyrd" by Sue Gough
歴史からその名を消された、十字軍の時代にサラセン側からイギリスに嫁いだ王女ベレンガリアについての真実、そして彼女が遺したあるノートに記された秘密を探す二人の女性考古学者。
そして地球の裏側、オーストラリアのシドニーでストリートキッズとして暮らす少女。
歴史の不思議と数奇な運命がふたつを繋ぐストーリーです。

ちょうど再読し終わったところなのですが、「女性」として生きること、そして前向きに生きることをものすごく教えてくれる本です。詳しいことはもしかしたらまた別の機会に・・・?

"Mandragora" by David McRobbie
こないだの感想を参照です。

9年生:
"Only the Heart" by Brian Caswell & David Phu An Chiem
ベトナム戦争での話なのですが、ちょうど入院中だったので私は授業ではやってないし読んでません。
すみません(汗)

"Animal Farm" by George Orwell
邦題:動物農場。
動物たちが彼らをこきつかう主人の人間を追い出し、自分たちの王国を創っていく様により、ロシア革命とソヴィエトの顛末を皮肉った寓話です。
私はこれでロシア史にはまりました(笑)
なかなか考えさせられ、さらにちょっぴりぞっとする本です。

"Romeo and Juliet" by William Shakespeare
古典、ということでシェークスピアのメジャーどころを9年生からは一年に1冊習います。
これはまあ手始めにみんな知ってるものを、といったところですか。
授業ではZeffirelli監督のバージョン、そしてディカプリオ出演のバージョンとどっちも見ました。
Zeffirelliバージョンでのジュリエットというキャラのうざいことといったら先生が「もう、さっさと泣き止みなさいよ!」と冗談でいったほどです(笑)

10年生:
"The Crucible"  by Arthur Miller
邦題:るつぼ。アメリカのセイラムでの魔女裁判を題材にし正義と社会、人間関係を描いた戯曲です。
これは音読がクライマックスになると盛り上がりました!
なんだか不条理さがものすごくひしひしと伝わってくるのでね-。若い人としては反応せずにいられないものなんでしょうか。
キャラクターもまた単純ではなく結構深いところがあるのでそういう意味でも魅力的な本です。

"To Kill a Mockingbird" by Harper Lee
邦題:アラバマ物語。弁護士を父に持つ少女・スカウトの視点から語るアメリカ南部においての白人と黒人を巻き込んだ裁判をめぐる物語。
人種差別と正義、人情と子供の視点からみた大人の世界が魅力的に語られてます。
このリストの中でもイチオシの1冊で、加えてグレゴリー・ペック主演の映画もまた素晴らしいです。

"Macbeth" by William Shakespeare
マクベス王の栄華に上り詰める課程と運命づけられたような衰微。
どこが好きか、というのを説明するのがものすごく難しいですがものすごく好きです。
使われている言葉や文体自体も学校でやったなかでは一番魅力的でした。

11年生:
"Pride and Prejudice" by Jane Austen
邦題:プライドと偏見。
おちぶれつつある上流家系の女系家族の娘姉妹達の恋模様と、女のあるべき姿と社会の有様・・・とかなんとかの話です。
これはテレビシリーズを授業で見まくりました。まあ長かった!(笑)
でもクラス的に盛り上がったのはこの本が一番かな~お年頃のおなごはロマンスがお好き。
やっぱり女子校ならではなんですね、この本のチョイスは。
そしてシリーズでMr Darcyを演じたColin Firthが学年で爆発的に人気でした。彼は後述のいくつかにも出演していて、私たちとはなんだか不思議な縁があるようなないような役者さんです(笑)

"Othello" by William Shakespeare
11年生までくるとなかなか一筋縄ではいかないストーリーの本が多くなってきますね。
私は実を言うと悪役イアーゴの役どころが結構好きで。
ファウストのメフィストフェレスもそうなんですが、暗躍して策をめぐらして尋常じゃない努力をしてる悪役好きなので。

"the Girl with a Pearl Earring" by Tracy Chavalier
邦題:真珠の耳飾りの少女。映画化もされましたが私が学校でやってたころはまだ話もでてませんでした。
フェルメールの有名な絵画の裏話・・・というあらすじで、オランダの風景も浮かぶような文体ですし、あとフェルメールの他の絵画や彼の作画のプロセスなども盛り込まれていてなんだか読んでいて・・・美しかったです。
でもEssayを書くにはなんだかな~・・・と思いましたが。でも読むにはおすすめです!(映画よりも小説を是非)

12年生:
"Shakespeare in Love" (映画)
邦題:恋に落ちたシェークスピア。これは「映画の分析」として授業でやりました。
本で学習することに加えてカメラアングルや、小物や衣装の色や、いろいろそういった物の意味や意図を分析したりもしました。
あんまり特に書くこともないような気がします・・・すみません(汗)

"the Death of Napoleon" by Simon Leys
自分は生きてフランスに帰ってきたナポレオンだ・・・と信じている主人公が見た、「彼」がフランスにいた頃とは変わってしまった世界のささやかな物語。
主人公が果たしてナポレオン自身なのか、それともただの妄想なのかわからないように書いてあって、そんな彼の視点なのでまあぼんやりとした感じの本なのですが。

"Night" by Elie Wiesel
第二次世界大戦中に、ユダヤ人として強制収容所での生活を生き延びた著者の自伝的著書(真偽のほどは物議を醸し出しているらしいですが)。
家族、信仰、戦争、命、人間の心・・・全てにおいて深く考えさせられる本です。
ヘヴィーな本ですが、かなりおすすめです。

・・・プラスたまにあるフリーリーディングの本もいくつかありました。
傾向としてはティーンエイジャー向けとしてアイデンティティや社会に関したテーマを扱う本、そして女子校なので女性をフィーチャーした作品もまた比較的多くチョイスされています。
読んで良かった、と思う本が多く、また学校で読む本からまた読む物が広がったりで(David McRobbieの本とかはMandragora以外も思わず買ってしまいましたし)。

ここらで紹介した本は言っても中学生・高校生でも読める言語で、しかし内容は大人でも満足できる物ばっかりです。
できれば英語で、邦訳があれば邦訳でもぜひぜひおすすめです。


今日の一曲: 賛美歌 Lord of the Dance

CD(サンプル有り)はこちら

もともとはシェーカー派の歌で、後に賛美歌として歌われるようになったこの曲。
うちの学校はキリスト教(Anglican)でしたので、賛美歌を全校集会やイースター、クリスマスの集会で歌うようHymn Bookという賛美歌集があったのですが、その中でも人気が高い一曲でした。

英語の歌詞しか見つからなかったのですがこちらにあります。

キリストの一生と彼の教えが広がる様子を踊りに例えた歌詞で、メロディーの魅力もまた心をくすぐります。
私はキリストが「Good Friday」に「悪魔を背負って」踊る4番の歌詞が好きです。(注:前も言ったと思いますが一応結構かたくなな無神論者です)
あと最後の「I am the life that'll never ever die」の箇所が。なんだか歌詞とメロディーのコンビネーションが心にぐっとくるんですよ。

ピアノで弾きながらみんなが周りに集まって歌うのにとっても楽しいんじゃないか・・・と思いますがもしかしたらそれは昨日の映画の影響もあるかなー(笑)
でも宗教とか関係なしにいい、そして楽しい曲&歌なのでまた弾きながら歌ったり、みんなであつまって歌ったりしたい賛美歌です。

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Away
日本では大型連休の季節になりましたが、国内、そして国内外での人の動きはどうなのか気になるこの頃。

こちらはもちろん休みではありませんが、ちょくちょくどっか行きたいなーとなりますね。
今年は妹がちょっと手術だったので今冬父の住んでるインドネシアに行くのはどうなるか、という話にもなってますし。
ここ数年は年1で日本に一時帰国してたので旅行欲はこうなると増えるばかり。

オーストラリア内でもあんまり最近は旅行してませんしね-。
車があれば、の話ですが車でフェリーの港まで運転して、フェリーでタスマニアに行って、島を旅したいな~というのが夢です。
タスマニアは自然の観光箇所が多く(つまり人里がちょっと少ないので)公共交通機関が皆無と行っていいくらいなので車がないと不便なんですよね。
フェリーというのもなんだかエキゾチックですし、飛行機+レンタカーよりは安くつくんじゃないかな?と・・・詳しいことはわかりませんが。
ユースオケの演奏旅行でお世話になったSt Helenaの近くにある海の綺麗なところや、内陸の洞窟や、Bruny Island、そして特に家族で行ったときにレンタカーのトラブルで行きそこなったクレイドル・マウンテンなんかいいですね。
そこに行きたい!との思いが強すぎてストーリーが生まれたほどです。

あとオーストラリア内で行きたいのはウルル(またいきたいですね~)、そしてカカドゥ。
カカドゥだとやっぱりキャンプでしょうか。暑そうですけど。

海外だと今一番行きたい!と思っているエリアが二つあります。
どちらもヨーロッパなんですけど:
1)フランス~スペインあたり
2)ポーランド~ロシアあたり

スペインはカタルーニャの文化と音楽にものすごく興味があるのでバルセロナあたり。ガウディの作品も見れますしね♪
フランスはパリ、もしかしたら南部も、そして何よりもブルターニュ地方に行きたいです。
私が大学時代に弾いたメシアンの「鳥のカタログ」の中の「ダイシャクシギ」がブルターニュ地方の沖にあるウェッサン島にあって、そこに行きたくて。行って景色を本当に見てみたくて。
あとブルターニュは牡蠣がおいしいらしいですし♪
そしてブルターニュのあたりのブルトン文化、ケルトとフランスのつながりを見てみたいというのもあり・・・そして古代の巨岩遺跡も見てみたいですしね!

ポーランドはストーリーつながりで好きになったのでまだまだ知らないところも多いですが、都市の景色が美しいです。行きたいのはまず首都ワルシャワ、第二の都市クラクフ、そしてその近くのアウシュヴィッツ強制収容所など。
そしてウォッカも飲んでみたい!向こうではビールもポピュラーですがウォッカもポーランド産のものがいろいろありますし~(ただの酒好きでもあります)
ロシアはクレムリンやエルミタージュとかあこがれます。
それにあっちらへんの白夜はメルボルンの昼の長さよりも桁違いですからそれもまた体験してみたいですし。
あとはボルシチ・ピロシキ・ウォッカ・・・(食べるわ飲むわ)

父と母のハネムーンはヨーロッパでしたねー。
ドイツ、オーストリア、チェコ、イギリス、フランスなど・・・今ではEUのあれなのでもっと簡単に飛び回れるようになりましたが。
父の初海外は中南米だったそうで、今でもそっちや、あと東南アジアのあたりが好きです。他にもいろんなところを出張で飛び回ってますし(詳しいことはまた今度)母はもっぱらヨーロッパ派。
ちなみに妹もアルゼンチンいきたいなーって言ってますし私はヨーロッパに行きたいですし、そういうところまでにてる親がきっぱり分かれてます(笑)

住むのはでもやっぱりメルボルンがいいですね~
これからメルボルンの都市規模がシドニーより大きくなるという予想もあって、第1の都市でも首都でもないメルボルンがシドニーに勝つために文化を豊かにした結果今のメルボルンの良さがあるのだと信じてる私にとっては心配ですが・・・
でも物心がしっかりついているときにここに来たので日本とここの違いをわりと冷静にみてこれたかな、とは自負していて、ずっと見てきた結果永住権をとってここに住みたいと思い、いつのまにか日本に帰るという選択肢はなくなって。
住めば都、ということもありますしメルボルンという町の性格がたまたま私たちの生活やライフスタイルに合ったというのもありますし、私たちがうまく適応したというのもありますが。
(そして治療の関係のこともありますしね)

ここに来たのは私の意志ではありませんでしたが、父がメルボルンを離れて次の赴任地に行くときに「どうする?」と聞かれて「ここに居たい」と言ったあの日から(えーっと・・・いつだったっけ?高校2年生?1年生?)ここにいることに関して後悔はしたことがありません。
ここを拠点として暮らしたい、と思っています・・・が、たまにはいろんなところに遊びに行きたいし、日本にも一時帰国したいです!
日本では家族行動が多いですがそろそろ一人でいろいろ行ってみたいですし・・・うーん。


今日の一曲: ジョージ・クラム 「マクロコスモス」第1巻 第5番「the Phantom Gondelier」



マクロコスモス、今日は第1巻を聞いていたのでこっちを。まだちゃんとは弾いてないんですけどね。楽譜もまだ未入手・・・

The Phantom Gondelier、きっとイメージは三途の川(または他の神話での似たような川)の船頭である死神のようなものでしょう。
途中で聞こえる不気味な歌声と呪文のようなフレーズ(これは実はベルリオーズの「ファウストの功罰」で悪魔たちが叫んでいる、独特の言語の引用です)はその船頭の物。
残念ながら男性の声の方が様になるんですよね~私の持ってる録音は Margaret Leng Tanのなんですが。やっぱり男性の声の深みがこのキャラには合ってるのかも。

マクロコスモス第1巻・第2 巻の24曲のなかでこの曲はちょっと特別です。
割り当てられた星座はさそり座、そしてイニシャルはG.H.C。
実はクラムの誕生日は10 月24日、そして彼のフルネームはGeorge Henry Crumb・・・つまりこの曲は彼自身に捧げられているのです。
自分をその死神に例えちゃうところ、なんとなく彼らしいなーと思います。

ちなみにこの曲では様々な内部奏法が使われています。
ピアノの中の弦をひっかいたり、指に金属の指ぬきをはめてそれでピアノの中の弦をそれで叩いたり。
なかなかトリッキーで難しい曲ですぞ。

マクロコスモスは第2巻はどっちかというと宇宙的な曲が多いのに対し、第1巻はファンタジー&神話的エレメントが強いです。
直感的な魅力もあれば、多少音的に理系な面もあって、さらにいろいろとちっちゃい小ネタや謎解きみたいなことが満載でどちらの巻も魅力にあふれています♪

第3巻(「夏の夜の音楽」)、第4巻もいつか紹介したいと思います!

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方言訛り
日本から送ってもらってるTV番組のDVDは最近は(少なくとも私の頼む分は)お笑い系が多くなってきてるので、関西の言葉にやっと慣れてきたような気がするこの頃です。

生まれは愛知ですが、愛知に住んだことはほとんどなくて、主に住んでいた福島県いわき市もこれといった方言はなく。それに母方のおばあちゃんは愛知に住んでますが岐阜の出身、おじいちゃんは浜松の出身、お父さんの家族も昔は同じ愛知でも豊橋の方に住んでいたのでもしかしたら私も知らずにいろんなところの方言をミックスで使っている恐れがあります。

方言は訛りがあるのは日本だけではありませんが、やっぱり国土の広さと人口密度から考えてこれだけ種類があるのもすごいなーと思います。

外国語の方言はまあアメリカ・イギリス英語の違い(オーストラリア英語は主に英国寄りと言われていますがそこそこアメリカの言葉も入ってますし、オリジナルの言葉もあります。オージー英語はちゃんと調べてから独立したエントリーを書きたいなあとか思ってます)もありますし、あと友達がオーストリアのグラーツに留学したとき大学で習うような「ドイツのドイツ語」と違うという話も聞いています(スイスのドイツ語もまた全く別物らしいですね。それに文字こそ違えどイディッシュも方言らしき存在です)。

そして同じ言語を話していても、母国語の発音の影響は結構出てしまうもの。
そこんとこ私たち姉妹は少し差があって、7歳でこっちに来た妹はほとんどといって日本語訛りがありませんが、10歳でこっちに来た私は何年たっても抜けない物があるようで。
自分でしゃべってるときは気づかないんですけど録音とか聞いてみると(前述自分の声のコンプレックスも併せて)ひどいです(苦笑)

でもまあそんなに訛りが強いということもないのか、外見で中国人・韓国人に間違われることはしょっちゅう。聞くにも見るにも日本人らしくないようです。

オーストラリアに住んでいると、いろんな訛りにふれあうことができます。
そこらへんのオージー、特に中年男性のオーストラリア訛りはもう生活のなかで「普通」ですね。おなじみの「エイ」の発音を「アイ」といったりするのや、「アイ」が「オイ」に近かったり、TがDに近い発音だったり。いろんな言葉を~ieを付けて略したり(Vegetable = Vegie、Football = Footieなど)、~oを付けて略したり(Stephen = Stevo等)。大きなジェスチャーにクリアな発音。

その次に聞くのがドラマや映画で聞くアメリカ訛り。Rで強く舌を巻き、「エイ」は「イー」寄り、Whの発音もWが強い。

そしてイギリスの訛りもたまに聞きますね。発音よりもイントネーションが独特です。なんとなくメロディーがついてるような?

高校時代に学校のオケの演奏旅行でイギリスに行ったのですが2週間で少し訛りというかイントネーションが染みつきました(笑)

あと聞いてわかるのはイタリア訛り、中国訛り、韓国訛り、インド訛り、フランス訛りくらいですか。

インド訛りは地域的に縁が深いのとあとタクシーで良く聞くのですが、わかりにくい訛りナンバーワンにランクインしそうです。なんといってもめちゃくちゃ速く話すので聞き取れない!でも向こうはそれが普通なので仕方がないのですが。

わかりにくいと言えばスコットランド訛りもなかなかのものです。なんでしょうねえ、母音も子音もなんか・・・違う?聞き取りにくい?原因はよくわからないのですが。インパクトはあるのですがあんまり出会わない訛りなので。

個人的に好きな、むしろセクシーだと思う訛りはフランス訛りとアイルランド訛りです。
アイルランド訛りは私は映画「Bend it like Beckham」で初めて聞きました。サッカーのコーチがこの訛りでなんか感動しました(笑)なんでしょうね、分析したことはないんですけど優しくて角のない、音楽的な印象を受けます。母音がどっちかというと不明瞭で?
こないだこっちのテレビでカナダでアイリッシュコメディーフェスティバルみたいのをやってたんですがまあ聞いてて幸せでしたね~内容ももちろんですがそのアクセントを延々と聞ける機会なんてそうないですもんね~中でもRoss Nobleというコメディアンはオーストラリアでも公演していますよ。

アイルランド人に限らずオーストラリアで例えばアイルランド移民を先祖に持つ人はアイルランド訛りで話せたりしますね。まあよく考えてみれば何訛りでも習得はできるものですが。

・・・という理由で、私のオケストーリーの主人公の一人、レイはフランス人とアイルランド系のハーフになりました(笑)訛りが好きだから雰囲気もそういう感じがいいなと思って(笑)
レイチェル=ハルシオン・キンスリー(Rachael Halcyon Kinsley)。
母はフランス生まれのフランス人でユヴォンヌ=セレスト・メルレ(Yvonne Celeste Merle)。メシアンに関係の深い名前や言葉を繋げてみました。Merleは黒ツグミの意味で、これにちなんで彼女はレイのミドルネームにハルシオン、カワセミの異名をつけたというわけです。
父はアイルランド系オーストラリア人(わりと近くにアイルランド人の血があるそうです)のリチャード・キンスリー(Richard Kinsley)。
この家族にはストーリーと関係なくいろんな設定が作ってあるのですがここで語っても始まらないのでいつかきっと(笑)

言語を取得するのもすごいことですが、訛りを取得するのもまた一芸かも・・・なんて?


今日の一曲: トマス・アデズ 「Origin of the Harp」

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最初に一つ:ハープはタイトルに反して使われていません(笑)
代わりに活躍するのがクラリネット&バスクラリネット(バスクラと呼びます)です。

アデズは1971年生まれのイギリスの作曲家で・・・若いですよね!
でも音楽はもう先人である偉大な現代、そしてそれ以前の作曲家にひけをとりません。
特にその楽器使いやハーモニーに現れる水晶のような透明感が私はたまらなく好きで、ここ数年結構はまっているのです。

その中でも特に好きなのがこのOrigin of the Harp。実は偶然にも今日の話と少し関係があるらしく。なんとこれはケルトの妖精がハープに姿を変えるところを描いたDaniel Macliseの同名の絵画をモチーフにしているんです。

基本的に彼の書く音楽は音よりもスペースが大きい音楽ですが、それでもある意味ではものすごく豊かな響きで。先ほど言いましたクラリネットの音色がこの曲の中では存分にのびのびとそのポテンシャルをフル活用しています。バスクラの音も迫力満点です。
そのスペースはまるで無限のようで。音がどこまでものびて響いていくような。

現代音楽は苦手かな・・・という人も多いかと思われますが、最初の数音をとりあえず聞いてもらいたいです。そのクラリネットの音色がストレートに純粋に入ってくるのに私はまずなによりも惹かれましたので。

アデズは今も精力的に活動を続けていて、まだまだ一層素晴らしいものを持っている作曲家だと信じているので、これからも私は彼の音楽を追い続けて行きたいと思いますし、彼の音楽がもっと知られるようになるといいと願っています。

現代音楽で楽しいのは作曲家がこれからどんな曲を書いてくれるかな~という期待もあります。リゲティの練習曲なんかは彼が亡くなる前は本当にそういう風にわくわくしていましたし、そういう意味では例えば自分の好きな作曲家と同じ時代に生きていたら楽しかっただろうなーと思いますが少なくともアデズとクラムの時代に生きれて本当に良かった、とも思います。

次回アデズを紹介するときはピアノ曲を紹介したいです。彼のピアノ曲もまた素晴らしいので。

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