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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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Blood and Winter
↑なんだかロシア風なタイトルになってしまった。
ロシアと全然関係ないんですが、ロシア/ソヴィエト史ってこんな印象。

春になる、春になるとブログでいつも言ってますが気候よりもそれを訴えているのは私の身体。
そわそわしたり、過敏になったり・・・ここ数年例外なく春前はこんな感じです。
ラヴェルひいては「愛しいなあもう~」となるのはいつものことですが今日は妙にセンチメンタル度が増して先ほどの台詞に(涙)がつくような変なテンションで。
生活にそこまで支障が出るような、いわば「不調」というほどではないんですが心身ちょっぴり疲れやすいです。
雨も春も先取りしちゃうこの心身のレーダー、どういう仕組みになっているかしりたいです。

疲れやすいと、精神医に言われてる血液検査に行く気にもなれなくて。
血液検査の紙ももらってますし、徒歩10分のPathologyのところでアポ無しでやってもらえるんですが、ちょっと慎重にならざるを得ないですねえ・・・
もう10年近くも数ヶ月ごとに採血には行ってるんで慣れたといえば慣れてて、しかも最初の頃は自分の血もみれない状態だったのに最近は採血されながら興味津々で注射器に入る血を見たり。
でもたまーに調子が悪かったり、なぜか血管がうまくつかまらなかったり細くなってたり自分の意志とは別に勝手に動いたりして手間取ったりするとストレス症状があらわれて苦しくなったり気が遠くなったり稀にありますから・・・

ちなみに血液検査の際は水分をたくさん摂取して下さい、とどこの看護師さんも言います。
そしてリチウム濃度検査の際はお医者さんから言われると思いますが前回リチウムを飲んだ12時間後に検査を行うのが原則です。

今回はでも私はリチウム濃度ではなく、ビタミンDレベルを測定するための血液検査。
なぜビタミンDかというと・・・

ビタミンDはしいたけなどの食材に含まれ、太陽光を浴びることによって体内で生成される栄養素。
実は私の精神医によるとビタミンDが冬季鬱に影響を及ぼす場合がある、というのです。(あくまでもいろいろある要因のうちのひとつですが)
単純に昼が短く太陽光も弱い冬はビタミンDの生成も低下し、それがなんらかの機構で脳に影響がある、ということらしく。

もともと冬季は人間に限らず生物の活動が低下する時期。
人間の場合はうつというレベルでなくとも冬の間は気分が低め、ということは珍しくないのですが、もともとの体質により「冬季鬱」という形で鬱が表れる人もいます。

冬季うつでは、気分の低下などは通常のうつと同じなのですがちょっと違う症状もあるそうです。
例えば不眠は鬱のサインと全般的に言われていますが(でもこれも皆がそうというわけではないです)、冬季鬱では逆に過眠を経験する人が多いとか。
同じく食欲が低下する通常のうつとは違い、過食傾向が多いとも言われています。

私の場合秋~冬は気分の「平均レベル」的なものが春夏に比べて明らかに低めです。
それにくわえて冬はメルボルンでは雨の季節。冬に限らず精神状態が雨に左右されるのですがその傾向が強くなります。
目立った過眠・過食はここ数年経験していないです。
全般的にちょっと重くてしんどいのが春になるとけろっと軽くなったりするんでまあ秋冬は調子が悪くなりやすいのも全般的に低いのもしょうがないかな、と思ってます。

冬季鬱は「行動」が管理にものをいいますね。
しんどくても朝起きて朝日を浴びることで日光摂取&日内リズムを整え、さらに寒くてもある程度外に出たり身体を動かして過食の分のカロリーを消費したり日光を浴びたりして寝たきりにならないようにするのが大事だそうです。

実際ビタミンDがどれくらい冬季鬱に影響があって、またどれくらい自分の状態に貢献しているかというのは分からないのですが、ビタミンDを摂取すること、レベルを計ることに損はとりあえずはないので続けている治療支援です。
メインの治療はもちろんリチウムでの管理。感情の起伏を正常なレベルに保つメンテナンスですね。それでも例えば生理前とか冬とか雨のときとか完璧にカバーされていないところもありながら。

とりあえず春になったら心身ともにきっと楽になるので・・・肉体、精神ともに健康管理に気をつけながら無理せず待とうと思います。


今日の一曲: フリッツ・クライスラー 「愛の悲しみ」 ラフマニノフによるピアノ編曲版



なんでしょう、結局はロシアが入って来たりしちゃったわけですが(笑)
なんとなーく今日の気持ちとこのエントリーに合うなあと思ってチョイスしました。

クライスラーは案外結構最近まで生きていた(1962年没だそうです)天才バイオリニスト。
主にShow piece的な、アンコールで弾かれるような小品が有名です。
この「愛の悲しみ」となにかとペア扱いされている「愛の喜び」あそのなかでも広く知られている曲。
シンプルで正直かつ繊細な感情の表現が気軽に楽しめます。
私は「愛の悲しみ」が好きで。切なさ加減が重すぎず、軽すぎず・・・愛さずには居られない魅力があるんですよね。きゅんとする暗さと明るさがただただたまらない。

ラフマニノフはロシアを亡命してアメリカに渡ってからは勿体ないことにピアニストとしての活動を主にしていました。
勿体ない、というのはあくまで作曲のほうもすげえよかったんだよなーという気持ちなのですが、彼は20世紀最高のピアニストとも言われるまでの素晴らしい奏者でもありました。
まずは手が(身体もそうですが)巨大だったというアドバンテージもありものすごくダイナミックな演奏だったり超絶技巧もお手の物だったのですが、逆にその繊細なGentle giant的な性格からものすごい細やかな表現も大の得意でした。

もちろん作曲家ですのでラフマニノフは自分の作品も演奏しましたし(あの有名な日本では「鐘」とよばれている前奏曲嬰ハ短調に関してはあまりにも弾いてとせがまれすぎて自分でいやになったそうです)、それからスタンダードなピアノレパートリー、さらにはピアノ以外の曲を自分で編曲して弾いたりもしていました。
(余談ですがオケへ編曲というのはラヴェルなども自他の作品でよくやってたんですがピアノへ編曲よりもそっちのほうが多いのかな?)

クライスラーの「愛の喜び」「愛の悲しみ」もそんなラフマニノフのピアノ編曲のうちの一部。
時にはリサイタルのアンコールとして、またはサロンや内輪の集まりなどでこういった曲をさらっと粋に弾いちゃったりしたんでしょうね。かっこいい!

ラフマニノフは実は自作自演を初めとした録音が多く残っていて。
この曲もまたラフマニノフ自作自演として今CDとなっています。
彼の作曲した作品、彼の編曲した曲のチョイス、編曲のセンス、そして演奏の素晴らしさがどれも最上級で気軽に味わえます。
BGMとしてもいいですし、じっくり聴くのにもいいです。
ラフマニノフの人となり、ピアノという楽器の素晴らしさを堪能するにはもってこい。

案の定結局ラフマニノフの話になっちゃったのですが・・・
もちろんクライスラーのオリジナルであるバイオリンバージョンも粋で繊細で素敵ですし、その精神こそがピアノバージョンにも受け継がれているので・・・そちらも合わせてお奨めです♪

※リンクした録音、ならびにうちにある録音はラフマニノフが自身の演奏を自動ピアノに録音したものです。生身の演奏ではないので賛否両論あると思いますが、ラフマニノフの演奏の素晴らしさは伝わると思ってます。


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