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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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感想がたまるたまる
師走らしく、とまではいきませんが動き回ってます。
仕事の合間だったりなんだりに色々、今日もシティで複数用事を済ませたり先週行けなかった分のバレエレッスン行ったり。
ということでmomentumがあるうちに感想書かないとコンサートもたまってしまう!

そういう経緯でまずは月曜の夜のコンサートから。
Plexus 「Perpendicular」
バイオリン:Monica Curro、クラリネット:Philip Arkinstall、ピアノ:Stefan Cassomenos
Clare Strong 「Cloudscape」
John Polglase 三重奏第7番
Katy Abbott 「Aspect of Dreaming 2」
Gerald Cohen 「Variously Blue」
(休憩)
Stefan Cassomenos/Helen Morse「Melodies Francaises」(ナレーション・朗読:Helen Morse)

いつも通り(といっても諸々あって私はだいぶ久しぶりに聴きに行ったのですが)Melbourne Recital CentreのSalonでのコンサートでしたが休憩の存在からわかるようにちょっと長めのコンサートでした。なんでも委嘱して曲を書いてもある際に時間制限の指定はしているのですがそれ通り書いてくれるかどうかはまた別の話らしく。一つ一つの曲の内容がかなり濃い場合も多いので今回は聴いててちょーっと集中力に難がありました。前半後半それぞれ別のコンサートとして余裕あった楽しみ方ができたらよかったんだけどなあ。しょうがない。

ちなみに後半の曲はドビュッシー、ラヴェル、サティ、そしてリリ・ブーランジェの歌曲などを三重奏に編曲した上でその背景や歌詞となった詩をナレーションや朗読として交えて楽しむというちょっと変わった試みのアレンジ作品。曲のチョイスももちろんですがその言葉や歴史背景を絡めたつながりが面白くて引き込まれました。今回の演奏場所はSalonとはいいますがモダンなサロンなのでちょっと家具とか照明とか19世紀末っぽくして雰囲気だして演じても楽しいと思います。(あと図らずもこないだここで書いた声と歌詞と器楽との関係の話に関連してくるフォーマットで色々と思うことありました)

あとコンサート後の飲みで色々と面白い話をしたのですがそれはまた長くなりそうなので割愛。ただ管楽器のタンギングと母国語の発音周りの話についてはまた別に話を展開してもいいかも。覚えてたらいつか。

ちなみに今回のコンサートでPlexusは委嘱した曲数100曲を超えたそうです。つまり私も5年間応援しにコンサートに通ってもう100曲ちかくも初演を聴いたってことでどっちもすごいことです。今のところ再演の機会が少なく色々一期一会ですがそのうちベストセレクション的なアルバムを出してくれないかなあと願っています。来年もまたPlexusを通じて色んな音楽に出会いたい。

そして今日は友人の修士課程の最後の試験でもあるリサイタルがあるので行ってきました。
ピアノ:Gintaute Gataveckaite
ルートヴィッヒ・ファン・ベートーヴェン 創作主題による32の変奏曲 WoO80)
セザール・フランク 前奏曲、コラールとフーガ
(休憩)
ヨハン・セバスチャン・バッハ/フェルッチョ・ブゾーニ シャコンヌ(バイオリンのためのパルティータ第2番BWV1004より)
セルゲイ・ラフマニノフ コレルリの主題による変奏曲

どうですかこのプログラム。複数楽章編成ではないもののそれに準ずるスケールの曲が四つどっかんどっかんと。体力もそうですが集中力も相当でないとこんなプログラムは実現できません。
この友人(ちなみに女の子です)はあえてそういうところにチャレンジしますしメンタル・フィジカル両面でがっつり取り組む曲が得意。そういった意味では自分もちょっと似てるんですがだからといって技巧も体力も精神力も桁違いなんでもう憧れます。

特に後半がすごいんですよね。たぶん普通この2曲を並べて弾くのは弾く方もそうですが聴く方も精神力が必要で。でもパワフルな演奏で圧倒されますし、むしろどっちの曲も長さを感じず最後の変奏にくると終わって欲しくないと感じました。あと結構似たような印象があったこの2曲、並べて聴くと違いが際立ってきてまた面白い。そういう意味でもちょっと貴重でしたね。

これでたぶん今年のコンサート行きは終わりかな?ちょっと途切れた仕事もそろそろ再開できるといいんだけど。今年の残りもまだまだアクティブに過ごしたいですね(当社比)。


今日の一曲: ヨハン・セバスチャン・バッハ/フェルッチョ・ブゾーニ シャコンヌ(バイオリンのためのパルティータ第2番BWV1004より)



バッハのシャコンヌといえば自分のうちには長らく本家バイオリンの録音がなくて、ピアニストシリーズでこのブゾーニ版が収録されてたりブラームスの左手版をどっかで聴いたり、でも何より父が好きなギターのためのセゴヴィア版が一番親しみがあり。

もちろんバイオリン=同時に弾ける音が和音として4つまでの楽器のための曲をピアノやギターのために、それも実際弾いて映えるような曲に仕立てるとなると色々工夫が必要で。もちろん楽器による技巧の違いも考慮してなんとかしなきゃいけなくて。
それでも各版で世界観の違いはありながらできた曲は間違いなく「バッハ」なのがすごいと思います。

今回のリサイタルのプログラムにはこの原曲が他にも前述ブラームスの左手版やメンデルスゾーン、シューマンなどによって編曲されてるながらもブゾーニのような完成度には届かない、みたいなことが書いてありますがそれは作曲家の力量というより楽器と音楽の作風の発展が関係してるんじゃないかと思います。それらがこの曲を包括できるほどに成長し、かつブゾーニというだいぶ特殊な編曲者が現れて全部の要素が揃ってできあがった作品なんじゃないのかな、という気がします。なんとなく。

ブゾーニはブゾーニでまた編曲だけでなく自身の作曲した作品もまた面白そうなんですけどね。ただしなかなか容易には近づけない性質の面白いも入ってますが。いつか縁があれば(大学でそこら辺見てたピアニスト仲間もいたんですけどね-)。

リンクする録音を調べてみたらアリシア・デ・ラローチャの演奏を見つけてしまいました。あの人も私と同じくらいの手の大きさ(小ささ)だと思うんだけどそれでも弾けるのかー。そしてシリアスめの曲がいくつか一緒に収録されてるのがまた興味深い取り合わせ。まさかリサイタル録音なのかなあ・・・(汗)

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