忍者ブログ
~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

知ってるけど知らない作曲家
明日両親がこっちに来たり(なので家を掃除したり)無双ブラストやったり無双エンパやったり、堪え忍ぶ冬をなんとか乗り切っています。
それにしても寒い。本当に両親この時期にこっちに来るのか。(マレーシアは常夏だから逆にいいとは言ってますが)

以前ここで紹介した欲しいCD6枚とかクラム・ビオラ最強のを購入後、クラウドファンディング企画特典のミックステープが来たりなんだりはしたもののCDを新しく買うのはちょっと考えないようにしてました。(ゲームも買いましたしね)
あ、でもこないだオンラインで楽譜頼みました。ラフマニノフのピアノソナタ第1番(弾く用)、ワーグナー(リスト編曲)のトリスタンとイゾルデの愛の死ピアノ版(いつか弾く用)、クラムのApparition(見る&密かに歌う用)、それからなぜか安くなってたクラムのProfile of a Composerの本。これはこれで楽しみ。

ただCDをそのうち買うに当たってここはカバーしておきたいなあ、と思う作曲家が何人か頭の後ろの方で常に待機しているのです。コンサートとかで(目当ての曲としてでなく)聴いたりラジオで聴いたりでこの作曲家好きだな、とものすごく思うのになぜかその後フォローアップを怠ってる作曲家。今日はそんな作曲家5人をちょろっと紹介。というか自分に言い聞かせるのがメイン。

(1)アルバン・ベルク
20世紀初頭に活躍したオーストリアの作曲家。伝統的な西洋音楽の調から脱却した十二音技法で有名な「新ウィーン楽派」の一人です。そもそも新ウィーン楽派(シェーンベルクとかヴェーベルンとか)全般好きなのに全然詳しくない不勉強な私ですが、中でもベルクに一番親和性があるような気がします。iTunesライブラリをシャッフルで聴いて「この曲知らないけどいいな」と思うと高確率でベルク。しかも出会いも中学生の時にメル響が彼のバイオリン協奏曲を弾いて、とかなり前からで。なのにあんまり知らない作曲家。
新ウィーン楽派の他の2人よりもなぜベルクに惹かれるか、というのは説明しにくいのですが無調の度合いと曲線の感じが自分に馴染みやすいのかなー。ただピアノ曲をほとんど書いてない人なので分析するのは至難の業になりそう。
もっとフォローアップしたいベルクの曲は手持ちのバイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」、オペラ「ルル」組曲、オペラ「ヴォツェック」組曲。他にも歌曲や数少ない小規模器楽曲もお知り合いになりたい。

(2)アルフレット・シュニトケ
民族的にはユダヤ系、ロシア育ちでショスタコーヴィチの影響を受けていてかなり暗い音楽を書く、さらに神秘主義のフレーバーが強い、となれば自分にとってはどストライク。実際彼の音楽を聴いて好きじゃなかったことなんて一回もなかったのですがどうしてフォローアップしてない。
理由は初聴きでの重さと難しさ、それから多作なのでどこから手をつけていいかわかりにくいところかな。あと期待値ちょっと高めなのもためらいの一因かな。
シュニトケは以前も紹介したとおりクロノスが弾いてる「Collected Songs Where Every Verse Is Filled With Grief」がわかりやすく好きで、他に手持ちだと連弾ピアノ協奏曲を比較的良く弾きます。他の協奏曲ももっと知りたいですし、室内楽・ピアノ曲・合唱曲・オケ曲も気になります。ほんとどこから始めよう(汗)

(3)クシシュトフ・ペンデレツキ
ペンデレツキはちょこちょこ縁がある作曲家なのですがとにかく演奏頻度が低いのでコンサートで出会う機会も少なく。曲の難解さは上の2人以上(個人的な印象ですが)なので聞きこまないと親しみを感じるのは難しい。ただ映画音楽のイメージもあり(他のメディアにも転用されてることもあり)実際は思うほど取っつきづらくはないはず。
で、自分が聴いた数少ないペンデレツキの作品を思うともっと弦楽器の作品を聴きたいと思います。多分そこから攻めるのが一番やりやすい。以前聴いた弦楽四重奏曲第2番、こないだ聴いた「ポリモルフィア」もフォローアップしたいですが、楽曲一覧見ると協奏曲あたりも面白そうですし「カディッシュ」も気になる。宗教楽曲は大いに興味が湧きます。

(4)ラリー・シツキー
オーストラリアから一人。他の4人と同じく難解で暗い音楽に特に魅力を感じる作曲家です。(作曲家自身は至ってユーモアに溢れた人ですが)この国の作曲家とあって演奏される頻度はそこそこあるのですが、主に最近の作品・小規模作品に触れることが多いです。
彼の音楽を好きになったきっかけはピアノ作品「Dimensions of Night」や三重奏曲「Blood from the Moon」なのですが、この2曲も他の曲にもちらほら自分が好きな題材のものがあるんですよ。アッシャー家とかホイットマンとか。気になる気になる。
オーストラリアの作曲家の音楽は色々聴きに行ってますが(コンサートも多いしすごい作曲家が多いのでフォローアップが追いつかない)、いくらか絞ってもっとフォローアップするならシツキーは断然入ります。曲の性質やクオリティの高さもそうですがとにかく噛めば噛むほど味が出る。
それからリアルタイムで新曲を聴くことが多いオーストラリアの作曲家の作品は録音が入手不可能で聞きこもうにも聴き込めないのが悩み。Blood from the Moon、録音出ないかなー・・・

(5)ヴィトルト・ルトスワフスキ
私がなぜルトスワフスキの作品を聴き込まないか、と問う以前になぜルトスワフスキの作品の演奏頻度がこれまでにも低いのか、という疑問を常に抱いています。有名な曲(管弦楽のための協奏曲とか)は有名ですし、色んなジャンルで曲を書いてるのでどっかの楽器の人とかの主なレパートリーに入ってるんじゃないかなと思われるのですが。
確かにちょっと理詰めな感じがあって取っつきづらいところはあるかもしれませんが、ものすごく不協和音的でもものすごく難解でもない、ちょっとバルトークに似ているけどユニークな作風だと思うのですが。私にとってポーランド四大作曲家はルトスワフスキとシマノフスキとグレツキとペンデレツキですよ。
それでも自分のルトスワフスキの不勉強は単純に自分が不勉強だからで。管弦楽のための協奏曲も大好きですし、ピアノ協奏曲も大好き(メシアンに通じるところがあってちょっと弾きたいかも)。他にも好きな曲いくつかあります。でもまだまだ少ない。聴き広げるならまずはピアノ曲(知り合いが録音してたはず)、それから室内楽・オケかな。ピアノ+1人の室内楽曲が多いのでどっかにCDでまとまってるといいんだけど。

ちょろっととは言いましたが文字の量としてはかなり書いてしまった(汗)
奇しくもどれも難しめで暗めの作風の作曲家が揃ってしまいましたが全て自分が心から好きな(はずの)作曲家です。ちょっと難解な音楽を聴くのにチャレンジしてみるならここから、とかも良さそうかな?自分のために書いたエントリーではありますがおすすめです。


今日の一曲: ヴィトルト・ルトスワフスキ 管弦楽のための協奏曲 第2楽章



今回言及した曲のなかで一番容易におすすめ出来るのがこのルトスワフスキの管弦楽のための協奏曲。そこそこ聴きやすいってのもありますが、バルトークの有名な「管弦楽のための協奏曲」と一緒に聴いたり比べたりもできるので入り口があるわけです。

で、この第2楽章は以前このブログで紹介してないけど言及してるんです。1回は第1楽章を紹介したときこの第2楽章がほんとはお気に入りと書いてて、あと1回は虫にまつわる曲の特集で。題材と明記されてないけどこの曲絶対蛾だよねと書きました。今もその思いは変わりません。絶対蛾。聴いたら分かります。

第2楽章は「Capriccio notturno ed Arioso」=夜の奇想曲とアリオーゾ。
2部構成の最初の部分は軽やかで素早く気まぐれに飛び回る蛾(まだ言うか)のようなスケルツォ。すっごく速いです。フルートのタンギングの速さがスーパーすごい。それを物ともせず優雅に舞うバイオリンのメロディーとチェレスタの動くライン。(そう、チェレスタが地味ながら素敵な仕事してるのもこの楽章の魅力なんです)
この空気のような軽さと繊細さ、大きなオケながら一糸乱れぬアンサンブル、それからルトスワフスキの木管楽器使いがたまらないスケルツォです。

打って変わってアリオーゾの部分は強く堅くresoluteな性質。急に直線と角で出来てる音楽になるのは見事なもの。ソヴィエト系統だなというのも感じられるのですが、意外とチェコ系(スメタナとかフサとか)の楽曲で出てくるコラールのようなところもある、力強い歌。
そこからエンディングにどうもっていくかってのもうまいことなってて好き。

さっき言及したのでバルトークとルトスワフスキの「管弦楽のための協奏曲」が一緒に楽しめる録音をリンクしました。ちょっと試聴したらバルトークもルトスワフスキも勢いがあって楽しく聴けそうな録音でした。フレンドリーな音楽とはちょっと違いますが楽しく聴いて欲しい2曲です。


拍手[1回]

PR
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Comment:
Pass:
トラックバック
この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック