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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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メルボルン芸術の一日
行って来ましたArts Centreで一日芸術三昧。
NGV Internationalでメル響打楽器奏者によるパーカッションパフォーマンス→State TheatreでThe Australian Balletの20:21→NGVでエルミタージュ展のコースでした。

まずはパーカッション。NGV Internationalはメインのロビーに展示があることが多いのですが今回そのメインロビーに(高い天井から)シンバルがいくつも吊されていて、それをメル響の奏者2人が即興で演奏するというものでした。もちろんいつものシンバル奏者さんも弾いてましたよ。
しばらくそのプロならではの演奏で楽器の様々な音(ほんと幅が広い!)を楽しんだあとは子供たちが参加。思い思いにシンバルを叩いていました。

面白いのは小さい子供でも自然に音に音で答えること。一人の子がシンバルを叩いたらそれを見て傍に居る別の子も同じように叩いたり。ちょっと大きめの子だとシンバルで色んな叩き方をして違う音を出してみたり。シンバルって音を出すのも簡単だし初心者でも結構いろんな音が出せるからなあ。(でもプロとして極めるにはかなり難しい楽器でもあるようで、そこの難易度曲線がどうなってるか不思議です。オーボエなんかは特に最初が難しいんですよね)

State Theatreはメルボルンのシンボルでもある「バレリーナのスカート」がある建物で、これまでゴーストツアーで裏に行ったことはあるのですが(White Nightのイベントでした)前から劇場に入るのは初めて。なんかちょっと暗めで丸く曲がってる廊下がマジ迷宮な感じで未だにどうなってるのかちょっと分からない。
The Australian Balletは今回観に行った20:21の次の公演が「眠れる森の王女」なので過去の「眠れる森の王女」の衣装やスケッチなどが展示されてました。魔女の衣装すごかったなー。おどろおどろしさに力が入ってて。

20:21はモダン中心のスタイルで作られた3人の振り付け師による3つの作品集でした。
最初の「Symphony in Three Movements」はちょっとイマイチだったかな。主に振り付けと音楽の兼ね合いという意味で。
曲はストラヴィンスキー(三楽章の交響曲)のいわゆる新古典なスタイルで書かれてはいるのですが、シンプルさもある中にダイナミックさと複雑さがあるので振り付けがちょっと平面的に感じてしまったというか。

2番目の「Filigree and Shadow」は素晴らしかったです。振り付けをはじめ全体的にモダンというか現代のダンスもがんがん取り入れててかっこよかったのですが、なんといってもステージの使い方が際立ってました。セットアップはシンプルなのですが照明でステージの広さの感覚や雰囲気を変えたり、あと横の仕切りと後ろの凹壁でダンサーの動線に動きを持たせたり。ダンスにもそういうところにも驚きっぱなしでした。

3番目の「In the Upper Room」(音楽はフィリップ・グラス)もよかった。グラスの音楽のシンプルさが振り付けやフォーメーションと相性が良くて。モダン・クラシックのバランスでは3作品のうちでは真ん中かな。
ただテンポが(踊るには)速くて、細かいステップのところとか大変そうでした。元々バレエのために書かれた音楽とは思えないくらい。でもそれでもいいバレエになってるんだもんなあ。

そしてNGV Internationalに戻り、閉館前1時間くらいでエルミタージュ展を見てきました。
ロシアのエルミタージュ美術館の作品とエカテリーナ女帝をテーマにした展覧会で、絵画もかなりの数来てたのですが私にとっては建物の見取り図や家具・装飾品が面白かったです。
これまでの色々見てきたので中国からの品は結構親しみを感じるようになったのですがその他ヨーロッパ系の食器とかももうちょっとゆっくり見たかった。

今回行き来したNGV InternationalとState Theatreは徒歩数分の距離で、さらにHamer HallやMelbourne Recital Centre、Federation SquareにあるNGV Australiaなんかももうちょっと歩くだけで行ける、気軽に芸術が楽しめるArts Centre界隈。Flinders Street駅にも近いのでメルボルンに旅行の際はArts Centre界隈のイベントや展示をちょっと調べて(大体いつでもなにかしらやってます。無料のイベントもあり)散歩がてら行ってみるのがオススメです。特に秋冬は天気がちょこちょこ悪かったり寒かったりするのでインドアでも楽しめるのはいいですね。

そしてThe Australian Balletは次の「眠れる森の王女」で今年はおしまいで、まだ来年シーズンが発表されてませんが(クラシック音楽界隈とはちょっとタイミングが違うのかな)来年もモダン見にいきたいです。もちろん友人がちびっこ連れてきてクラシックバレエ一緒に見に行きたいっていったらそっちも一緒に見に行きますが。
あとバレエ関係の展示(衣装とか)ももっと見てみたいのでアンテナちゃんと伸ばしとかないとですね。


今日の一曲: ヨハネス・ブラームス 交響曲第3番 第4楽章



こないだのコンサートから紹介したかったブラームス。
第3楽章のひたすら美しいメロディー(チェロ!ホルン!)、哀愁と花開くような慎み深い明るさの間を優しく揺れ動く音楽からの第4楽章はちょっと厳しさを感じるけれど秘めた情熱と人間らしさがものすごく魅力的。

ブラームスの最終楽章というと自分にとっては「まとめるの苦労してるなー」的なイメージが強いのですが(交響曲第1番のフィナーレだったりピアノ協奏曲第1番のフィナーレだったり)、実際それがマジョリティなのかはわからない。少なくともこの曲は(交響曲全体が短めなのもあるのか)きちんとコンパクトにまとまっています。気持ちいいエンド。

コンパクトではあるのですが前述厳しさとか情熱とかブラームスのいいとこがちゃんと詰まってて、ものすごく盛り上がる曲です。
8分半?くらいの楽章で展開が色々あって、それに合わせて結構転調もあり(しかも効果的なキーチェンジ)、最期は第1楽章の再現もありながら落ち着くところに落ち着く満足さと美しさ。

先ほど第3楽章はメロディーが美しいと書きましたが第4楽章はリズムが結構効いてる気がします。諸々の展開のセクションそれぞれに特徴的なリズムがあって、繰り返しがすぐ分かるようになってるのもそうですがそのリズムが音楽の性質にものすごくふさわしくて。第2主題の三連符で青空を翔るようなメロディーとリズムの組み合わせも心躍るし最後の最後でコラール風のゆっくりな音楽に持って行くのもうまい。ブラームスのリズムの使い方ってもっとちゃんと見たほうが良いのかも。

さて手持ちの録音はシカゴ交響楽団でショルティ指揮。(リンク先は交響曲全集ですが手持ちのは3と4とハンガリー舞曲のセットです)
これはあっさりめの演奏なのかなどうなんだろう。もうちょっと濃い演奏なんかもあるのかな。
ただこれもいい演奏ですし、他のブラームスの交響曲と3番が違うとこってのは軽めな方がわかりやすいかな。うーんどうなんだろう。普段当たり前のように聴いてしまってわからない。
ただリンクは他のブラームスも一緒に楽しんじゃってください~ということで交響曲全集にしてみました。どれも名曲ですよ。

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