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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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In retrospective (再:病院での思い出)
すっかりメルボルンも夏です。
外に出るときは日焼け止めぬったくってサングラス。
リチウム濃度対策にスポーツドリンクで水分・イオン補給。
そしてスーパーに行って帰って来ただけですっかりへとへとです。
(まあ普段あんまり動かないので体力が不足しているんですが)
それで良い感じに回復してまったり疲れていたり、いろいろ思うこともあったりで、今日は病院生活を振り返りたいな、と思います。

精神病院に入院したときは3回とも一緒の病院です。
私立の病院で、前の精神医、そして今の精神医がそこで患者さんを診たりしているのと、あとティーンだったりECTだったりの専門が強いこと、それからケアの質の高さからそこで治療を受けました。
(いまでも精神医のアポの時はそこに行ってます)
シティ、植物園、Albert Park(F1の時はうるさい)にものすごく近い、オフィス街に囲まれて建っていて、病院そのものもぱっと見オフィスビル。元はオフィスビルだったそうです。
ただ建物が弧を描いているので心・脳の調子が悪いとちょっと方向感覚狂うことも。

最初に入院したティーンセクションは3階で、大人のセクションは最高階の4階。
他にもECTユニット、ICUユニット、高齢者の方々セクション(もちろん1階)、外来のための精神医たちのオフィス、それから母&赤ちゃんのためのセクションがあって。あと食堂。
エレベータもちゃんとあるんですが結構みんな歩いてる(笑)

大人セクションはティーンセクションと違ってプログラム参加が必須でないので割とマイペースに暮らしてましたし、他の患者さんと仲良くなる、ということが少なかったです。
朝は一応患者さん達が集まってミーティングみたいのをして、共同施設のメンテとかいろいろ話して。
で、新聞が来るとその中のThe Ageの9文字アナグラムパズルがホワイトボードに掲載されるので、ミーティングにでなくてもいくつか短い言葉を見つけたり、9文字全部を使った言葉がなにか悩んだり(日ごとに9文字の言葉が分かった人は自分の名前をホワイトボードに書けるので余計にはりきる)。
パズルで一緒に盛り上がってるのは若い人が多かったな。

あと朝と午後には外出許可がある人で行きたい人は散歩があって。(外出許可が下りてない人はきっとごくわずか)外出許可はあるけれど一人では出歩いていい許可がない人にとってはスーパーで必需品とか欲しいものだったり、カフェでコーヒーを飲むいい機会。
ついでに鬱の人は朝が特につらいからしっかり起きて散歩行く、は大切です。

プログラムは自分の抱えている思いを共有するグループセラピーから病気のことを学ぶセッション、アートやビーズなどクリエイティブなセッション、あとは歌を歌うセッションとか。
歌の担当のナースのおじさんはECTのナースのおじさんなのと、あと私が音楽やる人だってことで良く担当に当たりました(笑)
毎日午前と午後(だったかな?)で一人一人の患者さんに担当のナースさんがついていて、何かあったら(何もなくとも1日1回は)担当のナースさんに話すようになってます。

私はECT治療中も一人で外出していい許可があったので、結構気ままに出歩いてたりしました。特に夜ご飯については味はそこそこなのですが、なんと5時半に食べるようになってるのでよく外食してました。
トラムに乗るのもめんどいしということでよく1時間くらいあるいてクラウン・カジノに鴨ラーメン食べに行ったりしてました。で、1時間くらい歩いてゆっくり戻って。

病院の夜は長いです。5時半に夜ご飯だともう7時までにはおしまいですし。
薬がもらえるセッションが朝1回、昼1回、そして夜は夕飯+9時+就寝前(11時くらい?)と3回あります。
もちろん5回全部飲む人はいませんが、ちゃんと理由があって。
食後に飲む薬は夕飯後に飲まなくちゃ行けませんし、で、「夜」のむ薬はなるべく9時に飲むらしいんですが、飲んで眠くなる副作用がある薬は11時のセッションで飲んだ方がいいですよ、という。

ティーンセクションでその傾向は強いですが、大人セクションでも基本他人のことにあんまり干渉しないスタンスで。それをはっきり示す必要がないのはやっぱり患者さんが「大人」だから(20代から60代くらいまで幅は広いです)。ティーンセクションのみんなもそうなんですが、自分が病気で治療が必要だということを分かっていて、調子が悪くとも結構みんな落ち着いている印象でした。
みんな苦しくて、辛くて不安なんですが治療へのスタンスとか回復への望みとかはポジティブだったり。

入院したときのことを忘れたくないのはまずメンタルヘルスの道を目指すにあたって初心を忘れないようにしたい、ということが一つ。
そして自分や他人が辛さのなかを進んでいる、その難しさと現実を忘れないようにしたい、ということもあります。
そしてうまく説明できないのですが、光ばっかり、前向きばっかりの人生っていうのは一緒に入院してた患者さんたちとの経験を思うとやっぱり「違うな」と思います。
いつもなるべく後ろ向きだったり、心の調子が悪かったり、問題を抱えてる人達の味方でいたいし、そういう人達の気持ちを分かったり、いつも「闇側」の人間でいたいな、とちょっぴり思うのです。(基本音楽も闇側ですが)
・・・やっぱりちゃんと説明できてない。

今の自分が成り立っている要素の一つとして入院生活で得た物というのは結構強い柱となっていると思うので。
それを忘れることなく、そしてまたあそこで味わった感覚、学んだことをもっと身につけたいです。

闇側関係についてはまた今度。


今日の一曲: たま(滝本さん) 「「夏です」と一回言った」



すっかりたまの季節です!
特に滝本さんの「納涼大会」だったり「とかげ」だったり「むし」だったりこの歌だったり、夏が本当によく似合う!

その中でもメルボルンの夏にぴったりな雰囲気なのがきっとこの「「夏です」と一回言った」。
日本の夏よりも暑く(といっても昨夏は暑かったですね)、乾いた感じがするのです。
冒頭から語られる空気の温度差だったり、遠くの飛行機から感じる機内の涼しさだったり、「渇いた駐車場」という言葉に感じるアスファルトの熱だったり、どっかで滝本さん「温度になりたい」と言ってたのを読んだ覚えがあるのですが本当に好きだなあ、と。

あと本当に言葉では言い表せない感覚で本当にメルボルンの夏で。思わず青空を見上げてしまったり。

夏は長いのでラヴェル、クラム、オーストラリア・イギリスの音楽に加えてたまの音楽で夏を全身に感じながら楽しみ乗り切りたいです♪

Youtubeでのこの歌:



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