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年をまたいで一発目、楽器と性格の私なり分析エントリーです。
恒例のおことわり:
1)これらの性格分析は私個人の観察と楽器の特性から導き出したものです。
2)あんまり真剣にとらないでいただけると嬉しいです。それなりに分析はしてますが、とりあえずネタということで。
3)メルボルン発データなので環境要因があると思われ日本人の場合どうなっているかは未知です。
4)個人攻撃、誹謗中傷は全く意図していません。
クラリネットというのは実はオケの楽器の中では比較的新参者。
18世紀・・・というとずいぶん前のことに思えますが、フルートや太鼓、ホルン(というかホルンの前駆としての角笛)が神話などにすでに登場していることを考えるとかなり新しいです。
新しいということによって、この楽器はできたときにすでにオーボエなど他の楽器の短所を克服している、という点があります。
音域の広さ、弱音の強さ、音を出すのが比較的楽なこと・・・いろいろあります。
そういう意味ではわりと「苦労知らず」で生まれつきの器用さと才能を備えている楽器であると思います。
クラリネットの機動力はおそらく管楽器一。そのため弦楽器のいない吹奏楽ではバイオリン的な役割を負うことがあります。その場合は人数が多く・・・実際吹奏楽においてのクラリネットの大集団ってどう機能してるか分からないのですが・・・
ただクラリネットは木管楽器のなかだと割と人数が多い同族アンサンブルでうまくやっていける楽器だと思います。バスクラ、Es管などファミリーが多いこと、それから後述性格的要因があるのかな?
全体的にやっぱりクラリネットってスマートなイメージがあります。
先ほどの生まれつきの器用さと才能、センス、それから機動力に合わせて、ルックスも。
しゅっと伸びた黒い木のボディに銀のキー。
それからもちろん音も。楽器の構造上、クラリネットは他の楽器に比べてピュアトーンに近い音がでます。
豊かな音、というのとはちょっと違うけれど、透明な音です。
音と言えば一つ重要なことが。クラリネットは音域が広いのですが、音域によって違う表情を見せます。
低音域はちょっとsinisterな、苦み走った深い音。
クラリネットの唯一の弱点とも言える(技巧的など)わずかな中音域はくぐもったような暗い音。
高音域はひたすらストレートで透明、そして高くなるほど鋭く。
これらの点を考慮して私個人がクラリネットという楽器とその奏者の相互関係において連想する性格要因をまとめてみると・・・
1) 器用、スマート、立ち回りが優雅とはいかなくともとりあえず立ち回る。
2) ひょうひょうとしていて、感情が薄め、こだわりがない。いろいろ自覚がない。
3) ごく自然に(本人も自覚が薄い場合がありますが)いろんな人格を持ち合わせている。
4) 頭の回転は速く、必ずしもおしゃべりではないけれど弁は立つ。
5) 我が強いほうではない。感情に共感するよりは理論で理解する方が得意。
オーボエと比較するのはなんだか申し訳ない気がするのですが(自分がオーボエをやってたので)、オーボエと比較するとわかりやすいと思うので・・・
1) オーボエはがっつり文系・努力の芸術肌。クラリネットは理系・天性のセンスによる芸術肌。
2) オーボエは音が赤ワイン的。クラリネットは白ワイン的。
3) オーボエはこだわり・固執・束縛的。クラリネットはそういうものとはなかなか縁がない。クールで冷ためのイメージ。
もちろん比較しちゃうとわりと評価が極化してしまうのは承知ですが・・・でもこれだけルックスが似ててこれだけ性質が違う楽器も珍しいです。
(ちなみに有名なプロコフィエフの「ピーターと狼」ではオーボエはその音色からアヒル役、クラリネットはそのアタックのソフトさから忍び足の猫役なんですよ♪)
クラリネットは先ほども言いましたがいろんな仲間がいて。オーケストラでよく使われるのは小さいEs管や、J字型のバスクラリネット。バスクラはいいですねー。ルックス的にも銀の部分が多く、音が本当に悪役的な、sinisterな感じが強く。
他にもレアどころだとコントラバスクラリネット(アデズが使ってます)やそれより大きい仲間達はもうすっかり工場の配管状(笑)変なところがモダン化しているクラリネット族。
それからサキソフォンもいわばクラリネットから派生した楽器ですからね。オーケストラのサキソフォンといえば(使われてますよ!案外!)なんだか変わり者というか、クラリネットのセンスをもっと強めて、理系的な論理思考を少なくしたみたいな・・・感じとしてはエキセントリックなフランス人みたいなイメージです。
クラリネットは・・・わりと表面的な性質しか伝ってこないような気がします。
なんだかもっと裏がありそうな(良い意味でも悪い意味でも)、ひょうひょうしてるけどなんだかもっとあるような。
封神演義(漫画版)のキャラでオケを組んでみたとき、結構アブナイ趣味をお持ちの方達がこのセクションに次々と入ったのはなんだか意味がありそう(笑)。
キャラの強い木管楽器セクションの中でひょうひょう、淡々と自分にとって心地良いポジションを確立しているようにも見えるクラリネット。
さきほど書きましたような謎っぽいところと、クールさは私が特に好きなところ。
次回は今日も大分書きましたオーボエになります。・・・一応自分が前に弾いてた楽器なのと、参考にしている本の著者の方がオーボエなので参考資料・自分の意見共に偏ってるのですが、なんとかします。きっと(笑)
今日の一曲: ドミトリ・ショスタコーヴィチ 交響曲第9番 第2楽章
クラリネットといったらまずアデズ!なのですがなんと昨日アデズの曲を紹介していた・・・
ちなみにアデズの作品で紹介しようとしていたのは「The Origin of the Harp」です。参考までに。
ただしクラリネットのソロ、といったらこの曲が自分の中でトップです。
交響曲全体としては以前も言及したと思いましたがおそらく意図的にとるにたらないように書かれているのですが、このスローな第2楽章だけ格段な深みがあって。
この楽章はもう初っぱなから長い長いクラリネットソロ。
その透明な、息の長いメロディーはどこか氷が張ったような冷たさがたまらない。
クラリネットの音はアデズの音楽やメシアンの「鳥たちの深淵」でもそうですが、たまにぞっとするような、別世界の音になるのです。
そして中間部で弦が入ってくる(厳密的には前にも弾いているのですが)ところの地響きのような不気味な音とか、中間部が最後に戻ってくるところの長和音と短和音が交錯するハーモニーとか、クライマックス的なところでのクラリネットの叫び声のような音とか・・・
スケールとしては他のショスタコの交響曲にかなわないのですが、その腕に抱えられるほどのスケールのなかに果てしない深みと闇、不気味さがあってもうぞくぞくしますね~♪大好きです♪
ちなみに次の第3楽章では明るく機動力の高いクラリネットの姿も見れます。
ショスタコらしい皮肉の効いたスケルツォです。
そしてリンクしたのはMark Wigglesworthの録音。今年も彼はマーラーを振りにメルボルンに来ますが、ショスタコはどうなんだろう?とわくわくしてこれをチョイス&メモ。交響曲第12番もまだお知り合いになれてないのでそっちも興味津々です♪
恒例のおことわり:
1)これらの性格分析は私個人の観察と楽器の特性から導き出したものです。
2)あんまり真剣にとらないでいただけると嬉しいです。それなりに分析はしてますが、とりあえずネタということで。
3)メルボルン発データなので環境要因があると思われ日本人の場合どうなっているかは未知です。
4)個人攻撃、誹謗中傷は全く意図していません。
クラリネットというのは実はオケの楽器の中では比較的新参者。
18世紀・・・というとずいぶん前のことに思えますが、フルートや太鼓、ホルン(というかホルンの前駆としての角笛)が神話などにすでに登場していることを考えるとかなり新しいです。
新しいということによって、この楽器はできたときにすでにオーボエなど他の楽器の短所を克服している、という点があります。
音域の広さ、弱音の強さ、音を出すのが比較的楽なこと・・・いろいろあります。
そういう意味ではわりと「苦労知らず」で生まれつきの器用さと才能を備えている楽器であると思います。
クラリネットの機動力はおそらく管楽器一。そのため弦楽器のいない吹奏楽ではバイオリン的な役割を負うことがあります。その場合は人数が多く・・・実際吹奏楽においてのクラリネットの大集団ってどう機能してるか分からないのですが・・・
ただクラリネットは木管楽器のなかだと割と人数が多い同族アンサンブルでうまくやっていける楽器だと思います。バスクラ、Es管などファミリーが多いこと、それから後述性格的要因があるのかな?
全体的にやっぱりクラリネットってスマートなイメージがあります。
先ほどの生まれつきの器用さと才能、センス、それから機動力に合わせて、ルックスも。
しゅっと伸びた黒い木のボディに銀のキー。
それからもちろん音も。楽器の構造上、クラリネットは他の楽器に比べてピュアトーンに近い音がでます。
豊かな音、というのとはちょっと違うけれど、透明な音です。
音と言えば一つ重要なことが。クラリネットは音域が広いのですが、音域によって違う表情を見せます。
低音域はちょっとsinisterな、苦み走った深い音。
クラリネットの唯一の弱点とも言える(技巧的など)わずかな中音域はくぐもったような暗い音。
高音域はひたすらストレートで透明、そして高くなるほど鋭く。
これらの点を考慮して私個人がクラリネットという楽器とその奏者の相互関係において連想する性格要因をまとめてみると・・・
1) 器用、スマート、立ち回りが優雅とはいかなくともとりあえず立ち回る。
2) ひょうひょうとしていて、感情が薄め、こだわりがない。いろいろ自覚がない。
3) ごく自然に(本人も自覚が薄い場合がありますが)いろんな人格を持ち合わせている。
4) 頭の回転は速く、必ずしもおしゃべりではないけれど弁は立つ。
5) 我が強いほうではない。感情に共感するよりは理論で理解する方が得意。
オーボエと比較するのはなんだか申し訳ない気がするのですが(自分がオーボエをやってたので)、オーボエと比較するとわかりやすいと思うので・・・
1) オーボエはがっつり文系・努力の芸術肌。クラリネットは理系・天性のセンスによる芸術肌。
2) オーボエは音が赤ワイン的。クラリネットは白ワイン的。
3) オーボエはこだわり・固執・束縛的。クラリネットはそういうものとはなかなか縁がない。クールで冷ためのイメージ。
もちろん比較しちゃうとわりと評価が極化してしまうのは承知ですが・・・でもこれだけルックスが似ててこれだけ性質が違う楽器も珍しいです。
(ちなみに有名なプロコフィエフの「ピーターと狼」ではオーボエはその音色からアヒル役、クラリネットはそのアタックのソフトさから忍び足の猫役なんですよ♪)
クラリネットは先ほども言いましたがいろんな仲間がいて。オーケストラでよく使われるのは小さいEs管や、J字型のバスクラリネット。バスクラはいいですねー。ルックス的にも銀の部分が多く、音が本当に悪役的な、sinisterな感じが強く。
他にもレアどころだとコントラバスクラリネット(アデズが使ってます)やそれより大きい仲間達はもうすっかり工場の配管状(笑)変なところがモダン化しているクラリネット族。
それからサキソフォンもいわばクラリネットから派生した楽器ですからね。オーケストラのサキソフォンといえば(使われてますよ!案外!)なんだか変わり者というか、クラリネットのセンスをもっと強めて、理系的な論理思考を少なくしたみたいな・・・感じとしてはエキセントリックなフランス人みたいなイメージです。
クラリネットは・・・わりと表面的な性質しか伝ってこないような気がします。
なんだかもっと裏がありそうな(良い意味でも悪い意味でも)、ひょうひょうしてるけどなんだかもっとあるような。
封神演義(漫画版)のキャラでオケを組んでみたとき、結構アブナイ趣味をお持ちの方達がこのセクションに次々と入ったのはなんだか意味がありそう(笑)。
キャラの強い木管楽器セクションの中でひょうひょう、淡々と自分にとって心地良いポジションを確立しているようにも見えるクラリネット。
さきほど書きましたような謎っぽいところと、クールさは私が特に好きなところ。
次回は今日も大分書きましたオーボエになります。・・・一応自分が前に弾いてた楽器なのと、参考にしている本の著者の方がオーボエなので参考資料・自分の意見共に偏ってるのですが、なんとかします。きっと(笑)
今日の一曲: ドミトリ・ショスタコーヴィチ 交響曲第9番 第2楽章
クラリネットといったらまずアデズ!なのですがなんと昨日アデズの曲を紹介していた・・・
ちなみにアデズの作品で紹介しようとしていたのは「The Origin of the Harp」です。参考までに。
ただしクラリネットのソロ、といったらこの曲が自分の中でトップです。
交響曲全体としては以前も言及したと思いましたがおそらく意図的にとるにたらないように書かれているのですが、このスローな第2楽章だけ格段な深みがあって。
この楽章はもう初っぱなから長い長いクラリネットソロ。
その透明な、息の長いメロディーはどこか氷が張ったような冷たさがたまらない。
クラリネットの音はアデズの音楽やメシアンの「鳥たちの深淵」でもそうですが、たまにぞっとするような、別世界の音になるのです。
そして中間部で弦が入ってくる(厳密的には前にも弾いているのですが)ところの地響きのような不気味な音とか、中間部が最後に戻ってくるところの長和音と短和音が交錯するハーモニーとか、クライマックス的なところでのクラリネットの叫び声のような音とか・・・
スケールとしては他のショスタコの交響曲にかなわないのですが、その腕に抱えられるほどのスケールのなかに果てしない深みと闇、不気味さがあってもうぞくぞくしますね~♪大好きです♪
ちなみに次の第3楽章では明るく機動力の高いクラリネットの姿も見れます。
ショスタコらしい皮肉の効いたスケルツォです。
そしてリンクしたのはMark Wigglesworthの録音。今年も彼はマーラーを振りにメルボルンに来ますが、ショスタコはどうなんだろう?とわくわくしてこれをチョイス&メモ。交響曲第12番もまだお知り合いになれてないのでそっちも興味津々です♪
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