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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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指揮者の話
前回のエントリーに拍手ありがとうございます~

2回目のトウシューズレッスンはなにかコツを掴んだのかぐっとできるようになって(後でクールダウンしたのもあり)目立った筋肉痛もなく。
ただその土曜日から3日メルボルンには珍しい高湿度で高気温の日が続いてかなり参ってました。暑いのはいいんだけどもうちょっとメルボルン的にまともな暑さで来てくれい。

さて、今年も早々にオケの仕事が入ってきました。といってもまだリハーサルスケジュールも確認メールが来てないので(だいたい想定できるけど一応メール飛ばさにゃ)詳細はまたこんど。仕事が忙しい時期に重なりはするけど弾きたかったので無理しないようにかつ後悔しないようにスケジュール管理したいところ。

お世話になるのはいつものオケなのですが去年まで振ってた指揮者さんが引退して(まだ若いには若いんですけどね、なんか演奏の方メインにするみたいで)新しい指揮者さんなのでちょい心配。
人見知りももちろんあるんですけどね、辺縁楽器を大切にしてくれる指揮者に当たることって(特に顔見知りじゃないと)少ないんで。

11才くらいでチェロを初めてほぼすぐ小学校のオケに入れられてからもう20年以上オケにいるってことになるんですよね。(そろそろなんでも数えるとかなりの年数になるお年頃になってきましたな!)学校に隣の男子校にユースオケに大学にコミュニティオケに色んな人のバトンで弾いてきましたが奏者と同じくらい、またはそれ以上に指揮者も色々で。
自分にとって尊敬できる指揮者とそうでない指揮者はかなりはっきり分かれますが(一緒に仕事できるかどうかはまた別の基準)特にピアノ・チェレスタ弾きがメインになってからはゲストプレーヤーとして大事にしてくれる指揮者さんに応えたい気持ちは強くなったかな。

色々評価指標を仕事でみることもあるのか、自分が指揮者をどういう指標で評価しているのかは常日頃気になります。尊敬してるしてないがそんなにはっきり分かれるんだからなんらかの基準はあるはずだよなあ。指揮のテクニック(振りの見やすさと密接に関連してはいるんだけどイコールではない)だったり奏者への接し方だったりリハーサルの運び方だったりレパートリーの選びセンスだったり。人柄も一応あるのかな。でも人柄必須というわけではなさそう(個人としては)。

前指揮者の能力のバランスはコーエーの三国志シリーズでいうと統率・政治力・魅力の兼ね合いみたいなことを書きましたが多分自分にとって大切なのは統率かな。実際の演奏の出来と演奏体験、リハーサルでの満足感なんかに直結しやすいパラメータですよね。あと私が重視する演奏中のコミュニケーションに限ってはコミュニケーションも統率の内だと思います(演奏外だと政治力)。統率されたいというか「(音楽の限り)どこまでもついてきます!」と思える指揮者さんは一緒にお仕事するにあたって楽なのかも。そういう意味では「魅力」的なカリスマより「統率」的なカリスマの方が肌に合う。

その3つのパラメーターが全部ある程度求められることを考えても、あと実際指揮台で振ること意外にも音楽の解釈だったりリハーサルのプランだったり奏者との演奏内外のコミュニケーションだったりオケの方向性(でいいのかな)だったり、はたまた次世代の教育だったりそういう総合的な諸々を考慮しても指揮者ってのは多方向に色んなスキルが求められて大変なお仕事だと思います。
憧れはするけど自分は到底無理(特にコミュニケーション辺り)。
だから指揮台に立ってる時点ですごいとは思うはずなんですけどなんで自分は(心の中で)指揮者に対して厳しい目を向けるのか。ひどい奏者です。

ということで弾くのは楽しみですが仕事との折り合いをつけることと新しい指揮者さんのバトンで弾くことに関してはまだまだ保留という心持ち。
レパートリーなど基本的なコンサートお知らせはもちろんですがリハーサルに関していい報告ができることを願ってます。あとどんなオケでのお仕事もそうですが話のネタになる出来事もあるといいな。


今日の一曲: ヨハネス・ブラームス 交響曲第3番第3楽章



もちろんこの曲にはピアノ・チェレスタパートがないので今度弾くのとは関係ありません。それもまた後日に。

オケ関係の仕事は弾く以外にもちょこちょこやってて、例えば大学のオケのマネージャーもやったり、あとユースオケでオーディション用のオケ曲のパートのexcerpts(主にチェロ)を選んだりもしたことがあります。色々みんな面白い経験でした。

ユースでもプロとそんなに変わらないexcerptsを選ぶのですが(実際の演奏だけでなくそういうとこもユースオケでの経験は本当に貴重)、どんな楽器にも定番のexcerptsがあります。例えば木管楽器はよくメンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」のスケルツォが出ますし、ホルンだと低音狙いでショスタコ5番が出たり。
チェロはというと何らかのブラームスの交響曲が出ることが多いです。だいたい2番か、あと3番のこの第3楽章の冒頭部分。

もうこのメロディーはチェロが弾いて超がつくほど素晴らしいメロディーの一つだと思います。後でホルンとか他の楽器も弾きますがチェロが一番!(これだいたいのチェロのメロディーで言ってますがバイアスとか気にしない)ホルンの孤高な感じとくらべて感傷的なのがまた良い!
ただオーディションで一人でこれを美しく歌い上げるのはちょっと緊張する。音程きっつく書かれてるメロディーだよなあほんと。

ブラームスの交響曲は第1番で22年かけて大きめの作品に仕上がった印象がありますが(それでもまあ45分くらい?)、第3番は時間的にも規模的にもちょっとこじんまりとしている感じ。第1楽章でしっかり存在感示してからはうまいこと両手で包めるサイズにまとまってる。むしろピアノ五重奏曲の方がでっかく聞こえないかな、そんなことないかな。
でもそんなこじんまりでもしっかり世界観は交響曲で、どどーんと派手なでっかい交響曲に濃さも負けてないしそれでいて先人とも違う独特のポジションにおさまってるいいなあブラームス。

ピアノ弾きになってからオケブラームスにはなかなか縁がないですけど(聴くのはもちろん行くのですが)ブラームスの交響曲でチェロが活躍してるとやっぱり嬉しくなります。きっと世界のどこかでオーディションで弾いてる人も勝手に応援したい。

手持ちのショルティ指揮の録音を探してたらカラヤン指揮でブラームス3番+ドヴォルザーク8番というちょっと変わった組み合わせの録音をみっけ。どこがとは説明できないですがなんか似てる。チェロのメロディーが多分似てる。あとヨーロッパの自然感。

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