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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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I am, you are, we are Australian
いよいよ明日コンサート、うざいほど楽しみにしております♪
一応そこそこ早めに乗り込んでBlue Trainでピッツァをいただいたり暖かい飲み物をいただいたりしてコンサートまでゆったりするつもりです。チケットは予約済みですので。
いやあ楽しみ(また!)。

前このブログでお話ししたか分かりませんが私は今オーストラリア永住権を取得申請して結果を待っていまして。
「音楽教師」で申請したため優先度が低くかなり結果が出るのに時間が出るそうで、一応前電話したら2011年までかかるそうで(苦笑)
まあ、裏を返せば2011年まではとりあえずこっちに居れる、ということなので。永住権がとれなかった場合のことは正直あんまり考えていないのですが、仕事の性質上帰国してもなんとかなるかな・・・?

初めて会う人に驚かれることはいくつかあります。
まず最初に会って「え?日本人なの?」と驚かれ(中国系の顔で、中国人・韓国人にも自国人と間違われるほどです)。
そしてオージーの定番のリアクション「日本のどこから来たの?」「日本いってみたいのよねー」「日本のここに行ったのよ~」「日本食っておいしいよねー」と急にフレンドリーな会話がいきなり弾んだあと・・・
「こっちに来て何年になるの?」と言われて14年と答えると「長いね!」と驚かれ(日本から来た人は赴任か留学が多いので)。

でも一番驚かれるのはそのあと「じゃあ市民権はとってるの?」と聞かれて「実は永住権もまだでして・・・」と答えたとき。
「そんなに長く住んでるのにとれないの?」とよく言われますね。「自動的に取れちゃえばいいのにね」とも(笑)
大学の友達とかだと大学に入る前とかからユースオケで知り合いだった人が多いので私が「留学生」だってことをみんな知らなくて「え!?留学生扱いなの?」と驚かれたことが数え切れないほどありました。
みんなにとっては私はオージーも同然。私にとっても私はオージーです。

留学生は学費が高いんでね(笑)
こっちでは12年生の卒業の一連の試験がどの大学でなにを学ぶかを決めます。
1つのコースに入れる成績レベルは毎年2つずつ決められます。
1つはHECSといって、高成績の生徒が政府から学費の援助を受け、後にあるレベルの所得を得られるようになったら税の一部として返済する、というシステム。HECSを受けられる生徒の数には限りがありますが、決して少ないわけではないです。
そしてHECSでその大学のそのコースができないとなった場合でも決められたレベル(HECSより下)の成績に達していれば学費の全額を払ってそのコースを受けることができます。
ただ留学生はこの限りではなく、留学生枠として別扱いになり、先ほどの「学費の全額」よりもまた多い学費を払わなくちゃいけないのです。
・・・本当に説明不足なような気が抜けなくてすみません。オーストラリアの教育システムに関してはまた別の機会に。

まあ学費が高い、といっても4年半通って、授業はもちろん、オケの活動(マネージャーの仕事に関しては少しながら給料ももらえましたし)、レッスン、演奏(あのスタインウェイのコンサートグランドで何回弾かせてもらったことか!)、そして何よりも練習と練習設備を全部ひっくるめて元は十分すぎるほど取ったような気もします(笑)少なくとも私自身は。
一日に8時間練習してた時期もかなりありましたしね。週末もオケマネージャーとしての施設のアクセス権で練習室にこもってたり。
きっちり元は取ったつもりですよ。

えーっと、話を元に戻しまして。
まあみんなは私がずっとオーストラリアにいるものだと当たり前のように思ってます。
私もそのことにかんしてはだれよりも強く思っていて、永住権をまずは獲得していずれはオーストラリアで市民権をとり、帰化することを夢見ています。
今は日本側の事情でオーストラリアと日本の二重国籍は認められていません。それも変わるかわからないものなのですが・・・
でもまあ選ぶならオーストラリア人になりたい、とここのところしばらく思っています。

オーストラリアに来て1年したころは私は日本に帰りたいという思いが強く、ホームシックが鬱を引き起こしたということも十分あり得ると今でも思っています。
ですがそれから2年もしないうちにオーストラリアが大好きになり、父が転勤でオーストラリアを離れるときに私は「オーストラリアに残りたい」という意思表示を初めてあらわにしました。
学校の友達とも強い絆で結ばれるようになり、音楽を志すようになり、そして精神のケアを受けるようになり・・・
そういった全ての要因が私の心をメルボルンにつなぎ止めていました。

音楽環境もメルボルンのほうが肌にあってるのかなーとうすうすは思っていました。
メルボルンは文化の町で、日本のオケなどと比べるとレベルはどうだか分かりませんがレパートリーに関しては素晴らしく幅が広く。
現代音楽やあまり知られてない曲、玄人好みも精力的に弾かれ、実際聴衆を集めることができることのすごさ。
自分がメシアンと現代音楽の道を見つけ、スティーブンやマイケルと出会い、そしてマニアックでコアな玄人友達の中で一層マニアックでコアな知識と趣味を発達させそういったレパートリーの宝庫とされたのもメルボルンにいたからならではだと信じています。
あとはやっぱりメルボルンの音楽家たちのカジュアルかつ情熱的で楽しい世界が何よりも素晴らしくて好きなことは私の創作にあふれるほど表れますしね~(笑)愛ですよ、やっぱり。

特にうつの治療に関してはメルボルンじゃなくちゃ、本当に尊敬しているドクターと、勝手知った素晴らしい病院と治療システム、自分で治療のいろいろ立ち回りを(もし悪化したらどうしたらいいか、など)知っていることに対する安心、そして自分が受けられる治療に対しての信頼。日本がメンタルヘルスの面でかなり遅れていることへの懸念も要因ではありますが、それよりもメルボルンで自分が体験した、そして知った治療についてのポジティブな面を認め、信頼していることは本当に自分のなかで大きいです。

そして高校も卒業し、大学生活もあっというまに過ぎ・・・
こうやって今待っている間にも私のメルボルン愛は強まるばかり(笑)
日本が私の生まれた故郷ならばメルボルンは私が自分の意思で選んだ故郷。
ここにずっと住むことは私にとって一番の夢であり、願いであり。
永住権が本当に取れることを願って(長く住んでるのがみんなの言うように良い方に働いてくれるのか?)、今日もこの地で一歩一歩歩んでいきます。


今日の一曲: レイフ・ヴォーン=ウィリアムス 交響曲第6番第3楽章



今日もまた変化球を一つ投げてみようと思います。

ヴォーン=ウィリアムスの音楽はいつも言いますが「グリーンスリーブスによる幻想曲」を筆頭に交響曲第2番「ロンドン」、「タリスの主題による幻想曲」、「揚げひばり」、「ヨブ」など名曲とされるのはどれも牧歌的なメロディーの美しい作品ばかり。
だからたまにヴォーン=ウィリアムスは同じような曲しか書けない、なんて言われちゃうんですけど・・・

交響曲第6番はそういった意味では優れた変化球だと思います。
交響曲を支配する第1楽章の最初の和音からこの曲がそんなステレオタイプをぶちこわす暗いエネルギーをもった作品だということが明らかで。
まあ、こんな風に言うのも何ですがヴォーン=ウィリアムスのDark Side(闇の側面)とでも言いましょうか。
「ヨブ」などで部分的にはフィーチャーされているそういったDark Sideですが、あんまり注目されることがなく。
ものすごく強い主張なんですよね。

そんなこの6番の第3楽章はスケルツォ。
スケルツォは結構作曲家の性格というかスタイルが顕著にでると思います。
スケルツォ=冗談なので、作曲家のユーモアのセンスが問われる、といったところでしょうか。
例えばシベリウスなんかはちょっとスケルツォを書くのが苦手なのかな~といった印象。
ショスタコはお決まりの皮肉、または怒濤の死の舞踏みたいな。
マーラーはまた独特な重みと色彩があって。
私個人がスケルツォとして典型的に素晴らしいと思うのはベートーベンの第9、ドヴォルザークの7番、あと緩除楽章に出てくるスケルツォ各種ですかね。他にも典型的でなくて素晴らしいものはたくさんありますが。

ヴォーン=ウィリアムスも決して得意・・・では無いような気がします。
曲としては素晴らしくてもスケルツォとしては・・・?なところがあるかなあ。
でもこの第3楽章、「この交響曲のスケルツォ」としては最高ですし、ものすごくいいキャラの曲であると思います。

なによりも一番私が評価したいのはサクソフォンの使い方。
サクソフォンはオケで使われることが少ないまたは無いと思われがちですが、20世紀はちょこちょこ使われてますよ~
ただ使う作曲家のほとんどがアメリカ人、フランス人、または多少フランスかぶれのロシア人くらいで。
アメリカのサックスはジャズ系統、フランスのサックスはまたちょっとおしゃれで洗練された都会的木管楽器で独特な雰囲気があるのですが・・・
このスケルツォに颯爽と現れるサックスのソロはそのどっちでもない個性的な存在です。

まるで戦争を表すような(ホルストの火星などとちょっと雰囲気が似てる)殺伐とした音楽のなかに颯爽と現れて、ユニークな存在感としゃれたメロディー(あんまりフランスっぽくはない)としゅっとした出で立ちで。そこだけ別世界になるんですよ。オケでのソロのなかで一番・・・あんまり言葉が好きじゃないんですけど「イケメン」ですかね。音ですけど。

もうそのサックスソロだけのためにでもいいから(ヴォーン=ウィリアムスの音楽は牧歌的だけじゃない!という主張もむしろもういいです?!)この楽章に耳を傾けて欲しいです。
ちょっぴり惚れてしまいますよ~♪私ため息漏らしましたもん(笑)


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