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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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コンサート「Beethoven at 245」感想
暑いぜメルボルン!
ここ数日フルに夏です。昨日も夕方くらいまで暑かったし今日は朝起きたらもう30℃超えてたし明日は40℃超えだし、買い物とかちとしんどいですがそれでも嬉しい。外に出るぞ-。

・・・とまず昨日は友達のコンサートに出かけました。
ベートーヴェンの245歳の誕生日を祝ってピアノソナタ4つ!というがっつりベートーヴェンなプログラム。もともと彼の演奏はドイツ・ハンガリー系を聞くことが多いのですが、彼のベートーヴェンはやっぱり特別。

プログラムはこんな感じでした。
「Beethoven at 245」
場所:Fortyfive Downstairs
ピアノ: Tristan Lee
プログラム:
ルートヴィッヒ・ファン・ベートーヴェン ピアノソナタ第13番「幻想曲風」
ルートヴィッヒ・ファン・ベートーヴェン ピアノソナタ第14番「月光」
(休憩)
ルートヴィッヒ・ファン・ベートーヴェン ピアノソナタ第27番
ルートヴィッヒ・ファン・ベートーヴェン ピアノソナタ第23番「情熱」
アンコール: ルートヴィッヒ・ファン・ベートーヴェン エリーゼのために

メインのプログラムの中だと第27番が特に輝いてました。毎回書くようにすごい安定感のある演奏をする人なのでこの曲はすごく合うし、勇敢な第1楽章も暖かくて穏やかな第2楽章もしっかり存在感もあり。ちょっとマイナーだけど不思議なところのあるこのソナタの魅力がものすごく伝わってきた感。

「情熱」や「月光」はまだもっとすごい演奏が将来聴けるような気がするのですが第13番はもう確立してるような印象で。曲の解釈というかあり方がしっくり来てゆるぎないというか。弾く人としてうらやましい。

そしてアンコールのエリーゼのために。改めてちゃんとした演奏で聞くとちゃんと良い曲じゃん!と思ったのは私だけじゃないようで。とにかくシンプルで繊細な曲なんですよね。巷に溢れる諸々の録音や演奏がこの曲の良さを損ねてるってのは大変もったいないし悲しいと思いました。

Tristanの演奏はいつも自分にとってピアノの魅力、ピアノへの愛、ピアノのあり方、そしてピアニストとしてのピアノとの関係を色々思い出させてくれる演奏です。そういう物を普段は意識しない、ピアノのためのピアノでない曲を弾く方が自分は好きみたいなのですが、それでもちゃんと「ピアノ」と向き合わないとなと思った次第です。(特にワーグナー/リスト始めたからにはね)

さてなんでこんな時間に急いでブログを書いてるかというと今夜もコンサート行きなので。
以前こちらでも言及したメル響のSecret Symphonyに初参戦!以前絶対行きたいと思ったのに行けなかったメシアンの「時の終わりのための四重奏曲」@メルボルン監獄に次ぐ?大好きな曲が演奏されます。詳細は後ほど感想で。

そして明日は友人のバースデーで(夕方に出るんで多分40℃からは和らいでるはず)またお出かけ。夜ご飯どこで食べるか色々悩みます。
ただシティに新しく出来た讃岐うどん屋さんは半分セルフサービスで早いし安いしうどんも天ぷらも美味しかった。冷たい食事が食べたいときに重宝しそうです。


今日の一曲: ルートヴィッヒ・ファン・ベートーヴェン ピアノソナタ第27番 第2楽章



昨日は暑い日でしたがコンサート場所のFortyfive Downstairsは地下にあって結構涼しく。
その自然な涼しさのなかでこの第2楽章の暖かさが愛しかったです。たぶん人肌(または猫とかそういう動物の温度)なんだろうなーこの曲。

ベートーヴェンは32曲ピアノソナタを書いてます。若いときから晩年まで、ピアノソナタを聴いただけでもベートーヴェンの音楽の表現の変遷が分かるといっても過言じゃない。
曲の性格ももちろん色々ですし、あとソナタという形式の中で色々また曲の流れや構成なども実験しててそれも面白い。

特に後期のピアノソナタには2楽章だけのもの(だいたいソナタは3楽章とか4楽章で構成)があったり、ちょっと慎ましい感じの曲を書いたり、なかなか面白いです。
そうなんですよベートーヴェンのソナタは三大とか(そもそも三大とかないし)タイトルが付いてる曲以外も面白い曲揃いなんですよ。

ベートーヴェンのソナタって(ピアノに限らず)外れとかはないと思うのですが、特にこの第27番の第2楽章は初めて出会ったときに「あ、いいものを見つけた」と思わざるを得ないような、決して自分からは主張しないけれどとにかくピアノの曲として、音楽として、人間が作った作品としてたまらない魅力に溢れてます。

なのでとにかくピアノを弾く人もそうでない人もとりあえずベートーヴェンのピアノソナタを手に取って欲しいです。前述の通りたぶんどれでも行ける。そして32曲のうちどれかが特別な音楽になる可能性も大。

私の場合は好きなソナタはこの第27番とか第17番とか情熱とか第22番とか第31番とかちょこちょこあるのですが根がちょいとひねくれてるのとピアノとの関係性がまたちょっと違うのとか諸々ありで「特別な」ソナタは今のところないかな。弾いたり生で聞いたり語ったりでいつかそのうちできるはず、と思ってます。

ということでベートーヴェンのピアノソナタ全集をリンク。ブレンデルはシューベルト(ベートーヴェンと似てる時代の人でもある)の名手でもあるのでシューベルトもブレンデルがおすすめ。

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