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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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メル響コンサートwithデュトワ 感想!
昨日はメル響のコンサートに行ってきました!
コンサート前の夕飯からなんだか結果ちょっぴり贅沢続きで、久しぶりの外は刺激が強かったですが充実しすぎるほど充実しました。

ピッツァ&カクテル夕飯はほとんど恒例になりつつある?サウスバンクのBlue Trainで。
金曜日の夕方とあって結構待ちリストが長くなってましたがお一人様なのですぐ席に着けて。
生ハム、ほうれん草、ブラックオリーブ、パルメザンなどが乗ってるピッツァ。
今日はカクテルもつけてみました。カイピロスカ(ウォッカ+ライム+シュガーシロップ)なんですが、ここはライチ(缶詰)などを入れてくれるそうで。ライチ好きです~もともとのカイピロスカの材料のいい仲介者。

11月のメルボルン、午後7時カイピロスカは「割る」材料がないのでよくよく考えてみれば強めのカクテル。
少し視力が弱くなりながらサウスバンクを散策。(ただここで少し酔っていたのは1時間後のコンサートまでにはすっかり醒めていました。スピリッツは早い!)
今はメルボルン・コンサートホールの周りが工事中なのでちょっと違う道を通ったりして。
11月ともなると午後7時過ぎでも昼のように明るいです。
どこのレストランも外の席が満員。

そしてその後メルボルン・タウン・ホールへコンサートに。
シャルル・デュトワ指揮ということで本当に楽しみにしていたコンサート♪
プログラムはラヴェルの「スペイン狂詩曲」、ベルリオーズの「夏の夜」、そしてリムスキー=コルサコフの「シェヘラザード」でした。色っぽい曲揃い!

座った席はバルコニーの最後列のわりと端っこの方で、器楽に関しては文句ない音響なのですがベルリオーズでの歌手の言葉がわりと聞き取りづらくてそこはちょっと残念。
コントラフォルテ(コントラファゴットの改良版)の音量がその席からも「あら、こんなに大きい音でラヴェルには大丈夫かな」というほどだったのですが・・・

ラヴェル、なんだか魔法でした。
第1楽章のテンポの流れの心地よさとか、色彩のきらきらとか。
第 2楽章ではちょっとアンサンブル危ういところもありましたが、コントラフォルテがすごかったのもここ。ベース的な楽器がコントラファゴットのパートしかないところで他の楽器を支えるにはコントラファゴットの音量と音質だとちょっと頼りない、だからコントラフォルテのしっかりさが輝いていました。
第4楽章のフェリア、ものすごく好きな楽章なんですがものすごく見事にまとまっててものすごくエキサイティングでした♪全体的に夜の雰囲気があるこの曲のなかで夜のお祭りのように華やかで楽しくて。もともと短めの曲なのですがあっというまだった!

ベルリオーズは他の2曲と比べるとあまり親しくない曲なのですが、久しぶりに聴けて良かったです。
もともとベルリオーズって音楽の感情が(本人の感情も割と、なんですが)ころころ変わったり、2つも3つもの感情を同時に表現しちゃったりするのである意味ちょっと難しい作曲家ではありますが、メゾ・ソプラノのChristianne Stotijnの歌声はそんな変わり者ベルリオーズの心の世界を豊かに表現していました。メゾならではのリッチさというか、幅の広い暖かさというか。
第1楽章は上記席の位置の関係かちょっと「ん?」という感じだったのですが第2楽章「薔薇の精」なんか歌声もオケも音と感情の色彩にあふれてて。第3楽章の深みもかみしめちゃいました。
オケに限って言えば最終楽章「未知の島」が良かったです。指揮者の感性ももちろんそうなんですが、奏者の感性もなかなかだなーと思いました。

そしてメインディッシュのシェヘラザード。
みんなにとって見せ場のある、そして楽しい曲ですがシェヘラザードの主役はコンサートマスター。私にとってはコンマス名曲ナンバーワンです。
ただメル響の場合は女性なので厳密に言えば「コンサートミストレス」。フィジー出身の女性で、私の友達の先生だったりもします。まさに「賢姫」で色っぽいシェヘラザードという姫君の物語を紡ぐ姿を芯の通った美しい音で表現してくれました。
やっぱりシェヘラザードのソロは女性の演奏が一番いいなあ♪

なんといってもこの曲は終始贅沢でしたね!
まずデュトワの曲の解釈と表現がいちいちセンスが素晴らしくて。ちょっとあっさりめなのですが、全然物足りないことはなくちょうど良い感じで、すみずみにわたってさりげない気配りとロマン、色気にあふれてました。
そして奏者も・・・先ほどのコンマスもそうですし、打楽器セクションのかっこよさだったり・・・あとクラリネット奏者が素晴らしかった!
でも一番は大学時代に隣で弾いたこともあるハープ奏者の音。力強さ、繊細さ・・・やっぱり私の憧れの音です。
あとバイオリンセクションが頑張ってた!なんだかものすごく嬉しかったです。

45 分ほどの曲全体を通じてどこで誰をみればいいか分かるくらい何回も聴いて(あと1回弾いて)ものすごくよく知ってる曲なのですが、「聴き終わりたくない!」と思わず念じてしまうほどの演奏は初めてでした。第4楽章で「船沈むな船沈むな」とずーっと願ってしまった(笑)(船が沈むと曲ももう終わりに近づくので)

心から楽しみましたし、心の洗濯というか、良いことかき混ぜて普段外気に触れてない心の部分も新鮮な空気に触れられた気分です。
メル響は私はこれで最後のコンサート鑑賞ですが、2011年シーズンもまた楽しみにしています。
メル響は感性があって、元気で、いいオケなので。
昨日のプログラムみたいな曲だと特にそうなのですが、おとなしすぎるよりは元気すぎるほうが全然良いですね!過ぎたるは及ばざるがごとしなんて言葉がありますがそれよりもToo much is better than too littleだと思います、音楽の演奏は。

そして別にオケ関係で考えることもあったりで。それはまた後の話になるのですが・・・
いろんな意味で元気がつきました。もっとこれからもいい音楽に触れあわなきゃ。触れあいたい。


今日の一曲: ニコライ・リムスキー=コルサコフ シェヘラザード 第1楽章



普段シェヘラザードの各楽章をバラで聴くときたいてい抜かしてしまうこの楽章。
シェヘラザードの語りであるバイオリンのソロが一番贅沢に聴ける楽章ではあるんですが、他の楽章が魅力的すぎる、というのもありますしこの楽章の材料の多くが他の楽章に引用されてるので・・・
かなりこの曲全体何回も聴いてきてるんでどうしても、ね・・・

スルタンのテーマと思われる序奏の後に、シェヘラザードが「昔々・・・」と語り始めるのはシンドバッドの航海の物語。
波がうねるような音のモチーフだったり、帆に吹き付ける風のような音のモチーフだったり。ちょっとオーバーでロマンチックなところがおとぎ話風。海原の大きさもシンドバッドの志もふくらみます。

バイオリンソロの妖艶さももちろん聞き所ですが、私のちょっとしたお気に入りは波のモチーフをチェロのソロ一人で担うところ。チェロの音と音域の豊かさが嬉しくて。あと映画で言うとカメラをアップにしたみたいな効果がなんだかびっくり。

リムスキー=コルサコフはとにかく楽器使いが上手い!
オケを一体として世界を創りだしながら、奏者にとっても見せ所を作ったり。
音楽的にも、演奏的にもものすごく充実した音楽を書きます。
スコアを読むだけでもそのメカニズムが感じ取れますのでスコアを読みながら聴くのもオススメです。

シェヘラザードは・・・とにかくいいですよ。ロマンがあります。良いオケで聴くとなんだかちょっと贅沢な気分になりますね。
そしてやっぱり何よりもコンサートマスターの名曲ナンバーワン(私調べ)。バイオリンの真髄をすみずみまで味わってみてください♪

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