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金曜日、土曜日と続けて夜に出かけてきましたー。冬なのに!自分で自分を褒めたい(大袈裟)
どちらも感想書く案件なのでまずは金曜の分を。
金曜日はちょっと前からかなり楽しみにしていたMargaret Leng Tanのコンサートでした。
ピアニストでありトイピアノも本家ピアノと同等に弾いてさらに色んな小道具的楽器もこなすピアニスト。自分にとってはクラムの「マクロコスモス」第1巻・第2巻の演奏がバイブル的なポジションで、後にトイピアノなどでの活動を知ってずっと聴いてみたいと思っていました。
プログラムはこんな感じでした:
Miniature meets Monumental
ピアノ・トイピアノ等:Margaret Leng Tan
John Lennon/Paul McCartney「Elenor Rigby」(トイピアノ編曲:Toby Twining)
Phyllis Chen「Carousel」「Cobwebbbed Carousel」(映像:Rob Dietz)
James Joslin「Fuer Enola」
Erik Griswold「Old MacDonald's Yellow Submarine」より第4,5楽章
Raphael Mostel「Star-Spangle Etude No.3, 'Furlikng Banner'」
Philip Glass「How Now」
(休憩)
Jed Distler「Minit Ring (with apologies to R. Wagner)」
エリック・サティ ジムノペディ第3番
Toby Twining「An American in Buenos Aires (A Blues Tango)」
Henry Cowell「Tides of Manaunaun」「Advertisement」
佐藤 聰明「Cosmic Womb」
このうちグランドピアノ演奏はGlass、サティ(+トイピアノ)、Twining(+トイピアノ)、Cowell2曲、そして佐藤(+録音テープ)でした。もちろん現代音楽ばっかり。存命の作曲家がほとんどです。
トイピアノのための曲は彼女のために書かれたものが多いのかなと思ったらそうでもなく。ジャンルとしては意外と大きいみたいですね。
これだけ曲があると長いコンサートに見えるかもしれませんがそこはタイトル通り大なり小なりどっちもあり。Glassは圧倒的に長かったです(笑)ただ曲の順番とかもしっかりツボにはまってて苦にはなりませんでした(ちょっとうとうとしてしまったのはもうしょうがないです、頭が追いつかなくて)。
Miniature to Monumentalという題名、そしてテーマもものすごく納得のプログラムで。トイピアノという小さな楽器からコンサートグランドピアノという楽器まで、1分の曲から20分の曲まで、おもちゃの世界から宇宙まで。そして「大きな」アメリカ(とその大統領)にちょっと皮肉を投げかけてみたり、巨大な編成で16時間もするワーグナーのオペラを1分でトイピアノでやってみたり。そしてトイピアノに限らず大きなピアノでも小さな世界から大きな世界まで表現できる。いろんな要素が詰まってすべて楽しいコンサートでした。
今回のプログラムではピアノの中の弦を弾いたりする特殊奏法はなかったのですが腕でクラスター和音を弾くとかはありましたししっかり見れました。それで改めて思ったのですが腕が長い(そして場合によっては足が長い)ってこの手の奏法ではだいぶ有利になるなあと(笑)詳しいことは今日の一曲で書きますが普通にピアノ弾くより体格の影響を感じます。
今回初めてMargaret Leng Tanの演奏を聴いてこれは一生に一回の体験かもなあとか思ってたのですがご本人から来年2月に戻ってくるよーとのお知らせがあり(笑)ものすごく楽しみにしています。
ちなみに来週のシドニーでの公演では今回プログラムに入ってなかったクラムのMetamporphoses第2巻の豪初演があるらしくものすごく歯噛みしています。今回のプログラムに不満があるわけじゃないですがそっちが聴きたかった!!おのれシドニー。
又聞きベースの印象ではありますが(それでもソースは現在活動してる作曲家とかそういう方面)現代音楽への反応というか受け入れに関してはメルボルンがとてもポジティブという雰囲気があると思います。今回だってMelbourne Recital Centreの大きいホール半分くらいの聴衆ではありましたがみんな(ながーいGlassの曲も含めて)楽しんでたような印象を受けましたし。
次回はメルボルンローカルのアンサンブルとのコラボなのでさらにお客さん集まるといいなあ。
ということで次回は土曜日のお出かけの話に。写真もあります。
今日の一曲: Henry Cowell 「3つのアイルランドの伝説」より「The Tides of Manaunaun」
今回のコンサートで「生で聴けるなんて!」と感動したのは佐藤 聰明の「Cosmic Womb」ですが「出会えてよかった!」と思ったのはこのCowellです。久しぶりに何これ弾きたい的な食指が大きく動いてなんか生き返った感さえあります。(ついでにサティも久しぶりに弾きたくなりました。自分にしては珍しい)
「3つのアイルランドの伝説」はその名の通りアイルランドの伝説に基づいた曲で、各楽章の冒頭にその元になった伝説の説明があります。The Tides of Manaunaunは創世神話、世界が作られる前の「原始の海」(水ではないですが)の描写です。つまりは自分にとってはクラム(マクロコスモス第1巻第1楽章や「鯨の歌」)やメシアン(アーメンの幻影の第1楽章)などにつながりがあるイメージで、さらには終わりの海であるドビュッシーの「沈める寺」なんかにもリンクする。
先ほども書いたようにピアノの中を弾くような特殊奏法(同じくCowellのBansheeにより有名になったやつですね)はないですが腕で弾くクラスター和音が特徴的。というか3つの楽章通してずっと出てくる。3つで10分ちょいと長くはないですし単品で弾くのも全然ありですが持つかな私の腕とか色々。
というのも腕が短いと和音の音を全部押さえるのが難しくなったりもう一つの手で遠くのメロディーを弾くのが難しくなる(=前腕の短さ)だけでなく姿勢もちょっと無理な感じになる(=二の腕の短さ)ことが判明していて。ピアノにべたっと突っ伏するみたいな姿勢をなるべく避けてクラスター和音もメロディーもしっかり弾ける体勢を探したいです、まず。
低音のクラスター和音の宇宙的で原始的な響きの上にアイルランド風のメロディーが乗っかるとてもシンプルながら効果的な曲調がほんと好きで好きで。アイルランドのメロディーが元々好きなのもありますが何より新しい響きと古い響きをどっちも併せ持つ音楽が大好物。クラスター和音とか特殊奏法とかいうと敬遠されがちですが決して聞きにくくはない音楽ですし表現としては素直なのでどんどんおすすめしたいですし弾く機会があればいい感じの曲の組み合わせで弾きたいです。
残念ながらMargaret Leng Tanの録音がAmazonに見つからなかったのでせめて3つ揃ってる録音をと思ったらそれも無くてなんだよう!と単純にCowell作品てんこ盛りの録音にしました。これは残り2つも弾かなきゃなあ・・・(意味不明の使命感)
どちらも感想書く案件なのでまずは金曜の分を。
金曜日はちょっと前からかなり楽しみにしていたMargaret Leng Tanのコンサートでした。
ピアニストでありトイピアノも本家ピアノと同等に弾いてさらに色んな小道具的楽器もこなすピアニスト。自分にとってはクラムの「マクロコスモス」第1巻・第2巻の演奏がバイブル的なポジションで、後にトイピアノなどでの活動を知ってずっと聴いてみたいと思っていました。
プログラムはこんな感じでした:
Miniature meets Monumental
ピアノ・トイピアノ等:Margaret Leng Tan
John Lennon/Paul McCartney「Elenor Rigby」(トイピアノ編曲:Toby Twining)
Phyllis Chen「Carousel」「Cobwebbbed Carousel」(映像:Rob Dietz)
James Joslin「Fuer Enola」
Erik Griswold「Old MacDonald's Yellow Submarine」より第4,5楽章
Raphael Mostel「Star-Spangle Etude No.3, 'Furlikng Banner'」
Philip Glass「How Now」
(休憩)
Jed Distler「Minit Ring (with apologies to R. Wagner)」
エリック・サティ ジムノペディ第3番
Toby Twining「An American in Buenos Aires (A Blues Tango)」
Henry Cowell「Tides of Manaunaun」「Advertisement」
佐藤 聰明「Cosmic Womb」
このうちグランドピアノ演奏はGlass、サティ(+トイピアノ)、Twining(+トイピアノ)、Cowell2曲、そして佐藤(+録音テープ)でした。もちろん現代音楽ばっかり。存命の作曲家がほとんどです。
トイピアノのための曲は彼女のために書かれたものが多いのかなと思ったらそうでもなく。ジャンルとしては意外と大きいみたいですね。
これだけ曲があると長いコンサートに見えるかもしれませんがそこはタイトル通り大なり小なりどっちもあり。Glassは圧倒的に長かったです(笑)ただ曲の順番とかもしっかりツボにはまってて苦にはなりませんでした(ちょっとうとうとしてしまったのはもうしょうがないです、頭が追いつかなくて)。
Miniature to Monumentalという題名、そしてテーマもものすごく納得のプログラムで。トイピアノという小さな楽器からコンサートグランドピアノという楽器まで、1分の曲から20分の曲まで、おもちゃの世界から宇宙まで。そして「大きな」アメリカ(とその大統領)にちょっと皮肉を投げかけてみたり、巨大な編成で16時間もするワーグナーのオペラを1分でトイピアノでやってみたり。そしてトイピアノに限らず大きなピアノでも小さな世界から大きな世界まで表現できる。いろんな要素が詰まってすべて楽しいコンサートでした。
今回のプログラムではピアノの中の弦を弾いたりする特殊奏法はなかったのですが腕でクラスター和音を弾くとかはありましたししっかり見れました。それで改めて思ったのですが腕が長い(そして場合によっては足が長い)ってこの手の奏法ではだいぶ有利になるなあと(笑)詳しいことは今日の一曲で書きますが普通にピアノ弾くより体格の影響を感じます。
今回初めてMargaret Leng Tanの演奏を聴いてこれは一生に一回の体験かもなあとか思ってたのですがご本人から来年2月に戻ってくるよーとのお知らせがあり(笑)ものすごく楽しみにしています。
ちなみに来週のシドニーでの公演では今回プログラムに入ってなかったクラムのMetamporphoses第2巻の豪初演があるらしくものすごく歯噛みしています。今回のプログラムに不満があるわけじゃないですがそっちが聴きたかった!!おのれシドニー。
又聞きベースの印象ではありますが(それでもソースは現在活動してる作曲家とかそういう方面)現代音楽への反応というか受け入れに関してはメルボルンがとてもポジティブという雰囲気があると思います。今回だってMelbourne Recital Centreの大きいホール半分くらいの聴衆ではありましたがみんな(ながーいGlassの曲も含めて)楽しんでたような印象を受けましたし。
次回はメルボルンローカルのアンサンブルとのコラボなのでさらにお客さん集まるといいなあ。
ということで次回は土曜日のお出かけの話に。写真もあります。
今日の一曲: Henry Cowell 「3つのアイルランドの伝説」より「The Tides of Manaunaun」
今回のコンサートで「生で聴けるなんて!」と感動したのは佐藤 聰明の「Cosmic Womb」ですが「出会えてよかった!」と思ったのはこのCowellです。久しぶりに何これ弾きたい的な食指が大きく動いてなんか生き返った感さえあります。(ついでにサティも久しぶりに弾きたくなりました。自分にしては珍しい)
「3つのアイルランドの伝説」はその名の通りアイルランドの伝説に基づいた曲で、各楽章の冒頭にその元になった伝説の説明があります。The Tides of Manaunaunは創世神話、世界が作られる前の「原始の海」(水ではないですが)の描写です。つまりは自分にとってはクラム(マクロコスモス第1巻第1楽章や「鯨の歌」)やメシアン(アーメンの幻影の第1楽章)などにつながりがあるイメージで、さらには終わりの海であるドビュッシーの「沈める寺」なんかにもリンクする。
先ほども書いたようにピアノの中を弾くような特殊奏法(同じくCowellのBansheeにより有名になったやつですね)はないですが腕で弾くクラスター和音が特徴的。というか3つの楽章通してずっと出てくる。3つで10分ちょいと長くはないですし単品で弾くのも全然ありですが持つかな私の腕とか色々。
というのも腕が短いと和音の音を全部押さえるのが難しくなったりもう一つの手で遠くのメロディーを弾くのが難しくなる(=前腕の短さ)だけでなく姿勢もちょっと無理な感じになる(=二の腕の短さ)ことが判明していて。ピアノにべたっと突っ伏するみたいな姿勢をなるべく避けてクラスター和音もメロディーもしっかり弾ける体勢を探したいです、まず。
低音のクラスター和音の宇宙的で原始的な響きの上にアイルランド風のメロディーが乗っかるとてもシンプルながら効果的な曲調がほんと好きで好きで。アイルランドのメロディーが元々好きなのもありますが何より新しい響きと古い響きをどっちも併せ持つ音楽が大好物。クラスター和音とか特殊奏法とかいうと敬遠されがちですが決して聞きにくくはない音楽ですし表現としては素直なのでどんどんおすすめしたいですし弾く機会があればいい感じの曲の組み合わせで弾きたいです。
残念ながらMargaret Leng Tanの録音がAmazonに見つからなかったのでせめて3つ揃ってる録音をと思ったらそれも無くてなんだよう!と単純にCowell作品てんこ盛りの録音にしました。これは残り2つも弾かなきゃなあ・・・(意味不明の使命感)
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