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音楽をやっていて、いつでもなるべく好きな曲が多い方がいいな~と思うのですが。
ソロで弾いたり、オケで弾いたり、伴奏したり、はたまた聴いたり・・・音楽とふれあう方法はもう色々とあるのですが、そのなかでも私にとって一番確実に関わった音楽を好きになる触れあい方があります。
それは意外と思えるかもしれませんが「譜めくり」です。
自分で自分が弾いてる分には楽譜のページをめくるのはだいっきらいで。
暗譜するのも自然とページめくりが難しい場所や、ページをめくった後のセクションからで。
ラヴェルのとある曲に関してはページめくりが特に難しいところがあって、そのページが見事に根本からちぎれたりで。
そういうところは大体の場合はページのコピーをとって別の場所でめくれるようにしているのですが。
だからといって楽譜がデジタル化しちゃうのもなんか違う気がします。見にくそうですし。
気軽に鉛筆で書き込んだり消したりもそうですし、スクロールできちゃうと暗譜するときに「楽譜のどこにあるか」で頭の中で浮かべることができなくなりますしね。
他の人にページをめくってもらうのもまた別の問題があって。ただ単にちょっぴり人間不信で自分のことは自分でやりたい気質が災いしてちょっとページをめくってもらうのに気後れしてしまいます。
でも他のピアニストの譜めくりをするのは大好きです。
特に伴奏や室内楽、そしてコンチェルトをピアノで伴奏する場合で、ピアニストが座ってるちょっと左斜め後ろにちょこんと座って、ページをめくるときになったらすっと立ってページをめくってあげる。
これで少しお小遣いも稼げる場合もある、ちょっとしたお仕事ですが、曲によってはピアニストにとって大切な人です、譜めくりさんは。
ちなみに譜めくりは本番前に頼まれることもあれば、1,2回リハーサルをするときもあり。
だいたいピアノ弾きがピアノ弾きのためにやることが多いですね。
で、こうやって譜めくりしていると大抵めくった曲は好きになるんです。
私が譜めくりで好きになった曲は例えばラヴェルのピアノ協奏曲(ト長調)、プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番、チャイコフスキーのピアノ三重奏などがあります。
どうして譜めくりで曲が好きになるかというといくつかの理由があります。
1つは聴いただけじゃやっぱり脳に入ってくる情報の量に限りがあります。音は時間と共に去っていくので、譜めくりをする時に楽譜を見ながら音を聞くのを同時に一生懸命やっているとそれだけでずいぶんと(リハーサルが一回、または本番ぶっつけでも)その曲を深く知り、感じることができるのです。
2つめはピアニストの傍にいるので臨場感がハンパなくあるので結構感情移入しやすいのと、逆に実際にひいてはいないので客観的に、というか統括的に音楽と楽譜を見ることができるので、かなりいいとこ取りなようなポジションでもあります。
譜めくりといってもただ楽譜をめくる、という仕事ではありません。
やっぱり弾き手が不便を感じないように存在する人なので、そのためのテクニックも多少必要で。
どこに座るか、いつ立つか、いつめくるか、どこを持ってめくるか・・・
弾き手の好みもありますので、それも教わったり学んだりしなければなりません。
あと今年ちょっと土壇場でちょこっとめくる機会があったんですが、手が乾いてるとかなりしんどいです(当たり前!)
あとはもう集中力ありけりです。とっても大切です。特に現代音楽(特に作曲家の新作の初演など事前に録音が聴けないもの!)では本当に真面目にちゃんと楽譜をフォローしてないと弾き手もものすごく大変ですからね!
私が譜めくりしたので一番大変だったのはラヴェルのピアノ協奏曲ト長調の最終楽章でしょうか。
なんてったって速い!ほとんど立ちっぱなし!そしてだからこそ絶対めくるのはとちれない!
あとなにかと同じパッセージが続いたりするのでちゃんと一小節ごとに目を皿のようにして見ていないと迷子になります。
万が一ミスしても奏者もめくれませんからね!まあお互い怖いです。
音楽を知るにはものすごく有効で、そして曲を好きになるにも経験から譜めくりはとっても有効な方法であると思います。
目立たない仕事、いえ仕事というにもまたちょっと微妙なところなんですが(笑)
なかなか面白い、音楽家とのしてのポジションとしてオススメさせてもらいます♪
今日の一曲: モーリス・ラヴェル ピアノ協奏曲ト長調 第3楽章
先ほど私にとって譜めくり最難関だった、といった曲です。
この頃(20世紀初頭~)はフランスではあんまりコンチェルトって書かれなかったんですよね。
同時代のドビュッシーは協奏曲と名の付く協奏曲を書いてませんし・・・フランス音楽はそういった演奏形態から脱出している、そういう時代なのですが。
そのなかでこの曲は正統派の超名曲です。
ラヴェルは「左手のためのピアノ協奏曲」も書いてますが今日は話に縁のあり、さらにより聞きやすくポピュラーなこちらをチョイスです。
この楽章に最もぴったりなフレーズはMoto perpetuoでしょう。ダントツで。
意味は「無窮動」または「常動曲」。ノンストップの弾丸の速さでまるで走馬燈のようにあっという間に駆け抜けていく最終楽章です。
オケのパートもソロが多く、まるで車で通りすぎていく景色のように入っては去り、入っては去り、そしてだんだんいつの間にかピアノと一緒に駆け、だんだんと一緒に駆ける人数が増えていってみんなでフィニッシュを迎えます。
そんななか一つエピソードを。
コンチェルトはオケと弾く機会があるときはピアノで伴奏するんですが、コンサートクラスなどだとピアノ伴奏でも演奏させてくれます。
(そして譜めくりはその伴奏のパートをする、ということで。)
伴奏のパートはもちろんピアノながらオケの全ての楽器を網羅するのですが、そこはラヴェルなのでオーケストラの充実をピアノに凝縮するのは難しいです。
特にこのコンチェルトのなかで効果的に使われる「鞭」の音。打楽器全般そうですが、いわゆるオケのスパイスなのでこのアクセントがないと物足りない、ということで。
ソリストであった私の友達はちょうどそこに一拍休みがあるソリストのピアニストが手を鞭の音に似せて一発叩く、という方法でこれを解決!
傍で見てると(そして聴衆側からも)なかなかコミカルですが、でも「ここはこれがなきゃ!」という友達のこだわりからうまれたこの一発、なかなかおすすめですよ(笑)
とりあえずこの曲は本当に聴いていて楽しいです(弾くと楽しい余裕もありません!)。
聞いてうずうずするエキサイティングな感覚を是非経験してください♪
他の楽章もかなりおすすめなのでまたそれは今度!
ソロで弾いたり、オケで弾いたり、伴奏したり、はたまた聴いたり・・・音楽とふれあう方法はもう色々とあるのですが、そのなかでも私にとって一番確実に関わった音楽を好きになる触れあい方があります。
それは意外と思えるかもしれませんが「譜めくり」です。
自分で自分が弾いてる分には楽譜のページをめくるのはだいっきらいで。
暗譜するのも自然とページめくりが難しい場所や、ページをめくった後のセクションからで。
ラヴェルのとある曲に関してはページめくりが特に難しいところがあって、そのページが見事に根本からちぎれたりで。
そういうところは大体の場合はページのコピーをとって別の場所でめくれるようにしているのですが。
だからといって楽譜がデジタル化しちゃうのもなんか違う気がします。見にくそうですし。
気軽に鉛筆で書き込んだり消したりもそうですし、スクロールできちゃうと暗譜するときに「楽譜のどこにあるか」で頭の中で浮かべることができなくなりますしね。
他の人にページをめくってもらうのもまた別の問題があって。ただ単にちょっぴり人間不信で自分のことは自分でやりたい気質が災いしてちょっとページをめくってもらうのに気後れしてしまいます。
でも他のピアニストの譜めくりをするのは大好きです。
特に伴奏や室内楽、そしてコンチェルトをピアノで伴奏する場合で、ピアニストが座ってるちょっと左斜め後ろにちょこんと座って、ページをめくるときになったらすっと立ってページをめくってあげる。
これで少しお小遣いも稼げる場合もある、ちょっとしたお仕事ですが、曲によってはピアニストにとって大切な人です、譜めくりさんは。
ちなみに譜めくりは本番前に頼まれることもあれば、1,2回リハーサルをするときもあり。
だいたいピアノ弾きがピアノ弾きのためにやることが多いですね。
で、こうやって譜めくりしていると大抵めくった曲は好きになるんです。
私が譜めくりで好きになった曲は例えばラヴェルのピアノ協奏曲(ト長調)、プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番、チャイコフスキーのピアノ三重奏などがあります。
どうして譜めくりで曲が好きになるかというといくつかの理由があります。
1つは聴いただけじゃやっぱり脳に入ってくる情報の量に限りがあります。音は時間と共に去っていくので、譜めくりをする時に楽譜を見ながら音を聞くのを同時に一生懸命やっているとそれだけでずいぶんと(リハーサルが一回、または本番ぶっつけでも)その曲を深く知り、感じることができるのです。
2つめはピアニストの傍にいるので臨場感がハンパなくあるので結構感情移入しやすいのと、逆に実際にひいてはいないので客観的に、というか統括的に音楽と楽譜を見ることができるので、かなりいいとこ取りなようなポジションでもあります。
譜めくりといってもただ楽譜をめくる、という仕事ではありません。
やっぱり弾き手が不便を感じないように存在する人なので、そのためのテクニックも多少必要で。
どこに座るか、いつ立つか、いつめくるか、どこを持ってめくるか・・・
弾き手の好みもありますので、それも教わったり学んだりしなければなりません。
あと今年ちょっと土壇場でちょこっとめくる機会があったんですが、手が乾いてるとかなりしんどいです(当たり前!)
あとはもう集中力ありけりです。とっても大切です。特に現代音楽(特に作曲家の新作の初演など事前に録音が聴けないもの!)では本当に真面目にちゃんと楽譜をフォローしてないと弾き手もものすごく大変ですからね!
私が譜めくりしたので一番大変だったのはラヴェルのピアノ協奏曲ト長調の最終楽章でしょうか。
なんてったって速い!ほとんど立ちっぱなし!そしてだからこそ絶対めくるのはとちれない!
あとなにかと同じパッセージが続いたりするのでちゃんと一小節ごとに目を皿のようにして見ていないと迷子になります。
万が一ミスしても奏者もめくれませんからね!まあお互い怖いです。
音楽を知るにはものすごく有効で、そして曲を好きになるにも経験から譜めくりはとっても有効な方法であると思います。
目立たない仕事、いえ仕事というにもまたちょっと微妙なところなんですが(笑)
なかなか面白い、音楽家とのしてのポジションとしてオススメさせてもらいます♪
今日の一曲: モーリス・ラヴェル ピアノ協奏曲ト長調 第3楽章
先ほど私にとって譜めくり最難関だった、といった曲です。
この頃(20世紀初頭~)はフランスではあんまりコンチェルトって書かれなかったんですよね。
同時代のドビュッシーは協奏曲と名の付く協奏曲を書いてませんし・・・フランス音楽はそういった演奏形態から脱出している、そういう時代なのですが。
そのなかでこの曲は正統派の超名曲です。
ラヴェルは「左手のためのピアノ協奏曲」も書いてますが今日は話に縁のあり、さらにより聞きやすくポピュラーなこちらをチョイスです。
この楽章に最もぴったりなフレーズはMoto perpetuoでしょう。ダントツで。
意味は「無窮動」または「常動曲」。ノンストップの弾丸の速さでまるで走馬燈のようにあっという間に駆け抜けていく最終楽章です。
オケのパートもソロが多く、まるで車で通りすぎていく景色のように入っては去り、入っては去り、そしてだんだんいつの間にかピアノと一緒に駆け、だんだんと一緒に駆ける人数が増えていってみんなでフィニッシュを迎えます。
そんななか一つエピソードを。
コンチェルトはオケと弾く機会があるときはピアノで伴奏するんですが、コンサートクラスなどだとピアノ伴奏でも演奏させてくれます。
(そして譜めくりはその伴奏のパートをする、ということで。)
伴奏のパートはもちろんピアノながらオケの全ての楽器を網羅するのですが、そこはラヴェルなのでオーケストラの充実をピアノに凝縮するのは難しいです。
特にこのコンチェルトのなかで効果的に使われる「鞭」の音。打楽器全般そうですが、いわゆるオケのスパイスなのでこのアクセントがないと物足りない、ということで。
ソリストであった私の友達はちょうどそこに一拍休みがあるソリストのピアニストが手を鞭の音に似せて一発叩く、という方法でこれを解決!
傍で見てると(そして聴衆側からも)なかなかコミカルですが、でも「ここはこれがなきゃ!」という友達のこだわりからうまれたこの一発、なかなかおすすめですよ(笑)
とりあえずこの曲は本当に聴いていて楽しいです(弾くと楽しい余裕もありません!)。
聞いてうずうずするエキサイティングな感覚を是非経験してください♪
他の楽章もかなりおすすめなのでまたそれは今度!
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