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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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音楽と奏者の人間模様?
音楽家誰にでも得意や不得意、好きな作曲家や嫌いな作曲家・・・特別な関係を持つ音楽があるみたいです。
それに出会えるかは弾いたり聴いたり人間的に変わっていったりしていくなかでの時の運もあり・・・
大学時代のバイオリン弾きの先輩でバルトークの名手だった人がいました。ものすごく激しいエネルギーと計算された緻密さを併せ持つバルトークの音楽を自分のものとしていることが今でもうらやましく思えます。

メシアンはある意味音楽が奏者を選ぶみたいなところはあるみたいで・・・
メシアンは駄目な人(私も昔はこのカテゴリー)、聴くのは好きだけど弾こうとは思わない人・・・そんな人が多い中メシアンを選んで弾く人はたいていメシアンを十八番としている人。

私にとってメシアンの音楽は大学でやっとめぐり合った運命の人。こんなに音楽と合うもんだと、理屈での納得もさながらもっと直感的な一致をこれほど感じたことはありませんでした。
他の誰の音楽を習得するよりもメシアンは習得の脳にもぴったりマッチしているのかピアノをそれほど頻繁に弾かなくなった今でも習得の速さは(現代音楽であるということ、そこそこ複雑な音楽であるということを考えると不思議なほど)格段に早いです。

メシアンの音楽が私の恋人ならショスタコーヴィチの音楽は私にとって幼馴染の大親友です。
本当に記憶にあるずっと前からずっと聴いてきて、早い時期の記憶にも残っていて・・・音楽を本格的にやろうと思ったきっかけでもあり、あまり弾くことは比較的少ない作曲家ながらも楽しいとき、辛いとき、一緒にずっと歩んできたような気がします。
弾くのはちょっと勝手が違ってあんまり得意ではないんですが・・・曲想などはものすごく自分に近く親しく感じます。

大学で出会ったクラムの音楽は悪友でしょうか。やりたいことが不思議と一致して、弾くときは何よりも楽しく、ちょっといけないことしてるなあという感じとこのフリーダムが本当にすがすがしくて。音楽にとらわれることも、音楽が私を縛ることもなく思いついたらそれやってみよう!みたいなノリで。
いろんなことを実験したり、探検してみたり、自分が音楽のルールや規則から外れて自分個人でいられる存在でした。

そして今でも付き合いのある学生時代のよき友人がブラームスやラフマニノフの音楽。
たまに弾くと昔のように親しく楽しく、決して忘れちゃいけないサポートです。(実際今付き合いのある友達は小中高校時代の友達ばっかりですしね)
いつだって会ってくれて、そしていつだって普段の生活で忘れがちな何かを補充してくれます。

ストラヴィンスキーやバルトーク、マーラーの音楽はむしろ家族に近いかもしれません。
偉大で大切で自分とずっと一緒にいて・・・気心が知れているようだけれど本当は知らないこともいっぱいある、みたいな。

なんでしょうね、音楽ってものすごく自分に近くて親しくて・・・ただの音楽、じゃないんですよ。上記のようになんか人にも似た「存在」みたいな存在でもあるんです。自分の一部でもあり、まったく別の何かでもあり・・・
こんな感じで一生音楽と付き合っていければ、と願っています。


今日の一曲: ベラ・バルトーク 「舞踏組曲」
(失礼しました、現地語だとバルトーク・ベーラですね)


これもまた昔から覚えてる曲です。インパクトはとにかく強い。
今日ちょうどルーマニアの音楽(エネスクなど)とハンガリー音楽の違いから文化の違いを理解する試みをやっていたんですが・・・もともと歴史もスタンスも違う2国、隣とはいえいろいろ違うんですね。
ルーマニアはどっちかというとメロディー重視、ハンガリーはリズムが強烈(なのでどちらかというと粗暴なイメージもあります)。

この曲もハンガリーを代表する作曲家、そして何よりもリズムがすごいバルトークの「舞踏」曲とあってその独特で強烈なリズムが目立ちます。
けれどこの曲の中にはルーマニアやアラブの音楽もうまく引用されていてその両者のエキゾチックな雰囲気も魅力的です。

ものすごく勢いがあって、リズムや楽器使いで盛り上げるのがうまくて。特に第2曲のトロンボーンのスライドは幼児時代の私の脳裏にも鮮やかに焼きついたほどです。

そしてこういう曲を聴いていると余談になりますがハンガリーの元の騎馬民族・フン族はやっぱりボロディンが音楽で描く騎馬民族「韃靼人」とつながっていて、やっぱり匈奴につながっているんじゃないかなーと思います。

第3曲を聴く際はその東ヨーロッパから西アジアつながる平原やアラビアの砂漠を駆けまわる騎馬民族に思いを馳せてみてはいかがですか?


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