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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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"Not just dim sims"
今日は一日サウスメルボルンに行ってきました。
メインストリートであるClarendon Streetの裏にあるSt. Ali Coffee Roastersというカフェ&コーヒー自家焙煎&ブレンドの店でまずはブランチ。
メルボルンにしては並びましたわ-。結構混んでて聞くところによると有名人が来たりもするとか?
カフェ本体の待ち時間に向かいのコーヒーを飲む、ということもできるらしく。
健康志向というかのメニューが多く、私の頼んだフレンチトーストもサワードウのパンでできてて、バルサミコ入りのソースとマスカルポーネとイチゴとの組み合わせが不思議でなかなかやみつきになりそうな味でした。
次回はいろいろと種類があった卵を試してみようかと思います。

その後はアカデミーにコンサートに行きましたがとりあえず内容は割愛させてもらいます。
ユースオケなのでもう知らない人ばかりかと思えば久しぶりの人にたくさん会えて良かったです。
コンサートはそういう意味でも、そしてもちろん生演奏を聞くという意味でもちょくちょく行きたいですね。
生演奏を聴くと曲を好きになる確率がぐんと増えるので(今日の実体験)

サウスメルボルンはその名の通りメルボルンのシティのすぐ南(正確に言えばシティからヤラ川を挟んで南岸のサウスバンクのその南ですが)にある町で、自分の中ではメルボルンで住みたいエリアNo.1の町です。

まずはとりあえずシティに近い。これは便利です。
サウスメルボルンのとある交差点に「サザンクロス駅 徒歩17分」と書いてありますが、サザンクロス駅(一応メルボルンの電車の駅で1番大きい駅です。フリンダースストリート駅と規模はそう変わりませんが地方へ出る電車のメイン拠点でもあります)まで確かに歩けました。歩きました、今日。大きな通り沿いなのですが、途中にクラウンカジノもあって、つまりはそこのフードコートで鴨ラーメンを食べに歩ける、ということもあります。

歩かなくともサウスメルボルンはメインロードのClarendon Street他2本トラムが通っています。
ずっと北の方からシティを通りセントキルダまでClarendon Stを通るトラム112番、それと直角になる形でメルボルン大学からシティのメインストリートを通り、サウスメルボルンビーチまで走るトラム1番、そしてシティの北からシティを通り、セントキルダまでLight Railとして一部道路とは離れ線路を走るトラム96番(これはメインストリートからは離れていて112番と平行に走っています)。
電車の駅はないですが、トラムだけでもかなり便利ですね。

サウスメルボルンにはスーパーだけでなく「マーケット」があるところが良いですね。
青果はもちろん、実はここのビーズ屋にお世話になっています。今日も行ってきました。そしたら精神病院でビーズクラフトのセッションを担当しているナースさんが居ました。ある意味お墨付きですね(笑)
それだけでなく、そこらここらに粋なお店が、特に個人経営の個性的なお店がいろいろとあります。今日急ぎなから通り過ぎたのはなんとキルト(あのスコットランドのスカートみたいなやつです)の店。
サウスメルボルンは用事があるところしかあまり行っていないのですがいつかゆっくりそういう店も回ってみたいです・・・別にキルトが欲しいわけではありませんが(笑)

サウスメルボルンは食も充実しています。
さきほどのSt Aliもそうですし、今回のタイトルにした「Not just dim sims(シュウマイだけじゃないよ)」というのはサウスメルボルンマーケットの蒸しシュウマイがなにやら有名なことを自ら皮肉って今サウスメルボルンのキャッチフレーズとして付けられたフレーズです。
私のおすすめはClarendon StreetとDorcas Streetの角にあるBlue Roomというレストラン/カフェ/バー。
あそこのWoodfired pizzaはちょっと変わったトッピングの組み合わせがあって美味です。
今はどうやらないようですが、昔食べておいしかったのは黄色パプリカと鴨とネギのピザ。

そして先ほどのトラムの話で出てきましたが結構ビーチにも近く、タスマニアへのフェリーが出る桟橋も近いです。さらにアルバートパークという大きな湖のある、F1の舞台となっている公園にも近く、つまりはそこのゴルフコースや、メルボルンで1番大きなスポーツセンターにも近いです。

町自体の雰囲気も普段は静かで、そしてアカデミーがあるサウスメルボルンタウンホールをはじめとして古い建物もあり、夜にちょっと飲みに行けるようなところもあり、全体的に「文化」がある感じでそういう意味では印象はものすごく良いです。
きっとロケーション的に家賃などは高めでしょうし、かなりポピュラーなエリアだと思われますがいつかサウスメルボルン周辺に一人暮らししたい!と願っています。


今日の一曲: ラフマニノフ Etudes-Tableaux op.39 第6番



今日ちょっぴり見直した曲その1です。

Etudes-Tableaxとは日本語では「絵画的練習曲」、または「練習曲 音の絵」と翻訳されています。
どちらにしろ絵画のようなイメージで描かれた曲で、どれにも作曲者によるタイトルはついていないものの、後にタイトルが付けられたりしたものも多いです。
ムソルグスキーの「展覧会の絵」に似たような感じのピアノのための練習曲といったところでしょうか。

練習曲といってもそれがどんなテクニックを磨くものか、というものははっきりしていません。特にラフマニノフはこれらを書いていた頃はばりばりコンサートピアニストやってたので数的にはあんまり曲を書いていないのでこれらの「ラフマニノフ特有の技巧」の応用といえる曲は少ないです。

とにかくこの第6番。聞き良い曲は他にもありますが何よりもイメージの一番つかみやすいものを選びました。
このエチュードは「赤ずきんと狼」という愛称で呼ばれ、じっさい作曲家がそういうイメージで書いたことがわかっています。
最初の唸るような、忍び寄るような低音がオオカミで、高音でぱたぱた逃げるのが赤ずきん。
ものすごく切羽詰まった感じが伝わる、赤ずきんの焦り、恐怖、そしてオオカミの怖さがひしひし伝わります。
そして最後は赤ずきんのテーマが消えてオオカミのテーマだけになり、赤ずきんが食べられてしまったことが明確に示されます。

先ほどいいました「展覧会の絵」の「バーバ・ヤーガ」に似た感じですね。同じロシア音楽だからかにた感じがあります。
「火の鳥」にしろ「バーバ・ヤーガ」にしろ、この曲にしろなにかロシアのおとぎ話系曲って似たような雰囲気があって不思議ですね。ロシアの森の様子が色彩から伝わってくるようです。

弾くのも楽しそうだなあ・・・ただ私の手にはちょっときついんですよね・・・

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World of music in Melbourne
ロザンの「バイオリン」というコントで宇治原さんが子供たちは金持ちだからバイオリンを習わされるんだ~!!と叫んでいてそれはもう大爆笑してしまって、あのコントはまた音楽家のちょっぴり痛いあるあるをついてきて結構好きなんですけど。

音楽を習う=金持ちの公式は日本ほどオーストラリアには適用しないのかも?とずっと思ってきました。
少なくともピアノの場合は実際にピアノを買う人は少なく(キーボードでOK)、ピアノが家具の一部だった時代にピアノを買ったおばあちゃんとかから古ーいピアノをもらったり(燭台とかついてるやつです。ただ音程が調律しても回復しないほどひどい!)するのと、あと日本からの中古ピアノが結構流れてきてるらしいのでであとはレッスン代だけ、という。
バイオリンやギターなんかもビギナー用は驚くほど安かったりするので。

楽器を習うとき、日本ではたいてい個人で教えている先生に習いに行くか、ミュージックスクールみたいなところに行くのが大体だと思います。
オーストラリアはその2つの方法のほかに小中高校の中で習う、というやりかたも多くの学校(私立だけでなく公立も)であります。
つまりは学校にいながら楽器のレッスンが受けられる。
30分~1時間レッスンを授業前、授業の間、ランチタイムまたは放課後に週1回受けるようになっている学校がほとんどでしょうか。
ちなみに私は運良く理科の目の解剖のときにチェロレッスンがあってガッツポーズをしたことがあります(当時チェロは学校で習い、ピアノは個人で習ってました)。
そこら辺でも下校時間にはよく楽器のケースを持って歩いたり、お迎えにきてもらったお母さんに楽器のケースを持ってもらっている子供が結構いますので結構みんな習っているものなんでしょうね。

他にも音楽の授業の一環としていろんな楽器を学期ごとに習う授業も小学校でありました(別にだじゃれじゃありませんよ!)し、楽器を弾いてると大抵オーケストラやバンドのアンサンブルに参加させられますし、それ以外でも合唱グループに入る人も結構います。
私のいた学校はしばらくのあいだ合唱がものすごく強かった時期がありました。

でも大学まで行く人は少数ですけどね。
メルボルンはメルボルン大学、モナシュ大学、ヴィクトリア芸大の3つの大学にあわせてオーストラリア国立音楽アカデミーがあります。
ヴィクトリア芸大はどちらかというとジャズなどの現代スタイル音楽に強く、国立アカデミーはエリート中のエリートのための機関で。
メルボルン大学だと音楽での専攻はパフォーマンス、作曲、教育、音楽療法などがあり、音楽のコースと同時に文系のコース(Arts)、法律などのコースをやる人もいます。

大学にいる音楽家が音楽でお金を稼ぐのはさまざまなやり方があります。主なものは:
1)ソロ・アンサンブルでの演奏、ピアニストの場合は伴奏も含む
2)ソロ、または友達とアンサンブルを組んで結婚式などのイベントで演奏する
3)楽器を教える
4)音楽関係の事務職

先ほど記したとおり楽器を教えるのは個人で、ミュージックスクールなどで、または学校で教えるという選択肢があります。それらを組み合わせてる人も多いです。
学校やミュージックスクールなどだとある程度収入が安定しますね。ほかにもいろいろと心的に安心します。(ざっくりしすぎ)
ピアノをミュージックスクールなどで教えていると音楽の試験の伴奏を頼まれたりもします。私は教えるよりもそっちのほうが好きでしたね。緊張してる子供を勇気付けたりとかした記憶もあります。

大学のころはよくクラシックのコンサートも友達と、そして一人で行ってました。
学生は当日券が17ドル(今だと1500円弱)なので結構安く。MSO(メルボルン交響楽団)はいいソリストを迎えたりしてかなりいいプログラムを弾くし、行けば大体知ってる人がいるので(笑)聴きに行っては楽しんだりみんなで批評しあったりしたものです。
一回どうしても聴きたかったコンサートで席がないと言われ粘った経験あり。でもMSOなら大体座って聴けます。

あとMSOといえば毎年シーズンが始まる直前の2月初頭に無料の野外コンサートを毎年3日行います。
そこだとみんな外に座って話したりしながら聴けるので結構ポピュラーなイベントです。

シティ内や周りの町々でプロ・アマ問わず数々のコンサートが行われるだけでなく、郊外でも音楽フェスティバルという形でコンサートが行われることもあります。
私の先生が主催しているPort Fairy Festivalだと、グレート・オーシャン・ロードにあるPort Fairyという町で春に3日に渡ってオーケストラ、ソロ、アンサンブル、そして音楽以外のパフォーマンスが行われます。
あと超北西部(!?)のMilduraという町にオケで野外コンサートをしに行ったこともあります。
こういう郊外のコンサートでいいのは、とくに数日にわたるフェスティバルだと結構くつろぐ時間もあり、観光したり知り合いとたむろしたりするのが楽しいです。だいたいそういう町を歩くと演奏者か、またはコンサートに来てくれている聴衆の人にばっかり出会いますしね。

あと年間を通じたユースオケと関連アンサンブルの活動、そしてそのユースオケを主催する機関による書きキャンプなど、いろいろと若者の音楽活動を推進する動きもたくさんあります。

メルボルンはオーストラリアの首都でもないし(キャンベラ)、第一の都市でもありませんが(シドニー)、それでも(というかその代わり、でしょうね)音楽を中心とした文化活動が活発で、芸術が人々の生活に身近な都市です。
最近のニュースによるとヴィクトリア州の州立美術館の入場人数は世界でもトップクラスであったことに驚き!去年ダリ展をやったのが多少貢献している気もします。
そしてメルボルンではInternational Comedy FestivalMelbourne International Festival of Brass, Melbourne International Animation Festivalなどの国際的フェスティバルが開催され、特に後者は今見つけたばっかりのものなんですが今年は6月下旬に開催されるそうなのでちょっと興味津々。

私が音楽の道を進めたのもこの都市の性格のおかげで、いろいろと芸術、そしてそれに関するいろいろ(例えばコンサートあとの打ち上げ!)を楽しませてもらって本当に感謝しています。
メルボルンはシドニーなどのような「観光地」的な名所は比較的少ないのですが、例えば美術館、博物館、コンサート、そしてなによりも先ほど言いましたような郊外のフェスティバルはメルボルンの一押し観光としてあげられると思います。


今日の一曲: カール・ヴァイン ピアノ協奏曲 第2楽章

CD情報はこちら

昨日紹介しましたオーストラリアの音楽から一曲。
昨日はオーストラリアの音楽においてのリズムの重要さを話しましたが、この楽章はそれとはちょっと違う傾向。
とってもJazzyな、リラックスにお勧めの一曲です。

まるで即興で弾いているようなソロピアノのパートはものすごく自由で(後述奏者の性格も多少入っているんですけど)、ピアノが本当に自由で、本当にその音色の透明な美しさをあますことなく表現する曲のつくりになっています。

この曲をはじめヴァインの曲はオーストラリアでは有名なマイケル・キーラン・ハーヴィーが弾くために書かれているようなもので。
マイケルは(実をいうと知り合いなので)現代音楽、特にオーストラリアでいま活動している作曲家の曲を得意としています(そしてメシアン同志でもあります♪)。ヴァインは特に彼が好んで演奏する作曲家であり。
マイケルは技巧に大変優れていて、音楽の解釈はたまに突拍子で何を弾いてもオリジナル感が強いですが、ヴァインの音楽とはうまがあうのかなーと聴いてて思います。

この自由さはきっと彼の技巧と自由な思考ならではのものなので、演奏はぜひマイケルの録音で聴いていただきたいです♪

アピールポイントが違うような気がしますが・・・まあいいか。
次の日曜にマイケルがユースオケとプロコフィエフの2番を弾くので聴きに行くので久しぶりに会うのが楽しみです。きっと会ったら彼のことについて話したくなると思いますがそれはまたそのときに。


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Medical Mayhem
昨日の怪我の話の続き・・・なようなそうでないような。

どんなに健康にしていても(私の場合そういうケースではないのですが)お医者さんにお世話になることはちょくちょくあります。
日本の医療というものはほとんど覚えていないんですけど(鬱になったのはこっちに来てから少したったときのことだったので)、こちらではいろいろとオーストラリアの医療制度というものにたびたび救われてきました。
今こうやって自分でいろいろと管理する身になって冷静に見てみるとなかなか面白いんですよね。

保険制度は医療事務のコースで少しやったんですけど、国の保険(オーストラリア人+永住者加入)Medicareがあって、それで入院費・外来・薬がある程度カバーされて、プラス他の保険で残りをカバーしたり・・・となってますが復習なしで詳しく語るのはいけないので先に復習させてください(汗)

こっちで具合が悪くなるとまずかかりつけの一般開業医、GPに行きます。(目、歯以外・・・だったかな)
口コミで聞いたり、電話帳で近くの開業医を探したりして予約をとり、かかりつけのお医者さんを決めます。かかりつけのお医者さんは変えることもできます。実際私は自分のGPと都合のいい時間にアポがとれなかったり、産休だったりして最近同じクリニックの別のお医者さんに診てもらったりもしてます。

で、GPでとりあえず診てもらってそこで問題がわかって薬で治るようだったら薬を処方してもらい(→薬局で薬を買い)、そうでなければ専門医へ照会状を書いてもらい、専門医のところに行ったりします。

メンタル的なこともまずGPに行った覚えがあります。
そこでPsychologist(臨床心理士)への照会状を書いてもらい。Psychologistにて診断を受け、カウンセリング・心理療法を受けた後、もっと生物学的な内因があってさらなる診断および薬による治療が必要だと判断されたらPsychiatrist,つまり精神医への照会を書いてもらい、そこで初めて薬による治療の可能性を探っていきます。

まずは心因的な治療を、という方針ですね。たとえ生物学的な内因があったとしてもそれを食い止める治療は心理療法で可能ということもありますし、それに家族療法などで周りの環境を整えることもあります。
いきなり精神医にかかりつけになって薬による治療、というよりは本人にも周りにとってもワンクッションとなりますし。
まずGPに、というのも精神疾患に関して助けを求めるのに敷居が高くなくていいのかもしれませんし。

さて、病院ですが、これは基本的に緊急時、または入院時のためのものです。病院にいったといったらたいていおおごとなイメージです。
Public Hospitalでの入院費は保険でカバーされていますが、待ち時間が生じる場合があり。
Private Hospitalでの入院費は保険でカバーされない場合も多いですが、待ち時間は少ないです。それに個室というオプションもあったり。
例えば昨日の手を切った怪我の場合のように夜GPのクリニックが開いていない場合は病院の救急外来に行ったりもします。

私が入院した精神病院はPrivate Hospitalで、基本的には精神疾患はPrivate Hospitalの方がいろいろといいらしいです。ECT治療はあそこの病院を含む少数の病院でしか受けられませんし、確かあそこの病院のみ外来でECTが受けれるんだとか。
ちなみに私の精神医がその病院をベースとしているので(結構えらいポジションだとか・・・若いんですけどすごい人です。)それで入院はそこ、と半自動的に決まってます。いい治療を受けれるから満足。

これは医療全般にいえることなんですけど、セカンド;オピニオンのシステムもこっちはしっかりしてますね。
うちの(?)精神病院はたくさん精神医がそろっていてネットワークがすごいので別のお医者さんの意見も聞いてみよう、と自発的に、またはお医者さんがそういってセカンド・オピニオンにつながることも多いです。

精神医療、についてはこれもまた復習やいろいろ思い出すことが必要な上、気をつけないと入院生活で楽しかったことの話になってしまうので(苦笑)また今度じっくり取り組みたいです。

さて、先ほどの薬の処方のことですが、だいたいお医者さんとアポをとって処方箋を書いてもらうことが基本ですが、たまに!緊急時には(つまり薬がなくなってしまった!というときなど)電話でその旨を伝えてお医者さんと直接話し、処方箋を送ってもらう、ということも・・・あったりします。(たまに忘れるんです。最近アポとアポの間の期間が長いので)

それにしてもGPってやっぱりすごいです。
まずはみんなの窓口なのでいろんな疾患やその対応についてひととおり知ってなくちゃいけませんから。

ちなみにメルボルン大学の医学コースでは専攻として例えば精神医学、歯科学、外科、そしてGP専攻もあります。やっぱり一番需要高いですしね。私の友達が一人GP専攻してます。

自分はオーストラリアの医療制度を高く評価しています。保険からメンタルヘルスケア、そしてGP制度まで。
ただここで話したことはだいたい都市部のことで、地方にはまだまだ行き届いていないというのが現実です。医師不足の問題は都心部では目立ちませんが地方ではかなり絶望的だったり。
だから医学部ではローテーションの一部として地方の病院で働いたりすることもやっていますね。

それで思い出しましたが数年前そのGP専攻の友達が私たちのすんでる近くの、というか病院としては一番近くのところの分娩室で研修を一年することになって、「妊娠するなとは言わないけど産むときは別の病院にして!」と言ってました(笑)たしかに気まずいですよね。

健康に越したことはありませんが、テタニーの予防接種も今年~来年中に済ませなくちゃいけませんし、いろいろ他にもあったりなかったりするので恵まれた医療制度の恩恵を賢く受けていきたいと思います。

精神医療・・・はどうしましょう。とりあえず今話したいことは:
1)病院での治療プログラム
2)ECT治療
3)精神医という人たちについて
・・・などですが。
別に全然プロフェッショナルじゃないですけど一応経験者として素人なりにたくさんのことを適切に伝えたいと思っています。

そしていつか素人から一歩踏み出すことを願って。


今日の一曲: 日本民謡 「知覧節」



ヨーヨー・マのチェロと打楽器アンサンブルによるアレンジの「知覧節」です。

ヨーヨー・マはクラシックでもかなり高レベルの奏者で、室内楽なんかでも彼のすばらしさは見られますが、さまざまな民俗音楽をも得意としています。
変にクラシック化しすぎない(と私は思うんですが)彼の演奏スタイルが好きです。

このCDには「さくら」や「ずいずいずっころばし」などのオリジナルアレンジが入っていて、そのなかでこの「知覧節」は一番最後に入っています。

知覧節は九州は鹿児島の民謡。
元を知らないのでどれくらい原型が残っているのか私にはわかりませんが、他の曲から察するにメロディーはそのまま残っているのではないかと。

日本の音楽ってどのジャンルにしてもメロディーにずいぶん重きを置いている気がしますね。西洋音楽と比べてもそれは顕著だと私は思います。
特にオーストラリアの音楽はクラシックも民族音楽もものすごくリズム中心で。
知覧節はそんなメロディーに日本独特の艶があるような気がします。

チェロの音もなんとなくマッチして。
ヨーヨー・マならではの文化適応だと思います。

日本生まれとはいえあくまでも外国人としての私からみた意見なので日本の方がこのCDを聞いてどう思うかまったくわかりませんが、日本民謡の1つの形として日本の方にこれを聞いてもらうことを願っています。


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旅にもでたくなりますわ ~ガイドブックには乗らないメルボルンのちょっとしたスポット~
メルボルンもイースターを過ぎるともう秋です。
だんだん涼しい日が多くなって、雨の質も少しずつ違ってきて・・・
なによりもある日(今年は先週の木曜日)を境に体で感じる、第六感的に感じるものがだいぶ違ってきます。

これから寒くなるし、天気も悪くなる頻度も多くなるし、それに従って自分の体調も・・・という恐れがひしひしと感じられるので(プラス寒くてどうしてもおっくうになりますしね)「今のうちにどこかに出かけたいなー」という焦りを感じるようになりますね。
実際夏の間も特別どこかいったということもなかったですし、勿体無かったなーという後悔もあり・・・

行きたい所は結構ありますね。
メルボルンが私にとってHomeだとしても(とりあえず税金的にはオーストラリアの住人ですし)、まだまだ観光根性は尽きることがなく。ヴィクトリア州はオーストラリアで2番目に小さい州ですがいろんなものが詰まってます。
Melwayという地図帳を見てはどこか面白そうなところを探しました。
まだまだ車は運転免許取れてませんし、メルボルンの公共交通機関のだらしなさたるやあいた口もふさがりませんが、それでも友達と一緒に行ったり、ある程度は電車で行けたりしますし。
そうやって大学時代はたまにプチ一人旅に行ってました。

そんな中見つけたのがHastings。
メルボルンがあるPort Phillip湾を囲む二つの半島を湾を抱く腕だとすればHastingsは左ひじ~二の腕の外側辺り。そっち側にもう1つ湾があって(フィリップ島などを含む湾)、そこには地図によるとマングローブがあるということで、唯一電車の駅に近い(様な感じの)Hastingsにゴー!となったわけで。
全然行ったこともなかったんだけどまあ大体こんな感じでした:
Hastings...というかBitternシティからFrankston Lineの電車に乗って、終点のFrankstonでStony Point Lineに乗り換え、その後Hastings駅で下車、左=東に歩いていくとなにやら海沿いに自然公園みたいなエリアがあって、そのなかに通る道をずーっと南下し。

たどり着いたところがBitternのJacks Beach。(実はHastingsの次の駅からも歩いてこれる)ここで実際にマングローブが間近で見られます。別に泳いではいけないとか入っちゃいけないとか書いてないんで裸足で入ったらマングローブの芽を踏んづけてしまいましたが。
(いけないような気が・・・こんなに高緯度でマングローブって珍しそうですし)

過去2回ここに来たときほとんど誰もいなくて(そこまでずっと歩いてくる間もそう)、そういうところも好きです。
内海なので天気が穏やかだと海が鏡のようで。
どっちの駅からきても歩くには遠いですけどまた行って延々と座っていたいです。

海といえば2つの半島の腕の左手の手のひらあたりにあるPortseaあたりもいいですね。
あそこらへんも海が静かで。ずーっと遠浅なんですよ。
5年生のキャンプで行きましたけど海岸をずっとキャンプ場からSorrentoという大きな桟橋があるところまで歩きました。あれは楽しかったです(それもこっちにきて半年もしてないころだったから新鮮だったんでしょうねー)。
半島の裏側にもすぐ行けて、そっちは外海なのでまったく違った表情が見れるところも魅力的。

グレート・オーシャン・ロード全体も運転できるようになったらいきたいです。
特にLorneの近くにあるErskine Fallsという滝がすごい。滝自体じゃなくて、その滝を見た後ずっと森の奥に入っていくちょっぴりアドベンチャーな道があるんです。途中までしか行ったことがないので森の妖精になるまでずっと奥に入ってみたい!

内陸のほうでも見所はたくさん。

ずっと西のほうにあるGrampiansという山のエリアはほとんど行ったことがないけれど、キャンプ好きの親友が言うにはそうとう楽しい場所らしいです。観光地としても州内外、海外の人にも有名ですが、まだ行ったことがない観光旅行者失格の私です。
観光旅行者失格といえばWilson's Promontoryにも行ってないなあ・・・

そんな親友とそのうち行こうと思っているのが東北東にあるMt Howitt。
ここは先日紹介しました「Tomorrowシリーズ」の舞台になったところで、実際に降りれるかどうかはわかりませんがHellもありますし。ただここに行くにはがっつりブッシュウォーキング&がっつりキャンプですけどね。(そこんとこなんとかしなきゃなあ・・・)
ただあそこら一帯スキーのエリアでもあるので冬は雪も降り・・・道路閉鎖になるし行くのは危ないし。
やっぱりこれは春まで待たなきゃいけないのかなあ・・・

あとは北の、New South Wales州との境にあるLake Mulwala ですかね。
特に何をする、ということでもないんですが(距離があるのでそういう態度は多少問題?)そのダムによって作られたLake Mulwalaの湖にたくさん木が生えている景色は本当に心に突き刺さって離れなくて。ボートかなんかでもっと近づけたらいいなあーとか思ってます。

New South Wales州とは東側でも接してますが、そのあたりのLakes Entranceもそのうち行きたいですね。
海のそばに湖がいくつかあって(汽水湖なのかな?)前回家族と行った思い出としては景色がどこか不思議で素敵だったような記憶があります。

最後の3つは本当に日にちに余裕ができないと実現不可能ですし、友達と行くと約束している場所も多いですが・・・
せめてささやかな一人旅のネタが浮かんでこないかなーとまた近いうちに(寒くならないうちに!)Melwayをめくることとなりそうです。


今日の一曲: ヨハン・セバスチャン・バッハ 「パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV 582」



ここまできてやっとバッハ!それも今日はいくつか候補があった中でのこのチョイス。

バッハは・・・偉大ですよ。
私みたいにひねくれたのでも認めざるを得ない偉大な作曲家です。
いろいろと弾く・聴く機会が多くて少し侮られてる感もないことないですが、バッハをあんまり知らないうちから飽きてる人も、知ってると思って飽きてる人もこの曲を聴いて改めて考え直してほしいなーと思います。

まずはこのハ短調という調がずいぶん昔から私にとってツボなんですがそれはまずおいといて。
パッサカリア・・・という曲のフォームも面白いです。

パッサカリアというのは・・・(といいつつ保険のためにwikipediaリンク
まずベースラインがあって、それを延々と繰り返しながらバリエーションみたいに上に乗せる音楽を変えていく、という。
バロック時代と20世紀に良く使われている、という不思議な形式で。20世紀だとショスタコーヴィチとかブリテンとか私が好きな作曲家に使われる傾向があり。パッサカリアに関してははずれに出会ったことがないですね。

バッハはたとえば平均律でのフーガなどを見ると真面目で、四角四面で、完璧な音楽を書いて、人間というよりはどっちかというと「創造主」に近い音楽の組み立てだなーって思われますが・・・
まあこの曲もそうなんですよ。そうなんですけど・・・よくよく聞き込んでみるとバッハにしてはなにかすごく「吐き出してる」感があるんですよね。
苦悩、痛み、重さ、そういうものがあって。

自身がオルガニストだったこともあり、オルガン曲はやっぱりバッハのホームグラウンドだと思います。(メシアンもそうですが)
だからバッハのオルガン曲はしっくりくるし、すばらしいということもありますが、オルガンという楽器自体結構特殊なものだということもあり。
息を継がない管楽器、というのもそうですし、ストップなどを変えることで無限に音色が変わったり、音域の広さもそうですし。
ただそれよりも特殊なのはオルガンというのはオルガンの設置してある例えば教会も楽器の一部だということ。
楽器の本体が楽器の共鳴部の中にある、みたいな見方ができます。
そしてオルガンの音色を聞いているときは楽器の中で聴いている、という。
だからやっぱりオルガンは生で聴くのが一番なんでしょうけど・・・

・・・とりあえずバッハという作曲家、そしてオルガンという楽器のすばらしさをこの曲で知ってほしいです。
できれば教会で。それでなければサラウンドシステムで。でなければ普通にステレオで。でもイヤホンでも結構味わえます。

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セカンド・ファミリー
オーストラリアに来て今月25日で14年になりました。
学校に初めて行ったのはその一ヶ月後ですが、その最初の日からずーっと付き合いのある親友がいまして。
14年いろいろ(主に私の鬱がひどい時期は)ありましたが、今でも家族ぐるみで仲良くしてもらってます。

両親が日本に帰ってから(といっても父はいまジャカルタに単身赴任中。そんな父の話はまた今度)は例えばクリスマスなんかは親友の家に呼んでもらえるし、いろいろとお世話になっていてもう第二の家族と呼んでもいいくらいです。

親友のうちは7人家族。両親と4人姉妹、そして母方のおばあちゃん。超女系家族です。
親友は上から2番目で、下の二人の妹は二卵性双生児。
海に歩いていけないことはないくらいの地域で二軒分の土地にひとつの家をたてて、裏庭にはおばあちゃんの家となっている離れがあります。そこは昔は野菜畑があって。昔は豆をもいでよく食べてました。
そしてすごいのが先祖に2人もイギリスからの流刑者がいるということ。その後の移民が先祖という人がマジョリティを占め、先祖には1人いる人もそう多くないなかこれは珍しいです。(ただ親友はまえ南アフリカ系の訛りがあるといわれましたが。なぜ??)

スーパーハイテンションの小さな犬と、数羽の鶏飼ってますが、昔はウサギなんかも飼ってましたし私が学校で拾ったインコのひなも(お母さんがそのかわいさにほだされて)育ててくれました。・・・が、その2週間もしないうちに別のところで2回また同じ種類のインコのひなを拾ったり(笑)
そのインコのひな時代がこちら:
ゴシキセイガイインコ、別名レインボーロリキートまだふわふわの灰色い羽根のときですが、これからゴシキセイガイインコの名のとおりカラフルになります。
このときはちょうどそこらでもかもめやらスズメやら写真を撮る鳥好きの父がシンガポールから?遊びにきていたこともあって数日間預からせてもらってました。
右の子が私の拾った子。もう一匹は足が悪かったのでこういう格好なのです。

超女系家族ということもあって家のボスはお母さん。
姉妹仲はいいようで特に下の3人はとても仲がよく。姉妹でいろいろしたりもしますし、妹たちも親友の友達に混ざって遊ぶこともあり。
そして一家そろってインテリ。みんな成績優秀です。
学校にいる間はみんな何らかの楽器を弾いていて、ただそれがファゴット(親友)やビオラ、チェロなので家で学校のオケなどでやった曲を口ずさむと誰もメロディーを歌ってないとか(それはうちでも同じですが)。

あと家に二つ使い物にならないくらい古いピアノが2台あるんですよね。どちらももらいものらしいですが。
どっちも修復不可能なほど調律がずれてて、しかもお互いにまたずれてるんでデュエットするにも使い物になりません。音はでるので使ってるみたいですが。

エアコンがなくても良いほど通気がいい家はいつも裏口が開いていて、大きな庭に通じてます。大きな庭の大きな木にはよく登りました。今は枝がどんどん少なくなって上まで登るのは不可能に近いですが、昔は上るとシティの方まで見えました。
登るといえばガレージ(兼倉庫)の上にも登れますが屋根のトタンが古いため友達が足をずぼっと突き入れてしまいました。

親友がジャグリングをやってたりすることもあってそういう道具もあったり、木につるして登るものもあったり、お父さんはなんと碁盤を手作りしたらしいですし(お父さんに親友の彼氏と一緒に碁を習いました。オージーに碁を習ってオージーと碁で遊ぶって不思議ですね)、他にも一輪車、背の高い竹馬、外の暖炉みたいなものなど面白いものたくさんでどれだけ長くいても飽きません。

基本物持ちのいい一家なんですよ。質素で、悪く言えばけちに見えるところもありますが子供の教育や楽しみにはちゃんとお金かけてますしお母さんはとってもしっかりものです。ただ親友はけちにまだ価値がついてきてないところも多少あり。

家族仲がよくて、よくキャンプなどに行ったりしているみたいです。まだ姉妹だれも家を出てなくてまあずっとこうなのかなーという感じです。家を出てもきっとちょくちょく帰ってきたりするんじゃないかと。
なので私もまだまだ親友の家に家族に近い存在としてちょくちょくお世話になるんじゃないかと思います。

典型的なオーストラリアの家族、というわけではきっとないのでしょうが私はセカンド・ファミリーといるとオーストラリアにいるっていいなーって思います。たとえ碁を打ってても(笑)
本当にいつも私を家族に加えてくれて、がっつりオーストラリア生活させてくれてすごくありがたく思っています。

でも14年前は小さかった双子の妹たちも今ではしっかりバイトもやってますし。時って本当に移り変わるものなんだなあーとみんなといると実感しますね。


今日の一曲: カロル・シマノフスキ 「神話」より「アレトゥーザの泉」



あれ、私の持ってる録音がamazonにない!(汗)

最近20世紀続きですみませんがこれも比較的聞きやすいほうです。
シマノフスキ・・・はポーランドの作曲家。聴いてるとポーランドを代表するショパンよりもある意味「あ、ポーランドってこういう感じなんだ」と思えるところがあります。
ロシア音楽にちょっと似た冷たさ、でもパワーで押すのではなくものすごく繊細で。
フランス音楽の印象派に似たところもあるけれどもっともっと(ラヴェルよりも?)透明で。
なんか自分の好きなところを採って組み合わせたような感じで。なんか好きです。

この「神話」はバイオリンとピアノのための3曲のセットです。
バイオリンの一番繊細なところがふんだんに使われていて。ピアノもバイオリンも限りなく透明な音。
豊かな音、というよりも細くしなやかに。
結構技巧的なんですけどそれが音楽にごくごく自然に絡んでいます(技巧のための曲というものがあんまり好きでない私にはこういうところも好感度アップ)。

そのうちこの「アレトゥーザの泉」は中でも一番秀逸だと思います。
それはその音楽、そしてバイオリンの音色の官能的さ。もう心臓をきゅっとがんじがらめにして締め付けるような、脊髄にぞわっと琴線が触れられたときのどうしようもない感じ、そしてそれ以上にやばいものを(笑)感じます。

もうその繊細さと官能さのコンビネーションは他のどんな曲もかないませんね。

ショパンもすこしそうなんですけどシマノフスキはものすごく女性的な音楽が得意ですね。他の曲もこう線の細い、感情が繊細でどことなく女性的な何かがあってそれがたまらなく魅力的です。


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