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いきなり秋が来ましたメルボルン。まだまだ何があるかわかりませんが夏もほぼ終わりのはず。
こういう急な天候の変化があると住んでる人には想定の範囲内ではありますが他のところからメルボルンに来てる人に「うちのメルボルンがすみませんねえ」みたいな申し訳ない気分になったりもします。メルボルンに来る際にはどの季節でも3つくらいの季節に重ね着で対応できるようにするのが理想的です。
さて月曜日はコンサートに行ってきました。友人のトリオPlexusの2019年シーズン始まり。
ただ今回はちょっといつもと趣旨が違うプログラムで。
Plexus「Phosphorescence」
バイオリン:Monica Curro、クラリネット:Philip Arkinstall、ピアノ:Stefan Cassomenos
照明効果:Kit Webster
Thomas Green 「Antique Dance Variations」
Gavin Bryars 「Sub Rosa」(リコーダー:Hannah Coleman、コントラバス:Damien Eckersley、パーカッション:Brent Miller)
Kate Moore ピアノ独奏のための「Spin Bird」
Joseph Schwantner 「Music of Amber」(上記パーカッション、フルート:Eliza Shephard、チェロ:Michelle Wood)
(休憩)
Georges Lentz 「Nguurraa」(上記チェロ、パーカッション)
Frederic Rzewski 「Coming Together」(上記リコーダー、フルート、チェロ、コントラバス、パーカッション、ナレーター:Gerry Connolly」
ゲストが多い!しかも器楽だけでなくナレーターに照明効果まで。そしてレパートリーも変わってて初演なのが最初の曲だけ、私が生まれる前後くらいに書かれた曲もいくつか。そして編成が変わってるのも面白いですね。
Plexusは普段作曲家に依頼して書いた曲をまとめて演奏するのですが今回は必ずしもそうでないということで面白い楽器編成の曲をまとめてみたり照明と組み合わせてみたり(タイトルとリンクしてますもんね、そこは)、その結果今回のコンサートはなんというかアンビエント系の曲が多かった印象でした。そのなかだとやっぱSub RosaとNguurraaが好きだったかも。後者は天文方面意識してるらしく親しみがある音楽のなかだとクラムにちょっと通じるところがあったからとっつきやすかったのかな。
ただコンサートのハイライトはその真逆にある暴力的ともいえる曲調の部分。打楽器と小編成室内楽の作品はこれまでのコンサートでいくつかありましたが、Music of Amberの第2楽章ではこの手のアンサンブルにはちょっと珍しくドラム系統をがんがん使ってくるスタイル。ピアノ+バスクラ+チェロがドラム系統と真っ向からぶつかり戦う構図と曲の推進力がものすごくかっこよかったです。
そして特筆したいのが実際の事件、そしてその事件に関する実際の言葉をベースにした「Coming Together」。作曲が1981年でいわゆるアダムズのオペラとかみたいな単純な繰り返しを基本構成としたミニマルミュージックの域に入る作品で、そのパターンの性質上演奏時間もなかなかの長さでしたが言葉以外の要素の圧もあって面白い曲でした。正直このコンサート全体、特にこの曲だけでも照明など「見るもの」がないとしんどかったと思いましたが(照明グッジョブ!)それでも面白い曲なことには変わりない。それにこの手の音楽は聴くのも骨が折れるながら弾く方がさらに大変。テンションをキープしたりずっと音楽が途切れず続く中でどう抑揚をやっていくか、それから体力集中力ももちろん。ほんとお疲れ様です。
先ほども書いたように打楽器がこういうアンサンブルで使われるのは前例いつくか見てますし色んな打楽器を使い分けていろんな曲に対応できますがゲストプレーヤー:リコーダーは正直意外でしたね。Sub Rosaではその独特な存在感に納得しましたがComing Togetherは音量もみんなすごいしちょっと聞こえない部分が多かった・・・(汗)あとどうしても「言葉」が主役の曲だから。しょうがないですね。
ということで予想よりコンサートが遅く終わったので友人たち(前回書いたコンサートでソロ弾いたクラリネット奏者含む)にご挨拶もしないで帰宅することになったのもちょっと残念でした。次(6月)こそはきっと。
3月は行く予定のコンサートが2つあります。一つは先生のリサイタル、そしてもう一つはメル響マーラー10番。千人の交響曲は結局やるのかやらないのかーーーってのは思うのですが巡礼なのでありがたく10番聴きにいかせていただきます。(9番は別のオケでしたが皆勤賞キープですよ)楽しみです。
今日の一曲: オスバルド・ゴリホフ 「3つの歌曲」より第1楽章「Night of the Flying Horses」
今日はとにかくラテン系のクラシックを欲する日でした。
最近(といっても時間的には結構前)のエントリーでスペイン音楽よりも南米の音楽の方が馴染む不思議についてちょっと書きましたが今日一日で何がそんなに差がつくのかはっきりした気がします。
一つは前も書いたようにリズムとハーモニーという音楽的要素。そしてもう一つは音楽が孕んでいる悲しみや怒りなどの感情の性質というか色というか。この色のAngstでないとここまでは共鳴できない!と少なくとも今日の心境としては確信しました。
ラテンアメリカといえば人も音楽も文化も陽気なイメージがあるかもしれませんが音楽に関してはそうでない曲も魅力的なものが多いです。特にアルゼンチン方面。ピアソラにしてもゴリホフにしても暗い曲はまあ暗い。しかも内向きに激しい。
特にゴリホフはアルゼンチンの人であるだけでなくユダヤ系の血筋+作風なのでAngst×Angstな感じが強烈です。(あと両方好きな音楽なのでその相乗効果は自分にとってどんぴしゃというのもあります)このNight of the Flying Horsesもその激しさが表れるのはたった一度、たった一部なのですがものすごいインパクトがあります。
強烈な音楽を欲するときは素直にむさぼるに限りますね、ほんと。他にもピアソラのLe Grand Tangoとか、あとアデスのArcadianaの「Et...」(個人的に「タンゴのゾンビ」と呼んでいます)とか、ラテン系からは離れますが同じくアデスのAsylaの第3楽章とか(どんな方向に強烈な感情にも合う便利な曲です)。たまたま今回そういう方向性じゃなかったけど強烈なマーラーとかショスタコとかもいいですよね。いろんな引き出しがまだまだ。
このNight of the Flying Horsesはシルクロード・アンサンブルも演奏してるのですが今回は「3つの歌曲」としてのバージョンを。向こうも楽しいんですけど今回は音をクラシック音楽の楽器に統一することで感情の高まりをこうぐっとなんというか集約してみる試み。
そしてこのブログでも何度も書いてきたように他の2つの歌曲もまたそれぞれ違ってそれぞれ素晴らしいです。また聴きたいと思った(多分心穏やかな)ときに楽しみたい。そしてもっと手持ちのゴリホフを増やしたい。(受難曲あたり狙ってます)
こういう急な天候の変化があると住んでる人には想定の範囲内ではありますが他のところからメルボルンに来てる人に「うちのメルボルンがすみませんねえ」みたいな申し訳ない気分になったりもします。メルボルンに来る際にはどの季節でも3つくらいの季節に重ね着で対応できるようにするのが理想的です。
さて月曜日はコンサートに行ってきました。友人のトリオPlexusの2019年シーズン始まり。
ただ今回はちょっといつもと趣旨が違うプログラムで。
Plexus「Phosphorescence」
バイオリン:Monica Curro、クラリネット:Philip Arkinstall、ピアノ:Stefan Cassomenos
照明効果:Kit Webster
Thomas Green 「Antique Dance Variations」
Gavin Bryars 「Sub Rosa」(リコーダー:Hannah Coleman、コントラバス:Damien Eckersley、パーカッション:Brent Miller)
Kate Moore ピアノ独奏のための「Spin Bird」
Joseph Schwantner 「Music of Amber」(上記パーカッション、フルート:Eliza Shephard、チェロ:Michelle Wood)
(休憩)
Georges Lentz 「Nguurraa」(上記チェロ、パーカッション)
Frederic Rzewski 「Coming Together」(上記リコーダー、フルート、チェロ、コントラバス、パーカッション、ナレーター:Gerry Connolly」
ゲストが多い!しかも器楽だけでなくナレーターに照明効果まで。そしてレパートリーも変わってて初演なのが最初の曲だけ、私が生まれる前後くらいに書かれた曲もいくつか。そして編成が変わってるのも面白いですね。
Plexusは普段作曲家に依頼して書いた曲をまとめて演奏するのですが今回は必ずしもそうでないということで面白い楽器編成の曲をまとめてみたり照明と組み合わせてみたり(タイトルとリンクしてますもんね、そこは)、その結果今回のコンサートはなんというかアンビエント系の曲が多かった印象でした。そのなかだとやっぱSub RosaとNguurraaが好きだったかも。後者は天文方面意識してるらしく親しみがある音楽のなかだとクラムにちょっと通じるところがあったからとっつきやすかったのかな。
ただコンサートのハイライトはその真逆にある暴力的ともいえる曲調の部分。打楽器と小編成室内楽の作品はこれまでのコンサートでいくつかありましたが、Music of Amberの第2楽章ではこの手のアンサンブルにはちょっと珍しくドラム系統をがんがん使ってくるスタイル。ピアノ+バスクラ+チェロがドラム系統と真っ向からぶつかり戦う構図と曲の推進力がものすごくかっこよかったです。
そして特筆したいのが実際の事件、そしてその事件に関する実際の言葉をベースにした「Coming Together」。作曲が1981年でいわゆるアダムズのオペラとかみたいな単純な繰り返しを基本構成としたミニマルミュージックの域に入る作品で、そのパターンの性質上演奏時間もなかなかの長さでしたが言葉以外の要素の圧もあって面白い曲でした。正直このコンサート全体、特にこの曲だけでも照明など「見るもの」がないとしんどかったと思いましたが(照明グッジョブ!)それでも面白い曲なことには変わりない。それにこの手の音楽は聴くのも骨が折れるながら弾く方がさらに大変。テンションをキープしたりずっと音楽が途切れず続く中でどう抑揚をやっていくか、それから体力集中力ももちろん。ほんとお疲れ様です。
先ほども書いたように打楽器がこういうアンサンブルで使われるのは前例いつくか見てますし色んな打楽器を使い分けていろんな曲に対応できますがゲストプレーヤー:リコーダーは正直意外でしたね。Sub Rosaではその独特な存在感に納得しましたがComing Togetherは音量もみんなすごいしちょっと聞こえない部分が多かった・・・(汗)あとどうしても「言葉」が主役の曲だから。しょうがないですね。
ということで予想よりコンサートが遅く終わったので友人たち(前回書いたコンサートでソロ弾いたクラリネット奏者含む)にご挨拶もしないで帰宅することになったのもちょっと残念でした。次(6月)こそはきっと。
3月は行く予定のコンサートが2つあります。一つは先生のリサイタル、そしてもう一つはメル響マーラー10番。千人の交響曲は結局やるのかやらないのかーーーってのは思うのですが巡礼なのでありがたく10番聴きにいかせていただきます。(9番は別のオケでしたが皆勤賞キープですよ)楽しみです。
今日の一曲: オスバルド・ゴリホフ 「3つの歌曲」より第1楽章「Night of the Flying Horses」
今日はとにかくラテン系のクラシックを欲する日でした。
最近(といっても時間的には結構前)のエントリーでスペイン音楽よりも南米の音楽の方が馴染む不思議についてちょっと書きましたが今日一日で何がそんなに差がつくのかはっきりした気がします。
一つは前も書いたようにリズムとハーモニーという音楽的要素。そしてもう一つは音楽が孕んでいる悲しみや怒りなどの感情の性質というか色というか。この色のAngstでないとここまでは共鳴できない!と少なくとも今日の心境としては確信しました。
ラテンアメリカといえば人も音楽も文化も陽気なイメージがあるかもしれませんが音楽に関してはそうでない曲も魅力的なものが多いです。特にアルゼンチン方面。ピアソラにしてもゴリホフにしても暗い曲はまあ暗い。しかも内向きに激しい。
特にゴリホフはアルゼンチンの人であるだけでなくユダヤ系の血筋+作風なのでAngst×Angstな感じが強烈です。(あと両方好きな音楽なのでその相乗効果は自分にとってどんぴしゃというのもあります)このNight of the Flying Horsesもその激しさが表れるのはたった一度、たった一部なのですがものすごいインパクトがあります。
強烈な音楽を欲するときは素直にむさぼるに限りますね、ほんと。他にもピアソラのLe Grand Tangoとか、あとアデスのArcadianaの「Et...」(個人的に「タンゴのゾンビ」と呼んでいます)とか、ラテン系からは離れますが同じくアデスのAsylaの第3楽章とか(どんな方向に強烈な感情にも合う便利な曲です)。たまたま今回そういう方向性じゃなかったけど強烈なマーラーとかショスタコとかもいいですよね。いろんな引き出しがまだまだ。
このNight of the Flying Horsesはシルクロード・アンサンブルも演奏してるのですが今回は「3つの歌曲」としてのバージョンを。向こうも楽しいんですけど今回は音をクラシック音楽の楽器に統一することで感情の高まりをこうぐっとなんというか集約してみる試み。
そしてこのブログでも何度も書いてきたように他の2つの歌曲もまたそれぞれ違ってそれぞれ素晴らしいです。また聴きたいと思った(多分心穏やかな)ときに楽しみたい。そしてもっと手持ちのゴリホフを増やしたい。(受難曲あたり狙ってます)
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