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(最近英語タイトル続きだな・・・)
わりと無調の世界の住人の私ですが、以前の24keysvirus企画でも分かりますように結構「調」について思い入れがあったりします。
同じ曲でも調が違うと随分イメージが変わりますと思いますし、和音は音楽の色彩を形作るのに一番大きなエレメントだと思います。
おなじみの作曲家達も調に関してなんらかのこだわりを持っていたような痕跡がいろいろあります。
ショ パンは変イ長調を好んでいた、という話がまず分かりやすいですが、他にもベートーヴェンの名曲にハ短調が多かったり(最後のソナタ、悲愴、運命など)、 バッハの最も厳かで宗教的なキャラクターが強い名曲にロ短調が多かったり(ロ短調ミサ、平均律第1巻ロ短調など)・・・思えばラフマニノフのニ短調の曲は メジャーな者もマイナーなものも独特の共通する雰囲気が味わい深いです。
好きという方向の思い入れなのか、それとも特定のイメージをより鮮やかに表現するためにはその調がふさわしいという思い入れなのか・・・
そしてやっぱり調が違うと曲のイメージも変わる、ということの例もあります。
ブラームスは最初の交響曲を書くに当たって偉大な先輩と尊敬するベートーヴェンの第9を超えないと意味がない、と思い詰めて完成させるのに20年かけてしまった、という有名な(そしてブラームスの性格をものすごくよく表す)エピソードがあります。
実はこの同じ20年間に19年にわたって書かれたもう一つの曲があります。
それがピアノ四重奏曲第3番。奇しくも交響曲第1番と同じハ短調の曲なのですが・・・
最初はどうやら嬰ハ短調として書かれたものらしいです。
基音はドとド#、半音違いですがハ短調は♭4つ、嬰ハ短調は#4つと音楽を知ってるに人にはわかるのですが(知らない人はごめんなさい(汗))、かなり違う世界・色彩の調です。
で、ブラームスは最初は嬰ハ短調でこの曲を書き始めたのですが、どうも煮詰まってしまったのか曲を書くのをほっぽりだして(?)しまって・・・で、後にハ短調に書きあらためて曲を完成させた、ということのようです。
全般的に言うと#系の調は外向的、♭系の調は内向的なので、この曲の内に情熱を秘め育てる感じ、そしてどろどろとした執念にもにた性格はやはりハ短調がふさわしかったのかも・・・?
あとビオラとチェロは開放弦にCがあるのでハ長調・ハ短調は得意なのもあります。
楽器によって調に不得意、得意があることもどうやらあるようです。
ざっくり言えば管楽器はどっちかというと♭系が得意で、弦は#系が得意です。
あ んまり詳細なことは説明が下手であれなんですが、例えばトランペットは「ドレミファソラシド」と吹くと聞こえは「シ♭ドレミ♭ファソラシ♭」になること だったり、バイオリンは開放弦がソ・レ・ラ・ミとなっていることなどの楽器の作りによって弾くのが難しかったり簡単だったりすることはあって、それもまた 楽器の個性。
楽器と調の話でもう一つ。
変ホ短調は6つ♭がある調で、「ドレミファソラシド」のうち「ファ」とたまに「ラ」以外フラットがついてしまうなどの理由で基本の「ドレミファソラシド」とかけ離れている調。
なのでほとんどの楽器、さらに歌うことでもかなり難しい調で、バロック時代の作曲家シャルパンティエも「恐ろしい調」と言ってます。フラットの調の内向的に加えさらに弦楽器の開放弦も使うことが少ないのもあってくぐもった響きにもなります。
かなり暗い、おどろおどろしいキーで、独特の暗さ、重さなどの雰囲気から用いられることは少なめです。
でも最近は電子楽器が使われていて、多少事情が変わったのかポップなどでよく使われますね。
変ホ短調はかなりファンなので、なんだかちょっと残念なような印象がどうもぬぐいきれなかったり。
変ホ短調、ハ短調、ヘ短調・・・私が好きな調は(金管奏者の娘だからか、それとも内向的なもの好きだからか)♭系が多いです。
その中でも自分にあってるなーと思うのが変ロ短調。
理由はよく分からないですし、特別この調で好きな曲が多い、というわけでもないのですが・・・
一番自分になじむ、というのでしょうか。聴いてて、そしてそれよりも弾いてて一番自然と入ってくる、自然体で入れるような気がします。
反対にどうしても合わないのがロ長調。
もともとシャープが多すぎると楽譜が読めなくなるのもありますが、サウンド面でもなんだか耳にまぶしすぎるところがあって・・・
なんでこういう好き嫌いができるか解明できる方法はないのかなあ。曲の好き嫌いと関係はどうなんだろう?
なんだか不思議ですね-・・・で終わらせるのもなんですが。
調は音楽を弾く側は意識することは多いのですが、聴く側の意識は案外少ないかのかしら?
もっと色彩を感じて音楽を楽しむために調でもまたなにかできたらな、と思います。
それが演奏としても、曲をおすすめすることでも(そしてその際の一言二言でも)、24keysvirusのような他の形でも。
今日の一曲: ヨハン・セバスチャン・バッハ 平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第22番
これがピアニストがよく弾いてる「平均律」というやつです。
そして同時に24keysvirusの「親ウイルス」でもあり。
平均律クラヴィーア曲集。それは24の調それぞれで前奏曲とフーガのセットを書いたもの。第1巻と第2巻があります。
鍵盤楽器(ピアノは当時なかったのでハープシコードなどを想定)を弾く上で大事なテクニックだったり、フーガを作曲するテクニックにおいても大事な曲集ですが、これらによって調の「性格」が初めて確立されたという意味でもまた大事な曲集です。
この後ショパンの前奏曲だったり、後世の作曲家が24の調で曲集を書くようになったのもこの曲集が源なんですよね。(ということで親ウイルス)
その中でも最も美しい前奏曲とフーガの一つと評価され、大学でも弾く人が多かったこの第22番。
私のアットホームな調(と勝手に思っている)変ロ短調です。
前奏曲もフーガもゆるやかなテンポで心地良い♪
先ほど書きましたようにバッハの時代は今の「ピアノ」は全くなかったのですが(ハープシコードはメカニズムからして他人のそら似なのです)、この前奏曲はピアノで弾くのがなんと美しいことか!
まあるいピアノの音がこの曲の繊細なハーモニーとメロディーの動きにぴったり♪
もしかしたらバッハは今私たちが知っているようなこの曲のサウンドを意図していなかったのかもしれませんが、でも・・・ね。美しいしバッハの音楽以外の何物でもない、特別な場所におさまっているようです。
フーガもまた前奏曲と同じ美しさ、繊細さを持っていますが(そして割と短め)、5声とかなり複雑な構造。
フーガは複数のメロディーがそれぞれ別に動く形式。なので4声あると大体片手で2声ずつ(平均)請け負うことができるのですが、5声だとたまに片手で3声動かさなくちゃいけない、ということで。
でも前奏曲もフーガもどっちかというとハーモニー重視な曲。
そこがまた私好みではあるのですが(笑)
バッハは「音楽の父」としてどこでもその名を聞く作曲ですが、本当に奥が深くて、有名だからといってあなどることが絶対できない作曲家。
私のようなひねくれ者でも愛せずには、そして尊敬せずにはいられない作曲家です。
ちなみに先生がこの曲弾いて言ってくれたんでもうちょっと焦らしてうれしさをかみしめようと思います(笑)
曲が好きなこと、美しいことに加えて変ロ短調。嬉しいことづくしです♪
できればグールドみたいな変わり者な演奏でなく、ニコラーエヴァなどの王道的な演奏でお聞きください。
ちなみに私のお気に入りのブラスアンサンブルMNOZIL Brassがこの前奏曲をアレンジして弾いてます。
これもまたなんだかものすごく好きです♪
私はライブで聴いたのですが、動画もあるみたいなので埋め込み。(そしてはみ出し)
わりと無調の世界の住人の私ですが、以前の24keysvirus企画でも分かりますように結構「調」について思い入れがあったりします。
同じ曲でも調が違うと随分イメージが変わりますと思いますし、和音は音楽の色彩を形作るのに一番大きなエレメントだと思います。
おなじみの作曲家達も調に関してなんらかのこだわりを持っていたような痕跡がいろいろあります。
ショ パンは変イ長調を好んでいた、という話がまず分かりやすいですが、他にもベートーヴェンの名曲にハ短調が多かったり(最後のソナタ、悲愴、運命など)、 バッハの最も厳かで宗教的なキャラクターが強い名曲にロ短調が多かったり(ロ短調ミサ、平均律第1巻ロ短調など)・・・思えばラフマニノフのニ短調の曲は メジャーな者もマイナーなものも独特の共通する雰囲気が味わい深いです。
好きという方向の思い入れなのか、それとも特定のイメージをより鮮やかに表現するためにはその調がふさわしいという思い入れなのか・・・
そしてやっぱり調が違うと曲のイメージも変わる、ということの例もあります。
ブラームスは最初の交響曲を書くに当たって偉大な先輩と尊敬するベートーヴェンの第9を超えないと意味がない、と思い詰めて完成させるのに20年かけてしまった、という有名な(そしてブラームスの性格をものすごくよく表す)エピソードがあります。
実はこの同じ20年間に19年にわたって書かれたもう一つの曲があります。
それがピアノ四重奏曲第3番。奇しくも交響曲第1番と同じハ短調の曲なのですが・・・
最初はどうやら嬰ハ短調として書かれたものらしいです。
基音はドとド#、半音違いですがハ短調は♭4つ、嬰ハ短調は#4つと音楽を知ってるに人にはわかるのですが(知らない人はごめんなさい(汗))、かなり違う世界・色彩の調です。
で、ブラームスは最初は嬰ハ短調でこの曲を書き始めたのですが、どうも煮詰まってしまったのか曲を書くのをほっぽりだして(?)しまって・・・で、後にハ短調に書きあらためて曲を完成させた、ということのようです。
全般的に言うと#系の調は外向的、♭系の調は内向的なので、この曲の内に情熱を秘め育てる感じ、そしてどろどろとした執念にもにた性格はやはりハ短調がふさわしかったのかも・・・?
あとビオラとチェロは開放弦にCがあるのでハ長調・ハ短調は得意なのもあります。
楽器によって調に不得意、得意があることもどうやらあるようです。
ざっくり言えば管楽器はどっちかというと♭系が得意で、弦は#系が得意です。
あ んまり詳細なことは説明が下手であれなんですが、例えばトランペットは「ドレミファソラシド」と吹くと聞こえは「シ♭ドレミ♭ファソラシ♭」になること だったり、バイオリンは開放弦がソ・レ・ラ・ミとなっていることなどの楽器の作りによって弾くのが難しかったり簡単だったりすることはあって、それもまた 楽器の個性。
楽器と調の話でもう一つ。
変ホ短調は6つ♭がある調で、「ドレミファソラシド」のうち「ファ」とたまに「ラ」以外フラットがついてしまうなどの理由で基本の「ドレミファソラシド」とかけ離れている調。
なのでほとんどの楽器、さらに歌うことでもかなり難しい調で、バロック時代の作曲家シャルパンティエも「恐ろしい調」と言ってます。フラットの調の内向的に加えさらに弦楽器の開放弦も使うことが少ないのもあってくぐもった響きにもなります。
かなり暗い、おどろおどろしいキーで、独特の暗さ、重さなどの雰囲気から用いられることは少なめです。
でも最近は電子楽器が使われていて、多少事情が変わったのかポップなどでよく使われますね。
変ホ短調はかなりファンなので、なんだかちょっと残念なような印象がどうもぬぐいきれなかったり。
変ホ短調、ハ短調、ヘ短調・・・私が好きな調は(金管奏者の娘だからか、それとも内向的なもの好きだからか)♭系が多いです。
その中でも自分にあってるなーと思うのが変ロ短調。
理由はよく分からないですし、特別この調で好きな曲が多い、というわけでもないのですが・・・
一番自分になじむ、というのでしょうか。聴いてて、そしてそれよりも弾いてて一番自然と入ってくる、自然体で入れるような気がします。
反対にどうしても合わないのがロ長調。
もともとシャープが多すぎると楽譜が読めなくなるのもありますが、サウンド面でもなんだか耳にまぶしすぎるところがあって・・・
なんでこういう好き嫌いができるか解明できる方法はないのかなあ。曲の好き嫌いと関係はどうなんだろう?
なんだか不思議ですね-・・・で終わらせるのもなんですが。
調は音楽を弾く側は意識することは多いのですが、聴く側の意識は案外少ないかのかしら?
もっと色彩を感じて音楽を楽しむために調でもまたなにかできたらな、と思います。
それが演奏としても、曲をおすすめすることでも(そしてその際の一言二言でも)、24keysvirusのような他の形でも。
今日の一曲: ヨハン・セバスチャン・バッハ 平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第22番
これがピアニストがよく弾いてる「平均律」というやつです。
そして同時に24keysvirusの「親ウイルス」でもあり。
平均律クラヴィーア曲集。それは24の調それぞれで前奏曲とフーガのセットを書いたもの。第1巻と第2巻があります。
鍵盤楽器(ピアノは当時なかったのでハープシコードなどを想定)を弾く上で大事なテクニックだったり、フーガを作曲するテクニックにおいても大事な曲集ですが、これらによって調の「性格」が初めて確立されたという意味でもまた大事な曲集です。
この後ショパンの前奏曲だったり、後世の作曲家が24の調で曲集を書くようになったのもこの曲集が源なんですよね。(ということで親ウイルス)
その中でも最も美しい前奏曲とフーガの一つと評価され、大学でも弾く人が多かったこの第22番。
私のアットホームな調(と勝手に思っている)変ロ短調です。
前奏曲もフーガもゆるやかなテンポで心地良い♪
先ほど書きましたようにバッハの時代は今の「ピアノ」は全くなかったのですが(ハープシコードはメカニズムからして他人のそら似なのです)、この前奏曲はピアノで弾くのがなんと美しいことか!
まあるいピアノの音がこの曲の繊細なハーモニーとメロディーの動きにぴったり♪
もしかしたらバッハは今私たちが知っているようなこの曲のサウンドを意図していなかったのかもしれませんが、でも・・・ね。美しいしバッハの音楽以外の何物でもない、特別な場所におさまっているようです。
フーガもまた前奏曲と同じ美しさ、繊細さを持っていますが(そして割と短め)、5声とかなり複雑な構造。
フーガは複数のメロディーがそれぞれ別に動く形式。なので4声あると大体片手で2声ずつ(平均)請け負うことができるのですが、5声だとたまに片手で3声動かさなくちゃいけない、ということで。
でも前奏曲もフーガもどっちかというとハーモニー重視な曲。
そこがまた私好みではあるのですが(笑)
バッハは「音楽の父」としてどこでもその名を聞く作曲ですが、本当に奥が深くて、有名だからといってあなどることが絶対できない作曲家。
私のようなひねくれ者でも愛せずには、そして尊敬せずにはいられない作曲家です。
ちなみに先生がこの曲弾いて言ってくれたんでもうちょっと焦らしてうれしさをかみしめようと思います(笑)
曲が好きなこと、美しいことに加えて変ロ短調。嬉しいことづくしです♪
できればグールドみたいな変わり者な演奏でなく、ニコラーエヴァなどの王道的な演奏でお聞きください。
ちなみに私のお気に入りのブラスアンサンブルMNOZIL Brassがこの前奏曲をアレンジして弾いてます。
これもまたなんだかものすごく好きです♪
私はライブで聴いたのですが、動画もあるみたいなので埋め込み。(そしてはみ出し)
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