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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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ちょろっと弾いてきました&サウンドチェックの話
無事本番終わりました~

Stonnington Sympony Orchestraコンサート
6月4日(日)14時30分開演
Malvern Town Hall
指揮者: Patrick Miller
アレクサンドル・ボロディン 交響詩「中央アジアの草原にて」
セルゲイ・プロコフィエフ 「キージェ中尉」組曲(バリトン:Matthew Thomas)
アレクサンドル・ボロディン 「イーゴリ公」序曲
ニコライ・リムスキー=コルサコフ シェヘラザード(バイオリン:Roy Theaker)

ほんとあっという間でした。そこは普段なら惜しむべきとこなんですが昨日はちと早起きして向こうに着いたくらいから体調が芳しくなくてステージにいるのが短かったのはある意味ありがたかった。ほんとは後半のシェヘラザードも中で座って聞こうと思ってたのですが。

本番ならではのころっと転げちゃうとことか本番にいきなりぴしっと決まるところや本当に色々で、それが本番なんだなとちょっと感じるとこもあった演奏でした。
キージェは前も書いた通りオケ全体の基礎を試すようなところがあったり、シェヘラザードも同じくオケみんなに色んなものがハイレベルで求められる曲で。オケの一員ってやっぱりいいなあ。

自分の出番自体はもう何も話すようなことがなかったです。とにかく少ない出番が。
今回指揮者さん(ふだんはオペラ関係で指揮する人なのですが)が演奏内外チェレスタを気にかけてくれたりいい人で、実際の指揮も良い感じの人だったので出番が少なかったのはやっぱり残念。どっかまた一緒にお仕事できたらいいなあ(ちゃんと伝えた)。

ということで演奏自体にあんまり書くことがないのでまあそこら辺周りでちょっと。
もしかしたら前も書いてるかも知れませんがサウンドチェック、日本語でいうとゲネプロのこと。
コンサートの前、大体コンサート当日でコンサート会場でやる最後のリハーサルのことをゲネプロ、サウンドチェックと言います。
言わずもがな普段のリハーサルよりかなり重要なリハーサルです。

今回お仕事させていただいたStonnington Symphonyはリハーサル場所が本番の場所と全く同じなのですがそうでないケースの方が多く、そういう場合に実地でサウンドチェックするのは音響やオケのメンバーが見えるかどうか距離感がどうかとか照明、空調、曲間の椅子など移動だったり実際の演奏以外の色々な要素が大事になってきます。

で、サウンドチェックはそんなに長く時間は取れないことが多いです。理論的にプログラム全部通すくらいの時間があっても実際そんなことはしてられないケースが圧倒的。
そういうときサウンドチェックで何をカバーするか、上記みたいな周りの細々とした大事なものにも時間を割くのが分かってる上でいつもよりも厳しい時間管理をどうするか、そこを指揮者がどう考えてるかってのは実際の指揮や解釈と同じくらい人それぞれで面白いです。

あともう一つサウンドチェックで考慮しなくちゃいけないのが奏者の体力。奏者というか主に金管楽器の唇の体力ですね。プログラムにもよるのですが例えばマーラーとかシュトラウスとかだと金管の人達ところどころ弾いてないとことか楽めに吹いてるところがあったり。知らない人には見えないところで一部ものすごいハードなスポーツが繰り広げられているらしいです。
(私はその対極といえるくらい動かなくて下手すりゃ凍えるほどなのに)

オケのコンサートだとサウンドチェックがあんまり朝早かったりコンサートまでの間が中途半端に空いたりして過ごし方に迷ったりみたいなことがなくて、ついでに天気が良かったら本番当日はむしろ普段よりのんびりできるのが良いです。次回のコンサート(近いうちに改めてお知らせ予定)もそんな当日になるといいな。


今日の一曲: ニコライ・リムスキー=コルサコフ シェヘラザード 第3楽章「若い王子と王女」



いやあやっぱりシェヘラザードいいですよね。弾けたらなあ&踊れたらなあ。
あと想像の中のいろんなバイオリン弾き設定の人物にシェヘラザードのソロを弾かせたらどうなるのかどう違うのか考えてみるっていう遊びも好きです。賢姫の面だったり色気だったり技巧だったり自由さだったりいろんな要素が絡んできて考えてるだけで楽しい。

ソロの出番で言ったら多分一番少ないんじゃないかと思われますがオケの色気というかロマンティシズムがすごいのはこの第3楽章じゃないかな。特に中間部後半からの盛り上がりでいわゆる英語でいうところのschmaltzというかオーバーなくらい甘ったるくてロマンチックな音楽の盛り上がりが楽しめる(常時そうでないのでちょうどいい)。

特に一番のクライマックスのとこ!ここまでやるか!というほどブレーキかけて全オケで持ってってボリューム膨らませて、それで降りてくる途中のハープの分散和音がなんかすごいキラキラすぎるかと思いきや絶妙で。もう!なんでこんな音楽書くんだよう!みたいなドーパミン的にも音楽的にも諸々オケの細かいことに関してもしてやられた感があるクライマックスです。

もちろんハイライトは他にも色々。クラリネットやフルートの速い音階上下が難しそうなのにクールに弾いててかっこよかたり、中間部のリズムだったり(スネアドラムやトランペットのリズムの真似よくします)、後半でバイオリンソロが伴奏的な感じのソロを弾いてたり。どうしてこういうとこにテンション上がるのか分からないですけどシェヘラザードはとにかくオケの活躍がメインもサブもそれ以外も聞いてて楽しいです。

リンクしたのはデュトワ指揮のモントリオール交響楽団の演奏。特にこの楽章と相性良さそうな感じ。同じくリムスキー=コルサコフのスペイン奇想曲は多くのアルバムで一緒に収録されてますが残り時間も曲調もいいコンビですね。

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