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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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メル響来年シーズン来た!
小旅行から帰ってきてから仕事がなんだか忙しい!
ありがたいことですし、抱えきれないような量ではないのですが仕事もやってピアノもできるときにやって家事もやってとなるととお手玉してると気をつけないと休むのを忘れてしまいそうな気にもなったりします。

そんな中外の世界は色々忙しい。音楽に関しては今ちょうど来年のシーズンプログラムがそこここから発表される時期。なんか去年はしゃいでからあっという間にも感じます。
もう来年の事考えはじめちゃう時期なのかー・・・

今回のエントリーのメインは毎年恒例のメル響来年のシーズン先取りしてはしゃいじゃおうという内容なのですが、その前に州外から来年のお知らせが入ってきまして。
なんと来年の3月シドニーでピエール=ローラン・エマールがメシアンの20のまなざしを全曲弾くとか!でも3月は忙しいんだ!なんとかならないかできないかと転げ回ってます。

さて、来年のメル響のシーズンパンフレットがオンラインで見れるようになりましたが(印刷版は届くのかな)、時系列のコンサートリストがなくてちょっと不便。なので去年までと違って適当に作ったカテゴリ毎に紹介していこうと思います。

<メインシーズン前の諸々>
今年もTan Dunが旧正月(2月14日)に来る!しかもLi-Weiがチェロ弾く!曲は中国の少数民族の暮らしと音楽を使った音楽らしく、元々映像もある作品なので生で聴きたい。
そして毎年恒例のSidney Myer Ballでの無料野音コンサート、我が先輩であり友人Stefan Cassomenosがガーシュインのピアノ協奏曲を弾いたり、別のコンサートではGrigoryan Brothersの演奏ありのスペイン・ラテンアメリカプログラムだったり。Stefanのコンサートではドヴォルザークの7番も演奏されるらしいのでこれは行かないと。

<MSO Pops周り>
数週間前からお知らせがあったヒッチコック映画のコンサートだったり、ゴッドファーザーのコンサートだったりかなり渋いラインアップ。それに加えてCirque de la Symphonieというサーカスパフォーマーとメル響の共演。これがちょっと見てみたい聴いてみたい。

<マーラーサイクル続き>
マーラーサイクル、来年は大好きな第5番(3月)と第6番(7月)のターン。
ちなみに5番のときは上記エマールがラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲を弾くそうです。・・・やっぱりメシアンがよかった(ラヴェルの作品の中で珍しくあんまり好きじゃない曲なんですよう)

<Metropolisシリーズ(5月)>
今年のテーマは「City」。20世紀以降の作曲家が時代と共に変わりゆく「街」、「都市」を描いた作品が連なるコンサート。そしてここにメシアン来た-!「天の都市の色彩」初めて!しかもソリストにMichael Kieran Harvey!大分長いこと会ってないけど元気でやってるかな。

<Hamer Hall以外でのコンサート>
メルボルン・タウンホールでのコンサートシリーズではフォーレのレクイエムを高校の先輩Jacqui Porterが歌ったり、あと惑星がまたタウンホールにやってくる様子。
Melbourne Recital Centreではショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲第3番の弦楽オケ版が演奏されるというので興味津々。8番の編曲は有名だけど3番を弦楽スケールにするとどうなるんだろう。

<その他通常コンサート>
パンフレットで真っ先に目に入ってきたのがリヒャルト・シュトラウスの「アルプス交響曲」。長らく好きだった曲ですが(シュトラウスの曲で最初に好きになった)、なかなか生で聴く機会がないので逃せない。3月だけどなんとか行きたい。
他に気になるのは定番のメンデルスゾーンにウォルトン、シュトラウス、コルンゴルトなど変わり種が揃ったシェイクスピア題材コンサート、以前「我が祖国」を指揮した指揮者が再来豪して振るスクの交響曲第2番「アスラエル」(これもチェコの作品でかなりレアなプログラム)だったり。
禿げ山・ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番・ロミジュリのオールロシアプログラムもあるし、なぜかシマノフスキとシューマンとレスピーギが揃う謎の面白そうなコンサートもあり、あとSimone Youngが振るならパルジファルとかブルックナー9番も聴いてみたいかも。
あとRichard Tognetti(バイオリン)がソリストをつとめるコンサート、ブリテンの4つの海や揚げひばりやルトスワフスキやラフマニノフの交響的舞曲と私の好きなものが詰まっててにやにや。これもほぼ確定ですな。

他にはベートーヴェンのピアノ協奏曲と新ウィーン楽派の作品を組み合わせるシリーズや、1つのコンサートでバッハの管弦楽組曲4つ演奏するコンサートなどもあります。
なんだか「うおおこんな曲もあるのか」的な渋い曲マイナーな曲が結構入ってきてるのが来年は特徴的。一歩踏み出す勇気で色んな曲に出会いたいです。
ところで女性作曲家の作品が一つも取り上げられてないなんて指摘もあって確かにそこはちょっと残念なのですが、来年も若い作曲家支援のプログラムは予定されてるのでそこでフィーチャーされることを願ってます。

来年といえばWhite Night Melbourneの日にちも入ってきましたね。2016年2月20日の午後7時から。気は早いですが今から天気が良くて程よく暑くなることを願ってます。


今日の一曲: イーゴリ・ストラヴィンスキー 八重奏曲 第2楽章



こないだ買ったCDから紹介。
ストラヴィンスキーといえば三大バレエ(火の鳥、ペトルーシュカ、春の祭典)が有名ですが、もちろんそれだけの作曲家じゃありません。
作品数もかなり多く、ジャンルも幅広く、なんといっても作風が多岐にわたってるのがすごい。バレエ作品みたいなロマン派からのつながりの20世紀初頭なオケ作品もあり、新古典主義の作品もあり、セリーや十二音技法を使ったものもあり、ちょっと聴きミニマルミュージックに通じるようなものもあり、ロシア風かと思えばフランス風のテイストも強く。どんなスタイルで書いてもすごい作曲家。
そういうところ同時代で親交のあったピカソにものすごーく似てると思うんですよね。

ただ器楽作品に共通して言えるのはストラヴィンスキーって木管すごい強い!ということ。
春の祭典の冒頭のファゴットソロを筆頭にどこを見ても木管楽器が活躍していて、木管楽器の役割の幅もきっとストラヴィンスキーによってぐっと広がってるはず。
特にファゴットに関しては三大バレエの全部にソロがあったり(コントラファゴットがペトルーシュカで出てきたり)、この楽器を最大限輝かせる作曲家といえばストラヴィンスキーなんだろうな。

この八重奏曲もそんなストラヴィンスキーの得意が詰まった曲。楽器編成はフルート、クラリネット(持ち替えあり)、ファゴット2人、トランペット2人(B管とA管)、トロンボーン2人(テナーとバストロ)というかなり奇想天外な編成。なんかWikipediaにはストラヴィンスキーが夢で見た編成と書いてあったのですがすごいな。
ただ一見奇想天外ではあるのですが、ちゃんと2人ずつでペアになりますし、この曲を聴いてると室内楽を聴いているというよりオケの木管セクションがオケ全体になったような感覚になります(なんのこっちゃ)。チームワークの働きが室内楽的(例:メンデルスゾーンの弦楽器の八重奏曲)でなくてオケ的なんですよね。

曲としては新古典主義のようなシンプルさもあり、でも20世紀初頭のフランス的な頭の回転の速さもあり、そしてなにより心地よいarchitectureというかメカニズムがあり。
ストラヴィンスキーの音楽って聴きにくかったり理解するのが難しい曲も少なくないですが、それでも気むずかしい曲ってほとんどないような気がします。基本オープンなスタンスを感じます。

そんな中この曲もファゴットが大活躍ですよ。なんといってもベースを担当できる楽器がトロンボーンとファゴットに分かれてますからね、それぞれのいいところ(ベースとそれ以外)を適宜生かせる編成にもなってるわけです。
ファゴットはトロンボーンよりも機動力があって短い音の丸さが良いのですが、この第2楽章では正にそれで大活躍。耳に焼き付けてください。

今回買ったCD(リンクしたのと同じ)の室内楽曲とか小規模作品はやっぱりストラヴィンスキーの有名だったり大編成だったりする曲のような華やかさやキャラの強さはないのですが、ちょっと変わった楽器の組み合わせを上手く音楽に仕立てたり、色んなスタイルで書いたり、面白い曲揃いなことには変わりないです。
ストラヴィンスキーの作曲スタイルの多彩さや時代背景、ピカソの絵画など周りのエリアをちょっとリサーチしてみるともちょっと面白く聴けるかも。
やっぱり手始めは「兵士の物語」(三重奏バージョン)ですかね。他にはラグタイムで意外な楽器が出てきたり。おすすめです。


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