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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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Beethoven and Beyond & メル響「the Lark Ascending」コンサート感想
ちょっとお久しぶりです。
色々ばたばたしてたり調子が悪かったりで更新してませんでした。
例えば昨日はオケのリハーサル。お知らせそろそろまたしたいんですが今日はコンサート2つ分感想でプログラム書き出しとかすると長くなるので次回きっと。

さて早速コンサート感想。まずは日曜日の2人のコンサートシリーズBeethoven and Beyondの第3弾。今回はTristanとGina(フルネームは下記の通りですが呼び名はこう)二人でリサイタルを半分ずつするという形でした(次回は連弾特集!)。

Beethoven and Beyond Recital Three
ピアノ: Tristan Lee & Gintaute Gataveckaite
ルートヴィッヒ・ファン・ベートーヴェン ピアノソナタ第27番 op. 90
Tim Dargaville 「Night Song」
セルゲイ・プロコフィエフ ピアノソナタ第7番
(休憩)
ヨハネス・ブラームス 間奏曲 op.119
ヨハネス・ブラームス 2つの狂詩曲 op. 79

いやあブラームスの狂詩曲は手強いですね。ホント弾くのに勇気がいる。他の曲と何が違ってそうなるというかよく分からないんですが。特に第1番はGinaの弾き方ものすごく好きです。勢いを味方に付けてる感じがあって。

Tristanがプロコフィエフの7番を弾くのはほんと大学以来でした。前よりもちょっと慎重さがあるもののダイナミックさは相変わらず。そもそもこの曲自体(他のプロコフィエフと違って)手堅い感じで行った方が適切か。
不思議な物でこの7番、昔はかなり(弾くには)怖い曲だと思ってたのですが改めて冷静になって聴いてみると今弾いてるまなざし10番とかと比べたらそんなに難しさも変わらないように思えてきました。(ただしプロコフィエフは和音がオープンで間隔広いので小さい手にはnot friendlyなことには変わりませんが)。

そして言及すべきはTim Dargavilleの「Night Song」。オーストラリアの作曲家でTristanの知り合いだそうですがこのNight Songは義賊ネッド・ケリーが処刑される前の最後の夜を描いた曲で。アンビエントな感じで好みの曲でした。ついでにいえば他の曲とも合わせやすいしオーストラリア題材だし今後もっと色々なプログラムに組み込まれるといいなと思います。

その次の日、月曜日は学校時代の友人(こないだPolyphonyで歌ってた)と一緒にメル響コンサートに行って来ました。
俺得最高レベルに近いプログラムはこんな感じでした。

メル響コンサート「the Lark Ascending」
指揮者: Sir Andrew Davis
ベンジャミン・ブリテン 「ピーター・グライムズ」より四つの海の間奏曲
ヴィトルト・ルトスワフスキ パルティータ (バイオリン: Richard Tognetti)
(休憩)
レイフ・ヴォーン=ウィリアムズ 「揚げひばり」(バイオリン: Richard Tognetti)
セルゲイ・ラフマニノフ 交響的舞曲

どうですこのラインアップ。今見てもまた聞きたくなる曲の並び。
今回ソリストだったRichard Tognettiは普段はAustralian Chamber Orchestraの長(コンサートマスター兼指揮者的なことをする、というのをアバウトに表現した結果の変な言葉のチョイス)で、メルボルンでもかなりファンが多いようです。(音楽畑でない友達にも何人か)

私は特にRichard Tognettiが現代音楽を弾くのが好きで(ACO内外関係なく)、今回もルトスワフスキはぴったりだと思いました。見てて聴いてて頭の動きが音楽にフィットしてる感がすごいする。ああいう脳が私も欲しいしああいう曲が弾きたい。(ルトスワフスキの音楽はピアノ曲とオケ曲と違うパターンなんですよ・・・)

ただ「揚げひばり」はそれはそれでいい感じでした。厳密に鳥の声を反映したソロパートではないのですが、鳥っぽいテンポとリズムの自由さで弾いてたのが印象的で。そうしない演奏もいいんだけど(音をメロディックに一つ一つ聞きたいし)、こういうのもやっぱりありかなーと。

最初と最後の2つは奇しくも去年Zelmanで弾いたコンビ。海が身近なブリテンも、花火のようなラフマニノフも変わらず大好きです。
ラフマニノフの交響的舞曲は元々フォーキンが振り付けするバレエとして書かれたけど彼の死によって今の形になったという経緯がある曲なんですが、いつ何度聞いても音楽が踊りを求めてるというか、バレエのステップを誘ってるというか。フォーキンなんで死んだ。
なので自分の中ではバレエ的なイメージがしっかり根付いてて、なので今回の演奏の第1楽章のメインのテンポはちょっと踊りにくいテンポだったなーという印象でした。舞曲から離れれば全然いいテンポなんですが。不思議なものですね。

一時帰国前に行くコンサートはこれで一段落かな。一応考えてるのも少数あるのですが無理しない方向で。仕事もあるし準備もあるし、あと調子の悪さ(特に軽躁方向)が気になるので。
次回はちょっとリハーサルやなんやについて書きたいです。


今日の一曲: レイフ・ヴォーン=ウィリアムズ 「揚げひばり」



イギリス文化圏にいるからには逃れられない揚げひばり。英Classic FMの投票では毎年1位とか2位とか3位とかにランクインする、とにかく英国系統の人々に愛されてやまない曲です。
だからこそ普段はちょっとなめてかかるんですけど(だってヴォーン=ウィリアムズなら他にも美しい曲はあるし似たような曲が多いし)、でもいざ実際に聴くと毎回やられちゃう。それだけの美しさがある曲。

簡単に説明しちゃうとイギリスの田舎の春の田園的なのどかで緑が美しい風景と、その晴れた空高くを飛び歌うひばりの声で構成されています。ソロを務めるのは(前述の通り)バイオリン。音域の広さと機動力がヒバリのvirtuosicな歌にぴったりなのかな。

ヴォーン=ウィリアムズはそれにしてもソリストの活躍させ方、ソリスト登場の舞台を音楽で整えるのがものすごーくうまいですね。これ以外だとトマス・タリスのビオラソロとか、交響曲第6番のスケルツォのサックスソロとか、同第8番のチェレスタソロとか。それでいてメロディーやハーモニー含め音楽全体の美しさもあり。バランスがいい&総合力が高い作曲家ではあるのかも。

リンクしたのはそんなヴォーン=ウィリアムズの(似たような曲ばっかりと言われてもしょうがない面もある)管弦楽曲集。トマス・タリスも好きだしLazarus and Divesも好き。吹奏楽からヴォーン=ウィリアムズに入った人には申し訳ないですがやっぱヴォーン=ウィリアムズといえば弦!だと思います。嘘だと思ったら聴いてみてください。


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