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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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The Australian Ballet「Alice's Adventures in Wonderland」感想
また間があいてしまった。どうしてだろう。
まあどうしてってほどでもないんですけどね、バレエが週一絶賛ハードで水曜日は倒れてたり結構仕事が忙しかったりオフシーズンでも見るサッカーがあったり(今は女子W杯とコパ・アメリカです)。来週も月曜コンサートなのですがまた感想が遅れそう(汗)

年一くらいはバレエも見に行けたらなあ、と思うのですが忙しさだったり作品を結構選んじゃうのもあってなかなか行けない年も。そんなわけで前回このアリスやってたときは見に行けなかった記憶があるのですが今回こそは逃すまい!ということで時間を作って行ってきました。

The Australian Balleの「不思議の国のアリス」、原作ともディズニー版とも違う箇所もありますが、ストーリーはここで説明することもないほど有名ですね。バレエ版ではアリスが庭師の息子ジャックに思いを寄せていて、それをよしとしない母親がタルトを盗んだとしてジャックを追い出し、そこから不思議の国の赤の女王とタルトとハートのジャックのパラレルにつなげていくというオリジナル要素があり。基本的にくるみ割り人形もコッペリアもそうですが女の子が男の子を助ける構図がバレエは多いですね。

もちろんおなじみのキャラクターも続々登場。タップダンサーのMad Hatter(踊り始めると振り付け全てがそのリズムに支配される圧倒的な存在感!)、10人くらいで動かすチェシャ猫、体一つでなめらかにうごくいも虫(見てて目が飛び出ました)など。衣装も特徴的ですが踊りでもかなりキャラが立ってる。そういう意味では赤の女王最高でしたね!ケースのドレス(?)に入って登場してる時点から面白いのですが第3幕はバリエーションにそのほかの踊り・出番に無双状態でした(笑)それからDucchessの役をどうやら芸術監督の方がやってたようなのですがカメオ出演どころかものすごく出番が多くて面白い役どころでそんな楽しいのあり!?みたいな出演でした。いいなあそういうの。

アリスといえば主人公が大きくなったり小さくなったり、その他奇怪さや不思議さを再現するための演出が要ですがそういう点でもものすごく楽しかったし面白かったです。というかバレエを見たことなくても演出だけでも楽しめるよ!くらいには。セットの動きなんかの大きいスケールからその中の作りのディテールまで凝ってました。舞台でバレエとしてできることがぐんと広がる、ファンタジー感いっぱいの舞台になってました。あとは演出でいえばパラレルとか伏線とかみたいな要素にもニヤリとします。

そしてファンタジー感いっぱいなので音楽に関してももうチェレスタの出番があるわあるわ。これは音楽史上最大のチェレスタパートなんじゃないのかな。舞台や映画の音楽の良いところを集めたような音楽でちょこちょこ聞こえるリズムやハーモニーからオーストラリアの作曲家?と思ったのですが見事にハズレでした。ただ作曲家はなんと「Hitchhiker's Guide to the Galaxy」の音楽を書いた人らしくそれはファンタジーもお手の物なはずですよ。

とにかくずっと楽しかったです。三幕構成で休憩二回は長いかなと思ったのですが(特に今回行った日はfamily dayで子供連れも多かったです)第3幕でアクションも演出も踊りも笑いもアクセル全開になってまだまだ見たい!第3幕だけでもあと2回!(笑)みたいになっちゃいました。バレエをあまり見ない人でも楽しく見れると書きましたが一回見た人も何度でも楽しく見れる作品だと思います。

こんどこそ見逃さない!とは思っていたものの実はこの次のThe Australian Balletの公演がモダン版白鳥の湖「Lac」でそっちともかなり迷いました。そしてなんか気づいたのが運がよかったというか近々Classic Cinemaという映画館でマシュー・ボーンの白鳥の湖が上映されることを知り。ちょうど誕生日だし見に行くしかない!とテンション上がってます。現代物は色々見たいなあ。

ということで次はまた少なくとも1週間空くかな?(汗)最近インプットを欲してるので感想書くものじゃなくてももっとなんとかしたいところ。あ、兵馬俑も学校の冬休み後になったら見に行かなきゃ。他にも色々あるとは思うのでアンテナ色々張らないと。


今日の一曲: アルベルト・ヒナステラ 「クレオール舞曲集」



やっぱりどうも私は南米の音楽がないとやっていけないなと改めて思う今日この頃。このクレオール舞曲集も何年か前に日本に行ったときに楽譜買ったのですがなぜそのときにもっとヒナステラを買っておかなかったか。(分かってます、多分他にメシアンとか買う楽譜があったのとまだヒナステラにこんなに馴染むとは思ってなかったからだって)

南米の音楽の影響は完全に父からなのですが自分でヴィラ=ロボスやヒナステラ、ゴリホフを弾く様になって一口に南米といってもそれぞれの国や地域の特色の違いって色々あるなあと。そして同じイレギュラーな拍子のリズムを多用するといってもオーストラリアと南米のリズムはだいぶ違う。多分イレギュラーな拍子に至る道筋の違いから来てるんだろうけどまだまだ理論的に説明はできない部分が大きいです。

イレギュラーといえばこのクレオール舞曲集の第3番の11拍子が好きです。3+3+3+2(6+5)で一フレーズがなんとなくしっくり来てしまう息づかい。それが好きで短い曲だけど単独で弾きたくもなってしまいます。メシアン(1小節に23)もラヴェル(7拍子や5拍子)も素数の拍子をあたかもレギュラーであるような自然な響きにしてしまうリズムの天才の感性はすごいですね。

弾いてるとどうしても気になるのはバルトークのルーマニア舞曲集との類似性。現地の音楽を使うという基本的なところはもちろん、メロディックに仕立ててみたりミステリアスにしてみたり野性的な踊りのリズムでフィニッシュしてみたり、構成がかなり似てるような。

とりあえずリンクする録音は「ピアノ全曲集」みたいのを選んでみましたがヒナステラは他にもハープ協奏曲とか面白そうな作品を色々書いてるのでそのうち聴いてみたいです。自分が次楽譜を買って弾くならアルゼンチン舞曲集かなあ。

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