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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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キーワードto音楽 四字熟語編
ここ数日休んでて今日もちょっと遅くなっちゃったのですがやってみたかったことその2でちゃちゃっと更新しちゃいます。
その1は破壊音楽の話ですが、その2は前お試しでやった「キーワードto音楽」企画。
これならできそうだし良い機会だ、ということで四字熟語に当てはめてみました。何よりも自分のエクササイズ、そして楽しみのために独断で。
曲の経緯とかをなるべく考慮せず、音楽の印象を当てはめ・・・たつもりです。
例によって曲の割り当ては参考資料なしです。
なお、四字熟語の意味の説明は母の国語教師時代の「新総合国語便覧」出典です。古!


一望千里(見渡す限り広々としていること):
レスピーギ ピアノ協奏曲「Modo misolidio」 第2楽章。
{広々している、といえばイギリス音楽ですが、それよりも先にこの曲が浮かびました。確かにイギリス的な雰囲気はないことないんですが。弦の音がやっぱりキーですね。緑の丘に立って、見渡しているような。それもこの世界の景色じゃないみたい。}

紆余曲折(遠まわりで曲がりくねっていること。事情が込み入っていること。):
マーラー 交響曲第5番 第3楽章
{長いことこの曲を知っていますが、ある意味でなんだかものすごく難解な曲です。まるでSnakes and ladders、夢のちょっとひねった世界をめまぐるしく駆け回っているような。でもホルンの呼び声が妙に現実的で地に足が付いていて落ち着くんですよね。}

質実剛健(飾り気がなく強いこと):
ブラームス 交響曲第3番 第1楽章
{なんでしょう、ブラームスの音楽を表したような言葉ではあるのですが、特に前向きで「強さ」があるこの曲をチョイス。ドイツ的、ブラームス的な四字熟語ですねえ、何にしても。}

大山鳴動(大きな山が揺れ動くこと):
ストラヴィンスキー 春の祭典より「大地の踊り」
{映画「ファンタジア」の影響は否めませんが、それでもこの曲のバスドラム、シンバルは本当に人間の音楽ではなく、大地・地球そのものの音楽と躍動です。ものすごく大きな力が動くのが感じられる様子はまさにこの四字熟語が表しているものそのもの。}

天長地久(天地が長久であるように、万物がいつまでも続くこと):
メシアン: 世の終わりのための四重奏曲 「イエスの不滅性への賛歌」
{この四字熟語の意味ってメシアンのスローな音楽にこめられた意味とかなりかぶってると思います。彼の場合はキリスト教的思想とフレーバーですが。色々ある中で曲集の終わりに配置されているこの曲を余韻を買ってセレクト。}

破邪顕正(邪道を打ち破って、正道を表すこと):
マーラー 交響曲第1番 第4楽章
{ものすごくこう、剣を持って大きな悪と嵐の中戦うみたいな、ファンタジーゲーム風のフレーバーがあるこの曲。打ち勝った感、自分の手で戦い抜いた感の強さとそれによって開けた光の明るさと絶対さというのが何よりもの理由。}

不撓不屈(心が硬くて困難に屈せぬこと):
ショスタコーヴィチ 交響曲第5番 第4楽章
{エピソード的にもぴったりですし、なんといってもこの言葉はショスタコのためにあり、さらにこの交響曲の調であるニ短調のためにあるような四字熟語ですね。}

六根清浄(六根から起こる欲望を断ち切って、清らかになること):
ペルト フラトレス
{いろんなものをそぎ落としたミニマルミュージックのなかでもこれがこう・・・一番透明感というか欲望less感があるような気がするんですよね。聴いたらすぐ分かるメカニカルなパターンと良い、ビブラートなしの奏法と良い。あ、でもそれは他の曲もそうか。}

横行闊歩(思いのまま、大手を振ってのし歩く。勝手気ままにふるまうこと。):
リヒャルト・シュトラウス 英雄の一生
{だってそうなんですもん。言うことなし。多少のこの曲に対する偏見を差し引いてもです。}

電光石火(いなずまや、石から出る火のように、きわめて短い時間をいい、行動が非常にすばやいときに用いる。):
ヒンデミット ピアノソナタ第3番第2楽章
{スピードが半端ないです!あっというまに過ぎていくアクロバット的な音楽。ぱっ、とフレーズがいきなり終わってしまうところなんかもぴったりかな、と。}

なんだか面白かったです。直感で思いつかないのはどんどん飛ばしていったのですが、それでも10そろっちゃいました。じっくり考えたらもっと面白い四字熟語が引っ張ってこれるかもしれないな、とか他のソースを見たらもっと面白いのがあるかな、とか・・・あと通り過ぎちゃったのもたくさんあるのでまた四字熟語でそのうちトライしたいと思います。


今日の一曲: リヒャルト・シュトラウス 英雄の生涯



シュトラウスの半生がモデルになってるとかなってないとか言われるこの曲、特に若い人にお勧めの曲です。
なぜなら・・・大学でものすごく情熱的に好きな人が大変多かった曲なので。
もちろんシュトラウスがすごい作曲家で全てのパートのためにいいものを書く、奏者としても、オケ全体として弾いてもものすごくたのしくてがっつり弾きごたえのある曲だというのもありますが、この曲にこめられたパワーや前向きな姿勢、よっしゃやってやるぜい!的な感じがこの世代には魅力的なんでしょうか。

私自身はそのオーケストレーションの見事さを除いてあんまり好きではない曲です。
例によって外向的なのが苦手で・・・あとシュトラウスのエゴみたいなものが音楽を通じて伝わってくる様な気がするので・・・辟易してしまいます。

ただ「英雄の伴侶」のセクションは好きです。どんな英雄も女性には弱いもの、というのが伝わってくるのと、あとその女性の気まぐれさ、器用さ、繊細さ、感情的な面もバイオリン一台であまねく表現できてしまうところが凄いですし、そういう感じのバイオリンソロ全般好きです♪

そして「英雄の戦い」の部分はipodランダム再生で回ってくると毎回聴いてしまう名セクション。
普段は正義感の強いトランペットが珍しく悪役を演じてくれるこのおいしさといつもとはちがうかっこよさもそうですし、英雄役の8人(!)のホルンセクションの縦横無尽な活躍(絶対ホルンの人達これ楽しいですもんね!それも伝わってきます!)・・・3拍子のミリタリーマーチ(!)でそれがぶつかり合うのがまた凄い。
かっこよさと調子の良さで本当にcarried awayなのですが、それを支える楽器使いの骨組みもまた大きく貢献していて見事なものです。

シュトラウスは本当にホルンが好きなんですよね。英雄役に抜擢したのももちろんですが、その8人(+1人アシ)の体制でがんがん押してっちゃう勢い。
多少そんなホルンにあやかる形となっちゃってるみたいなのですが、チェロも大活躍。やっぱり力強さと音域の広さがこの2つの楽器の売りですね。

ちなみに珍しくユーフォニアムがオケに参戦しているこの曲。「英雄の敵」のセクションでのちょっとしたソロにどうぞ耳をお傾けください(笑)

ここまでテンション高く書いてしまいましたが、あくまでも個人的に嫌いな曲の分類に入っています。ただ嫌いだけどやっぱり好きなセクションもありますし、嫌いだけれど名曲なのです。
それにワルキューレの話でもありましたが金管奏者が楽しいとやっぱり楽しくなっちゃう性分で。

若い人もそうでない人も、テンションを上げたいときには特にお奨めの一曲です♪

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