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前回のエントリー&過去のエントリーに拍手&拍手コメントありがとうございます。
音楽と生活のバランス、人それぞれですがなんらかの納得ができるところに落ち着けるのがいいですね。
さて引き続き年末です(当たり前の話ですが)。
以前言及した米Q2 Musicのカウントダウンに投票してきたので今日はその話。
アメリカのニューヨーク?だったっけ?東海岸時間だから多分ニューヨークを拠点としてクラシック音楽専門に放送しているWQXRというラジオチャンネルがあるのですが、そのWXQRはオンラインラジオチャンネルとしてQ2 Musicというチャンネルも運営していて。
WQXRがクラシック音楽全般を扱うのに対してQ2 Musicは現代音楽に特化したチャンネル。これまでにもクロノス・カルテットの40周年を祝う24時間マラソンをやったり特定の作曲家や分野をがっつり24時間扱う24時間マラソン企画も色々やってます。ちょこちょこ流れてくる意見とかからもリスナー達もかなり強者なことがうかがえます。
年末にはWQXRもQ2 Musicもリスナー投票(自由投票)でカウントダウン企画をやります。
Q2 Musicはもちろんカウントダウンも現代音楽。これまでは過去100年に絞って投票を募っていましたが今年はその「新しい音楽」を再定義するべく過去何年までで区切るか事前にリスナー投票をすることに。結果選択肢の中で一番短い「過去20年のレパートリー」ということになりました。
これほんとすごいことですよね。前述リスナーの強者さもそうですが、過去20年に絞ってもちゃんと100位までカウントダウンが成り立つってことも。
世界の様々なクラシックラジオチャンネルのこういう投票企画で過去20年に作曲された作品なんか1曲も出てこないのが普通ですし(ただし英Classic FMとか映画音楽も入れてる場合は例外)。世の中のクラシック愛好家が過去20年の作品をどれだけ知ってるんだろうってのもありますし。
自分も現代音楽好きではありましたがつい最近まで聴くのも20世紀の音楽中心で21世紀の音楽はあんまり知らなくて。でもここ数年でオーストラリアで活躍中の作曲家の作品を聴いたりクロノス・カルテットからつなげていったり、Q2 Musicをたまに聴いたり、そういうところから色々知識を広げてきて。
ほんと知らないエリアを知るって面白いし、要はきっかけと意欲と好奇心ですね。
なのでこんかい100年が20年に狭まってもどんとこい!と思いましたね。
一度に投票できる曲数(複数回投票可)は3曲~5曲でしたが5曲ノミネートしてきました。
だいたいこのブログでは何回も言及してきた曲ばかりなので解説はまとめて。
流 星姫のノミネートした過去20年の音楽作品
(1)トーマス・アデス 「Polaris」
(2)Brett Dean 「ソクラテスの最後の日々」
(3)ジョン・アダムズ 「City Noir」
(4)陳其鋼 「ヴェールを取られたイリス」
(5)ジョージ・クラム アメリカ歌曲集第5巻「Voices from a Forgotten World」
ソクラテスは録音がコンサートからのものしかないと思うのですがそれでも名前を出しておきたかった。もっと知られろ!というか。
そしてアデスも20年ならAsyla、Tevot、Polarisが全部該当するのですが、比較的最近の作品が前回ふるってなかった覚えがあるのでPolarisをプッシュ。
PolarisにしてもCity Noirにしてもソクラテスにしても古き良きクラシックの要素を受け継ぎながら新しい形で、みたいなところがある、ちょっと保守的かもしれないけど猛烈に推したい曲です。
イリスもそういうとこあるにはあるんですけど、陳其鋼の場合は20世紀の巨匠メシアンから流れを受け継いだ21世紀の作曲家であり(アダムズとかクラムは20世紀を自ら旅した作曲家)、西洋と東洋の融合ってのもあり、あとソクラテス同様心を直撃されたので。
クラムは過去20年っていうと主に歌曲集くらいで。でも今のクラムを食い込ませておきたくて一番好きなアメリカ歌曲集をノミネートしました。
ルールが変わった今回のカウントダウン、結果がどんな感じになるか正直想像も付きません。
20世紀初頭の割とポピュラーな曲だけじゃなくハードコアなモダニストの作品もがっつりそぎ落とされて。何が残るかっていう心配じゃなくてこの小さなカオスの中で何が票を集めるか。
アメリカ偏りにはなるのかなあ。とりあえずJohn Luther Adamsあたりは賞もとってるしMeet the Composerでも扱われてるし上位確実か。他はなんともいいがたいなあ。
実際のカウントダウン放送は向こう時間の12月28日から。旅行なんかもあって聴けるのは限られるけどできるだけフォローしていきたいです。そしてその際にまた現代音楽の今にここで言及したい。
もっともっと今の音楽に応援を!とこれからも願います。
今日の一曲: ジョージ・クラム アメリカ歌曲集第5巻「Voices from a Forgotten World」 第9楽章「Firefly Song」
意外にこの第5巻今日の一曲であんまり紹介してなかった。前述の通りアメリカ歌曲集では一番好きな第5巻。多分一番際最初に触れあったクラムのアメリカ歌曲集だからかな。あと題材のチョイスも(知ってる曲もそうでないものも)自分好みで。
題材ソースが黒人霊歌だったり英国から来た感じのだったりばらけ気味なのもなんとなく好きなのかも。
その中でもメルボルンの今の季節によく聴くようになるのがこの第9楽章。
アメリカの先住民オジブワ族の民謡が元なんですが、ペンタトニック(五音音階)のメロディーなのでアジア系統にもちょーっと似てる。
以前虫関係の音楽についてのエントリーで書きましたが歌詞を見てみるとこの歌のFireflyって文字通りの蛍じゃなくて蛾なんじゃないかな?と思います。Flittingって言葉を始め動きに関する形容や白いってこととか(光を反射して白い?)。あと曲もそこはかとなくそんな感じ。実際どうなんだろう。
そしてなんか最近打楽器がすっごい細かいパート弾いて活躍する曲ばっかり紹介してましたがこの曲もそう。そもそもクラムのアメリカ歌曲集全般の編成は歌い手(1人か2人)+ピアノ+打楽器4人で、まあピアノもこの際打楽器なんですけど打楽器セクションが音楽の表現の大部分を担っています。その面白さを見つけちゃうともう止まらないというか(笑)クラムの打楽器使いってなによりほんとに面白いし楽しい。
今回Q2 Musicの投票をするに当たって「過去20年」という区切りで「現代音楽」を見てみたらなんか色々見え方が違ってきたような気がします。
こうやってみるとクラムの音楽って20世紀の音楽なんだなーというか。表現の開発、打楽器の使い方、そして西洋音楽に限らないアメリカの音楽のアイデンティティの探索と確立、そういうものはどっちかというと前の世紀の流れなのかも・・・と思えてしまう。
でもクラムの作品に感じる課題ってまだまだこれからなところもあるようで。そういうところを含めて21世紀の音楽にどう繋がっていくのか。
難しく考えて長々書きましたがVoices for a Forgotten World、クラムのアメリカ歌曲集入門としてもオススメです。Beautiful DreamerやDemon Lover、The House of Rising Sunや大胆にアレンジ(?)したSomebody Got Lost in a Stormも大好き。
音楽と生活のバランス、人それぞれですがなんらかの納得ができるところに落ち着けるのがいいですね。
さて引き続き年末です(当たり前の話ですが)。
以前言及した米Q2 Musicのカウントダウンに投票してきたので今日はその話。
アメリカのニューヨーク?だったっけ?東海岸時間だから多分ニューヨークを拠点としてクラシック音楽専門に放送しているWQXRというラジオチャンネルがあるのですが、そのWXQRはオンラインラジオチャンネルとしてQ2 Musicというチャンネルも運営していて。
WQXRがクラシック音楽全般を扱うのに対してQ2 Musicは現代音楽に特化したチャンネル。これまでにもクロノス・カルテットの40周年を祝う24時間マラソンをやったり特定の作曲家や分野をがっつり24時間扱う24時間マラソン企画も色々やってます。ちょこちょこ流れてくる意見とかからもリスナー達もかなり強者なことがうかがえます。
年末にはWQXRもQ2 Musicもリスナー投票(自由投票)でカウントダウン企画をやります。
Q2 Musicはもちろんカウントダウンも現代音楽。これまでは過去100年に絞って投票を募っていましたが今年はその「新しい音楽」を再定義するべく過去何年までで区切るか事前にリスナー投票をすることに。結果選択肢の中で一番短い「過去20年のレパートリー」ということになりました。
これほんとすごいことですよね。前述リスナーの強者さもそうですが、過去20年に絞ってもちゃんと100位までカウントダウンが成り立つってことも。
世界の様々なクラシックラジオチャンネルのこういう投票企画で過去20年に作曲された作品なんか1曲も出てこないのが普通ですし(ただし英Classic FMとか映画音楽も入れてる場合は例外)。世の中のクラシック愛好家が過去20年の作品をどれだけ知ってるんだろうってのもありますし。
自分も現代音楽好きではありましたがつい最近まで聴くのも20世紀の音楽中心で21世紀の音楽はあんまり知らなくて。でもここ数年でオーストラリアで活躍中の作曲家の作品を聴いたりクロノス・カルテットからつなげていったり、Q2 Musicをたまに聴いたり、そういうところから色々知識を広げてきて。
ほんと知らないエリアを知るって面白いし、要はきっかけと意欲と好奇心ですね。
なのでこんかい100年が20年に狭まってもどんとこい!と思いましたね。
一度に投票できる曲数(複数回投票可)は3曲~5曲でしたが5曲ノミネートしてきました。
だいたいこのブログでは何回も言及してきた曲ばかりなので解説はまとめて。
流 星姫のノミネートした過去20年の音楽作品
(1)トーマス・アデス 「Polaris」
(2)Brett Dean 「ソクラテスの最後の日々」
(3)ジョン・アダムズ 「City Noir」
(4)陳其鋼 「ヴェールを取られたイリス」
(5)ジョージ・クラム アメリカ歌曲集第5巻「Voices from a Forgotten World」
ソクラテスは録音がコンサートからのものしかないと思うのですがそれでも名前を出しておきたかった。もっと知られろ!というか。
そしてアデスも20年ならAsyla、Tevot、Polarisが全部該当するのですが、比較的最近の作品が前回ふるってなかった覚えがあるのでPolarisをプッシュ。
PolarisにしてもCity Noirにしてもソクラテスにしても古き良きクラシックの要素を受け継ぎながら新しい形で、みたいなところがある、ちょっと保守的かもしれないけど猛烈に推したい曲です。
イリスもそういうとこあるにはあるんですけど、陳其鋼の場合は20世紀の巨匠メシアンから流れを受け継いだ21世紀の作曲家であり(アダムズとかクラムは20世紀を自ら旅した作曲家)、西洋と東洋の融合ってのもあり、あとソクラテス同様心を直撃されたので。
クラムは過去20年っていうと主に歌曲集くらいで。でも今のクラムを食い込ませておきたくて一番好きなアメリカ歌曲集をノミネートしました。
ルールが変わった今回のカウントダウン、結果がどんな感じになるか正直想像も付きません。
20世紀初頭の割とポピュラーな曲だけじゃなくハードコアなモダニストの作品もがっつりそぎ落とされて。何が残るかっていう心配じゃなくてこの小さなカオスの中で何が票を集めるか。
アメリカ偏りにはなるのかなあ。とりあえずJohn Luther Adamsあたりは賞もとってるしMeet the Composerでも扱われてるし上位確実か。他はなんともいいがたいなあ。
実際のカウントダウン放送は向こう時間の12月28日から。旅行なんかもあって聴けるのは限られるけどできるだけフォローしていきたいです。そしてその際にまた現代音楽の今にここで言及したい。
もっともっと今の音楽に応援を!とこれからも願います。
今日の一曲: ジョージ・クラム アメリカ歌曲集第5巻「Voices from a Forgotten World」 第9楽章「Firefly Song」
意外にこの第5巻今日の一曲であんまり紹介してなかった。前述の通りアメリカ歌曲集では一番好きな第5巻。多分一番際最初に触れあったクラムのアメリカ歌曲集だからかな。あと題材のチョイスも(知ってる曲もそうでないものも)自分好みで。
題材ソースが黒人霊歌だったり英国から来た感じのだったりばらけ気味なのもなんとなく好きなのかも。
その中でもメルボルンの今の季節によく聴くようになるのがこの第9楽章。
アメリカの先住民オジブワ族の民謡が元なんですが、ペンタトニック(五音音階)のメロディーなのでアジア系統にもちょーっと似てる。
以前虫関係の音楽についてのエントリーで書きましたが歌詞を見てみるとこの歌のFireflyって文字通りの蛍じゃなくて蛾なんじゃないかな?と思います。Flittingって言葉を始め動きに関する形容や白いってこととか(光を反射して白い?)。あと曲もそこはかとなくそんな感じ。実際どうなんだろう。
そしてなんか最近打楽器がすっごい細かいパート弾いて活躍する曲ばっかり紹介してましたがこの曲もそう。そもそもクラムのアメリカ歌曲集全般の編成は歌い手(1人か2人)+ピアノ+打楽器4人で、まあピアノもこの際打楽器なんですけど打楽器セクションが音楽の表現の大部分を担っています。その面白さを見つけちゃうともう止まらないというか(笑)クラムの打楽器使いってなによりほんとに面白いし楽しい。
今回Q2 Musicの投票をするに当たって「過去20年」という区切りで「現代音楽」を見てみたらなんか色々見え方が違ってきたような気がします。
こうやってみるとクラムの音楽って20世紀の音楽なんだなーというか。表現の開発、打楽器の使い方、そして西洋音楽に限らないアメリカの音楽のアイデンティティの探索と確立、そういうものはどっちかというと前の世紀の流れなのかも・・・と思えてしまう。
でもクラムの作品に感じる課題ってまだまだこれからなところもあるようで。そういうところを含めて21世紀の音楽にどう繋がっていくのか。
難しく考えて長々書きましたがVoices for a Forgotten World、クラムのアメリカ歌曲集入門としてもオススメです。Beautiful DreamerやDemon Lover、The House of Rising Sunや大胆にアレンジ(?)したSomebody Got Lost in a Stormも大好き。
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