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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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The Orchestra Project「マーラー9番」感想
まさかの2日連続更新です。珍しい。
というのも今日行ったコンサートが昼だったので即日感想が書けるパターンでした。

久しぶりのThe Orchestra Project。ゲリラ的?とは違いますが指揮者Fabian Russellが不定期に若い音楽家を中心に集まって少ない日数で大曲を仕上げるちょっと変わったプロジェクトです。
今回に限らず(個別のパートの難易度を超えて)難しい曲を扱うのですが集まるのはかなり腕の立つ奏者たちで毎回素晴らしい演奏を聴かせてもらってます。

ただこのプロジェクトを最初に聞いたのが大学在学中なんで間はあくにしろもう10年以上続いてるわけで。そうするともう今回なんかはチェロセクションでもほとんど知ってる人がいなくて時の流れをものすごく感じます。(それと同時に指揮者さんは色々教育方面も含め常に若い奏者とお仕事して新しい才能を拾い上げてくのが凄いです)

マーラーの交響曲は作曲家が年を重ねていくにつれて複雑になる、というのはあまりにも簡単に言いすぎかも知れませんが前聴いた「大地の歌」とはまた違う深さと難しさ。それは聴いてる方もそうですし弾いてる方も相当大変。そもそもこの曲を頭で捉えるとこからだから予習がとにかく大事。

とっつきやすい例でいうと5番の第3楽章みたいな徘徊するような曲調が特に第1楽章と第3楽章でものすごくて、でもあてもなくさまよってるんじゃなくて確固たる意志を持ってぐるぐるしているので聴き手としてはがんばってついてかなきゃいけないじゃないですか。ほんとに脳と気持ちに労力がいる曲です(だがそれがいい)。

今回はこのプロジェクトでは毎度おなじみといってもいいSouth Melbourne Town Hallでの演奏だったのですがこんなにでっかくて複雑な大オケ曲を弾くには向いてない音響なんだよなああそこ。もっとクリアに細部まで聞こえる方が望ましいんだけど・・・あといくらなんでも客席が奏者に近いと色々大変ですね。

今日の演奏で特にすごいなと思ったのはホルン、ティンパニ、Es管クラリネットあたりですかね。Esクラはなんか聴いててあんなに安心できる(曲調に関係なく)音は初めてだったかも。危なげない、を通り越してるような。あとハープ。元メル響のJulieの音聴くの久しぶりだったなー。

マーラーの9番というと最終楽章の弦楽器がものすごくおいしいなーあんなの弾けたらなーと思うのですが最後の最後の弱音を聞いて「怖っあんな繊細で消えるような音出せない!」とビビったのは内緒。チャイコ6番とかでもあることですが弾く側であの緊張感に耐えられるハートは(大学時代はあったかもですが)持ち合わせてないです。

もうとにかく濃い音楽でした。まだ頭がついてってない。大地の歌だって前聴いてからじわじわと慣れていってるとこなので9番ももっと聴く頻度増やしてじっくり耳と脳でチャレンジしていかないと。
そしてマーラー巡礼(今回はメル響ではなかったですが)はあと8番と10番を残すのみ。今年のメル響のプログラムには入ってないですがコンプリートする日が早めに来るといいなあ。
さらにThe Orchestra Projectも奏者が代替わりしても今後も何か演奏があったら駆けつけて聴きたいと思います。きっとこれからも面白い曲やってくれるはず。


今日の一曲はお休み。今後マーラー9番どの楽章か紹介できるといいな。


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