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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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角笛の進化形(楽器と性格 その5)
(そろそろ前回から間が開いてしまったので・・・)
恒例のおことわり:
1)これらの性格分析は私個人の観察と楽器の特性から導き出したものです。
2)あんまり真剣にとらないでいただけると嬉しいです。それなりに分析はしてますが、とりあえずネタということで。
3)メルボルン発データなので環境要因があると思われ日本人の場合どうなっているかは未知です。
4)個人攻撃、誹謗中傷は全く意図していません。

いきなりあれですが、自分が弾いていなくて縁が深い楽器といったらホルンかビオラだと思います。
まず母がホルンを吹いていたこともありますし、大学に入ってから実に多くのホルン奏者と友達になり、ホルン関係のいろいろ活動に関わったこともあります。
そもそもメルボルンでは(大学の友達調べですが)ホルンとチェロのカップル・夫婦・親子・親友同士というのがどうやらかなり多いらしく(というか私も親子でチェロ&ホルン)。
それには色々理由があるんだろうか、という仮説がでているのですがこのコンビに関してはまた別の日に。
今日はそんな縁の深いホルン奏者達について思い入れを交えながら?綴ってみたいと思います。

ホルンは大体の場合残りの金管楽器とは木管楽器セクションを挟んで反対側に、2人だったり4人だったり8人だったりのセットでいます。
ちなみに金管楽器で吹く頻度が多めなので、曲によっては「アシ」というホルンのリーダーをサポートする役(ソロを吹くときにバテないように、ソロじゃないところをカバーしてくれる)がいる場合があって、そういうときはホルンは5人だったり9人だったりのセットでいます。
なので基本チームワークの人達。和音を合わせたり、メロディーと伴奏を吹いたり、みんな一緒にメロディーを吹いたり・・・とにかく仲が良い。
大学の友達の話ではホルン同士は家族のような間柄なのであんまり付き合うことはない、と言ってますし、母も他の楽器(例えば打楽器、チェロ)と違って「仲良しグループ」みたいなセクションだと言ってます。
飲むときはホルン同士でなんかめっちゃ楽しそうに盛り上がっていることもしばしば。

ただホルンって弦楽器(ブラームス、リゲティのホルン三重奏曲)、木管楽器(木管五重奏)、金管楽器(金管五重奏)などオケだけでなくアンサンブルでかなり幅広い範囲の楽器と絡みがあります(チェロともよくオケでは似たようなパートを担当しています)。
なのでホルンファミリーで盛り上がることは多くても基本気さくではありますし、フレンドリーでオープンに付き合ってくれます・・・というのがきっと大学で短期間にホルンの友達が急増してしまった背景。

ぱーっと大きな音を出したり、目立ったソロを吹いたり、基本楽しいことが好きなホルン奏者。
でも音の調和を重視する楽器ですし、さらに「後打ち」などの伴奏など縁の下の力持ち的な役割に回るのもなかなか好きだったり。
基本ポジティブで、気が良い、自分の楽しみのためも人のためにも動く人達です。

大学でホルン奏者達とホルン奏者の性格について話した事があったのですが、その時結論としてはこんな感じでした:
男性ホルン奏者:気が大きくて自分好き、傲慢とも取れるところがあるけれどさっぱりしててあっけらかんなので気にはならない。基本シンプルな行動・思考パターン。
女性ホルン奏者:しっかりしている姉御系で、強がっているけれど、内面打たれ弱い。素直になれないタイプ・・・みたいな。

楽器自体の特性からの性格の特徴、といえば・・・「直感的だけれど理論的」ということがあると思います。
結構唇に関しては感覚頼りで、音がやたらと外れる楽器なので直感と身体の感覚をを信じてかなくちゃいけないところがあって。
ただホルンというのはベルが後ろ向き、つまり後ろ向きに音が出る(そして様々なところに反射してから聴き手の耳に届く)珍しい楽器で、吹くときは常にタイムラグを考慮して吹いているという計算もあったり。
そして(説明は省かせてもらいますが楽器の歴史のいろいろから)楽譜がかいてあるところから様々なキーに移調して吹かなくちゃいけないので理論的でないとつとまらない、ということも。
他にもホルン奏者は全般的に言えばなんにしても頭で理解できることを好む、理論的かつ合理的な人達が多い気がします(うちの母を含めて)。

ホルン奏者たちと友達でいるってものすごく楽しかったです。ある意味ものすごく普通の人たちという印象もあるのですが、でもみんなものすごくいい人たちで。母のいうところの「とにかく性格がいい」(笑)ということで。
人間的で、素晴らしい類の「人間らしさ」、という印象です。
とにかく飲みに行くときはホルンファミリーとつるむと楽しくて楽しくて。明るい酒が飲めますし、なんでもないことで(下ネタもちょくちょく)ものすごく楽しく盛り上がれますし。

余談ですが創作のオケでホルンセクションは実は全員女の子。ユースオケ時代にホルンが全員女の子だったことがあって、かっこよかったのが由来。結束強いですよ-。ガールズなお集まりで。女の友情。

ホルンにはまだまだ語りきれなかった思い入れがいっぱい。
いろんな形態でなんとか表現していきたい思いでいっぱいです・・・(笑)


今日の一曲: グスタフ・マーラー 交響曲第1番 第4楽章



ホルンといったらこれ!と言って聞かない曲です!(私も母も)
やっぱりオケはホルンが元気でないと全体的な元気がでない、というのが一番立証される曲だと思います。

最初の怒濤の嵐みたいなオープニングが好きで、いつも最初ばっかり聞いていますが(オープニングではバイオリンがめっちゃ難しいパートでずーっと続けて弾いてバックグラウンドで頑張ってるので是非是非耳を傾けてあげてください!リハーサルであそこばっかりやってました!)、全体を通して素晴らしいフィナーレです。

前言った覚えがあるのですが、この曲は一人の英雄が剣を持って大きな力に立ち向かっていく、というイメージがものすごく似合う曲です。
マーラーの交響曲は人の強く不屈な心、壮大な自然、そして巨大な見えない力を体感するのに最もふさわしいのではないかと。

嵐のようだったり、ロマンチックだったり、第1楽章でも聞こえた牧歌的な、静かで包容力にあふれた自然だったり・・・その一つ一つにオーケストラの、そして各楽器の素晴らしさが満ちているのですがここでは語り尽くすことは到底無理なので割愛。マーラーは本当にオーケストラ、そして音楽自体を素晴らしく創り上げてくれます。

で、ホルンが一番活躍するのがフィナーレのフィナーレ。
まばゆいばかりの明るい音楽が金管楽器と共に輝くのですが、ここでなんと!9人のホルン奏者が起立して吹くのです!格好いい!
ものすごく元気よく、明るい音をぶっぱなしてくれて(笑)。威風堂々とした姿でみんな嬉々として演奏してます(笑)
ここでホルンが尻込みしちゃあ誰も盛り上がらない。(そんなことがあるのかわからないのですが・・・ここがオケレパートリーのホルンの見せ場ナンバーワンですから)

マーラーの音楽はこの交響曲のみならず全ての作品で、闇の深さと暗さをと苦しさを知って表現できているからこそ「光」の部分がまばゆく輝くんだと思います。それが自分に対しての勝利であれ、大きな力に打ち勝った喜びであれ、本当に聴いてて勇気が湧きますし、力がみなぎりますし、本当に嬉しくて。

そしてホルン奏者達のことを思って、彼らの音にここで耳を傾けるともっと嬉しくなりますね。
彼らがあんなに元気に力強く、楽しんで弾いている姿を見ると本当に幸せな気持ちになります。
ホルン奏者でなくとも彼らの喜びが分かち合えて、ホルンがものすごーく好きになります。

もちろん例の「起立」はCDで味わうことができないので、是非コンサートで第1楽章からこの壮大な旅を味わってみて欲しいです。
マーラーの交響曲のなかでも第1番は最も演奏されているはずなので日本でもきっとどっかでいつかやってるはず・・?

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