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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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ちょこっとメンタルヘルス話。

お久しぶりです~
そして前回のエントリーに拍手ありがとうございます。
あっというまに師走も半分が過ぎこれから日豪ともどもholiday seasonに向かっていくところで。

軽躁もこれくらいの季節になると収まるかと思ってたのですがちょっとずつ出てきますね。
一応11月の終わりにドクターのところに行って追加の薬を必要なときに飲む許可を得てきたのですが。
そのときにドクターが面白い話をしてくれたのでちょっとここでシェア。

今鬱とか双極性障害は精神疾患のなかでも「気分障害(mood disorders)」というカテゴリに分類されてて、つまり気分が沈んだり上がったりするのが特徴であるという認識なのですが、ドクターによると最近の臨床・研究では気分障害の主体は気分ではなくエネルギーである、みたいな見方がされているようで。つまり単純にまとめると鬱で気分が沈むだけで無く感情の起伏を失ったり動きたくなかったりはエネルギーの量が足りてない、そして躁で行動や欲が過多になったりするのはエネルギーが有り余っている、みたいなことかな。
前々から気分障害を気分でみるのは一元的すぎる、みたいなことを聞いてたのですがこの説明はなかなか面白い。データがどうかというよりは見方、解釈が変わるというのも面白いですし、あとこの説明でこれまで繋がりがあると思われてなかった方にも繋がりができそうで。例えば病名とかカテゴリ名が変わったりまでするのかも含めて注目ですね。

まあメンタルヘルスの分野については専門家・非専門家発信で色々こうじゃないかああじゃないかという発言があったり研究があったり記事が書かれたりするのですがそのほとんどは不確定な情報が多いですね。最新の研究が!と論文が引用されてたりする記事もかなり多いのですがその研究の内容をチェックせずに鵜呑みはできないです。特に研究が何人の人に対して行われたのか、そして研究の結果が何を測定してるのか、とかメンタルヘルスに限ったことじゃないですけど特にメンタルヘルス関連は見極めが必要で。

たとえば「運動が鬱に良い」という話はよく聞きますしそれに関して研究も色々あるようですが、その研究が運動で「何が改善したのか」というのをちゃんと見ないと伝言ゲームで主語が大きくなっちゃったり(または翻訳の過程でなんか変なことになっちゃったり)するわけです。
ちなみにうちのGPの方のドクターは「運動で気分が上がるから運動したほうがいいよ」、と言ってました。ちゃんと言葉を選んでこういう言い回しになってると思われます。

そういうほぼ雑音に近い話も色々出てきますがなるべく振り回されずにいきたいですね。
特にメンタルヘルス界隈の標準の治療では急にやめたり勝手に足したりすると支障がでるケースもあるので、うまくいってないときもまずはドクターに相談が大事です。

メンタルヘルスの話をしてて年末に近くなってきたのでここでちょっと自分に言い聞かせるのも兼ねて年末年始のメンタルヘルスのreminderを。

・外食・外泊色々多くなる季節ですが薬はなるべくいつも通りに飲み続けること。
・上記理由で生活リズムも崩れがちですが特に寝る時間・起きる時間を大きく変えないように。
・ドクターに会ったり連絡つけるのが難しくなることもあるのでholiday中の対応をドクターor病院にあらかじめ聞いておくと良いです(例えば私の場合はドクターが年末年始日本に遊びにいってるときでも代わりのドクターが入ることになってるので病院に問い合わせするはず)
・同様に薬が旅行先・休日で買えないことも想定して手持ちをチェック&買い足しは早めに。
・普段合わない人に多く会ったり普段より多く人に会う季節ですが自分の時間と空間もちょっとはさむの忘れずに。

これくらいかな。この手の物は少なくまとめるのが吉ですからね。
プラス私の場合はもうかなり暑い日がどんどんくるこの季節、リチウム中毒予防にきちんと水分(&電解質)をとって体調に気をつける、ですかね。北半球でリチウム服用中の方は冬でも色々水分を失う要素はあると思うのでお気を付けあれ~


今日の一曲: face to ace 「So Sad - So What?」



久しぶりにface to aceです。今年はライブ1回だけだったのもあるのですが、この曲をライブのオーラス(=最後のアンコール)として聴かなかったなーとちょっと寂しく思ったり。

ただこの曲は最後に名残惜しみながら一緒に歌って盛り上がるよりも手持ちのプレーヤーで日常の中で聴くのが好きな曲です。ライブでのバージョンとか環境がどうとかいうよりこの曲が(歌詞も音楽も)日常に向けて書いてある(と思う)ので。
face to aceは旅行にお出かけな曲も多いのですがこれは身近な都会の曲で(これも歌詞・音楽共にそうなんですよね)。忙しかったり面倒だったりする「いつもの毎日」にちょっと応援くれる曲です。

最近何かと結構がっつりな曲を選んで聴くことが多いのですが同時に音楽の「軽さ」という性質の良さを感じることも多く。この曲もそんなちょうどいい軽さに心が助けられます。私は歌詞よりまず音楽で、特にリズムとハーモニーが先に響くのですがその2つのエレメントにこの曲の心地良い軽さが凝縮されてて。そこにサビの歌詞「So What?」で追い打ちが来るんですよね。So what?と言い飛ばせる軽さ。ほんとありがたい。また明日も頑張れる。

それにしてもいいですね、このアルバムジャケットの青い空の色。この曲にもぴったりですし他にもこんな青が似合う曲が収録されてます。透明感のある曲ならばこのアルバムfiestaがオススメ。


拍手[1回]

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伝わるか自信がない話
前回「地味に効いてる」とか書きましたが今シーズンも春の軽躁がひどいです。

なんでしょうね、鬱はまずその辛さを忘れたり低く見積もったりするようなことはなかったのですが、軽躁はここ数年「こんなにしんどいとは思ってなかった」みたいな印象が続いてます。
これは純粋に記憶の問題というのもあるのですが、それだけでなく軽躁の体験を言語化するとどうしてもそのつらさが伝わらないような気がします。
自分にさえ伝わりにくいんだから他人に軽躁がどういうものか伝えるのって相当大変なんだろうな、と。結構それで苦しんでる人いるんじゃないかな。

2017年の流さんの軽躁は相も変わらずdysphoric hypomania(=ハッピーにならない軽躁)で、焦燥というよりは何か常に落ち着かない+しばしば痒い→ちょっとしたストレスでがーっと焦燥・不安が爆発するのが特徴的。とにかく何もしないでいることができないので仕事が来なかったりすると(今来てない)うろうろしたりなんだり。
あと朝起きた瞬間から軽躁、という状態も今年から出てきました。一番しんどいのは夜ですがそれが引きずられてるのかなんなのか。

ほんと「行動」が今回キーですね。軽躁状態でどうなるかというと書き物したり万年筆で漢詩とか和歌とかがりがり書き写したりがーっとネットで調べ物したり庭仕事したり今日はクッキー焼いたり。
これ字面で見ると生活充実してて色々楽しんでるように見えますがほんとしんどいです。クッキー焼いたってひとつも楽しくない。というのも気持ちが全く入らなくてとにかく表面上動いとかないと気が済まないみたいなことで。一人暮らしだからいいものの同居人が居たら調子良いように誤解されるだろうな、とか思ったり。

あと言葉の難が今年ちょっと目立ってます。言語化のプロセスを思考をつかまえて言葉にするという風に描写するなら軽躁状態だと思考がものすごいスピードでするりと抜けていくか、はたまた一度に大量の思考がやってきて渋滞するかのどっちかで思考が言葉にならないでストップする状態。頭の中に思考が流れてるのが見えてるから余計にもどかしい。
あと言語化できたとしてもそれを頭が同時に推敲してくれないというか、自分で話してて自分の行ってることが正しいことか自分が思ってることとあってるか確認できない、ということに気づきました。そこから逆に思考を言語化するプロセスってそういう過程も含んでるんだなーと。興味深いけど興味をちゃんともてないのが悔しい。

鬱状態で好きとか興味とかが変わるのはよく知られてますが躁もまたそこら辺に影響があるようで。さっき「興味をちゃんともてない」と書きましたが「ちゃんと」ってとこがミソなんですよね。つるーっと気持ちが滑っていってしまうというか、漢詩を読むにしても内容はとりあえず頭の中に入ってきてもそれに対する気持ちの反応とか好き嫌いとかそこまで到達してくれなくて。
ここまで書いてさっきの「クッキー焼いてもひとつも楽しくない」の部分と若干かぶってることに気づいたのですがまあいいや。

こんな状態だと前回のドクターとのアポで薬減量するとかいう話が出たのも現実的には思えないなあ・・・と思ったり。ちょうど軽躁の季節がアポの間の期間だしアポとるにも特にできることはないだろうし・・・でもしんどいんだよなあ、ということは自分でもっと分かっておきたいしそのしんどさをもうちょっと伝わるようにしなきゃ、というのもあるし。

考えは動かせば動かすほどカオスになるらしく既に自分が書いてることもよくわからなくなりかけてるので今回はここで。次はもうちょっと楽しいエントリーが書きたいです。


今日の一曲: Queen 「Bohemian Rhapsody」



まあそういう状態で暮らしてるわけですが一日一筆は11月から復帰してます。毎日手書きできることがあってそのための調べ物も(あまり根詰めなければ)できるのはある程度助かってます。
まあ負担にならない程度に、ですね。

それで今日のお題が「Escape」だったので選んだのがこの歌の冒頭。もう書いてあるの見るだけでも&書くだけでもメロディーが頭の中でついてしまう、普通に読めない言葉の連なり。Queenの歌ってこれに限らず(でもこれが一番かな)知名度だけでなく言葉と音楽それぞれの&組み合わせたときのインパクトがすごくてそうなっちゃうイメージがあります。

あとQueenの歌って色々人をつなぐような体験が多々あり。大学時代夏に海に泊まりで遊びに行って夜の砂浜を歩きながらだれかがBohemian Rhapsodyを歌い始めたらみんなで最後までうたっちゃったり、日本で最初にお仕事にご挨拶いったとき当時お世話になってたコーディネーターさんとQueenの歌のことで話が盛り上がったり、今日の一日一筆でもこれを書いたら別の人が別の歌をコメントで(手書きではないですが)返してきたり。みんな好きだよねー盛り上がるよねーと嬉しくなります。

リンクしたのは手持ちのGreatest Hitsですが、私が個人的に思い入れが深いのはMnozil Brassのバージョン。録音にはなってないかなあ。DVDでもないかなあ。Mnozilの歌唱力・合唱力・演奏のすごさだけでなく振り付けが色々面白かったり大笑いしながらしんみりするとこはちゃんとしんみりして、また生で体験したい演奏です。

拍手[2回]

何度外に出ても寒い
あ゛ー寒い!昼も寒けりゃ夜ももっと寒い!
天気が比較的良くて風とかがあんまりないのが救いですがなかなか染みいる感じです。
昨日もちょっと夕方から夜にかけて出かけてきました。

出かけた先はシティの向こう側のそこそこ遠いところにある病院。
(トラムだとちょこちょこ遅くなる区間があるのでもっと遠く感じますが)
友人がそこの精神科に入院してるのでお見舞いに行って来ました。
万年筆仲間でもある友人なので最近新しく使い始めた万年筆とかインクとか試してもらうために持ってったり。そしてあのRobert Osterさんからインク数本と万年筆のお見舞いが来たそうで。最近新色いっぱい出して忙しそうなのに凄い人だなあ。(ちなみにサンプルとして少し分けてもらうので改めて私も感謝しなきゃですね)

友人は薬を変えることになってその時の安全確認(なんか言葉が違うような)なども兼ねて入院してたのですが3週間の入院期間を終えて今週末退院するそうで。ただ退院しても外来のプログラムとかで来院する予定があったりこれからの諸々生活の運用もしっかり家族と話し合ったりしなきゃだったり大変そう。元がしっかりしてる子だしパートナーもいて両親もsupportiveなので心配の度合いは少ないですが、移行の時期も無事なんとかなって欲しいところ。

前も書いてますが私も過去に別の精神病院に入院してたので(2000年、2006年、2008年の3回)初めての場所とはいえなにか親しみがある場所でした。今回お見舞いにいったとこは複数科ある病院の中の精神科病棟だったのですが、私がいたのは精神科だけの病院でオフィスビルを作り替えたとこだったのでそっちの方が中のつくりはシンプルだった印象。ただだいたい構成要素とかシステムはどこも同じはず。あとどちらも私立の病院。

ただプログラムは病院間で差が出てくるだろうし、私が最後に入院してたのからもう来年で10年になるので当時と今でのプログラムの内容もけっこう違うんじゃないかな。(ティーン病棟にいたのは18年前ですよもう。その後も何回か訪れたことありますがかなり変わってるはず)
友人のとこはペットセラピーもあったそうで。自分が一般的に犬とか猫とかに癒やしを覚えるかというとそうでもないのでそんなにうらやましいとは思わないんですがそういうプログラムがあるってことはいいことですね。
ちなみに私が3回目の入院で特に気に入ってたのがビーズクラフトのグループ。今でも一つ作品飾ってます。あと最初の入院ではティーン病棟でまた特別色々やったのでそれは今もほぼ全部とってあります。というか今色々思い出して写真撮ってきたのでアップしちゃう。



そしてその友人が退院するにあたって緊急時の連絡先を5人書かなきゃいけないらしくて私にその一人になってくれないか、とお願いがあったので喜んでと答えました。喜んでというかほんとに嬉しいですしこんなに光栄なことはないですよほんとに。でも実際(1)仕事中とかでも割といろんな時間に電話がとれる(2)夜遅くも起きてるし受け答えできる(3)メンタルヘルス関連ちょっとは知識と経験がある、という要素から連絡先としては結構向いてる条件なのかも。

病院に行って見て回ったのもそうですしそうやって連絡先になってもらえないかと聞かれたのもそうですが自分が入院してた時から長い道を来たんだと本当に思います。さっきの絵を引っ張り出してきたときもほんとうに噛みしめました。思えば遠くにきたもんだ。今や一人暮らしですからね。最初の入院のときもそうですが3回目退院したときだって想像できてなかったかも。

センチメンタルになってるとかそういうことではないのですがもうちょっとこれ噛みしめてきます(笑)
その前にお見舞いが長旅になることが予想されていたので新しく購入した音楽を今日の一曲で。


今日の一曲: ジョージ・クラム マクロコスモス第4巻「天体の力学」第3楽章「Gamma Draconis」



クラムも時には増やさないと。でも新しく出会った曲でなくすでに別の録音が手持ちであったこの曲をチョイス。前から持ってたのは大学の図書館にあった録音でなぜか1・2楽章と3・4楽章にトラックが分かれてた点がどうも腑に落ちないCDで。でも解釈には結構愛着があったので(クラムは結構ばらつきがあってそれが良いんですけどね)特にこの第3楽章の弾き方が新しい録音もツボで本当によかった。手元にちゃんと1楽章1トラックであると妙に安心します。

この曲の話するとき毎回書いてると思うんですがこの楽章のモチーフになってるりゅう座といえば昔々は天の北極で、歳差運動でおおぐま座にその座(ダジャレじゃない)を譲ったのが恐竜が絶滅してほ乳類が台頭したのとか神話の時代が終わって竜の伝説が消えていったのとかと重なるんですよ。この曲の特殊奏法のメタリックな音が鱗っぽかったり、とぐろを巻くような音形だったり他の楽章と比べてアグレッシブな曲調もドラゴンにぴったり。神話的な世界観とそれにマッチする現代的な作曲法の奇跡のマッチング。

神話的っていいなあと思います。現代音楽の神話性については本も買って読んでたりするのですがクラムの音楽に直接触れることが少なくなってからアイディアを広げることも少なくなり。今弾いてるスクリャービンとかもそこんとこ親和性(ダジャレじゃない)高いはずだし、他にもどんどん応用していけるはずなんだけど。
竜の伝説を絶やしちゃいけないですね、本当に。

リンクしたのが今回入手した録音。はじめましてだったのがカリヨンのための「Easter Dawning」とピアノのための「Processional」。特に後者はまだ聴き込みが必要。(カリヨンの音はトラムで聴いてても聞こえるけどピアノの弱音は厳しいからなあ)
マクロコスモスシリーズだと第4巻が多分一番マイナーなんだけどもっと天体の力学に愛を!と叫びたいです。

拍手[0回]

Wellness?
日本はGWで仕事もあんまり来ないし月初めだったんで古い書類シュレッダーにかけて(音が苦手なのでデジ耳+ネクロダンサーBGMのコンボ使用)インクがなくなりそうだった万年筆を洗浄しました。こないだ届いた球形のシリンジ・注射器型シリンジどっちも大活躍。さっぱりしました。

メルボルンの気候の方は着実と冬に向かっていてヒーターを付ける時間がだいぶ長くなりました。
なんとか起床時間はキープしてますがドクターが言ってた通りタイマー付きのヒーターがあるといいのかも。

そんなタイミングでアメリカの双極性障害患者支援団体bphopeからのメルマガで、「How Can You Tell When You’re Well?」というタイトルのメールが送られてきました。
(アメリカの団体なんでちょっと予想外の時刻にメールが来るので「おっ」と注意をひかれます。あと双極性障害特化なので躁方面とかの話も多くて重宝してたり)

つまりこの質問は日本語に直すと「どういう時に調子が良いとわかるの?」という感じ。
メンタルヘルスに限らず短期的・長期的に病気を患ったりしているとどうしても調子が悪いことにフォーカスしてしまいますし、その病気が重いと調子が良い状態を想像することすらできなくなるもので。
ちなみに今回原文に「well」という言葉が使われてるので「相対的に調子が良くなった」状態でないのですが、双極性障害の話であることを考えると「健康な状態」みたいな言葉を使うのはちょっと躊躇われました。うーんやっぱり翻訳って難しい。

もちろん調子が良いと感じるときは人それぞれ、そして同じ人でも病気のステージにより変わってきます。
このメルマガで紹介されてた患者さんにとっては「広い範囲(スペクトラム)の感情を感じるようになったとき」と書いてありました。双極性障害は両極端な感情が特徴的な症状なので感情の幅については確かに広いのですが、その極端な部分だけでなくその間の様々な感情を感じることができる、というのは確かに大きいと思います。

うつや双極性障害の症状としては上記通り感情の症状がよく知られていますが、それだけでなく思考や行動(人間関係とか含む)にも影響がおよびます。
私の場合感情は概ねなんとかコントロール内なのと、感情は自分で結構アセスしにくいなーと感じることが多いので「行動」関連で調子の指標を設定することが多いです。

例えば起床時間はどうか、仕事とかピアノでの集中力はどうか、身の回りは片付けられてるかどうか、諸々行動するのに腰が重くなってないか。
特に身の回りが散らかるのは自分にとって余裕がないか調子が悪いかどっちかのサイン。逆に散らかってるのが気になって片付けずにはいられないのは余裕・調子が回復したサインです。
同じ行動関係でも食欲とか睡眠時間・質に関しては調子良いときも悪い時もあんまり変わらないことが多いので自分にとっては参考になりづらかったり。

自分の調子をモニタリングするにあたって「調子が悪いサイン」を知っておくのも大切ですが「調子が良いサイン」を知っておくのも同じくらい大切だと思います。
改善に向かっていくときも、降下に注意しなきゃいけないときも。今の自分だと「大丈夫かな?」と思ったときに「まだまだ大丈夫なんで通常運転キープでどうぞー」と確信を持って言えるのがありがたい。まだ調子が悪くないなら保守的になる必要はないですしそうしないほうがいいですし。

とはいえ調子が良いからって無理したり調子にのったりはいけませんね。
これからちょこちょこ忙しくなるので安全確認怠らないでいこうと思います。


今日の一曲: ジョージ・クラム マクロコスモス第2巻 第8楽章「A Prophecy of Nostradamus [Symbol]」



なんか久しぶりにクラムの公式サイトにこんにちわしに行ったら近いうちにクラムの新しいピアノ曲集の初演があるというお知らせが。しかもプレビュー動画をみたら「Book I」の文字(=続編あり!?)、そして各楽章が絵画にリンクしててダリとかシャガールとかクレーとか出てくるとか、俺得すぎて泣きながら爆発しそうでした。
クラムが元気でなにより、そしてピアノに帰ってきてくれて本当にありがたい。私もクラムにいずれ戻りたい。

ということで祝杯代わりにクラムの「前の」ピアノ曲集マクロコスモスから。マクロコスモスでピアノ1台のために書かれてるのは第1巻と第2巻。色々な意味で対になっている感がありますが私が弾いてて得意としてたのは第2巻。
それも技巧がどうとかいうよりは世界観だったり音楽外の色々が自分によりすっとくるというのが理由でした。クラムでそういう感覚ってすごい大事だと思います。

マクロコスモス第1・2巻は各12曲で構成されてるのですが、この曲は第2巻の激しいセンターピースのトリを飾る曲。タイトル(これ英語的に「the」じゃなくて「a」なのを深読みすべきなのか今改めて迷ってます)と曲調から曲が示すところは割とはっきりわかりますし、構成もシンプルで(上下対称で)和音もほぼ全部普通の短和音と、聞いたそのまま全部目の前にある感が強くて、in your faceなパワフルさがあって。

その真ん中にTema Enigmaticoの部分(ご存じDies Irae)がぽっかり空くエフェクトも好きです。いかにこれを「謎」に聞かせるか、考えてみたいんだけどなー。

数の勘定が合わないのですがマクロコスモスの各曲はタロットカードにも似た象徴とか不思議とかがあって。この楽章はまず間違いなく「審判」でしょうね。絵面もかなり似てると思います。
そうやって音楽以外のジャンルにも想像を広げていくのが楽しくなるのもクラムの音楽の魅力だと思いますし、弾くだけじゃなくそういう事も含めクラム復帰したいです。

リンクはMargaret Leng Tanの演奏を。先ほどの新曲の初演を手がけ、プレビューでも弾いてました。いつもかっこいいなあ、憧れの魔術師(クラムを弾く人を私はこう呼ぶ)です。

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Trigger周りでちょっと考えを巡らせたり
今日やっと前のエントリーの歌曲3曲を初見で弾きました。リスト編曲なので菩提樹と水の上~は難しかったのでまずはドッペルゲンガーから初めてみようと思います。
あと水の上~は映画バトルロワイヤルで使われてたのですね。自分が見つけてしまった魔物との関連は不明ですが何かさりげなく尋常ないものがあるような音楽なのか、何かいそうな感じなのかも。

昨日行った博物館では昆虫のセクション結構人気だったのですが蜘蛛の生体展示が前来たときと比べて増えてて個人的にはほくほくでした。ふさふさタランチュラ可愛い。子供だと気持ち悪がりながらも傍まで見に行くのですがさすがに大人で水槽に顔近づけてたのは私くらいだったかも。まあオーストラリアはヘビもそうですが蜘蛛も危険なヤツが多いし・・・という理由もありますが。

今日は蜘蛛に関して「クモ恐怖症には性ホルモンが関わってる可能性が?」という感じの記事がTwitterでABC Newsから流れてきたのですが内容は面白いし私は平気とはいえ、「#arachnophobia(クモ恐怖症)」のタグを付けてサムネイルが本物の蜘蛛が動いてるgif動画は配慮がなさすぎだろう。しかも数時間後に別の記事で全く同じ事やってるし。

インターネットの世界(特に英語圏)ではTrigger Warningというものがあります。
ここでTriggerというのは例えばトラウマ体験などに関して昔の記憶が思い出されるきっかけになるものだったり、見たり聴いたりetc.することで精神状態に著しい悪影響を与えかねない内容のもの、という風に理解していますが合ってるかな。
Trigger Warningは例えばリンク先の記事に対して「こういう内容を扱ってるからTriggerになるかもしれない人は気をつけてねorアクセスしない方が良いよ」みたいな警告をキーワードで表したもの。

例えばメンタルヘルス団体のfacebook投稿で記事を紹介するときにTrigger Warningを良く見ます。
摂食障害団体だったらリンク先の記事にダイエットの話だったり過度なダイエット・拒食を促すような雑誌の表紙の写真とかが載ってたらTrigger Warning: Diet, pro-ano contentみたいなことが書いてあったり。
他にも性暴力や家庭内暴力についての内容のキーワードも多いかな。
セクシュアルマイノリティ団体の投稿だと差別・暴力関係のキーワード見た覚えが。
私みたいにそういうTriggerに該当するわけではない人でも「面白そうな内容だけどちょっとしんどいからやめといておこうorもちょっと調子良い日に置いておこう」みたいな調整の助けにはなってます。

そもそもTrigger Warningが一般的なニュースサイトとかよりも特定団体での投稿に多いのはそういう団体のアカウントをフォローしてる母集団が摂食障害の患者さんだったり元患者さんだったり、家族や関連職業の人が一般的な母集団より多いため、Triggerに該当する人の割合も多く。
さらにもちろんそういう団体に関わってる人はそのTriggerの影響の深刻さ、大切さを良く知ってるってのもあり。

字数制限が厳しいTwittterだと難しいけどfacebookとかではよく見るTrigger Warning、こういう配慮はほんと大事だと思います。もちょっと広く知られて&議論されていいと思うなあ。
(似たような話でいうとWHOの自殺に関する報道ガイドラインももっと一般に知られて&メディアに徹底されていただきたいのですが)
あとTrigger Warningについてはもちろん過剰に配慮を求めてはいけないとは思うのですが、最近Triggeredという言葉が本来の意味より軽い意味でネットスラング的に使われてて(そういう配慮をおちょくってそういう方向に行ってるんじゃないかな)、Triggerという存在が軽視されてる感もあり。そういうのも混同せず考慮していただきたい。

で、最初の話に戻ってどうして前述恐怖症タグ+gifがいけないかというとまず一般に蜘蛛を恐怖とは行かなくても不快に思う人口の多さ、それに加えて#arachnophobiaというタグを検索に使うであろう人間の性質(おそらく蜘蛛が怖い・嫌いな人が多い)を考える実際の蜘蛛の写真にとどまらずgif動画を使っちゃうのはあまりにも配慮がなさすぎでは、と思ったわけです。
実際どっちかの記事の中でarachnophobiaを専門家と一緒に克服する試みが進んでる話も出てきて、そんなばーっと軽率に写真見せていいものではないって分かってる風なのに。
メンタルヘルスとかでの比較的ピンポイントのTriggerよりも分かりやすいと思うんだけど。なんか残念。

蜘蛛好き(蛾と同じくでかいのが可愛い)としてはなんか余計なことして人々の蜘蛛嫌いを煽らないでいただきたいと本当に思うのです。あとはこの件に限らず全体的に余計なことはしてくれるなと。以上です。


今日の一曲: ウィリアム・ウォルトン 「ヨハネスブルグ祝祭序曲」



最近ちょっと創作の方が色々(執筆そのものに限らず)進んで色々日常でも考えが創作につながるようになってきたので(前述のクモ恐怖症に性ホルモンが~というのもその一つ)創作でイメージサントラに使ってる曲を一つ。

今書いてるストーリーは架空の町を中心に全てが回るようになってて、この「街」をイメージさせる曲をいくつか選んで詳細とかビジュアルとかを詰めていったりしてます。
夕方に朱に染まる様子を思わせる曲だったり、街の特定の場所を思わせる曲だったり。その中でもこの「ヨハネスブルグ祝祭序曲」は街の全体的な雰囲気や天気、あと大まかな人口のイメージなんかにも役立ってます。

ウォルトンは基本的に都会というか人が住んでるとこの楽曲が有名で(Spitfireにしてもorb & sceptreにしても)、ノスタルジーが特徴のイギリス音楽の中ではちょっと前向きなテイストもあり。祝祭序曲なので人々が生き生きとしててbustlingな光景がうまいことマッチしてるような。

でもジャンル問わずこの街はイギリス音楽と相性がいいような。ブリテンとかビートルズとかも街風景サントラに入ってたり、あとイギリスの流れを受け継いでる+前向きさでオーストラリアの音楽も相性がいい。というか一部はどうしても身近なメルボルンを参照にするからオーストラリア音楽は噛んで当たり前。
あとは軽めでカラフルなフランス音楽、そして風景が見える音楽でおなじみface to ace(といってもバラード多し)なんかもイメージ曲として使ってます。

視覚的にはっきり空間認識して詳細まで景色とか考えるのは苦手ではあるのですが音楽がその助けになってくれてありがたいです。
ということでまた曲自体の話はほとんどせずだったのでリンク録音だけ置いて逃げることにします(汗)


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