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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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ユースオケについて。
前回のエントリーに拍手ありがとうございます♪
最近メンタルヘルス関係なんだか減ってて(読んでる方は分からないのですが)書く方としてはちょっと寂しいんですよね・・・
そして楽器と性格チェロ編もそろそろかなー・・・と思ってるのですがちょっとまだ踏み切れず。

で、今日は色々「なんだか数ステップすっとばしてね?」と思ったことについて。
いろいろトゥーランガリラ弾いてる間ずっとユースオケでの活動についてつぶやいたりブログに書いたりしてきましたがそもそもメルボルンにおいてのユースオケの活動、位置づけ、そして私のユースオケとの繋がりの歴史だったり、そういうことをまったく紹介せずいろいろ話を進めてしまったな・・・と気づいたので今回改めて書きたいな、と思います。

そもそも私の言うところのユースオケ、つまりメルボルン・ユース・オーケストラ(Melbourne Youth Orchestra、略称MYO)はMelbourne Youth Music(略称MYM)という団体の主催するアンサンブルの一つです。
Melbourne Youth Musicのホームページ(今後のコンサート予定などあります)はこちら、そしてFacebook(こないだのコンサートの写真あり)はこちら

MYMはメルボルン(都市部に限らず?)の子供~若い人(年齢としては8歳くらい~25歳くらい)のために
弦楽アンサンブルだったり、吹奏楽、オーケストラ、ビッグバンドなど様々な種類・レベルのアンサンブルプログラムを提供しています。
これらのプログラムは学校の1年と同じシーズンに渡って行われていて(毎週土曜日の朝or午後にリハーサル、学校が休みだとリハーサルも休み)、その間にいくつかコンサートを行います。
さらに夏期アンサンブルプログラムもやってて、1日リハーサル(日帰り)を2週間?行ったあとコンサートで演奏する、というもので。
大抵学校の紹介などでこのサマーキャンプに参加して、楽しかったらレギュラープログラムに入る、という流れでしょうか(私はそうだったのです)。
入れるアンサンブルに関しては年齢の他に音楽の試験AMEBのグレードで目安が決められてて、上の方のアンサンブルだと毎年の始めにオーディションを受けることが必要になります。

私は学校のオケで弾いてたのがきっかけでサマーキャンプを紹介され・・・1999年のサマーキャンプに初めてチェロで参加して、2000年のサマーキャンプでトップのオケで弾いたのがきっかけで(ショスタコ11番の第2楽章、それからオーストラリアの曲を弾きました)レギュラープログラムにオーディションすることに決めました。
2000年はPercy Grainger Youth Orchestraという2軍のオケで弾いてて、2001年からはトップのMYOに入りました。
一応2004年ごろ?チェロではもうおしまい、ということにしたのですが(年の終わりに次の年続けるかどうか意思表明しなきゃいけないので)・・・2003年頃からピアノ・チェレスタパートもあるときは弾かせてもらってたのでチェロで脱退した後もそれらのパートがあるときはちょこちょこ呼ばれています。正確に言うと大学卒業後のブランクがあって、そしてやっとトゥーランガリラで復帰した・・・という経緯です。

MYOはメルボルンから有望な若い音楽家達(15~25歳くらい)が集まるただ一つのトップ学生オケなため、コンクールなどはやらず・・・というかもともとコンクール的なものはないですね(バンドだとフェスティバルとかコンクールとか全国規模ででてるのかな?私は入ったことないので分からないんですが)。
ライバルが居るとすればそれは大学のオケであり、プロのオケ・・・と私は勝手に思ってます。
(メンバーは多少かぶりますが)
大抵年に4回コンサートをやって。たまにVIC州の田舎の方や別の州に演奏旅行にいったりもします。2001年にはタスマニアに演奏旅行に行きました。あのときはオーストラリアの各州の首都からユースオケが集まるイベントもありました。

トゥーランガリラの時も書きましたがMYOというのはかなりレベルの高いオケです。
毎年メンバーがある程度は替わりますので少しレベルに変動はありますし、数年毎にどのセクションが強いか、というのは変わりますが良い演奏をするのには変わりありません。
特に管楽器奏者とか、そして弦楽器の前の方の奏者とかわりと学校のオケで腕を持てあましている?ようなメンバーがもっと良い・難しい曲を弾きたい、もっといい奏者と弾きたいという意図で集まるところですので・・・
ユースオケで一緒だった面々、というのは大学で音楽の道に一緒に進むor再会する人が本当に多いです。
つまりはもう10代後半から音楽をやりたい、と決めている人のためのオーケストラ、ともとれますね。

弾くレパートリーも本格的です。
ライトミュージックのコンサートを除いてはプロオケにひけをとらないようながっつり難しい、かつ本当に偉大な音楽を弾かせてもらえます。
私がユースオケに居る間弾いた曲のうち主要なものを一部:
ストラヴィンスキー「火の鳥」「ペトルーシュカ」「春の祭典」、マーラー交響曲第1,5番、バルトーク「管弦楽のための協奏曲」、ピアノ協奏曲第2番、ラフマニノフ交響曲第2,3番、ピアノ協奏曲第2,3番、ホルスト「惑星」、ベルリオーズ「幻想交響曲」、ドビュッシー「海」、ブラームス「ドイツ・レクイエム」、オルフ「カルミナ・ブラーナ」、プロコフィエフ「ロミオとジュリエット」、「キージェ中尉」、チャイコフスキー交響曲第5番、「白鳥の湖」、「くるみ割り人形」、レスピーギ「ローマの松」、ショスタコーヴィチ交響曲第5,9番、メシアン「トゥーランガリラ交響曲」・・・などなど。まだまだあります。
(実は私のユースオケでのチェロ弾き生活はストラヴィンスキーの「火の鳥」に始まり「春の祭典」に終わってます)

トゥーランガリラの時みたいに一見この集団には(演奏経験などを考慮して)難しい!と思われる、様々な楽器に様々な試練を与えるようなガチの曲をいつも弾くわけです。
それは若い人達に(これから音楽を続けてもそうでなくとも)本当に良い音楽と触れあい、それを良い奏者と弾き、そしてその壁に立ち向かう機会を与えてくれます。
こないだメル響のコンサートでユースオケ以来のチェロ友達が演奏してたのであとでちょっと挨拶したのですが、彼も「ユースオケでバルトークをやってよかった、ちゃんとあれ以来覚えてて今回本当に楽だった」と話していました。

ユースオケは若い音楽家がプロの道へ巣立っていく助けをする場所でもありますが、同時に今ユースオケの裏方・事務は私の先輩・友達の世代によって支えられています。(指揮してる友達もいます)必ずしも演奏ではなくとも音楽作りに関わり続けることができるような場所を作ってくれてもいるのです。

ちなみにAustralian Youth Orchestraというのもあります。
これはオーストラリア中のトップの若い奏者達が集まって数週間ワークショップやリハーサル、コンサートをやるというものです。(演奏以外にも音楽事務のプロジェクトなどもあるみたいです)
私は2度ピアノでオーディションしましたが受からず。(オケピアノの世界も全国規模だと競争ありますね!)
でもオーストラリア中の有望な若い音楽家達といっぱい交流する素晴らしい機会だと聴いていますし、メルボルンの国立アカデミーに進学した場合はそこで再会、ということもあるようで。

オーストラリアは(もちろんこれだけではありませんが)本当に音楽家を育てる温床が素晴らしいと思います。


今日の一曲: イーゴリ・ストラヴィンスキー 「火の鳥」組曲版より「終曲」



先ほど書きましたが、私がユースオケ(MYO)に入って最初のコンサートでやった「火の鳥」。
小さい頃から両親が好きな曲なので弾けて本当に嬉しかったです!
木管金管に比べれば全然かもしれませんが、チェロのパートもなかなか難しいんですよ。

こないだカバレフスキーの前奏曲でこのフィナーレのメロディー(最初のホルンのソロ)が引用されている、でももしかしたら引用と言うよりはどっちも同じロシア民謡を引用している、ということかもしれない、という話をしました。
このメロディーがロシア民謡かどうか実際のところは知らないのですがこれにしろペトルーシュカにしろロシアの様々な作品に使われている「ロシアのメロディー」というのには共通点があります。
ロシアのメロディーって素朴で、割と音5~6つしか使わない、ちょっと回るようなメロディーなんですよね。
この「火の鳥」のフィナーレのメロディーも正にそれで(ピアノで試してみると片手で弾けますよ~)

火の鳥とイワン王子が魔王カッチェイを倒し、石だった兵士達も人間にもどり姫君達も解放され・・・
そして朝が訪れる、そういう場面です。
この曲は本当に希望に満ちています。ちょっと映画音楽っぽいところや繰り返しが多いところもありながら独特の色彩で世界を満たし。
でもどこかこう、派手だけど落ち着いたところがある、オープンで心が本当に満たされるエンディングです。
自分が被災支援コンサートをオケでやるならこの曲で絶対しめたい!と思う曲でもあります。

昨日も「夜明け」の曲でしたが、夜明けだったり黄昏だったり、色彩と光どちらも時と共に変わっていくのを「視覚を使わず」表現する音楽、そして作曲家の表現ってすごいな、と思います。


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