×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
今日はクラムの「Ancient Voices of Children(子供の古の声)」をスコアを読みながら聴いてみました。
A3より大きいスコアです♪(それだけでもわくわくするんですよね)もう何回も聴いてる曲ですが、スコアを見ながらあらためて聴いてみると惚れ惚れしますね!
詳しいことは今日の一曲で・・・
で、クラムの音楽でのロルカの詩の使われ方もまた見事なのをここ数ヶ月で本当に思い知ってきたのですが、それがなんだか「自分だったら歌曲にどんな詩を使うかな」と考え始めて。
ロルカの詩はまだ手元に詩集など手に入れてないのですが、他の詩でいろいろ考えてみました。
今のところ実際に作曲することは考えていません。なんだか無理そうな気がします。
その1:リルケの詩で歌曲集を
リルケはショスタコーヴィチの交響曲第14番で出会った詩人です。
結構短めで共通した雰囲気みたいなものを持つ物が多くて、ドイツテイストがものすごくほっこりするので例えばブラームスの歌曲みたいな感じの、オケ伴奏の歌曲集なんかにしてみたら素敵だなあ、と思います。
(実際いろんなところで使われてそうですが)
使いたいな、と思うのは例えば「私がその中から生まれてきた闇よ」とか、「嘆き」とか「秋」とか「眠りに落ちるときに」とか・・・
結構多いんですよね、なんかやっぱり共通の(目立たない糸的な)テーマでくくるのが面白そうです。7つ、というのがなんだか直感的に良さそうな数。
声のパートはアルト。オケのパートは本当にブラームスが使ってるようなオーソドックスで保守的なロマン派オケで、弦楽器中心で。
あったかみが大切ですね。
その2:アポリネールの「Le Pont Mirabeau」
アポリネールもまたショスタコ14番経由。これに入ってる「ローレライ」「自殺」など以外だと「The House of the Dead」が好きです。
・・・が、この詩は歌曲にするにはちょっと長い。なので有名な「Le Pont Mirabeau」をピアノ伴奏(もしかしたら+α)で、というのが面白そうです。
ピアノの伴奏はもちろん川の流れを表す音型で。ペダルたっぷり。声はテノールかな。
その3:Wildred Owenの「A New Heaven」
Owenの詩は戦争レクイエムで歌詞として使われましたが、使われなくて残念だった!と後に思ったのがこの「A New Heaven」でした。
やっぱりこれは(心残りもあり)イギリス風テノールで歌っていただきたい。そして伴奏はハープと、弦楽四重奏+少数の木管+ホルン1・・・みたいなアンサンブルで。ハープとホルンは絶対だなあ。「戦争レクイエム」の小さい方のオケの編成に影響受けまくってるのは明らかですが。
その4:Paul Celan「Death Fugue」
高校時代に「Night」を授業でやってるとき英語の先生が紹介してくれた詩。
独特の繰り返しだったり、棘だったり、題材のホロコースト繋がりと言い、良い音楽に乗せれば恐怖の部分がかなり増幅されるのではと思います。
私が思い描いているのはバリトンによる歌曲。ショスタコやユダヤ音楽のスタイル路線で伴奏にピアノ、バイオリンとクラリネット。(死、ユダヤ風といった性質をより際立たせるため!)
半分無調、というか十二音技法を取り入れた感じ(これも後期ショスタコーヴィチの特徴・・・影響されすぎ?)。
その5:William Dunber「Lament for the makers」
先ほどアポリネールの「House of the Dead」は歌曲には長すぎる、と書きましたがもっと長いこの詩はむしろちょっとTheatre形式を取り入れて(程度としてはクラムの「Lux Aeterna」+αかな?)、人間(テノール)と死神(バリトン)の二人による割とstaticな歌+舞台・・・を想定。
小道具とか一切無しで照明もミニマムで。ミニマム舞台。
伴奏はバイオリン+ビオラ+チェロ+コントラバスそれぞれ1台ずつとか。もちょっと増やしても良いかな。中世のハーモニーやスタイルも取り入れながらクラムみたいな特殊奏法もあったり。
実現できたらいいのになあ~と思いながら具体的なことは浮かばないのが私の音楽妄想。
他にもオーストラリア版鳥のカタログとか(これはあるていどまとまったらサイトの方に展示したいです)、そういうのも考えたり。
尊敬している作曲家に対してオマージュ、だったらやっぱり曲を書きたいな、と思うのですが。
今は妄想+プランで、でもちゃんと書き留めて保管しておきます。
今日の一曲: ジョージ・クラム 「Ancient Voices of Children」より「Se ha llenado de luces mi corazon de seda」
(徐々にクラムの音楽のストックを崩してます・・・)
Ancient Voices of Childrenの最終楽章。今日改めて聴いてみて鷲づかみにされてしまいました。
この曲全体がどこか遠い、今はないし知りようがない古の地に不思議な望郷の念を心に湧き起こして・・・
果てしなく広がる空と裸足の足裏で踏みしめる乾いた大地をリアルに感じる曲です。
編成はピアノ(増幅あり、そして+トイピアノ)、マンドリン、ハープ、オーボエ、打楽器3人(かなりの種類)、ソプラノ歌手、そしてボーイソプラノ歌手。
どの楽器も特殊でハイレベルな技巧を必要とするのですがソプラノ歌手のパートが全曲通して目立って凄い!声でできることを全部使い尽くして大変豊かで広く、深い表現をする・・・という技巧的にも音楽的にもソプラノパートとしては最難関、同時にある意味最高峰の音楽ではないかと思います。
あとはオーボエもかっこいいです。クラシックに洗練されるまえのワイルドで力強く原石のような魅力を持つ音です♪
この「Se ha llenado~」はAncient Voicesの最終楽章。
歌詞になっているロルカの詩にもでてくる「鐘」の音が特徴的です(西洋のオケで使われる筒状のベルと、東洋の・・・というか日本の釣り鐘(小さめ)が同時に使われているのが興味深いですね)。
そして舞台にいたオーボエ奏者が舞台裏に歩いて去り、その後またさらに遠ざかるという不思議な現象もみられます(以前にいましたがオーボエは音量に下限がありまして、消え入るような効果は難しいのです)。
この楽章は先ほど書きましたような古の地の日没を思わせます。
ものすごく色彩がはっきりしてて、あのオレンジ、赤、紫、そして東の空の青・・・そして太陽が強く輝き、広がる地平線の向こうに沈んでいき・・・そして静かな中に闇が訪れ星が輝く、そんなイメージを今日抱きました。
この曲全体を通して「地」、そしておそらく「火」が次に強いと思われるこの曲。
そしてこの楽章では風がぴたっと止まってしまったようで。クラムってそうやって動きと静止を操って空間・時間を創り上げるのが上手すぎる・・・
メルボルンの本来の夏だったら夕方に聴くとぴったりだったんだけどなあ。でもそれでなくてもビビッドなイメージを心に直接届けてくれる曲です。
(録音はクラムの絶大を得、この曲を始めたくさんのクラムの音楽の初演を手がけたJan DeGaetaniがソプラノパートを歌っている演奏をぜひ!彼女はこの道、そして声での表現のマスターです。)
PR
A3より大きいスコアです♪(それだけでもわくわくするんですよね)もう何回も聴いてる曲ですが、スコアを見ながらあらためて聴いてみると惚れ惚れしますね!
詳しいことは今日の一曲で・・・
で、クラムの音楽でのロルカの詩の使われ方もまた見事なのをここ数ヶ月で本当に思い知ってきたのですが、それがなんだか「自分だったら歌曲にどんな詩を使うかな」と考え始めて。
ロルカの詩はまだ手元に詩集など手に入れてないのですが、他の詩でいろいろ考えてみました。
今のところ実際に作曲することは考えていません。なんだか無理そうな気がします。
その1:リルケの詩で歌曲集を
リルケはショスタコーヴィチの交響曲第14番で出会った詩人です。
結構短めで共通した雰囲気みたいなものを持つ物が多くて、ドイツテイストがものすごくほっこりするので例えばブラームスの歌曲みたいな感じの、オケ伴奏の歌曲集なんかにしてみたら素敵だなあ、と思います。
(実際いろんなところで使われてそうですが)
使いたいな、と思うのは例えば「私がその中から生まれてきた闇よ」とか、「嘆き」とか「秋」とか「眠りに落ちるときに」とか・・・
結構多いんですよね、なんかやっぱり共通の(目立たない糸的な)テーマでくくるのが面白そうです。7つ、というのがなんだか直感的に良さそうな数。
声のパートはアルト。オケのパートは本当にブラームスが使ってるようなオーソドックスで保守的なロマン派オケで、弦楽器中心で。
あったかみが大切ですね。
その2:アポリネールの「Le Pont Mirabeau」
アポリネールもまたショスタコ14番経由。これに入ってる「ローレライ」「自殺」など以外だと「The House of the Dead」が好きです。
・・・が、この詩は歌曲にするにはちょっと長い。なので有名な「Le Pont Mirabeau」をピアノ伴奏(もしかしたら+α)で、というのが面白そうです。
ピアノの伴奏はもちろん川の流れを表す音型で。ペダルたっぷり。声はテノールかな。
その3:Wildred Owenの「A New Heaven」
Owenの詩は戦争レクイエムで歌詞として使われましたが、使われなくて残念だった!と後に思ったのがこの「A New Heaven」でした。
やっぱりこれは(心残りもあり)イギリス風テノールで歌っていただきたい。そして伴奏はハープと、弦楽四重奏+少数の木管+ホルン1・・・みたいなアンサンブルで。ハープとホルンは絶対だなあ。「戦争レクイエム」の小さい方のオケの編成に影響受けまくってるのは明らかですが。
その4:Paul Celan「Death Fugue」
高校時代に「Night」を授業でやってるとき英語の先生が紹介してくれた詩。
独特の繰り返しだったり、棘だったり、題材のホロコースト繋がりと言い、良い音楽に乗せれば恐怖の部分がかなり増幅されるのではと思います。
私が思い描いているのはバリトンによる歌曲。ショスタコやユダヤ音楽のスタイル路線で伴奏にピアノ、バイオリンとクラリネット。(死、ユダヤ風といった性質をより際立たせるため!)
半分無調、というか十二音技法を取り入れた感じ(これも後期ショスタコーヴィチの特徴・・・影響されすぎ?)。
その5:William Dunber「Lament for the makers」
先ほどアポリネールの「House of the Dead」は歌曲には長すぎる、と書きましたがもっと長いこの詩はむしろちょっとTheatre形式を取り入れて(程度としてはクラムの「Lux Aeterna」+αかな?)、人間(テノール)と死神(バリトン)の二人による割とstaticな歌+舞台・・・を想定。
小道具とか一切無しで照明もミニマムで。ミニマム舞台。
伴奏はバイオリン+ビオラ+チェロ+コントラバスそれぞれ1台ずつとか。もちょっと増やしても良いかな。中世のハーモニーやスタイルも取り入れながらクラムみたいな特殊奏法もあったり。
実現できたらいいのになあ~と思いながら具体的なことは浮かばないのが私の音楽妄想。
他にもオーストラリア版鳥のカタログとか(これはあるていどまとまったらサイトの方に展示したいです)、そういうのも考えたり。
尊敬している作曲家に対してオマージュ、だったらやっぱり曲を書きたいな、と思うのですが。
今は妄想+プランで、でもちゃんと書き留めて保管しておきます。
今日の一曲: ジョージ・クラム 「Ancient Voices of Children」より「Se ha llenado de luces mi corazon de seda」
(徐々にクラムの音楽のストックを崩してます・・・)
Ancient Voices of Childrenの最終楽章。今日改めて聴いてみて鷲づかみにされてしまいました。
この曲全体がどこか遠い、今はないし知りようがない古の地に不思議な望郷の念を心に湧き起こして・・・
果てしなく広がる空と裸足の足裏で踏みしめる乾いた大地をリアルに感じる曲です。
編成はピアノ(増幅あり、そして+トイピアノ)、マンドリン、ハープ、オーボエ、打楽器3人(かなりの種類)、ソプラノ歌手、そしてボーイソプラノ歌手。
どの楽器も特殊でハイレベルな技巧を必要とするのですがソプラノ歌手のパートが全曲通して目立って凄い!声でできることを全部使い尽くして大変豊かで広く、深い表現をする・・・という技巧的にも音楽的にもソプラノパートとしては最難関、同時にある意味最高峰の音楽ではないかと思います。
あとはオーボエもかっこいいです。クラシックに洗練されるまえのワイルドで力強く原石のような魅力を持つ音です♪
この「Se ha llenado~」はAncient Voicesの最終楽章。
歌詞になっているロルカの詩にもでてくる「鐘」の音が特徴的です(西洋のオケで使われる筒状のベルと、東洋の・・・というか日本の釣り鐘(小さめ)が同時に使われているのが興味深いですね)。
そして舞台にいたオーボエ奏者が舞台裏に歩いて去り、その後またさらに遠ざかるという不思議な現象もみられます(以前にいましたがオーボエは音量に下限がありまして、消え入るような効果は難しいのです)。
この楽章は先ほど書きましたような古の地の日没を思わせます。
ものすごく色彩がはっきりしてて、あのオレンジ、赤、紫、そして東の空の青・・・そして太陽が強く輝き、広がる地平線の向こうに沈んでいき・・・そして静かな中に闇が訪れ星が輝く、そんなイメージを今日抱きました。
この曲全体を通して「地」、そしておそらく「火」が次に強いと思われるこの曲。
そしてこの楽章では風がぴたっと止まってしまったようで。クラムってそうやって動きと静止を操って空間・時間を創り上げるのが上手すぎる・・・
メルボルンの本来の夏だったら夕方に聴くとぴったりだったんだけどなあ。でもそれでなくてもビビッドなイメージを心に直接届けてくれる曲です。
(録音はクラムの絶大を得、この曲を始めたくさんのクラムの音楽の初演を手がけたJan DeGaetaniがソプラノパートを歌っている演奏をぜひ!彼女はこの道、そして声での表現のマスターです。)