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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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大学の図書館より
今日は大学の図書館に行ってきました。(メルボルン大学)
図書館にはいつもお世話になってます。大学在学4年半ずっと音楽図書館で楽譜やCD、本などを借りたり、メインの図書館や医学図書館で本を借りたこともあります。
卒業生は図書館のメンバーシップが半額ですむので、妹が大学卒業して貸し借りを頼めなくなったのを機に先月登録しました。
基本楽譜や本は4週間借りれて、CDは1週間。(授業の教材とされているものだと短くなります)
何回か延長することもできます(授業の教材とされているものなど以外は)。
新たに登録してからCDは借りてません。頻繁に行ける自信がなくて・・・

今日返してきたのは:
クラムのマクロコスモス第1巻、天体の力学(マクロコスモス第4番)、クリスマスのための小組曲
ヴォーン=ウィリアムス 「山の中の湖」(珍しいピアノ曲です)
メシアン 鳥のカタログ第5巻(ヒメコウテンシ、ヨーロッパウグイス)
・・・だったかな。

そして新たに借りてきたのが:
クラム 「Songs, Drones and Refrains of Death」
アデズ 「Darknesse Visible」と「Traced Overhead」
メシアン 前奏曲集
マーラー 交響曲第7番(ミニスコア)

それからクラムの音楽についての曲二冊:
Neo-Mythologism in Music - From Scriabin and Schoenberg to Schnittke and Crumb (Victoria Adamenko)
Profile of a Composer - George Crumb (Edition Peters)
この2冊は購入しちゃいたいほどクラムの音楽を勉強するに当たって必須であり重要ですね~

音楽図書館にはいろんな本、楽譜、CD、レコードなどがあります(そしてないものがあれば無料でオーダーしてそろえてくれます!私も在学中ラフマニノフの交響的舞曲のピアノ連弾版、メシアンの先ほどの前奏曲集とは別の前奏曲、それからクラムのクリスマスのための小組曲をオーダーしてもらいました)。

借りるものもそうでないものも、本当にずーっと見て楽しんでリラックスできる空間なのですが、その中でも私がお気に入りなのがオーバーサイズ楽譜の引き出し。大きな引き出しに、ちょっとカオスに巨大な楽譜が入ってて。私にとっては夢の引き出しです。
上記のリストにあるクラムの音楽はほとんどこの引き出しに入っています。今もちょっと前もあの引き出し一番使ってるの私なんじゃないかなあ(笑)

私が楽譜を持ち運ぶ楽譜バッグ(ピアノ模様がついている、自己宣伝型(笑))はA3サイズの楽譜がちょうど入る大きさなのですが・・・
クラムの楽譜はピアノソロだとA3サイズですが、アンサンブルの楽譜になるとそのバッグにも入りようがないような巨大な楽譜がいっぱいあるんですよ。持ち帰ろうにもこれより大きいバッグはなくそのまま持つしかなくて、今日はちょっとだけですが雨が降っていて諦めました。
クラムは楽譜の工夫とか、ちゃんと音を見て分析したりすることも重要なのでいつか!とは思っているのですが・・・
もちろんいつかは手元にそろえようと思います。いやあ、Edition Petersさんには長くお世話になりそうです(笑)

手元にそろえたいと言えばマーラー7番も。今のところ日本で5番と6番をミニスコアとして購入してるので・・・というか母が好きなのになぜか1番のスコア持ってないじゃん!
メシアンの前奏曲は聞こえるよりも楽譜面が難しそうなので、隙あらば・・・でなく暇があれば楽譜を見ながら聴いたり、初見で弾いてみたりしたいです。この曲集をふくむ「20のまなざし」の前の曲ってちょっと感じがちがうので・・・もちょっと自分の心に近く、お近づきになりたいです。

そしてアデズの楽譜2つ。彼の音楽は去年生で聴く機会もありましたが、ピアノ音楽は好きなのになかなか聴く機会もなく、楽譜面ちょっと複雑なので、一度楽譜を見ながら聴いてお近づきになろう、との試み。
いずれは弾けるようになりたいです。

これからしばらく仕事&あるかどうかもまだ分からないオーディションの準備に忙しくなりそうですが、今日入手したものでちょっとずつでも息抜きできたらいいなあ、と思います。


今日の一曲: トマス・アデズ 「Darknesse Visible」

Amazon.comでの録音

今日借りてきた楽譜の一つです。そして私がアデズの音楽を知るきっかけになった曲でもあります。

以前にも言及しましたように、アデズは割と若めのイギリス人作曲家ですが、バロック以前の音楽を引用したりすることも多い人です。彼の新古典的なスタイルは独特の進化を遂げています(現在進行形)。

この曲もジョン・ダウランドの「In darknesss let me dwell」というリュート伴奏の歌が元になっていて・・・
その音を(ドレミファソラシド)を一音も変えることもなく(減らすことはあっても増やすことはなく)、オクターブをずらしたりして、ばらばらにして組み合わせ直したということらしいです。(説明下手ですね)
で、そうやってばらばらにしてしまったわけなので元の声部・メロディーの流れ方が分からなくなる・・・ということで、それぞれの声部の流れを音符の色を変えて表記することで示す、という、私の知っているうちで唯一カラープリントのレアな楽譜でもあります。

そうやって音楽をばらばらにしてしまうことでなんだか超現実的な雰囲気だったり、音と音の間の無限の空間を感じることができます。
自分でも適格かな、と思う例えは夜空の星座。私たちには例えばオリオン座の3つ星が隣同士に見えても、実際宇宙にいくと星達は物凄く離れているし、一直線にも並んでいない、という・・・
だから音楽の中の「宇宙」に放り込まれた感じなのでしょうか。

そしてこの曲にちりばめられたトレモロ(この震えが曲中ほとんど続いているんです!)だったり、細かいアーティキュレーション(アクセントなど)、強弱の様々なバリエーション。なんとペダルを浮かせてflutterする(ペダルのトリルみたいな感覚でしょうか)テクニックなどもあり、例えばメシアンから始まったトータルセリーや、クラムの特殊奏法と目的など違うところもありますが、どこか通じるところもあると思います。

とりあえずこの曲の不思議さ、繊細さ、その独特の空間は言葉で表すことができません。ぜひぜひ聴いていただきたいです♪

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