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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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メル響夏の野外コンサート感想
仕事とリハーサルとその他日常の諸々で大分忙しい2月です。
リハーサルといえばまだちゃんとお知らせしてないあれですが今日やっと練習始めました。
詳しくは次回。

今回は昨日行った毎年恒例メル響のSidney Myer Music Bowlでの野外コンサートの感想。
今年は水・土・水に開催で、最初のコンサートは水曜日だったのですがちょうど晴れた暑い日でステージは照明などもあって43℃だったそう。
昨日は涼しめでよかったのですが途中でちょっとだけ雨に降られたりも。降ってもすぐ止むメルボルンで本当によかった。

プログラムはこんな感じでした。
MSO Plays Romeo & Juliet
指揮者:Benjamin Northey
セルゲイ・プロコフィエフ バレエ「ロミオとジュリエット」から
「モンタギュー家とキャピュレット家」、「ロミオとジュリエット」、「ティボルトの死」
Elena Kats-Chernin 「Golden Kitsch」(打楽器:Claire Edwards)
(休憩)
セルゲイ・ラフマニノフ 交響的舞曲
(アンコール)
ピョートル・チャイコフスキー オペラ「エフゲニー・オネーギン」よりポロネーズ
レインゴリト・グリエール バレエ「赤いけしの花」より「ソヴィエト水夫の踊り」

いやあなんて素敵なプログラム。最初から最後までずっと踊ってる!踊りたい!
(実はこの前にバレエレッスンでロミジュリのバルコニーシーンが使われたので大変タイムリーでした)
今回1万人を超える人が会場にいて、会場の外の公園エリアにもピクニックしてる人がたくさんいて、ものすごい数の人にこのプログラムが届いたことを考えるとものすごく嬉しかったです。
Kats-Cherninという今活躍してるオーストラリア人の作曲家の新曲はもちろん、ラフマニノフでも他の有名な曲に隠れがちな交響的舞曲、そして案外ロミジュリでも広くは知られてないティボルトの死。もっと広がれクラシックコンサート楽しみ隊。

野外コンサートなのでスピーカーを通してでしたがかなり楽しい演奏でした。
スピーカーを通してなのに容赦ない「モンタギュー家とキャピュレット家」の冒頭とか。ラフマニノフでも細かい木管のパッセージとかかっこよかったです。あとロミジュリ筆頭にバイオリンが色んなところで難しかったりスタミナ勝負だったりしてたように思えました。主役である時も多いですがオケでは縁の下の力持ち率も多いんですよねバイオリンって。

でも今回のハイライトはElena Kats-Cherninの打楽器ソリストとオケのための「Golden Kitsch」でした。Elenaの今回の曲は「黄金」。ごてごとしてベタなほどあふれかえる黄金のイメージだそうで。ソリストが担当するたくさんの打楽器は外見た音色が金色なものばかり。そしてソリストのドレスもセレブみたいな金色ドレス。

でもその金色ドレスで動き回るんですよ彼女が。かっこよかったー。これがホームポジション、みたいなのがなくてトイピアノからビブラフォーンからバスドラムからクロタールを弓で弾いたり、さらには見たことのない楽器も出没しました。手で持って運べる、様々な長さの金属のパイプをぐるっと輪にしたような楽器。あれなんなんだろう。あれも弓で弾いてた。(今回ステージの様子を映すスクリーンが特にこの曲でソリストの様子を映してくれて助かった!)

他のElenaの曲もそうですがこの曲は特にファンタジー色が濃かった気がします。トイピアノの音で始まるのもあるのですが、きらきらしてて、同時に深い暗さもあって、魔法のようで。
もちろんこういう場で多くの人が聴けたのは素晴らしいけど、スピーカーを通してじゃなくてコンサートホールで直接聞けばその繊細なところがもっと聞こえたかなーとは思います。また聴きたい。演奏も録音も喜んで行く&入手します。

そんな昨夜のコンサートは28日間限定ですが豪ABCラジオのサイトからストリーミング配信されてます。野外で聴く体験もいいけどそれを逃してももっとたくさんの人に聴いて欲しいのでListen Againからどうぞ~


今日の一曲: Elena Kats-Chernin 「Golden Kitsch」

(録音はまだない!)

本当に様々な音が魔法の様に集まってできてるこの曲ですが、すごいのは打楽器のソリストだけではありません。オケも結構色々面白いことやってます。
まずは木管・金管奏者。彼らも打楽器(そりの鈴とかratchetとか)を手に持って鳴らしたり、挙げ句の果てには歌い出したりもします。(注:こういう場で弦楽器がそういうことしないのは楽器を置いたり両手を空けたりしづらいからと思われます)

なぜオケが歌うかというとこの曲を初めて弾くリハーサルでオケが持つはずの楽器が届かなかったので「Jiiinggggleee♪」とリハで歌ってたのをElenaが後で話に聴いて「じゃあそこは歌わせよう!」ということになったそうです。
教訓:作曲家が生きてる間はなんかネタになるような事しちゃったりすると曲に修正という名の無茶振りが入ります。

ソロが打楽器なのでオケの打楽器は仕事が少ないかと思えばそんなことは全然ない。むしろステージ前で色々な楽器をあっち行ってこっち行って弾いて忙しいからこそ後ろの打楽器軍団のサポートも大事になってくる様子。そういう意味でもやっぱ打楽器ってチームワークがすごい。
Elenaの他の曲も打楽器(特に音程のある打楽器)がかなり重要ですが今回のこの曲での活躍はすごかったです。やっぱり20世紀から始まって21世紀は打楽器が活躍する時代ですね。

ということで新しい曲なのでリンクできる録音はありませんがシドニーのユースオケのこの曲のリハーサルがようつべにアップされてるので(公式)ちょろっとどんなもんか試聴用に。
はーやく録音でないかなー


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