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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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なんだかなー練習論
今日は久しぶりに練習の日でした。初見も合わせて2時間半。内容もわりとがっつりで。ブラームスに精魂注入しすぎてスタミナがちょっと続かなかったけれど全般的に満足のいく練習でした。
だんだんやっぱりこないだのクラム事件(?)以来プロとして演奏したい気持ちがふくらんでしょうがないのですが・・・今の翻訳の仕事、メンタルヘルスに関する夢、ミュージックアドバイザーに関する夢と合わせてなんだか本当に欲張りすぎなのかしら。なるべく多く掴んで連携させたい部分もありますし・・・

練習のプロセス自体もでも好きですね。
練習はわりと下手なほうなのではないかと思うのでこのエントリーがなんの参考になるとも思っていないのですが・・・とりあえず独り言として、はい。

そもそも技巧の練習というものが苦手というか嫌いでして。
はなっから技巧によって音楽性が妥協されて釣り合わない状態になっている曲は弾かない、技巧のためだけに曲を弾かない私。
うちの先生がせっかちだとよく言ってますが私も人のことはいえず見切りが早い方で(苦笑)
自分にとってその曲が自分が弾くほどの価値・魅力がないと判断すると(偉そうですが)ためらいもなく捨てますからねえ。
ようするに堪え性がないんです。お恥ずかしながら。

なので一日の練習を音階から、なんてことはしません。
金管楽器や声楽の方々はちゃんとウォームアップから毎回はじめるのが当たり前ですが、そこのところピアノは個人によりけりで。
音階とかエチュードからはじめると体力がちょっと少なめでちょっと朝に弱かったりすることもある私の場合心身に負荷がかかったりするので・・・
一日練習する予定の曲を事前にじっくり見て、練習時間によって自分がバテることなく最後までじっくり練習できるように順番を決めるのが大学以来恒例です。
(体力をどうこう、ということはまだ・・・(汗))

なんせ大学時代、特に最終年は一日8時間とか練習していました。
朝一は本当にゆるゆるした曲から初めて、負荷の高い曲は昼休み前にもってきたり、一日の終わりは集中力を過度に必要とする曲は避けたりしてないととうてい8時間は続きませんからね!
(ちなみに8時間練習できるまでに結構積み重ねしました)

練習環境は少なくとも自分にとってはなかなか好きな練習環境でした。
地下の窓のない練習室の一番奥の一番狭い部屋で。
無機質で閉鎖的な環境が逆に音楽に神経を集中しやすくて。週末とかだと地下に一人だったりしてそれもいいんですが、平日に色んな部屋のいろんな曲がきこえてきて、これはこの人だな、とか休憩しながら思いを巡らすのも好きでした。

練習するときは今は一曲30分単位ですが大学の時は8時間もあるので一曲1時間単位でした。
レッスンに持ってかないクラムとかもやってたので曲数もありました。
で、4時間+4時間の間に昼休み。
昼休みは楽譜も見ず、ちゃんと外に行って外の空気をすって景色を見て。ちゃんとご飯を(外で)食べて。
立って歩いたり寝転がったりして血の巡りをよくしたりして。
一時間いっぱい気分転換についやしたりなんだり。

ピアノを今年再会したときは1時間からはじめて徐々に時間を増やしてきまして・・・今は2時間半休憩無しでいけるようになりました。
でもやっぱり調子が芳しくないときとか、本来は休憩する所じゃないんだけれど集中力や体力のそのときそのときで「いかんなあ」と思うときは無理せず休むのは今も昔も一緒。
そこは無理に押したら自分にとっても音楽にとっても練習にとっても他の日常生活にとっても良くないですからね。

舞台に立つことがないとあんまりやらないのが暗譜の練習。
暗譜は苦手ではないし、暗譜で弾く方が気が引き締まるしある意味楽なのですが、ぱっと覚えられるタイプではありません。
ページのめくるところとかは割と早く覚えちゃうんですけど、結構地道に1ページとか1セクションごとに楽譜を見たり見なかったり、あとは録音を聴いたりして暗譜することが多かった気がします。
必要でないけど感覚が鈍るから暗譜の練習、した方が良いなあ・・・

あとは曲・作曲家特有の練習とか・・・
最近で言うと初めましてのシマノフスキ。
譜読みがわりとハーモニーなどが独特なので難しくて・・・録音を聴きながら楽譜を見つめて色彩を耳で覚えたり、同じく録音を聴きながらスタイルを掴もうとしたり。
こういう練習は同じ初めましてでもヒンデミットとかだとそこまでは必要なかったり。

演奏の為の練習についてはでもコンサートクラスで舞台によく立ってたのであるていど確立されたものがあると自信を持って言えます。
例えばコンサートクラスは午前11時開始。トップバッターなことが多かったので、必然的に朝に弾くことになります。
いつも先ほどの順番の計画にのっとって午後に練習している曲も舞台に立つ1週間前からは努めて朝に練習するように心がけて。
演奏するときにはく靴や服もたまに前の日とかに試しに着て・履いて練習したりするときもあります。
ちなみに自分の番が回ってくる前は特別にすることはないのですが談笑したり、他の人の楽譜見たり、自分の楽譜見たり。私は気ままに過ごすのが一番です。

コンサートクラスはその日の朝15分ホールで練習するように予約できて、それはもちろん活用します。ホールで弾く事、ホールのピアノで弾くこと、服、靴も合わせて(この時点で着替えてる)本番のコンディションでリハーサルできる大切な機会なので。

総合して言うと「慣れないことをする」ことをなるべく避けているのです。
なんかの番組でロザンの宇治原さんとそのお母様が「試験の日はいつも通り」という事をおっしゃってましたが実にその通りなのです。
演奏で不要な緊張をなるべく除くため、練習を通じて「慣れ」を作っておいて、なるべく演奏の時に「初めて」をなくす練習と心がけは肝に銘じています。

ただ演奏の場合ある程度の緊張はポジティブに働くので、例えばオケで演奏の時と同じくソロでも演奏衣装はオールブラック。ちょいちょいアクセサリーとか服とか曲に合わせてアレンジしてますがとにかく全部黒。
黒だとやっぱり色としても心が引き締まりますし、「演奏のときはオールブラック」というオケの経験からの刷り込みでほどよく緊張を与えてくれるんですよね。黒は弾いていて周辺視野に入っても気が散らない色ですし。

・・・といった独り言何ですが、やっぱり練習云々よりも今ものすごく黒ずくめで舞台に立ってピアノが弾きたい、という欲がわいてきてしまって。
とりあえず明日も練習。一歩でもまたその欲を満たすため・・・というか夢をかなえるために進めるといいな、と思ってます。


今日の一曲: フレデリック・ショパン 練習曲op.10-1



今日の一曲に私の好きな曲ばっかりが乗ると思ったら大間違いです。演奏によるのですが、あんまり印象があれな今日の一曲。

メル大の音楽科のピアノの試験の課題曲に毎年ある程度ショパンのエチュードが入ってるため、地下練習室でもコンサートクラスでもその他いろんなところでショパンの練習曲は聴きました。そのなかでもダントツでよく聴くのがこちら。

私にとっては「技巧と音楽性が釣り合わない音楽」の代名詞みたいな曲。まあ技巧のために弾かれて、特に技巧の試験のために弾かれる曲なので演奏も結構技巧ヘビーな感じな曲が大学もそうですが巷でも多く。

ちょっと残念なんですよね。ハ長調はあらゆる可能性を秘めた白いキャンバス、そして全ての色を含んだ白。
ピアノの音域と響きを広く使って、まるで広がったオーストラリアの(?)青空のようなすがすがしさ。
息の長いフレーズにそのキャンバスに乗せていくさまざまなハーモニーの色!

作品10の最初の曲とあって一番最初に弾く事が不可欠でもある、音楽的にもトップバッターがふさわしい曲なのですが、技巧の難しさからものすごく最初に弾く事を恐れられてる曲でもあります。
でもだからこそ、ね・・・弾かないんで偉いことは言えないんですけど大きく深呼吸をするようにめるくめくピアノの色彩の世界をパワフルに、でも技巧中心じゃなく聴きたいんですよ。

聴く方としては朝一にぴったりな曲!がつんと明るく一日をはじめられる曲なので生演奏でそれを要求するのはいけませんが(笑)CDかなんかで是非!朝をすがすがしく明るくはじめましょう♪

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