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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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今年もSidney Myer Bowlでメル響野音!
前回からちょっと間があきました-。
仕事が立て込んでたり出かける用事があったり(もちろん仕事はなるべくしてたまにピアノ休んで)で頭が忙しい。仕事のスケジュールと生活のスケジュールを考えるだけで頭の中はかなりいっぱいなのですがそういうときに限って新しい三国志漫画とか読んでそっち方面いろいろ考えを回らせちゃうのなんとかならないか。
ただそれも頭のなかでなんとか余裕を作りだそうとしてる反応なのかなー。多分。

そして今年もメル響のSidney Myer Bowlでの無料コンサートの時期になりました。忙しくても一つは行きたい、と毎年思うのですが今回は友人がソリストということで何が何でも時間を作りました。
時間はまあいいとしてなんか天気が2月終わりっぽくなかったです、今回。
持ってくものがまさかのピクニックシート・おやつ・水・サングラスに傘・革ジャン・フリース・マフラーでしたからね。そもそもメルボルンは夏でも夜涼しくなることが多いとはいえ色々おかしい装備。ただ雨も降らず風もそんなに強くなく、重ね着コンビネーションでなんとかなる天気でよかったです。

そんなコンサートのプログラムはこちら。
メル響コンサート「Dvorak under the Stars」
場所:Sidney Myer Music Bowl
指揮者:Joshua Welterstein
ジョン・アダムズ 「Short Ride in a Fast Machine」
ジョージ・ガーシュイン ピアノ協奏曲(ピアノ:Stefan Cassomenos)
(休憩)
アントニン・ドヴォルザーク 交響曲第7番
(アンコール: ピョートル・チャイコフスキー 「白鳥の湖」より「ハンガリーの踊り」)

プログラムがなんか聴いてみるとものすごく野音向きというか。
アダムズはこれで2,3回目くらいですが外で聴くとなんか楽しいし、ガーシュインは屋外向きというよりコンサートホールよりもっとリラックスした場所向きって感じかな。あとドヴォルザークはコンサートホールもいいけど野外との相性もいい。こうやって考えてみる&実際いろんな場所で音楽を聴いてみるの面白いですね。

今回のコンサートの指揮者はアメリカから来た若手指揮者さんで、最後に「ホントに人が集まったか写真撮らせて!」と聴衆に呼びかけたりお茶目なところもあり、そして音楽にフレッシュさと勢い(主にドヴォルザーク)がありました。もともとリズム要素が強い人なのか、アンコール含め全部の曲が踊りだったりリズムが強かったりな曲揃いで。(自分とちょっと似てるかな)

ガーシュインはほんとに楽しく聴けました。Stefanらしい、トリオでもよく聴くようなジャズのスタイルにユーモア。ただガーシュインにしてはちょっと真面目だったかも、という印象も。あの頃のジャズの風味とか感性って現代の人間が再現するのってそもそも難しいのかなーと思いました。(特にアメリカ以外だと)生まれ育った場所・時代の影響を改めて考えてます。

そんなStefanの演奏を聴くのも楽しみでしたがドヴォルザークの7番も自分にとっては大好きで大切な曲。マーラーとかショスタコとはまた違う、自分により近しいというか親しみのあるスケールの偉大さ。特に第3楽章のcrazyなスケルツォが大大大好きで、バレエを始めてからよりその踊るリズムに感じるものが増えています。

第2楽章を始め天を突き刺すようなクライマックスが野外コンサートで聴ける贅沢さ。ただ野音というシチュエーションだからかクライマックス音量があんまり爆発しなかったりティンパニの音が控え目だったり、音の細かいバランス的な要素で気になることはありました。なのでまた近いうちに生で聴きたいです。
でも全体としてはほんと馴染む解釈で、がつんとハートと腹にくるドヴォルザーク(音がというよりは音楽が)で、聴きにいってよかった。

本当はこれに続いて土曜日のバーバーのバイオリン協奏曲+チャイコ5番(まだ懲りないか!)や来週のGrigoryan Brothersを迎えた南米ありのコンサートも行きたいのですが今のスケジュールでは無理そう。天気にはでも恵まれるといいですね。メルボルンの夏の天気、ほんと予測がつかない。

そういえば以前もこのブログに書いたと思いますが今回ソロ弾いたStefanを始め、自分にも大学を通じて「同門」がいてそのつながりを感じることがちょこちょこあるため、三国志作品周りで諸葛亮とか龐統とか水鏡先生門下の同門軍師たちを扱ってるとテンション上がるんですよ。
そういうつながり・場・仲間がいて、心の支えになってることに本当に感謝感謝です。


今日の一曲: アントニン・ドヴォルザーク 交響曲第7番 第2楽章



第3楽章は多分何回か話には出してるのでこっちに。とはいえこっちも特定はできないけど言及してる気がなんとなーくある。

交響曲といっても色々ありますしドヴォルザークも9つ書いてますが、第7番は割と普通というか形式としてはそんなに変わったことしてない、堅実なイメージがあります。(例えば第8番はもちょっと不意をついてくる印象がある)
それで全編通じて暗めなのもありどうしても8番9番(新世界)に比べると三歩くらい下がってるところにいるような感じがあります。ただそれでも素晴らしい曲には変わりない。

大体4楽章編成の交響曲だと第2楽章はスローな楽章であることが多いです。この交響曲もそうなのですが、音の動きを見るとこの第2楽章って結構忙しいですね。メロディーというか全体の流れはゆったりしてるのですが、その下に十六分音符的なundercurrentが動いてることが多い。

そしてドヴォルザーク独特な印象があるのですが、スローで穏やかな音楽が急に悲壮的になるドラマ。(チェロ協奏曲であります。他の例は知らない。)ドヴォルザークがこの急激なチェンジをどうやってあんなにも自然に作るのか、ほんと不思議。

さらにこの楽章は最後のクライマックスも素晴らしい。天を突き刺すようなってさっき言ったのはこれが大筆頭。なによりホルンがここカッコイイんですよ。吹くの大変そうですが。(ヴォーン=ウィリアムズの5番にも似たようなところがあってそれはしんどいらしい)
クライマックスからエンディングまできもちよーくunwindしてくれるのもいい感じです。気持ち良くスケルツォにいけますよこれは。

あーでも他の楽章も紹介したかったなー。ほんと全部好きなんです。そして手元に「これだ!」って録音も欲しいですしミニスコアも欲しい。それくらい近くに置いておきたい種類の大好きな曲。

ドヴォルザークの交響曲は新世界だけだったり7・8・9から2つ組み合わせたりもっと前の交響曲と組み合わせたりいろいろなコンビネーションで楽しめますがここはちょっと欲張って7・8・9プラス弦楽のためのセレナードという2枚組で。7が好みでないなら他の2つがかなり違う曲調なので色々聴いてみてください~

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