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行ってきました先生のリサイタル!
ということでいきなりプログラムです。
French Piano Music
ピアノ:Stephen McIntyre
ガブリエル・フォーレ 夜想曲第4番 op.36
セザール・フランク 前奏曲、コラールとフーガ M21
モーリス・ラヴェル 高貴で感傷的なワルツ
クロード・ドビュッシー 前奏曲第2巻より
第1番 「霧」
第3番 「ヴィーノの門」
第7番 「月の光が降り注ぐテラス」
第8番 「水の精」
第12番 「花火」
クロード・ドビュッシー 喜びの島
70歳のバースデーコンサート以来はや5年、75歳を迎えてもメルボルン内外で、州外・海外も含め色んなところで今も精力的に演奏活動してる先生ですがオールフランスなプログラムは久しぶりですね。今回はフォーレやフランクも入って正に20世紀になる前後諸々の時代の変化が味わえる曲揃い。
フォーレなんて特に先生の演奏だからってのもありますがちょっと粋なジャズを聴いてるような空気があったり。
中でもやっぱりフランクの立ち位置は独特ですね。重量感というかちょっと他のフランスものと違って、あとオルガンでの作風がものすごく反映されてるような印象。なかなかピアノ音楽聴いてるとは違うよなあ。好きなんだけどよく分からないところもあり、自分で弾いてもなかなか馴染んでくれたためしがないですが先生が弾いてくれてありがたい。
ただ先生の弾き方だと華やかだったりユーモアがあったりする曲の方が楽しく聞けるといつも思います。今回のラヴェルとドビュッシーはそういう意味では俺得な曲揃いでしたね。特にラヴェルと最後の喜びの島。喜びの島は自分ではなかなか弾きたいとは思えないのですが先生の演奏は素晴らしくて大好きでもっと聞きたくなる。
あと先生の演奏はほどよく力が抜けたようなところがあってユーモアは軽妙に、華やかなのは広がりがあったりで自分の演奏にないところが色々。あとこないだレッスンでがっつりやった色んな強弱やtextureでのコントラスト作りだったり、さらには今後のレパートリーに関してのヒントだったり楽しく聴くだけじゃなくたくさんのことを学べたコンサートでした。
そして今回は一日に2公演だったのですが私が行った2回目の公演では同世代の先生の生徒たちも結構来ててちょっとした同窓会みたいな感じで話に花も咲きました(ただし後で飲みにいくほどでもなかった)。同門の結束やっぱりいいですねえ。
とはいえ2週間もすれば今度は自分が演奏する側です。しかもソロもオケもあり。
特にソロの方はまたメシアンを皆さんにお届けするため(あ、前回書いてなかったですが前奏曲第6番「苦悩の鐘と別れの涙」を弾きます)ベストな演奏ができるようにしなきゃですね。
いつでも目標はこれまでメシアンの音楽を聴いたことがなかった人にメシアンの音楽を届け、あわよくばメシアン好きを一人でも増やすことなので。完全に草の根運動ですが着実に続けたいです。
今日の一曲: モーリス・ラヴェル 高貴で感傷的なワルツ
ラヴェルはむかしむかし先生が全ピアノ作品を一つのリサイタル(2時間半~3時間くらい)で弾いたくらい残した作品が少なくて、私もかなり前からだんだん弾いたことがないラヴェルの作品のストックがじわじわ減ってきていることが気がかりで。
そんな中この曲はまだ弾くことも考えてなかったです。でも生で&先生が弾くのを聴いちゃったらちょっと考え始めちゃいそうになる。
ピアノ音楽も(私から見ると)完璧に近い音楽を書くラヴェルですが彼の音楽を語るにおいてやっぱり「一流のオケ書きである」という話は避けて通れない。ピアノ曲でも特にこの「高貴で感傷的なワルツ」なんかはオケ要素が満載で。実際オケ版もあるのですがピアノ版でもrピアノ一台に収まりきらないような多様な音色と曲調、そしていないはずの打楽器の存在を感じる踊りのリズム、そしてきらびやかで華やかな色彩。
今Wikipediaで調べたらワルツも色々ありながら元になってるのはシューベルトのワルツなんですね。プーランクの即興曲集でもシューベルト意識の円舞曲があります。新古典主義の時代ではありますがそれでシューベルトにスポットライトが当たるのは面白い。同時にバレエが発展した時代でもあるから「踊り」の視点からシューベルトにスポットライトが当たるのかというとさらに面白いですね(現代だとシューベルト=歌曲の巨人というイメージですし)。
ただいまラヴェルは復習モードもあっていつこの曲に手をつけられるか分からないですがいずれは弾きたいです。その時には心にも演奏にも余裕を持って、色んなワルツを演じ分けて踊り分けて、オケの色彩パレットをあますことなく使って楽しいワルツにできるといいなあ。できるといいなあ(汗)
リンクする録音は先生の先生の演奏。やっぱ弾いてたんだなー。