忍者ブログ
~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

In Memory Lane
今日美容院の帰りにキャンベラのNational Gallery of Australiaで現在バレエ・リュスの衣装展を(3月20日まで)やってるというポスターを見て、なんとか行きたいなあとあたふた。
メルボルンでもモロー展があるのでそっちはもちろん行く予定。3月にはアデレードで友達と一緒にWorld Music Festivalにも行く予定なのでキャンベラはきついかしら。
どっちにしろめちゃくちゃ気持ちだけ先走ってるので冷静に。

昨日今回の不調で記憶を初めとした認知エリアに症状が出た、という話をしました。
わりと普段から鬱状態になると新しいことを記憶したりする能力ががた落ちで・・・もちろん読解力など情報を取り込む能力も落ちるんですけど、それらを保持することがものすごく難しくなります。

そんなに普段から記憶が良いというわけでもないですが・・・
目立って記憶に問題があったことはあります。
もちろんECTによる一時的な短期記憶の低下により卒業式を含め当時の入院時代のことをあまり覚えてなかったり、というのもありますが、それよりあとに健忘症みたいな状態だったこともあります。
その当時はどちらかというと「アレキシサイミア」という、日本語名は失感情症なのですが感情がなくなるというよりは感情の認知・表現が困難になる状態にあったので、きっと記憶の保持に大切な、感情だったり感覚的な認知が欠落するために記憶をキープしたり引き出したりすることが難しくなるのかなーという感じです。

あとはうつの病気としての状態が一番ひどかった8~10年生あたりの記憶もかなり消えています。
人間の脳は不快な(自身に害があると判断した)記憶を消そうとする働きがあるので当然っちゃあ当然ですね。
全部が全部消えているわけではないですので、メンタルヘルス関係の色々で共感したり、自分の経験を活用するのには使えるところは使いたいです。

記憶と学習について10年生?のドイツの授業で先生と面白い話をしたことを覚えてます。
学習する上の記憶法は人それぞれだから自分に合った方法を見つけていくことの大切さ、という話で。
耳で聞くことで覚える方法だったり、photographic memoryといって見たものをぱっと覚える能力の話だったり(クラスに1人居ました)、パターンや規則を見つけて覚える方法だったり、繰り返しで覚えたり・・・他にもあったんですが。
わりとパターンだったり共通点、リンクを見つけて覚えるのは日本人は得意かも、という話になった覚えがあります。私は耳で聞くこととパターン記憶のコンビで覚えることが多い印象が。

音楽となると・・・まず暗譜についてはここのエントリーで書いた事がありますが。
メロディーとハーモニーは主に耳で覚えます。リズムは小脳が司ってると聞いたことがありますが実際に体を動かさないにしても確かに体で覚える、と似た感覚があります。理論とかとは別な次元にある印象。
現代音楽に特化した脳内処理や記憶、というのはあるのかなあ、とよく思います。マイケルと自分のことを考えると思うんですが。わりとパターンや繰り返しに乏しい、ぱっと聞いただけではひもとけないような音楽があるので。
あとちょっと話ずれますが現代音楽は脳内で処理する情報が多いのか、がむしゃらに練習するよりも「一晩寝かせる」ことによって身につくことがたくさんある感じがします。音が覚えられない、と思っても次の日起きて弾いたら無意識レベルに身についてたり。

寝るというのは記憶・・・というか脳の働きで興味深い&大事なことがいろいろあるようで。
寝てる間に脳の中で情報の整頓が行われるのが夢になる、という説もありますし。
記憶は蓄積も大切ですが整頓・・・というか不要な記憶を上手く切り捨てるのも大事という話も大学時代の心理学の授業でぼんやり聞いたような。(人間の記憶キャパシティも無限ではありませんものね)
自分の家や部屋と同じで要らないものは捨てて、要るものはそろえて、要るものは要るときに引き出せるようにする、というのがどうやらミソらしいです。

こないだ母が「ハンニバル」を読み終えて(これで「ハンニバル・ライジング」を残すのみかな?)、電話で私と母でレクター博士の「記憶の宮殿」の記憶法が興味深いね、という話をしていて。これ実際に存在するコンセプトなんですよ。
理論的にかなってるコンセプトですし、レクター博士がすごい!というのもありますし、使えたら勉強して使ってみるのも面白いし、なんといっても純粋に好奇心をそそられるんですよ。
気持ちと時間に余裕があったら今度追っかけてみようかな、と思います。

記憶と言えば来年のチャレンジを迎えるに当たっていろいろ曲を暗譜しなきゃなあ、と思うのですがなんだか自信がつかなくて。できる気がしない、というのは・・・まだ少し残るうつの記憶低下を考慮してのことなのか、それともその気持ち自体がまだ少し残るうつの悲観思考なのか。果たして。


今日の一曲: オリヴィエ・メシアン 「鳥のカタログ」より「イソヒヨドリ」

Michael Kieran Harveyの録音(Move Records)

今日の曲はこれしかない!と思いました。今日一日この曲に心を奪われっぱなし!

小さい頃に図鑑で見たイソヒヨドリは、周りの茶色の鳥たちからひときわ目立つ、ブルーの体と煉瓦色の腹。
図鑑にはなかなか鳴き声って載ってないですがそのヴィジュアルで何年も色あせず心に残った鳥。

メシアンがこの鳥の鳴き声、そして色彩を愛したことはこの曲から本当に感じ取れます。
海のサファイア・ブルー、青、緑がかった青、そしてイソヒヨドリの紫が入ったブルー、この曲は鮮やかな青の喜びで満ちあふれています。
岩に当たって砕ける波の荒々しさに飲み込まれず優しく響く「バリの音楽を思わせるようなその歌声」。
ダイナミックで力強く、きらきら輝く音楽に惚れ惚れとしています。 

「鳥のカタログ」に限らず、自然は美しいけど厳しいもの。
岩山だったり、崖だったり、波、荒れ地、暑さ・・・鳥のカタログにもフランスの美しい、でも厳しい自然がピアノの音で表現されています。そのなかを自由に飛び交い、心の底から歌う鳥たちは強く美しいなあ、ときっとメシアンは思ってたんだろうな。

曲自体の紹介には結局手が回らずでしたが・・・まだ恋に落ちたばっかりなのでまだまだそこは(笑)
末永く愛していきたいと思います。


拍手[1回]

PR
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Comment:
Pass:
トラックバック
この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック