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仕事の締め切りが厳しい!
それでも今日は大学の図書館に行ってきました。CDを返さなきゃ行けなかったので・・・
そして代わりにCDと楽譜借りてきました。CDはショスタコの交響曲第8番(ショルティ指揮、シカゴ交響楽団)。
楽譜は:
メシアンの「鳥のカタログ」第5巻(ヒメコウテンシ、ヨーロッパウグイス)
ヴィラ=ロボスのピアノ曲集(ブラジルのバッハ第4番めあてですがかなり面白そうな曲ばかり!)
バルトークの「中国の不思議な役人」(なぜかミニスコア)
クラムの「Vox Balaenae(鯨の声)」
クラムの「Ancient Voices of Children」
です。最後のクラムの楽譜はA3よりも2周りくらい大きい巨大な楽譜。(でももっと大きいのもある!)
リビングの自分のスペースは大分散らかってます。
本題はちょっと前から自分が気になってた疑問についてです。
ロシアの作曲家、ラフマニノフ。(ソヴィエト時代にも生きてるのですが、革命の際にアメリカに亡命してビバリー・ヒルズで亡くなっているので・・・)
ラフマニノフはピアニストとしても間違いなく巨匠ですが、作曲家としても本当に凄い人で。
自分が弾きこなすピアノのための曲はもちろん、室内楽(ピアノ三重奏)、オケ、合唱などどれも高い水準で素晴らしい曲を残しています。
ショパンなどピアノのために良い曲を書いてもオケに関しては苦手・・・など作曲家も得意苦手があるのが普通と言えますが、ラフマニノフはどの分野でもほぼ非の打ち所のないとも言える音楽を書いてます。
そのなかで例えばフィギュアスケートで使われた前奏曲だったり、ピアノ協奏曲第2番など華やかでポピュラーな曲はたくさんあります。
でももちろんそういった曲だけでなく、特に晩期に向けてはなかなか渋い曲もあり。
そしてその音楽はそのロマンチックな性格から後期ロマン派とくくられることもありますが、よくよく見ると(聴くと)結構20世紀っぽい性質もたくさん持ち合わせていて。
で、私が前々から思ってたのはどっちかというと「渋い」、表に出ない側のラフマニノフの音楽にはニ短調で書かれてるものが割合的に多くない?ということで・・・
ピアノ協奏曲第3番は割とよく知られているニ短調の曲ですが、自分が知ってて思いつく限り他にはこんなニ短調の曲があります:
ピアノソナタ第1番
交響曲第1番
前奏曲ニ短調(前奏曲は全調ありますが、ニ短調は割と目立たない方)
練習曲音の絵 op.33の番号無しのうちの1つ、op.39-8
ピアノ三重奏曲第2番
前奏曲(遺作)
なかなか聴く頻度の低い曲ばかりで。
これはなんでなんだろう、とかねてから思ってます(自分がこれらの曲を好きから余計に。特に練習曲やピアノソナタ第1番はものすごい好きです)
なぜか、という理由についてはまだまだ結論は出ていません。
ただやっぱりニ短調という調が少しでも関係してそうだな、と思います。
以前ここで書きました24keysvirusにおけるニ短調の性質は「鋼鉄の鉤爪」、「冷酷非情、運命、災害。とてつもなく巨大な力のコントロール」と私は表現しています。
内に激しい思いを秘め、それを力とする調ですが、同時にものすごく冷たく、冷徹を超える、全ての人間的な感情を超えた厳しさがある調。
さらにこの調はショスタコーヴィチが好んで使った(印象がある)調で、プロコフィエフも結構使ってるようにも思えます。
つまり「ロシア」(あるいはソヴィエト)という国の音楽の性質の一面を濃く表している調なのかな、と思います。
ラフマニノフのポピュラーな曲に見られる華やかさ、ロマンチックさは映画音楽に通じるところもかなりあり、ロシアの音楽のクオリティを引き継ぎながらアメリカ、そしてアメリカを通じて世界に受けいれられる音楽であった、とも言えると思います。
ただこの「ニ短調」特有の性質がラフマニノフの音楽と合わさるとそういった華やかさなどを暗い重い雲が覆うように・・・
いわば「ロシアへの回帰」みたいな、西では比較的受け入れがたいような特性を帯びてくるんだと思います。
(でもこれだけ使ってるんだからきっとラフマニノフもニ短調だったりその性質が好きなような気がするんですよね~)
あくまでも仮説ですし、他にもいろいろ関わってる要因はあると思われますが・・・
少なくとも自分がこれらの曲に惹かれる理由としてはものすごく納得がいくような気がします。
今年の冬はロシア音楽重点レパートリーなのでラフマニノフも楽しみです~
今日の一曲: セルゲイ・ラフマニノフ 練習曲「音の絵」 op.39-8
私がラフマニノフの練習曲のなかで特別に思っているものの一つです。
いろんな意味でラフマニノフらしくないんじゃないかなあ。
どっちかというとものすごくフランス風!
ラフマニノフのピアニストとしての超絶技巧などは無いのですが、ギリ練習曲感はありますよ。
(ただショパンやリストと違って「どんな技巧を練習するための曲か」というのはラフマニノフはあんまり特定されないですよね)
この曲を一言で表すと「河」です。断然。
本当に流れていく、水のような音型。ロマンチックだけど派手なところが一つもなく、ものすごくささやかで慎ましく。
聴くにもすっと入って来ますし弾くにも音楽に身を任せると自然と流れていく心地よさが良い。
ハーモニーが面白くて。
普通の三和音(ドミソ、ラドミなど)から長調・短調を区別する真ん中の音を抜いたopen 5thをロシア音楽では多用して独特の冷たさを作り出しますが、そのOpen 5thとロシア音楽ではあまり使われない短7和音(レファラドなど)の7度使いが混ざり合って清涼感、そしてグレートーンの色彩が生まれて。
ロシアっぽいけどフランスっぽい、その正体はきっとこの不思議なハーモニーだと思います。
ちょっと専門的な話をあろうことかふわっと話してしまいましたがこの曲の流れ、そして色彩は本当に大切なものだと思います。
ラフマニノフには、そして音楽にはこんな美しさもあるんだ、ということをこの曲を通じて知って欲しいです。イチオシの一曲です♪
それでも今日は大学の図書館に行ってきました。CDを返さなきゃ行けなかったので・・・
そして代わりにCDと楽譜借りてきました。CDはショスタコの交響曲第8番(ショルティ指揮、シカゴ交響楽団)。
楽譜は:
メシアンの「鳥のカタログ」第5巻(ヒメコウテンシ、ヨーロッパウグイス)
ヴィラ=ロボスのピアノ曲集(ブラジルのバッハ第4番めあてですがかなり面白そうな曲ばかり!)
バルトークの「中国の不思議な役人」(なぜかミニスコア)
クラムの「Vox Balaenae(鯨の声)」
クラムの「Ancient Voices of Children」
です。最後のクラムの楽譜はA3よりも2周りくらい大きい巨大な楽譜。(でももっと大きいのもある!)
リビングの自分のスペースは大分散らかってます。
本題はちょっと前から自分が気になってた疑問についてです。
ロシアの作曲家、ラフマニノフ。(ソヴィエト時代にも生きてるのですが、革命の際にアメリカに亡命してビバリー・ヒルズで亡くなっているので・・・)
ラフマニノフはピアニストとしても間違いなく巨匠ですが、作曲家としても本当に凄い人で。
自分が弾きこなすピアノのための曲はもちろん、室内楽(ピアノ三重奏)、オケ、合唱などどれも高い水準で素晴らしい曲を残しています。
ショパンなどピアノのために良い曲を書いてもオケに関しては苦手・・・など作曲家も得意苦手があるのが普通と言えますが、ラフマニノフはどの分野でもほぼ非の打ち所のないとも言える音楽を書いてます。
そのなかで例えばフィギュアスケートで使われた前奏曲だったり、ピアノ協奏曲第2番など華やかでポピュラーな曲はたくさんあります。
でももちろんそういった曲だけでなく、特に晩期に向けてはなかなか渋い曲もあり。
そしてその音楽はそのロマンチックな性格から後期ロマン派とくくられることもありますが、よくよく見ると(聴くと)結構20世紀っぽい性質もたくさん持ち合わせていて。
で、私が前々から思ってたのはどっちかというと「渋い」、表に出ない側のラフマニノフの音楽にはニ短調で書かれてるものが割合的に多くない?ということで・・・
ピアノ協奏曲第3番は割とよく知られているニ短調の曲ですが、自分が知ってて思いつく限り他にはこんなニ短調の曲があります:
ピアノソナタ第1番
交響曲第1番
前奏曲ニ短調(前奏曲は全調ありますが、ニ短調は割と目立たない方)
練習曲音の絵 op.33の番号無しのうちの1つ、op.39-8
ピアノ三重奏曲第2番
前奏曲(遺作)
なかなか聴く頻度の低い曲ばかりで。
これはなんでなんだろう、とかねてから思ってます(自分がこれらの曲を好きから余計に。特に練習曲やピアノソナタ第1番はものすごい好きです)
なぜか、という理由についてはまだまだ結論は出ていません。
ただやっぱりニ短調という調が少しでも関係してそうだな、と思います。
以前ここで書きました24keysvirusにおけるニ短調の性質は「鋼鉄の鉤爪」、「冷酷非情、運命、災害。とてつもなく巨大な力のコントロール」と私は表現しています。
内に激しい思いを秘め、それを力とする調ですが、同時にものすごく冷たく、冷徹を超える、全ての人間的な感情を超えた厳しさがある調。
さらにこの調はショスタコーヴィチが好んで使った(印象がある)調で、プロコフィエフも結構使ってるようにも思えます。
つまり「ロシア」(あるいはソヴィエト)という国の音楽の性質の一面を濃く表している調なのかな、と思います。
ラフマニノフのポピュラーな曲に見られる華やかさ、ロマンチックさは映画音楽に通じるところもかなりあり、ロシアの音楽のクオリティを引き継ぎながらアメリカ、そしてアメリカを通じて世界に受けいれられる音楽であった、とも言えると思います。
ただこの「ニ短調」特有の性質がラフマニノフの音楽と合わさるとそういった華やかさなどを暗い重い雲が覆うように・・・
いわば「ロシアへの回帰」みたいな、西では比較的受け入れがたいような特性を帯びてくるんだと思います。
(でもこれだけ使ってるんだからきっとラフマニノフもニ短調だったりその性質が好きなような気がするんですよね~)
あくまでも仮説ですし、他にもいろいろ関わってる要因はあると思われますが・・・
少なくとも自分がこれらの曲に惹かれる理由としてはものすごく納得がいくような気がします。
今年の冬はロシア音楽重点レパートリーなのでラフマニノフも楽しみです~
今日の一曲: セルゲイ・ラフマニノフ 練習曲「音の絵」 op.39-8
私がラフマニノフの練習曲のなかで特別に思っているものの一つです。
いろんな意味でラフマニノフらしくないんじゃないかなあ。
どっちかというとものすごくフランス風!
ラフマニノフのピアニストとしての超絶技巧などは無いのですが、ギリ練習曲感はありますよ。
(ただショパンやリストと違って「どんな技巧を練習するための曲か」というのはラフマニノフはあんまり特定されないですよね)
この曲を一言で表すと「河」です。断然。
本当に流れていく、水のような音型。ロマンチックだけど派手なところが一つもなく、ものすごくささやかで慎ましく。
聴くにもすっと入って来ますし弾くにも音楽に身を任せると自然と流れていく心地よさが良い。
ハーモニーが面白くて。
普通の三和音(ドミソ、ラドミなど)から長調・短調を区別する真ん中の音を抜いたopen 5thをロシア音楽では多用して独特の冷たさを作り出しますが、そのOpen 5thとロシア音楽ではあまり使われない短7和音(レファラドなど)の7度使いが混ざり合って清涼感、そしてグレートーンの色彩が生まれて。
ロシアっぽいけどフランスっぽい、その正体はきっとこの不思議なハーモニーだと思います。
ちょっと専門的な話をあろうことかふわっと話してしまいましたがこの曲の流れ、そして色彩は本当に大切なものだと思います。
ラフマニノフには、そして音楽にはこんな美しさもあるんだ、ということをこの曲を通じて知って欲しいです。イチオシの一曲です♪
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