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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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ケーススタディ?
音楽のことを書くうえでなんだかものすごく忘れていたことが一つ。
それはチェリストならかなりのこだわりがあるであろう・・・楽器ケースの話。
なんで忘れたんでしょ。

どんなケースも楽器の保護、持ち運びやすさ(重さ、形)などで作る側も選ぶ側も難しいですよね。
中身の大切さと高価さはあるけれど、頑丈なケースは大抵重く。例えばファゴット、チェロのように大きな重めの楽器だと大きい重いケースは不便を通り越してしんどいですから・・・
でも最近は「素材」の進化がめざましく、その一部が楽器やそのケースにどんどん使われているみたいで(楽器を運ぶ人でないながらも)ものすごくわくわくします。

楽器を弾く、というのが音楽を奏でるうえでのメインではありますが、例えばオケ生活ひっくるめたストーリーを書くと楽器を運ぶ情景を想像したり、ケースを購入する話とかがでてきたり。チェロのケースがずらーっとリハーサル場に並んでたり、リハーサルの後にみんながそれぞれのケースを背負ったり引っさげたりしながら帰って行ったり・・・
そういう情景もまた私は大好きで。音楽の演奏以外にもちょっと目を留めてもらいたいところでもあります。

昔からうちには母のホルンがそこらにおいてあって。(今は勿論母のいる日本にありますが)
いわゆる「かたつむり」みたいな形をしたケースなんですが、最近はどうも事情が違うようで。
大学にいたときみんなのホルンはベルが外せるようになっていて、亀の甲羅を連想させる、亀の甲羅のように背負うことも出来るようになっているんですよねー。しかもセミハードケースが主流、と。
やっぱり4.5mの金属の管ですからそれなりの重さはありますし、楽器が凹むと(特にベルの場合薄いので凹みやすい)音にも影響がでますしね。、

フルートのケースなんかはハードケースでも鞄にすっぽり入っちゃったり、クラリネットも持ち歩くのが一本の場合はリュックに入っちゃったり。でもそんなケースは珍しいです。
そんななかまた珍しいケースとして、トランペットの場合は多少特殊で、ケースをそのままバッグとして使う場合があるようです。Gig bagと呼ばれる物なんですが、ちょっとボストンバッグみたいな入れ物(中はしっかりパッドされてます♪)にトランペット何本か、マウスピース、ミュート、鉛筆、楽譜などトランペット奏者がいる様々な物を入れられるようになってます。
便利だしかっこいいのですが、たまーにぼろぼろになったgig bagも見ます。なんといいますか・・・味があるんですよね、歴史が(笑)

多少特殊なケースとしては打楽器の運搬ケースがあります。
ティンパニーを入れる大きな箱をはじめ、シンバルや銅鑼を収納するケース、ドラムのケース、小物を詰めるケースなどあって、こないだ話しましたように決まった物を決まった順番で入れないと入らないだろう!というパズルに近いものもあります。
たまにドラムケースが小物入れに使われていることがあって、二つ外見は同じケースなのに知らないで持つと一つは中が空洞のドラム入りで軽いのに、もう一つは何やら分からないものが色々と詰まっていて腰が抜けるほど重かったり!

でもやっぱり一番面白いのはチェロのケースだと思います。
ハープやコントラバスなどは普段はソフトケースで運搬して、飛行機に積むときなんかはハードケースをレンタルする場合が多いみたいですが、チェロは普段の運搬も飛行機に乗せるのも同じケースですませるので丈夫さと軽さのバランスがものすごく難しいです。
私の今持ってるチェロは普段ケースに入れて運ぶ分には5kgくらい。持てないことはないですが、もとの楽器の大きさもあってあまり持ち歩くには・・・うーん、そこそこしんどいです。(ただ平均より小柄な女性の私ですからどれくらい物差しになるかわかりませんが・・・)

そんな中大学時代話題になったのがAccord製のケース。お値段ははるのですが軽くて飛行機に積んでも安全で、スタイリッシュなデザインが何事にもクオリティを求め妥協をできるだけしたくないチェリストにものすごーく魅力的に映った、というわけで。実際に何人か購入したんですがかっこいいケースだったなあ♪
(ちなみにAccordはバイオリンなどのケースも出してて、普段見るようなバイオリンのケースよりも若干薄めで、いろんなデザインがあるのでこれまた話題になってました。)

バイオリンや他の楽器だとケースは黒、というのがスタンダードですが、チェロのケースの場合はデザインもまた多様。
一度ユースオケのサマーキャンプで14人?ほどチェリストがそろったときにチェロケースのバリケード作ったんですけど本当にいろいろなチェロケースがありました。
形はチェロの形にそった曲線的な物もあれば頑丈なものは四角ばっていたり。運搬を助けるために肩紐が付いていたり、車輪が付いていたりするものも多いです。
色に関しては見たことのあるものだけでも黒、白、オレンジ、緑、銀、赤、そして私の持っている青など無限にあります。
そして空港で貼られたステッカーや渡航先の国のステッカーなども貼られたりしてあって、なんだか他の楽器よりもファッション主張的な面も少なからずあるみたいです。(あくまで機能性重視なんですが、どこのケースもデザインが豊富に提供されてるので、ね)

音楽家が演奏する姿というのも素敵だけれど、楽器を運んだり持ったりしている姿もまた素敵だと私は強く信じています。
町中でケースを担いでいる人を見るとついついどんな楽器なのか、キーホルダーやステッカーなどはついているか、ちょっぴり見ちゃいますね。楽器を演奏する姿や奏でる音にも負けないくらいケースや担ぎ方で人が見えることってあるので。
あとバスとかで下校時間ごろ見る色んな学校の子供達が大きな楽器のケースを一生懸命運んでいると応援したくなりますよね。もしかしたら未来のマエストロ?

最近ちょっぴりだけ絵を練習しているのですが・・・(念のために言いますが入院してるわけではないです。)
もしも全身図が書けるようになったら楽器を弾いてる人物の絵とか楽器を担いでる人物の絵も描いてみたいです。いつになるやら。


今日の一曲: イーゴリ・ストラヴィンスキー 「プルチネルラ」より「Vivo」



なんだか随分と久しぶりなストラヴィンスキーなように思われます(笑)
ストラヴィンスキーの「3大バレエ」といえば「火の鳥」「ペトルーシュカ」「春の祭典」でこれらの曲は大曲名曲として広く知られていますが、その後に書かれたこのバレエ「プルチネルラ」もまた粋で素敵な曲なんです。

プルチネルラは・・・ある意味昔の曲のカバーアルバムみたいなもので。
バロック時代のペルゴレージなどの音楽を時には元の音楽に忠実に、時にはストラヴィンスキー&現代風にアレンジしたものです。
傾向としては最初の序曲は割と伝統的で聞きやすいのですがだんだんとモダンテイストが入って来たりしてこんなアレンジもあるんだなーとおもいながらグランドフィナーレ、という感じ。

そのなかこの「Vivo」。実は元々のペルゴレージの曲を昔チェロで弾いたことがあります。
低音楽器のための曲、というのを尊重したのかどうかは分かりませんが、ストラヴィンスキーのバージョンはものすごくオーケストラの楽器が活躍します。
それもなんとコントラバス、低音金管(トロンボーン族+テューバ)と重低音でっせ(笑)

ものすごく明るくてVivo=活発な曲なのですが、このアレンジだと良い感じによっぱらった中年のおっさんたちが路上で楽しく盛り上がっている快活さ。(良い意味で、です!)
ちょっと調子外れで普通とは違う意味でコミカルで。なんだか足取りが普通じゃない、みたいな。

前話しました低音金管の自然なチームワークも見れる曲でもありますし、コントラバスが単独でスポットライトを浴びる珍しい曲でもあります。
決して器用とは言えない楽器達がくりひろげるコミカルで思わず苦笑?とにかく笑ってしまう舞台の一幕。
いろんな意味で「こんな曲もあるんだな~」と気軽に楽しんでもらえたらどこか知らないところで現代音楽への扉が知らない間に開いているかも?


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