×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
前回のエントリーに拍手ありがとうございます~&ちょっと更新間があいています。
ただいま両親がマレーシアから来てるのでだらだらするやらどっか行くやら食べるやらやってて書くことがあるようで実はない日々が続いてます。
ただ今日は両親を初めてMelbourne Recital CentreのSalonでのコンサートに連れてったのでコンサートの感想を普段通り。
Benaud Trioは大学時代の知り合いがもう何年もやってるピアノトリオ(ピアノ・バイオリン・チェロ)で、アデレードとメルボルンを中心に活動してます。Benaudというのはオーストラリアのクリケット選手(今年亡くなったはず)にちなんで名付けられていて、それで分かるように3人ともクリケットが大好き。オーストラリアのらしい一側面を表してるようなところがあるトリオ。奏者同士の相性がいいのか(バイオリン奏者とチェロ奏者は兄弟ですし)チームワークは初期からぴったりで、今回久しぶり聴いたらすっかりトリオとして確立された音になっていました。
プログラムは以下の通り。
Benaud Trio 「Miracles」
ピアノ:Amir Farid、バイオリン:Lachlan Bramble、チェロ:Ewen Bramble
朗読:Roland Rocchiccioli
リヒャルト・デーメル 「浄められた夜」(朗読)
アルノルト・シェーンベルク 「浄められた夜」(ピアノ三重奏編曲:エドゥアルト・シュトイアーマン)
ヘンリー・ヴァン・ダイク 「Stars and the Soul」(朗読)
ペトリス・ヴァスクス 「Plainscapes」
アルフレッド・ブライアン 「私は息子を兵士に育てなかった」(朗読)
マシュー・ハインドソン 「1915」
今年は豪&NZが第一次世界大戦でのガリポリ作戦から100周年ということでMelbourne Recital Centreでは(これまでのコンサートいくつかもそうでしたが)そのテーマにちなんだ曲が演奏されています。それがHindsonの「1915」なのですが、実は最初の朗読のデーメルもまた第一次世界大戦に参戦してたり、そこも繋がってます。
両親がツボったのはシェーンベルクくらいですが私はVasksがどストライクでした。
シェーンベルクもよかったですよー。ロマン派の終わりに輝く星のような曲。詩のテーマも延々考えてられるものなのですが曲は曲で素晴らしい。元々は弦楽六重奏版なのでピアノに移すとどうなるかちょっと懐疑的だったのですがしっかりピアノパートしてました。ピアノ三重奏でも難の遜色もなく機能する(ただ弾く方はちょっとトリッキーなのかなー)。
シェーンベルクのすごさが言葉で表せない魂の何かを表す音楽の素晴らしさであるならばVasksの素晴らしさはその風景画家のような音楽描写に尽きると思います。彼はラトヴィアの(存命の)作曲家なのですが、ペルト(お隣のエストニア出身)と似た冷たさとミニマル・ミュージック的表現に、民族音楽的なメロディー、それからメシアンやクラムにも通じる線のはっきりして複雑な描き上げ感で今のメルボルンよりも寒い大地が身近に感じられます。最後の方に即興的になる部分は鳥の声だと思うんだけどなー。
そしてHindson。彼が「哀歌」的な音楽を書くのを初めて聴きました。私が知ってるHindsonはアップテンポで都会的な曲が多いので。でも今回の「1915」もHindsonの作品群に例外なく現在の音楽だという印象を受けました。曲のテーマは2015年の若者を対照にした1915年の若者だったのですがそれでもやっぱり音楽の中心は現代から振り返る感じで。
今回のコンサートは詩+曲が対になる構成・・・でいいのかな。少なくとも内容が聞き取れた1曲目と3曲目はその前に朗読された詩と強いつながりがあります。こういう構成も面白い。
そして今回朗読した方はオーストラリア訛りがきついというわけではないながらもものすごくオーストラリアな感じで朗読していました(名字はイタリアっぽいけど)。この声で「浄められた夜」聴いても元がドイツ語だとは想像付かないなーみたいな。それも悪くないというか、特にこのトリオだと良い方向に働いたように思われました。
Benaud Trioの演奏を聴くのはものすごく久しぶりでしたがAmirの演奏の良さは相変わらずで。技巧とか音楽性とかの素晴らしさはもちろんなんですが全てが自然で素直で人間的な演奏になる特別さがあって。あとEwenは大学で一年先輩だったのですがあの頃よりも音が凄く変わっててびっくりしました。力強さはそのままに、繊細で線の細い表現がぐーんと伸びてて。今日聴きながら「自分はこういう音のチェリストになりたかったのかもしれない」と思いました。
やっぱり新しい曲に出会うのはいいですね。Vasksはもっと聴き広げてみたいですし、シェーンベルクの「浄められた夜」周りでロマン派の最後の息吹をもっと探ってみたくなりましたし。
そしてSalonのあの独特な雰囲気で両親にコンサートを味わってもらえてよかったです。
さらにコンサート後はサウスバンクのアイリッシュパブで牡蠣(キルパトリック!)やアイリッシュシチューをいただきました。どっちも大好物です。
さて、次の更新がいつになるかわかりませんが観光の両親に釣られてちょっと写真を撮っているのでそれも近いうち上げたいですね。
今日の一曲はお休みです。
ただいま両親がマレーシアから来てるのでだらだらするやらどっか行くやら食べるやらやってて書くことがあるようで実はない日々が続いてます。
ただ今日は両親を初めてMelbourne Recital CentreのSalonでのコンサートに連れてったのでコンサートの感想を普段通り。
Benaud Trioは大学時代の知り合いがもう何年もやってるピアノトリオ(ピアノ・バイオリン・チェロ)で、アデレードとメルボルンを中心に活動してます。Benaudというのはオーストラリアのクリケット選手(今年亡くなったはず)にちなんで名付けられていて、それで分かるように3人ともクリケットが大好き。オーストラリアのらしい一側面を表してるようなところがあるトリオ。奏者同士の相性がいいのか(バイオリン奏者とチェロ奏者は兄弟ですし)チームワークは初期からぴったりで、今回久しぶり聴いたらすっかりトリオとして確立された音になっていました。
プログラムは以下の通り。
Benaud Trio 「Miracles」
ピアノ:Amir Farid、バイオリン:Lachlan Bramble、チェロ:Ewen Bramble
朗読:Roland Rocchiccioli
リヒャルト・デーメル 「浄められた夜」(朗読)
アルノルト・シェーンベルク 「浄められた夜」(ピアノ三重奏編曲:エドゥアルト・シュトイアーマン)
ヘンリー・ヴァン・ダイク 「Stars and the Soul」(朗読)
ペトリス・ヴァスクス 「Plainscapes」
アルフレッド・ブライアン 「私は息子を兵士に育てなかった」(朗読)
マシュー・ハインドソン 「1915」
今年は豪&NZが第一次世界大戦でのガリポリ作戦から100周年ということでMelbourne Recital Centreでは(これまでのコンサートいくつかもそうでしたが)そのテーマにちなんだ曲が演奏されています。それがHindsonの「1915」なのですが、実は最初の朗読のデーメルもまた第一次世界大戦に参戦してたり、そこも繋がってます。
両親がツボったのはシェーンベルクくらいですが私はVasksがどストライクでした。
シェーンベルクもよかったですよー。ロマン派の終わりに輝く星のような曲。詩のテーマも延々考えてられるものなのですが曲は曲で素晴らしい。元々は弦楽六重奏版なのでピアノに移すとどうなるかちょっと懐疑的だったのですがしっかりピアノパートしてました。ピアノ三重奏でも難の遜色もなく機能する(ただ弾く方はちょっとトリッキーなのかなー)。
シェーンベルクのすごさが言葉で表せない魂の何かを表す音楽の素晴らしさであるならばVasksの素晴らしさはその風景画家のような音楽描写に尽きると思います。彼はラトヴィアの(存命の)作曲家なのですが、ペルト(お隣のエストニア出身)と似た冷たさとミニマル・ミュージック的表現に、民族音楽的なメロディー、それからメシアンやクラムにも通じる線のはっきりして複雑な描き上げ感で今のメルボルンよりも寒い大地が身近に感じられます。最後の方に即興的になる部分は鳥の声だと思うんだけどなー。
そしてHindson。彼が「哀歌」的な音楽を書くのを初めて聴きました。私が知ってるHindsonはアップテンポで都会的な曲が多いので。でも今回の「1915」もHindsonの作品群に例外なく現在の音楽だという印象を受けました。曲のテーマは2015年の若者を対照にした1915年の若者だったのですがそれでもやっぱり音楽の中心は現代から振り返る感じで。
今回のコンサートは詩+曲が対になる構成・・・でいいのかな。少なくとも内容が聞き取れた1曲目と3曲目はその前に朗読された詩と強いつながりがあります。こういう構成も面白い。
そして今回朗読した方はオーストラリア訛りがきついというわけではないながらもものすごくオーストラリアな感じで朗読していました(名字はイタリアっぽいけど)。この声で「浄められた夜」聴いても元がドイツ語だとは想像付かないなーみたいな。それも悪くないというか、特にこのトリオだと良い方向に働いたように思われました。
Benaud Trioの演奏を聴くのはものすごく久しぶりでしたがAmirの演奏の良さは相変わらずで。技巧とか音楽性とかの素晴らしさはもちろんなんですが全てが自然で素直で人間的な演奏になる特別さがあって。あとEwenは大学で一年先輩だったのですがあの頃よりも音が凄く変わっててびっくりしました。力強さはそのままに、繊細で線の細い表現がぐーんと伸びてて。今日聴きながら「自分はこういう音のチェリストになりたかったのかもしれない」と思いました。
やっぱり新しい曲に出会うのはいいですね。Vasksはもっと聴き広げてみたいですし、シェーンベルクの「浄められた夜」周りでロマン派の最後の息吹をもっと探ってみたくなりましたし。
そしてSalonのあの独特な雰囲気で両親にコンサートを味わってもらえてよかったです。
さらにコンサート後はサウスバンクのアイリッシュパブで牡蠣(キルパトリック!)やアイリッシュシチューをいただきました。どっちも大好物です。
さて、次の更新がいつになるかわかりませんが観光の両親に釣られてちょっと写真を撮っているのでそれも近いうち上げたいですね。
今日の一曲はお休みです。
PR