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行ってきましたリハーサル!
しかし合唱とソリスト(バリトン歌手)と一緒のリハーサルなのに合唱が30人以下だった!
(パンフには180人男声合唱と書いてある)
父の日だししょうがないんだけどなー今週と来週しか全体合同はないんでみんなおっかなくないのかな。私だったら来ないと怖いっす。
でも出席した合唱の人達は結構頼もしかったしソリストも大変美声だったのでこれからのリハーサルも楽しみ。
さてリハーサルでは弾くとこが少ないピアノ&チェレスタ奏者ですが休みの間に「ショスタコすごいなー」と思うことが多いです。もちろんショスタコの書く音楽の圧とかパワフルさとか繊細さとか、色々あるのですがやっぱり楽器使いというか交響曲を書く上で色んな楽器をどう動員しているか、活躍させてるかというところで惚れ直すことが多いです。オケの上から下まで、前から後ろまで隅々のいろんな楽器全部にとって弾きごたえがあって弾いて楽しく聴いて楽しく、というのはやっぱりすごい作曲家の証だと覆います。
ということで今日はオケの楽器群ごとに(合唱・声楽は今回割愛)ショスタコのすごさを語ってみたいと思います。
(1)ショスタコの弦楽器
15つの弦楽四重奏曲を筆頭にオケ以外でも弦楽器を使う作品をいっぱい書いてるショスタコ。ただオケでは各弦楽器の人数も多くその「群」の力を発揮させるような使い方が多いです。一糸乱れぬその動きは日本でやってる「集団行動」にもちょっと似てますがそれよりもエネルギッシュで荒々しいパートが多く。それからショスタコのユダヤ風スタイルの音楽は弦楽器の活躍で成り立ってるようなもの。さらに対照的に交響曲第5番第3楽章みたいなソフトな曲でのミステリアスで繊細なキャラクターもお手の物。空間の広がりを感じさせる弦パートです。
弦がオススメのオケタコ曲: 交響曲5番第3楽章、交響曲第11番第2楽章、交響曲第14番第8楽章
(2)ショスタコの木管楽器
今日のリハーサルではピッコロ不在だったのですが第4楽章の大音量のクライマックスで上にピッコロの鋭い爆音が乗っかってないと本当に魂が抜けたみたいですね。戦で言えば急襲の先鋒。
ショスタコの書く木管パートはそもそもこの楽器群がそれぞれ全く違う音を出すことを強く感じさせますね。ソロ単位ではものすごい適材適所みたいにメロディーもサポートも音色を使い分けて、木管楽器全体として使うときはその音の組み合わせの妙をうまく合わせた「個」のアンサンブル。どうしても金管とかが目立ちがちなんだけどショスタコの書く木管パートってちゃんと聴いてみると結構かっこいい。
木管がオススメのオケタコ曲: 交響曲第9番第2、3楽章、交響曲第13番第2楽章、交響曲第15番第3楽章
(3)ショスタコの金管楽器
ショスタコといえばまずは金管楽器ブワーみたいなイメージがあります。ブワーかどうかはともかく一番目立って派手にいっぱい活躍してることには変わりない。特にクライマックス的なとこでのかっこよさったらショスタコの音楽の代名詞にそりゃなるわ。弾いてる人たち決まって楽しそうだし聴いてて楽しいし。個人的なツボは不協和音を吹く金管だったり、サポートに回る時のホルン軍団の一歩下がった手堅さだったり。メロディーもいいけどとにかく和音が格好いい。主役でもありながらしっかり縁の下の力持ちもしている格好良さ。
金管がオススメのオケタコ曲: 交響曲第5番第4楽章、交響曲第7番第1楽章、交響曲第13番第1楽章、交響曲第15番第2楽章
(4)ショスタコの打楽器
ショスタコの曲で打楽器の花形というとティンパ二の他にスネアドラムもイメージが強いですかね。スネアはミリタリーでパワフルでフルオケを貫通する厳しい音と爽快なリズム。ティンパニは丸いけど心臓の芯を突くような響きがあります。ただ他の打楽器も出番は多いしものすごい活躍。派手にクライマックスではじけるシンバル、的確に響きを爆発させる銅鑼や深みで鈍く響くバスドラム、弱音からクライマックスまで出番が結構多い木琴や鐘、などなど。ショスタコの音楽の多彩な癖のあるキャラクターの表現には欠かせない楽器群ですね。
打楽器がオススメのオケタコ曲: 交響曲第11番第2、4楽章、交響曲第13番第3、4楽章、好局羽曲第14番第5楽章
(5)ショスタコの周辺楽器
ハープとかピアノとかチェレスタとかをまとめて自分はこう呼んでます。もちろんショスタコはこういう楽器にも活躍の場が多いです。とはいえハープは派手なアルペジオとかはなく低音中心に伴奏が多いので弾いてて楽しいのかはちょっとわからない。ただその伴奏の和音の響きはすっごい好きです。繊細でひんやりした空気にぽん、と和音を添えたその色彩がたまらない。
音が少ないのはピアノ・チェレスタも同じく。ただその少ない音の存在感は抜群。弾いたらソロで堂々と主役と名乗っていいみたいなとこも多い。なので是非是非聞き逃さないで欲しいです。
周辺楽器がオススメのオケタコ曲: 交響曲第1番第2楽章、交響曲第5番第1、3楽章、交響曲第14番第4楽章
こうやって文章として書いてみると「他の作曲家もそうだ!当たり前だろう!」みたいな声も出そうですが改めて念頭に置いて聴いてみるとなんかすごいのが分かると思います。
2週間後にはHamer Hallで本番(あ、お知らせしないと)。ショスタコのすごいとこたくさんの人に知ってもらいたいです。
今日の一曲: ドミトリ・ショスタコーヴィチ 交響曲第13番「バビ・ヤール」 第4楽章「恐怖」
いやあ5つある楽章の中でリハーサルしてて一番熱いのがこれです。私が弾く部分は少ないのですが、改めて肌で感じるほど近くで聴いてじっくりリハーサルしてみると感じるところが色々。強烈です。
なにが強烈って(1)最初のティンパニ→銅鑼→バスドラムの響きが腹辺りにダイレクトでそれぞれくる(2)曲の暗さ半端ない!(3)歌詞の詩の内容がリアルな怖さ(4)そしてその詩の内容をより伝えるためか合唱とかもメロディーに乗せてない箇所がいくつかあって余計に怖い。
ただその怖さと暗さはほんとたまらない。打楽器も合唱もテューバのソロも途中のファンファーレもあとピアノのパートも。むしろメロディー以外のところを聴くとその深い闇の淵がより味わえて面白いかも。
ところでこの楽章、今日の合唱(少人数)とのリハーサルで「指揮者のスコアにもミニスコアにもオケパートにも書いてなくて録音でも歌われてなくて(うちの手持ちでも確認済)、でも合唱のパートにだけ書かれてるので歌うことにした」という部分があることが判明。リハーサル番号106の3~5小節目、スコアにはティンパニソロとなってるところなのですが、ティンパニソロとユニゾンで歌うようになってるそう。
歌詞は合唱の最初のエントリー&クライマックス後最初の合唱エントリーと同じく「ロシアでは恐怖が死に絶えている」と歌うそうで。そう言われれば確かに音もほぼ同じでリズムも同じ。
実際ショスタコがどう意図してるかは分からないのですが、歌わない明確な理由はなさそう。強いていれば既に最初と後半2箇所でこのフレーズ歌ってるから3回はやりすぎかも?ティンパニのソロで匂わすだけの方がいいかも?みたいなことはあるかな。
リンクする録音は色々試聴してみたんですけど試聴範囲がみんな曲の最初の方でソロの歌も聴けないしほぼ低音打楽器+低音弦楽器+テューバくらいしかきこえないのがこの楽章の難点。とはいえ解釈にものすごい幅が出るような感じもないと思うので録音を選ぶときは他の楽章を参考に。
しかし合唱とソリスト(バリトン歌手)と一緒のリハーサルなのに合唱が30人以下だった!
(パンフには180人男声合唱と書いてある)
父の日だししょうがないんだけどなー今週と来週しか全体合同はないんでみんなおっかなくないのかな。私だったら来ないと怖いっす。
でも出席した合唱の人達は結構頼もしかったしソリストも大変美声だったのでこれからのリハーサルも楽しみ。
さてリハーサルでは弾くとこが少ないピアノ&チェレスタ奏者ですが休みの間に「ショスタコすごいなー」と思うことが多いです。もちろんショスタコの書く音楽の圧とかパワフルさとか繊細さとか、色々あるのですがやっぱり楽器使いというか交響曲を書く上で色んな楽器をどう動員しているか、活躍させてるかというところで惚れ直すことが多いです。オケの上から下まで、前から後ろまで隅々のいろんな楽器全部にとって弾きごたえがあって弾いて楽しく聴いて楽しく、というのはやっぱりすごい作曲家の証だと覆います。
ということで今日はオケの楽器群ごとに(合唱・声楽は今回割愛)ショスタコのすごさを語ってみたいと思います。
(1)ショスタコの弦楽器
15つの弦楽四重奏曲を筆頭にオケ以外でも弦楽器を使う作品をいっぱい書いてるショスタコ。ただオケでは各弦楽器の人数も多くその「群」の力を発揮させるような使い方が多いです。一糸乱れぬその動きは日本でやってる「集団行動」にもちょっと似てますがそれよりもエネルギッシュで荒々しいパートが多く。それからショスタコのユダヤ風スタイルの音楽は弦楽器の活躍で成り立ってるようなもの。さらに対照的に交響曲第5番第3楽章みたいなソフトな曲でのミステリアスで繊細なキャラクターもお手の物。空間の広がりを感じさせる弦パートです。
弦がオススメのオケタコ曲: 交響曲5番第3楽章、交響曲第11番第2楽章、交響曲第14番第8楽章
(2)ショスタコの木管楽器
今日のリハーサルではピッコロ不在だったのですが第4楽章の大音量のクライマックスで上にピッコロの鋭い爆音が乗っかってないと本当に魂が抜けたみたいですね。戦で言えば急襲の先鋒。
ショスタコの書く木管パートはそもそもこの楽器群がそれぞれ全く違う音を出すことを強く感じさせますね。ソロ単位ではものすごい適材適所みたいにメロディーもサポートも音色を使い分けて、木管楽器全体として使うときはその音の組み合わせの妙をうまく合わせた「個」のアンサンブル。どうしても金管とかが目立ちがちなんだけどショスタコの書く木管パートってちゃんと聴いてみると結構かっこいい。
木管がオススメのオケタコ曲: 交響曲第9番第2、3楽章、交響曲第13番第2楽章、交響曲第15番第3楽章
(3)ショスタコの金管楽器
ショスタコといえばまずは金管楽器ブワーみたいなイメージがあります。ブワーかどうかはともかく一番目立って派手にいっぱい活躍してることには変わりない。特にクライマックス的なとこでのかっこよさったらショスタコの音楽の代名詞にそりゃなるわ。弾いてる人たち決まって楽しそうだし聴いてて楽しいし。個人的なツボは不協和音を吹く金管だったり、サポートに回る時のホルン軍団の一歩下がった手堅さだったり。メロディーもいいけどとにかく和音が格好いい。主役でもありながらしっかり縁の下の力持ちもしている格好良さ。
金管がオススメのオケタコ曲: 交響曲第5番第4楽章、交響曲第7番第1楽章、交響曲第13番第1楽章、交響曲第15番第2楽章
(4)ショスタコの打楽器
ショスタコの曲で打楽器の花形というとティンパ二の他にスネアドラムもイメージが強いですかね。スネアはミリタリーでパワフルでフルオケを貫通する厳しい音と爽快なリズム。ティンパニは丸いけど心臓の芯を突くような響きがあります。ただ他の打楽器も出番は多いしものすごい活躍。派手にクライマックスではじけるシンバル、的確に響きを爆発させる銅鑼や深みで鈍く響くバスドラム、弱音からクライマックスまで出番が結構多い木琴や鐘、などなど。ショスタコの音楽の多彩な癖のあるキャラクターの表現には欠かせない楽器群ですね。
打楽器がオススメのオケタコ曲: 交響曲第11番第2、4楽章、交響曲第13番第3、4楽章、好局羽曲第14番第5楽章
(5)ショスタコの周辺楽器
ハープとかピアノとかチェレスタとかをまとめて自分はこう呼んでます。もちろんショスタコはこういう楽器にも活躍の場が多いです。とはいえハープは派手なアルペジオとかはなく低音中心に伴奏が多いので弾いてて楽しいのかはちょっとわからない。ただその伴奏の和音の響きはすっごい好きです。繊細でひんやりした空気にぽん、と和音を添えたその色彩がたまらない。
音が少ないのはピアノ・チェレスタも同じく。ただその少ない音の存在感は抜群。弾いたらソロで堂々と主役と名乗っていいみたいなとこも多い。なので是非是非聞き逃さないで欲しいです。
周辺楽器がオススメのオケタコ曲: 交響曲第1番第2楽章、交響曲第5番第1、3楽章、交響曲第14番第4楽章
こうやって文章として書いてみると「他の作曲家もそうだ!当たり前だろう!」みたいな声も出そうですが改めて念頭に置いて聴いてみるとなんかすごいのが分かると思います。
2週間後にはHamer Hallで本番(あ、お知らせしないと)。ショスタコのすごいとこたくさんの人に知ってもらいたいです。
今日の一曲: ドミトリ・ショスタコーヴィチ 交響曲第13番「バビ・ヤール」 第4楽章「恐怖」
いやあ5つある楽章の中でリハーサルしてて一番熱いのがこれです。私が弾く部分は少ないのですが、改めて肌で感じるほど近くで聴いてじっくりリハーサルしてみると感じるところが色々。強烈です。
なにが強烈って(1)最初のティンパニ→銅鑼→バスドラムの響きが腹辺りにダイレクトでそれぞれくる(2)曲の暗さ半端ない!(3)歌詞の詩の内容がリアルな怖さ(4)そしてその詩の内容をより伝えるためか合唱とかもメロディーに乗せてない箇所がいくつかあって余計に怖い。
ただその怖さと暗さはほんとたまらない。打楽器も合唱もテューバのソロも途中のファンファーレもあとピアノのパートも。むしろメロディー以外のところを聴くとその深い闇の淵がより味わえて面白いかも。
ところでこの楽章、今日の合唱(少人数)とのリハーサルで「指揮者のスコアにもミニスコアにもオケパートにも書いてなくて録音でも歌われてなくて(うちの手持ちでも確認済)、でも合唱のパートにだけ書かれてるので歌うことにした」という部分があることが判明。リハーサル番号106の3~5小節目、スコアにはティンパニソロとなってるところなのですが、ティンパニソロとユニゾンで歌うようになってるそう。
歌詞は合唱の最初のエントリー&クライマックス後最初の合唱エントリーと同じく「ロシアでは恐怖が死に絶えている」と歌うそうで。そう言われれば確かに音もほぼ同じでリズムも同じ。
実際ショスタコがどう意図してるかは分からないのですが、歌わない明確な理由はなさそう。強いていれば既に最初と後半2箇所でこのフレーズ歌ってるから3回はやりすぎかも?ティンパニのソロで匂わすだけの方がいいかも?みたいなことはあるかな。
リンクする録音は色々試聴してみたんですけど試聴範囲がみんな曲の最初の方でソロの歌も聴けないしほぼ低音打楽器+低音弦楽器+テューバくらいしかきこえないのがこの楽章の難点。とはいえ解釈にものすごい幅が出るような感じもないと思うので録音を選ぶときは他の楽章を参考に。
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