忍者ブログ
~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

メルボルンに無事帰還。
結局ブログ更新せずじまいでした。といういことでお久しぶりです。
例年通り25日?くらいの一時帰国、これ以上長いと疲れるし短いと慌ただしくなるのでちょうどいい期間の旅でした。
今回は最初の週にものすごく忙しく一人で出かける用事をおおかた済ませておいてあとは家族で過ごしたり日帰りで出かけたりというスケジュール。
出かけた先は大阪(2回)、福岡、京都、東京、岐阜、浜松など。名古屋近辺が本拠になってからどうも東京行きの比重が減ってるので来年あたりはもっと東京を冒険したいです。

なにより国立九州博物館の三国志展が一番の見所でしたが他にも京都での一日丸まる観光のハードコースだったり大阪でのカフェスタイル謎解きだったり色々楽しいお出かけいっぱいで。同時にちょっとは仕事もできたり本拠でゆっくりする時間もあったので感覚としては来年もこんな感じで行きたいと思います。

そして今回シンガポール航空での旅もよかったです。乗り換え時間の都合で帰りは丸一日近くかかるのですがそれもまあしょうがないかな、くらいの感じで。シンガポールは空港内発のツアーもあるのですが乗り換え時間と時刻の都合がどうも今回合ってなかったらしく。でも空港内で過ごすにもなかなか快適です。いつかまたシンガポールも旅してみたいな-。

さらに帰ってきてからいきなりのメルボルン気候の洗礼(笑)今日は暑い+強風からのクールチェンジ+雷雨のコンビでしっかり帰ってきた感がありました。明日はさっそくコンサート聴きに行くのですが夜あんまり寒くないといいな。そして何を着ようこの季節(汗)

ということで生活各方面これからリズムを取り戻していく予定。さらにバレエの発表会も(今年も)出ることになってるのであたふたしながらがんばらなければ。
旅行用の音楽に加えて新しいCDを買ったりもらったり(父から大量のメキシコ音楽)したので今日の一曲でいずれ紹介したいです。


今日の一曲: Toby Twining 「An American in Buenos Aires (A Blues Tango)」



こないだMargaret Leng Tanの演奏を聴いてトラック単体で買いました。トイピアノはやっぱり楽しいのでそのうちアルバムをコンプリートしたいです。

日本に行ったときにCDもそうですが楽譜を買うのも恒例になりました。とはいえ20世紀ものは東京でないと品揃えが少ない。銀座のヤマハと山野楽器では色々面白いものが見つかって感謝です。
今回のお目当ての一つはヒナステラ。「アルゼンチン舞曲集」を無事入手して今夏も南米の音楽が楽しめることに喜んでいます。

しかし前弾いたクレオール舞曲も今回のアルゼンチン舞曲集も、そして今回紹介してるはずのAn American in Buenos Airesもスローな曲調がとってもchillで空が広い感じがすごく心地良い。アルゼンチンといえばピアソラのタンゴなんかの暗ーい情熱も魅力的なのですがこういったオープンな、いかにも「Buenos Aires」=良い風・順風な感じの音楽も好きです。

そしてそういう音楽をトイピアノに弾かせるってのもまた面白いですね。どこか抜けたところ、とは違いますが何かきちっとしてない方向での異質さがあるような。それを(きちっとしたの代名詞といってもいいような)ピアノで支えてるのがまたアンバランスなようでバランスがとれてるようで、一つの空間と時間としてしっくりくるような。

前述の通り今回はトラック単体で購入でしたがMargaret Leng Tanの弾くトイピアノのアルバムはとにかく面白い曲が詰まってて音楽のおもちゃ箱なのでいつか揃えたいですし次回彼女がメルボルンに来るのをとても楽しみにしています。ついでにクラムの新作の録音も早く聴きたいぞー。

拍手[0回]

PR
時間に追われるとまではいかないものの
なんだか忙しく感じる今日この頃です。
仕事もちょっと先まであったり日本行きの準備をしたりその中で家のこともやったりなんだり、適度に休みながらコンサート、サッカー観戦などアクティビティもあり。
観戦しない分もサッカー色々追っかけたり見たり、手書きするもの探したり書き写したり、編み物など進めたり。
・・・実際忙しいですね、時間としても頭の余裕としても。

前も書いたと思いますが日本に行ったら食べたいものももちろんありますがメルボルンをしばらく離れるにあたってその前に食べておきたいものも結構あるようになりました。
スヴラキとかシャクシューカとかフォーとか、外食も家で作ったり食べたりするものも色々。普段から献立は悩みますがここのところそれにかなり思考を費やしている気がします。
特に家で働いてると外食の機会も限られるのでスケジュール調整に悩むことも多い。

手書きは「ただ」書くものを探すなら色々あるのですが(紙の本でもネットでもgo toなソースは把握しているので)、手持ちの万年筆に入ってるインクの色に合わせてってとこが地味に縛りプレイみたいな要素があり楽しいながら悩むところ。インクは1ヶ月に1回数本分は替えてるくらいのペースなのですが中途半端に使い切れないかもみたいな色もほぼ毎回あって、せっかくのインクを少量でも無駄にしないために頭をほぼ毎日ひねっています。
特に今月は日本に行くのでその前にインク入れ替えていかなきゃいけないタイミングが決まってるのでアップしてもしなくてもどんどん手書きしなきゃ。

それとちょっと似た話でいうと最近食べ物の組み合わせみたいなものにちょっとはまっています。
九月の中秋節にはこないだ蒸留所で購入したStarwardのNovaウィスキー(シングルモルト)と月餅(中身は蓮の実餡)に合わせてみたり、雪見だいふくにアブサンをかけてアフォガート風にしてみたり(ストレートでやっちゃいましたが飲む際よりちょっと濃いめくらいには水足した方がよさそうでした)、あとは日本風カレー(うちの場合ジャワの中辛)に隠し味としてベジマイトを入れてみたり。
どれも「良い」or「改善の余地ありで良い」の評価でしたが一番これはよかった!と思ったのが妹からお裾分けいただいたLapsang Suchongというお茶(正露丸みたいな匂いが特徴的)と和梨の組み合わせでした。春なのでいい梨にそんなに出会えないのですがおいしい梨を良い組み合わせで味わえてすごくよかった。
もちょっと余裕がある時なら既製品とかだけでなくちょっとおつまみ作って、みたいなことでも試したいです。

編み物も作るのは良いんですけど余った毛糸どうしようかなーという問題は常にあり。
こっちでいう8 plyという太い方のスタンダードな太さのはフィリップ島でペンギンの非常事態用のセーターを編む練習&本番に使いたいと思ってます。
これは公式できっちり寸法とかが決まってて、仕様に合わないものはそれはそれで他に使い道があるそうなのですが仕様に合わないものばっかりでも困るみたいなので練習してしっかり安定の品質で作れるようになりたいと思ってます。ちょっとした目標。まずは練習。でもいつ取りかかれるかなあ(汗)

ということでこれからもばたばたしますがコンサートなんかもあるのでその感想は確実にここに書きたいです。これもかなり楽しみにしているやつ。春になってだんだん暖かい日も増えてるので用事以外にも外を楽しむ時間を作りたいです。
日本に行くまでに突っ走りすぎずがんばりますぞ~


今日の一曲: エドワード・エルガー 「ため息」



仕事が忙しいおかげでイギリスの夏の音楽の祭典BBC Promsの録音も色々聴くことができました。
クラシック音楽もそれ以外のジャンルでも色んな音楽を楽しめてほくほくでした。ブルックナーの7番とかトゥーランガリラとかDuke EllingtonとかJonny Greenwood、それからCanzioniere Grecanico Salentino南イタリアの民族音楽も楽しかったですし深夜のミックステープコンサートも最高。

世界から色んな音楽が集まるBBC Promsですが主役はやっぱりイギリスの音楽。Last Nightでは恒例の「Jerusalem」や「威風堂々」第1番など第2の国歌みたいな立ち位置の歌の斉唱も毎年しみじみと聴きます。
ただ今回のLast Nightコンサートではその前にもう「イギリス音楽のノスタルジー最高!」と叫びたくなる曲があってそれがこのエルガーの「ため息」でした。

5分弱くらいの小品なのですがまあ美しくて。そもそもイギリス音楽+弦楽+ハープの組み合わせがもう反則級に美しいコンビネーションですから(参照:ヴォーン=ウィリアムズの「富めるラザロ」と5つの異版)。エルガーってもちろん色々有名な曲はありますしPromsでも良く弾かれる曲が数々ありますがそのうまい隙間を狙ってすっと入ってくるこの曲の美しさは「そんな手札もってたんか!」と驚きました。

そもそもこの曲の初演が1914年のBBC PromsのFirst Nightのコンサートだったようで。探すと公式で普通に出てくるのがすごい。他の曲を見てみると当時としてはかなり新しかったと思える曲も色々。現代のPromsもスタンダードなレパートリーだけでなく新しい作品が世に出る場であり、過去の作品の時代考察や現代の作品の時事ディスカッションなんかもトークで味わえたり時代の流れとして色々カバーしてる素晴らしくて楽しい祭りです。どんな演奏や曲に出会えるか、も含めて来年も楽しみ。

録音は正にBBC交響楽団で指揮はSir Andrew Davis(ちなみにメル響でのお仕事は今年までだそうですが来年マーラー8番振ってマーラーサイクルを完成させるために戻ってくるそうです)。
Sir Davisは今年のPromsでいうと同じくエルガーの「The Music Makers」もすごく良かったのでカップリング曲としてあってほんとに良かった。こちらもオススメです。

拍手[1回]

ご無沙汰もご無沙汰で
なんだか長いこと書いてませんでしたね(汗)
仕事がこないとごろごろしていたり仕事が来て働いたり、日本行きのスケジュールをなんとか調整していたり。結構昼は外に出たりもしました。夜もたまに。
ただ仕事がないと落ち着かなくて書くことないし仕事があると頭使って疲労して、となるとブログというものはいつ書くものなのか。

仕事がない間はBBC Promsの録音も聴くことがないのでちょっと焦りました(それぞれ期限があるので)。リアルタイムでは昨夜がlast nightでしたが今絶賛追っかけ中です。
もちろん期限が最優先ですが気分に合わせてイギリス音楽だったりジャズだったり選んでみたり、休憩中のトークも時間があるときは興味深く聞いたり。

今のところ初めましてで面白いと思った曲はエルガーの「Music Makers」ですね。自己引用とか細かいネタも後からゆっくり拾いたいので録音はいつか入手せねば。あと最近も活発に万年筆で手書きしてるので元の詩にもものすごく反応してしまう。Arthur O'ShaunessyのWe are the music makers~って詩、昔から知ってはいますが全体だと長いのでどこを抜粋して書こうか悩むのです。

気温はだんだん上がる方向には動いてるのですが明日出かけるって決まってる日に限って寒かったり、気温は暖かくなってもなんだか変なタイミングで喘息がちょいと起こったり。寒さだけじゃなくて乾燥や空気中の細かいなにかも関わってるのかなー。

最近食べ物の組み合わせにはまっていて・・・という自覚はあんまりないのですがホワイトボードに色んな(主にお酒と甘い物のつまみの)組み合わせを気づいたらメモしてしまっていたり。ちょうど中秋の名月だったのでこないだ買ったStarwardのウィスキーに蓮の実餡のミニ月餅を合わせました。とてもよかったです。小豆あんよりも若干軽さがある蓮の実餡と焼き菓子部分どっちもウィスキーと合いますね。ただカロリーはそれなりにありますし(これをやるために夕飯を少なめにした)月餅は季節の物なので好きな時に食べられないのが残念。他の組み合わせももしかしたらここで報告するかも・・・?

そういえば今年は、というか今シーズンはメルボルン・ヴィクトリーのメンバーシップなるものに加入してみました。といっても観戦はどれだけいけるかわからないし事前に予約する特定のエリアの席に座りたいので一般席とか無しの「サポーターメンバーシップ」のみ。一応ちらほら特典はあります。お試しというか、応援したいなあという気持ちというか。でもショップ10%オフはとりあえず使う予定。ホームユニどの選手のプリントにしようかな。

近いうちにコンサートがあるので次の更新はその感想になりそうです。ものすごーく楽しみなんですがなんかこう、最近もっとがつんと新しい曲に出会うかテンション上がった曲にかぶりつくかしたい欲が強くてそういうコンサートにも行く機会が欲しいです。またはBBC Promsの残り物に福があるかも?


今日の一曲: アストル・ピアソラ 「Escualo」(チェロアンサンブル版)



ほんとチェロって音域の広さもあって何人も集めるとなんでも弾けちゃいそうな万能感がありますよね。自分の中ではバロック時代以前の弦楽作品(タリスのSpem in Aliumなんか分かりやすいですね)とかメンデルスゾーンの弦楽八重奏曲とかシュトラウスのメタモルフォーゼンとかヴォーン=ウィリアムズのタリス幻想曲とかもうかなり無理がある域に来てますがチェロアンサンブルで聞いてみたいです。

この「Escualo」もピアソラ自身がバンドネオン弾いてる原曲の演奏も持ってますがチェロでやるとかっこよさがかなりアップする気がします。艶っぽい要素がちょっと控えめになって硬派なタンゴに、そして曲にもともたるエッジの鋭さがチェロの音色で際立つ感じ。

同じアルバムだと「Libertango」なんかは色んなアレンジがあって多分一番よく耳にするピアソラのタンゴだと思うんですがチェロアンサンブルで弾くとなんかリズムのちょっとした凶暴さが前に出てくる感じが好きです。アルゼンチンタンゴの暗めの曲調はチェロの色んな音と相性が良さそう。

ということで手持ちの録音をリンク。チェロアンサンブルを聴く楽しさももちろんですがチェロという楽器、そしてチェロアンサンブルの無限の可能性(?)に思わず頭を巡らせてしまうかもしれない演奏です。あれもこれも弾いて欲しくなる。そしてとうとう「チェロアンサンブル」で検索かけて片っ端から試聴する羽目に(私です)。


拍手[0回]

NGV International 「Terracotta Warriors & Cai Guo-Qiang」+α感想
雨が降ったり降らなかったり、風が吹いたり吹かなかったり、どの日に出かけても何かしらんの意味でハズレを引くような気がしないでもない中それなりに天気など気にかけて外に出たりしています。

そんななか今週の月曜日は結構天気が良くて外に出るのにちょうど良い日でした。
サッカーも練習始まったみたいだし散歩がてらシティに出てついでに美術館で見たかったものみにいくつもりだったのですが散歩部分にもいい天気でした。あと練習やってました(通り過ぎるだけにしましたが)。

今回見に行ったのはNGV Internationalの特別展「Terracotta Warriors & Cai Guo-Qiang」でした。
秦の始皇帝のお墓から出てきた兵馬俑など出土品の展示をメインに中国出身の芸術家、蔡國強の作品を交えて。今回も入るのには並びましたが中はそこそこゆったり見れました。

ちなみに日本で兵馬俑の展示があったときに大阪に見に行ったのは2、3年前くらいだったかな?
今回は博物館で美術展示、しかも現代作品との共同展示かー・・・うーんとは思ったものの行って見ればそういう趣旨もそれはそれで楽しいものですね。周辺時代のものの展示とかも色々ありましたし、日用品とか祭祀関連のものとか自分のツボに合うものいっぱい。
欲を言えば博物館展示だったらもっと時代背景とかがっつり説明とか読むのも楽しいかなと思ったのですが結構知ってるし知ってる上で英語でじっくり読むかといったら多分読まないので(笑)

兵馬俑自体の数は多くなかったのですが合わせ鏡による展示法で元の雰囲気を作り出したり、あとちゃんと色んな種類(文官とか武官とか跪いているのとか馬とか)が揃っててeducationalな展示でした。それ以外にも副葬品としての動物の像とかもあったり。軍事ものはそんなにはなかったかな。剣とかはありましたが。想像上の生物が描かれたものとかにも小躍りしました。

ちょっと先になるのですが一時帰国の時に九州で三国志展を見に行く予定で、時代はもちろん違うながら(春秋戦国時代から漢までが主だったはず)これはそっちにもつながるんじゃないかな、な展示品もちらほらあって改めて楽しみになりました。

蔡國強の作品では火薬で描いた絵が印象に残ってます。部屋一つ壁一面にぐるっと描かれた花の絵もよかった(贅沢に一人で楽しめたらもっとゆっくり見てたやつ!)ですが黄河北の山々を描いた作品は真・三國無双8で見たそのあたりの景色を思い出してすごい好きになりました。雰囲気が独特の山ってすごいよなあ、と改めて山が少ない国に住んでると思います。

そしてせっかく来たので無料で歩き回れる常設展も、とアジアコレクションをうろうろしてたら伊万里焼の展示やってたのでそれも見てきました。存在感というか形からしてなかなか見ないやつ、みたいなのもあれば一見普通の食器セットだけどよく見ると龍とか鳳凰が描いてあったり。
そしてそのまま歩き続けてたらベネチアングラスの展示もやってたんでそっちも見に行きました。ガラスはやっぱりいい。細工の見事さももちろんですが透き通ってるのを見ているだけで楽しい。

で、そこから出ようとして常設展の19世紀末あたりな感じのセクションとか宗教画一杯のセクションとかをさまようことに。迷いながらだとちゃんと見れないんですよね。各部屋しっかり見て次の部屋にって回りたいので自分がどこにいるか分からないとどうも調子が狂ってしまう。
そのうちまたゆっくり回れるといいなあ。

三国志展の方ですが今東京でやってる分のツイートを検索したりして事前対策メモとってます。
このために一時帰国前乗り(家族と比べて)するくらい奮起してますしなにより着いてほぼすぐ遠征となればすべて事前に手を打っておかないと。さてさてどうなりますか。楽しみです。


今日の一曲: ジョゼフ=ニコラ=パンクラス・ロワイエ クラヴサン曲集第1巻より「Le Vertigo」



引き続きこないだ買ったアルバム続き。前回?(もっと前?)のBBC Promsで聴いて好きになった曲ですが今年ももうすぐpromsの季節ですよー。新しい出会いがあるといいなあ。

ロワイエの作品を好きになったときはこの曲集の最後の「スキタイ人の行進」を今日の一曲で紹介したと思うので今回はこちら「Le Vertigo」を。スローですが音の密度が濃く書かれて、ハープシコード独特のあのざかざかした音を存分に味わえる曲。

同じキーボードとはいえこういう曲を聴くと聴くとやっぱ違う楽器だなあと実感します。この曲の連続和音だったり「スキタイ人の行進」のものすごく速いパッセージは鍵が軽いからできることでピアノでやろうとしたら不可能かテンポを落とすしかなかったり。
あと特にこのLe Vertigoではハープシコードのメカニズムの音(キュッとか)が聞こえるのも結構ツボです。ピアノだとそういう音に相当する音は特殊奏法のときに聞こえるくらいなので。
弾いたらタッチにそういう中の動きも感じられるのかな、一度弾いてみたい。

リンクしたのは入手した録音、つまりBBC Promsで聴いたJean Rondeauの演奏。すごくクリーンでストレートな音がモダンっぽい感性です。もっと音が少なめの作品でもきらっと光る。でもやっぱりでも一番の聴きどころはスキタイ人じゃないかなー。こんなにハープシコードで盛り上がれるのは珍しいですし楽しいです。

拍手[0回]

Matthew Bourne's Swan Lake感想
昨日誕生日でしたー。34歳になりました。
特に何をするということもなく・・・というと嘘になりますね。万年筆は買いましたしちょこちょこ奮発した食事みたいなこともありましたしアブサンも家で飲みましたし。
そしてたまたま近くの映画館でやってたバレエ、マシュー・ボーンの白鳥の湖を見に行きました。

最近日本での公演が近づいてると聞いて友人にあらすじを説明するためにググったら偶然Classic Cinemaで上映するという情報が出てきてしかも誕生日に上映となれば見に行かなきゃということで。行ってきました。ちょうど暖かくて天気の良い日でさらによかったー。

本作は「男性ダンサーが白鳥を演じる変則的な白鳥の湖」として有名ですがストーリー自体も現代版にアレンジされています。しかも時代と共に演出を変えているそうで、今回上映されたのは最新のバージョン。動画サイトにちょこちょこプレビュー動画が上がってるのと比べてみたのですが分かる限りではユーモア部分にさらに磨きがかかっている印象。確かに今回見ててお茶目なところはお茶目、風刺が効いてるとこは鋭く、シリアスな部分はがっつりで色気のある部分はどきっとするような演出のバラエティとコントラストがすごく面白かったと思いました。

自分にとって一番ツボに入ったのは振り付けが(もちろん原作の白鳥の湖のままの)音楽のリズムやテンポなんかをうまいこと使っていること、そして振り付けだけでなく演出やキャラ付けにも音楽や文化背景や第1幕の長すぎがちな長さとかいろんな要素を利用して活用して生かしているところ。ディテールばっかり見てしまう。そして一回じゃ色々把握しきれてない気がする。

振り付けはなんか見てて難しかったです。普通バレエを見てるとある程度ステップに分けて考えられるのですが今回はそれがなかなかできなくて。モダンだからなんですよね、単純に。ただモダンだから表現の幅がとにかく面白い。こんなのもバレエでやっちゃうんだ、とかこれだけやってもやっぱりバレエだな、とかバレエという踊りの一ジャンルの中でできることの多さと広さにわくわくでした。

でも振り付けを振り付けとして細分化して分析できなかった部分も多いので普段のバレエに生かすのは難しいかもなあ(汗)とりあえず腕の動きとそれから頭の向きの大切さは最低限押さえておきたい。あと男性ダンサーの踊り好きなんで動きをもっと見て参考にしたかった。これはこの版のDVDが出たら買いかな。手元に同性愛要素があるバレエ作品ばっかり増えていく・・・

随分テクニカルというかそういう方面の話になりましたが感情方面の表現にも色々思うことたくさんありました。雄々しいは雄々しいなんですけどすごく繊細な表現盛りだくさんですよ。第3幕の人間関係超説交錯な部分でほんと色んな感情が爆発して(白鳥がほぼ出ないシーンながら)一番強烈だったかも。あと衣装が凝ってるのも第3幕。

今回映画館で観たのでプログラムとかが手に入らない点がちょっと残念でしたね。衣装とかの写真も見たかったんだけど・・・特に第3幕(やっぱりDVD入手するかな)。ただ生の舞台よりも登場人物の顔の表情とか指の先とか衣装の細部とか靴のかかと(バレエシューズ・トウシューズじゃない衣装が多かったので)がはっきり見えるのは大変嬉しい。ただ生で観る機会があったらそちらも味わいたいです。

振り付けが難しいとか言いましたがそれでもなんかやっぱり感化されちゃったのか昨日は夜家で踊り回っちゃいました。アブサン飲むからその前に、とかいいながら飲んでからもちょこちょこバレエのステップが入ったり(汗)怪我とかしたくないので飲んだら踊るな、踊るなら飲むなですよ自分。くれぐれも気をつけます。


今日の一曲: ピョートル・チャイコフスキー 「白鳥の湖」より第2幕のパ・ドゥ・ドゥ



本文の方で白鳥ダンサーの方々の話を一つもしなかったのでこちらで。第4幕の白鳥たちはかなり怖かったです。というのも第2幕ではそこまで怖くなかったので若干自分は油断してた節があり(汗)

原作と同じくたくさんの白鳥たち+王子が一緒に踊ることが多い第2幕。原作ではもちろん白鳥はみんな女の子で王子だけ男子、とビジュアル的にも振り付けもはっきり違いがあります。本作品のこの部分では白鳥たちと王子が全く一緒の振り付けで踊る部分も結構あるのですが白鳥の方々がすっかり白鳥になってるので王子だけが「人間」の踊り。どこがどう違うのか説明しにくいのですがスクリーン上でみるとはっきり「おおう人間がいる・・・」となります。

白鳥が男性、とか設定が現代、みたいなシンプルでわかりやすい変化だけでなくてこの作品では人間関係がものすごく複雑化しているのもまた見所で。例えばかなり早くから見て取れる王子とその母である女王の関係性、そして第2幕・第3幕・第4幕と描かれる王子と白鳥(第3幕は黒鳥ですが)の関係性。原作では第2幕のパ・ドゥ・ドゥはすでに一目惚れで恋に落ちてロマンチックな愛の踊りですがこっちではつついたり蹴ったりもありですからね。なかなか懐かなかったりでも一緒に踊ったりで色々と解釈の余地があります。

オケでいうとコンマスとチェロのソロがこのパ・ドゥ・ドゥのハイライト。最高に美しい音楽です。ただコンマスに関してですが第3幕の黒鳥のほうでのソロが途中からだんだん崩れててそのまま映像になっちゃってご愁傷様というかなんというか(汗)生の演奏で踊るとこういうこともあるよね、という例ですね。

リンクしたのはマシュー・ボーンの白鳥の湖のDVD。2012年発売って書いてあるので今回観たのとは演出が違いますが大筋は一緒なはず。今回のも出るかな。とりあえず手帳にメモして待機中です。

拍手[0回]