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最近バドミントンやコンサートでサウスメルボルンに行ってばかりですが(いっそ住みたい!)、昨日もまた国立アカデミーにコンサートを聴きに行ってきました。
なんでもイギリス人作曲家トマス・アデズが来豪して彼の曲を始め指揮・演奏を担当とするとのことで結構わくわくしてこの日をまっていたのです。
アデズの音楽に出会ったのは大学の時。親しい友達を通じてピアノ音楽からオケ音楽や室内楽音楽を知り、その色彩の透明さと音の世界にたちまち惚れてしまいました。
調べてみるとイギリスの作曲家でいまも存命、それどころか1971年生まれというかなり若い作曲家だということにものすごく驚いてしまいました。音楽を聴いているとなんだか独特の世界がものすごく完成してて、ブレがなくて。
あと今まであまりアデズの音楽を生で聴いた事がなく、昨日はものすごくそういう意味でも楽しみでした。
コンサートしてはいろいろと異色とも言える部分がありました。
例えばプログラムの組み方。アデズ自身の曲も勿論入ってますが、それがフランスのバロック音楽と組み合わせられていて。特に前半はクープランのLes Baricades Mysterieusesをアデズのアンサンブル編曲版で、そしてオリジナルのハープシコード版で(アデズ演奏)、さらにアデズのクープランの音楽をモチーフとしたThree Studies from Couperinを演奏、と曲の組み合わせ以上の意味でスタイルがうまく融合されていました。
あとはやっぱりプログラムの組み合わせに凝った結果かステージのセットアップがころころ変わるコンサートでしたね。結果音楽的に興味深いプログラムで、ものすごく効果的だったのですが裏方で働いた経験からちょっぴり裏方の人達は大変だなーと思わずにはいられませんでした(笑)
コンサートの雰囲気(音楽により創られた雰囲気)はなんだか予想とちょっと違いました。
あまりEarly music(バロック以前の音楽)を生で聴いた事がなかったのですが、その優しい音(特にフランスのバロック音楽だからですかね)と親密な雰囲気になんだかほんわかしました。大きなホールではなく、近くで内輪で楽しむ音楽も乙なものです。
アデズのThree Studies from Couperinも楽器使いは彼のスタイルですがフランスバロックのスピリットというか雰囲気を自分のものとしたような音楽で心をやんわりと打たれましたね~♪
そして後半のラモーの「ダルダニュス」からの組曲やクープランのLa Parnasse, ou L'apotheose de Corelliとアデズの室内交響曲の対比も良かったです。
室内交響曲はなんとアデズ19歳の作品!19歳であの楽器使いのうまさは反則的に天才的だなあ・・・曲自体はたまに聞くのですが、生で聞いてそのすごさを改めて実感しました。それに39歳になって19歳の時の作品を指揮するという形で新たな高みに持って行ける、というのも素晴らしいことですね。
アデズの音楽で素晴らしい、と思うのがすでに何回か言及していますが楽器の使い方。
特にクラリネット族(バスクラ、そして昨日は使われませんでしたがコントラバスクラリネット)のサウンドが弦と共に彼の音楽の透明で芯の強い性質を支えていて、その独特な透明さが大好きなのですが・・・
フルートとバスフルートのあのほんわかした音が今回のコンサートでは「優しいバロックの音」にものすごくぴったりで印象が強かったですね。
楽器使いに関しては実際アンサンブルを前にして目で見てみると、わりと不合理、と言いますか・・・ある意味では合理的なんですよね。望む音を創り出すために必要な楽器を必要な時に使う、という。ただアデズのサウンドは透明で繊細なので結果的に一つ一つのパートが断片的になるのかな、という風にとりあえず今理解しています。こうやって音で聞くと同時にメカニックが見えるとなんだか音楽のことも作曲家のことももちょっと知れるみたいで嬉しいです(笑)
国立アカデミーの音楽家達も、普段はあんまりフランスバロックもアデズの音楽のような今現在の音楽も日常的には触れあわないスタイルなのにさすがしっかり素晴らしい演奏をしてくれますね♪
私と一緒に大学に行った先輩、同級生、後輩達が活躍しててなんだかちょっぴりおいてかれた感があったりしてまた「演奏したい欲」「もっと活動的に音楽家でいたい欲」がちょっぴりあおられていますが・・・(汗)
なにはともあれ、ちょっぴりほんわかした、優しい気持ちになったコンサートでした。
フランスバロック音楽は私の弾いている音楽(特にラヴェルの音楽)の源だったり、影響していたりしますし・・・もしかしたらドイツ系のバロック音楽より自分に合ってるかも?なのでいつかクープランやラモーとお近づきになりたいな、と思ってます。
今日の一曲: ジャン=フィリップ・ラモー 「ダルダニュス」からの組曲より「Bruit de guerre pour Entr'acte」と「Sommeil, rondeau tendre」
昨日が初めましてだったこの曲。中でも印象に強く残る、対照的な2曲を選びました。
「Bruit de guerre」の方はまあなんとエネルギッシュな曲!バロック音楽はロマン派・現代音楽に比べておとなしいなんて思っちゃいけませんね。弦のパワフルさと太鼓の連打にわくわくしっぱなし。
例えばシェークスピア関連の映画でよく見る劇場での戯曲の始まりだったり、様々な踊りだったりルネッサンスやバロックの音楽シーンが頭の中でぱっと浮かぶような生き生きとした音楽です。
「Sommeil」の方は(先ほどの曲のすぐあとに弾かれましたが)全く反対の曲調。Sommeil=眠り。(メシアンもよく使う言葉なので知っていたり)弦のパートと全体的なハーモニーや雰囲気が眠るとき独特の呼吸だったり、重さだったり、夜の空気だったりをシンプルながら見事に表しているようでなんだかきゅんと来た一曲でした。
バロック音楽はフランスに限らずバッハやヴィヴァルディなどもこう・・・特有の表現言語、というか描写言語があって。でも知らなくてもものすごくストレートなので今回の「Sommeil」のように聞いて「ああ、なるほど」という、苦労しないで直感的になんだか暗号解けちゃった見たいな、外国語を聞いてみたら案外自分の言語と同じだったみたいな・・・例えが若干変ですがそういった「わかるわかる」的な感覚があって、それもまた楽しいです。
フランスのバロックのタッチやスタイル、なんだか本編の方でも書きましたようにふんわりとしていて、優しくて、愛らしくて。いつかものにしたいですし、もうちょっとお知り合いになったり触れあいたいです♪
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なんでもイギリス人作曲家トマス・アデズが来豪して彼の曲を始め指揮・演奏を担当とするとのことで結構わくわくしてこの日をまっていたのです。
アデズの音楽に出会ったのは大学の時。親しい友達を通じてピアノ音楽からオケ音楽や室内楽音楽を知り、その色彩の透明さと音の世界にたちまち惚れてしまいました。
調べてみるとイギリスの作曲家でいまも存命、それどころか1971年生まれというかなり若い作曲家だということにものすごく驚いてしまいました。音楽を聴いているとなんだか独特の世界がものすごく完成してて、ブレがなくて。
あと今まであまりアデズの音楽を生で聴いた事がなく、昨日はものすごくそういう意味でも楽しみでした。
コンサートしてはいろいろと異色とも言える部分がありました。
例えばプログラムの組み方。アデズ自身の曲も勿論入ってますが、それがフランスのバロック音楽と組み合わせられていて。特に前半はクープランのLes Baricades Mysterieusesをアデズのアンサンブル編曲版で、そしてオリジナルのハープシコード版で(アデズ演奏)、さらにアデズのクープランの音楽をモチーフとしたThree Studies from Couperinを演奏、と曲の組み合わせ以上の意味でスタイルがうまく融合されていました。
あとはやっぱりプログラムの組み合わせに凝った結果かステージのセットアップがころころ変わるコンサートでしたね。結果音楽的に興味深いプログラムで、ものすごく効果的だったのですが裏方で働いた経験からちょっぴり裏方の人達は大変だなーと思わずにはいられませんでした(笑)
コンサートの雰囲気(音楽により創られた雰囲気)はなんだか予想とちょっと違いました。
あまりEarly music(バロック以前の音楽)を生で聴いた事がなかったのですが、その優しい音(特にフランスのバロック音楽だからですかね)と親密な雰囲気になんだかほんわかしました。大きなホールではなく、近くで内輪で楽しむ音楽も乙なものです。
アデズのThree Studies from Couperinも楽器使いは彼のスタイルですがフランスバロックのスピリットというか雰囲気を自分のものとしたような音楽で心をやんわりと打たれましたね~♪
そして後半のラモーの「ダルダニュス」からの組曲やクープランのLa Parnasse, ou L'apotheose de Corelliとアデズの室内交響曲の対比も良かったです。
室内交響曲はなんとアデズ19歳の作品!19歳であの楽器使いのうまさは反則的に天才的だなあ・・・曲自体はたまに聞くのですが、生で聞いてそのすごさを改めて実感しました。それに39歳になって19歳の時の作品を指揮するという形で新たな高みに持って行ける、というのも素晴らしいことですね。
アデズの音楽で素晴らしい、と思うのがすでに何回か言及していますが楽器の使い方。
特にクラリネット族(バスクラ、そして昨日は使われませんでしたがコントラバスクラリネット)のサウンドが弦と共に彼の音楽の透明で芯の強い性質を支えていて、その独特な透明さが大好きなのですが・・・
フルートとバスフルートのあのほんわかした音が今回のコンサートでは「優しいバロックの音」にものすごくぴったりで印象が強かったですね。
楽器使いに関しては実際アンサンブルを前にして目で見てみると、わりと不合理、と言いますか・・・ある意味では合理的なんですよね。望む音を創り出すために必要な楽器を必要な時に使う、という。ただアデズのサウンドは透明で繊細なので結果的に一つ一つのパートが断片的になるのかな、という風にとりあえず今理解しています。こうやって音で聞くと同時にメカニックが見えるとなんだか音楽のことも作曲家のことももちょっと知れるみたいで嬉しいです(笑)
国立アカデミーの音楽家達も、普段はあんまりフランスバロックもアデズの音楽のような今現在の音楽も日常的には触れあわないスタイルなのにさすがしっかり素晴らしい演奏をしてくれますね♪
私と一緒に大学に行った先輩、同級生、後輩達が活躍しててなんだかちょっぴりおいてかれた感があったりしてまた「演奏したい欲」「もっと活動的に音楽家でいたい欲」がちょっぴりあおられていますが・・・(汗)
なにはともあれ、ちょっぴりほんわかした、優しい気持ちになったコンサートでした。
フランスバロック音楽は私の弾いている音楽(特にラヴェルの音楽)の源だったり、影響していたりしますし・・・もしかしたらドイツ系のバロック音楽より自分に合ってるかも?なのでいつかクープランやラモーとお近づきになりたいな、と思ってます。
今日の一曲: ジャン=フィリップ・ラモー 「ダルダニュス」からの組曲より「Bruit de guerre pour Entr'acte」と「Sommeil, rondeau tendre」
昨日が初めましてだったこの曲。中でも印象に強く残る、対照的な2曲を選びました。
「Bruit de guerre」の方はまあなんとエネルギッシュな曲!バロック音楽はロマン派・現代音楽に比べておとなしいなんて思っちゃいけませんね。弦のパワフルさと太鼓の連打にわくわくしっぱなし。
例えばシェークスピア関連の映画でよく見る劇場での戯曲の始まりだったり、様々な踊りだったりルネッサンスやバロックの音楽シーンが頭の中でぱっと浮かぶような生き生きとした音楽です。
「Sommeil」の方は(先ほどの曲のすぐあとに弾かれましたが)全く反対の曲調。Sommeil=眠り。(メシアンもよく使う言葉なので知っていたり)弦のパートと全体的なハーモニーや雰囲気が眠るとき独特の呼吸だったり、重さだったり、夜の空気だったりをシンプルながら見事に表しているようでなんだかきゅんと来た一曲でした。
バロック音楽はフランスに限らずバッハやヴィヴァルディなどもこう・・・特有の表現言語、というか描写言語があって。でも知らなくてもものすごくストレートなので今回の「Sommeil」のように聞いて「ああ、なるほど」という、苦労しないで直感的になんだか暗号解けちゃった見たいな、外国語を聞いてみたら案外自分の言語と同じだったみたいな・・・例えが若干変ですがそういった「わかるわかる」的な感覚があって、それもまた楽しいです。
フランスのバロックのタッチやスタイル、なんだか本編の方でも書きましたようにふんわりとしていて、優しくて、愛らしくて。いつかものにしたいですし、もうちょっとお知り合いになったり触れあいたいです♪